『風の谷のナウシカ』人造生命体ヒドラやナムリスの正体を深掘り!庭の主からシュワの墓所の管理人まで紹介
宮崎駿による漫画『風の谷のナウシカ』の後半から登場する、物語のカギを握るキャラクター「ヒドラ」。 その秘密を知る人物「ナムリス」や「シュワの墓所」「庭」について、ヒドラとともに詳しく解説していきます。
【基本概要】『風の谷のナウシカ』人造生命体ヒドラの正体とは?
「ヒドラ」とは、旧世界の技術によって造られた人工生命体・人造人間であり、その技術自体のことも指しています。元々は旧世界の文化遺産を保存するための「庭」を保全する労働力として製造されていたようです。 ナウシカが訪れる200年前、土鬼(ドルク)の初代「神聖皇帝」が庭に迷い込んだ時に数体のヒドラを外へ連れ出しています。彼はそのヒドラたちを使い、当時の土鬼族の支配者だった土王「クルバルカ」一族を滅ぼし、新たに「土鬼諸侯国連合」の初代皇帝となっていました。 ヒドラには量産型、庭の主、墓所の主の3種類が存在しています。
【種類】ナムリスが大量に作った量産型
土鬼諸侯国連合の皇兄であるナムリスは、父の初代皇帝が持ち帰ったヒドラを大量生産していました。ナムリスが戦闘用に飼いならしているヒドラたちは、外見は大きなサボテンのような形状で人型、一つ目の模様のある頭巾の下には三つの目のようなものがあり、怪力で人間を簡単に圧殺します。 知能はあまりないようで、元々が庭の保全のために造られたものであり、農作業や単純な戦闘といった行為はできますが、言葉を発したり複雑な作業はできないようです。 初代皇帝はヒドラやその技術を封印していましたが、ナムリスが「シュワの墓所」の中に幽閉されている100年もの間に密かに量産。実権を握っていた皇弟ミラルバが失策したのを見て、ヒドラとともに表舞台に現れました。
【種類】庭の主の正体・能力は?
【正体】庭の主はヒドラの上位種
「庭」はシュワの墓所付近に点在する場所で、上空から見つけることはできません。その「庭の主」は訪れたナウシカを癒しますが、実は庭の主もヒドラの一種でした。特定の名はなく、庭の主と呼ばれています。 庭の主は1000年前に旧世界の人類が生み出した不死生物「ヒドラ」の上位種であり、庭に保存されている旧世界の文化遺産を守ることが任務です。 ナウシカはここで、腐海による世界の浄化が終わると、毒がなければ生きられないよう改造された現生人類が滅び、清浄な世界で生きるため造られた「新人類」が誕生することを知ります。
【能力】庭の主は自在に姿を変えられる?
庭の主は外見は人間と変わらず、念話はもちろんあらゆる言語で意思疎通が可能。また、人の心の中にあるイメージを自身の容姿に反映することができます。ナウシカは母のことを探られ、母のイメージを外見に反映させられて取り込まれそうになりました。 さらに相手の心の隙に付け込んで、「精神的に束縛して庭に引き留める」という性質を持っているようです。庭ではすべてが美しく癒ししか存在しませんが、ナウシカは庭の主を「残酷だが優しい」と評して自分の意志で庭を去って行きました。
【ナウシカとの関係】真実を伝える庭の主
庭の主によると「庭を訪れた者は基本的には出られない」ようですが、200年前に訪れた少年が「人類を救いたい」と書き置きしてヒドラを連れて庭を去ったことが語られています。その少年が後の土鬼諸侯国連合の初代神聖皇帝となりました。 どうやら、庭の主の意識が弱まった隙を突けば、庭から脱出することができるようです。庭の主は自身の束縛を退けたナウシカに、現生人類が清浄な世界では生きられない、滅びるべくして造られた人工的な存在であることを伝えました。 自分たち現生人類の真実を知ったナウシカは、すべてを終わらせるために「シュワの墓所」へ向かいます。庭の主はナウシカの意志を尊重し、引き留めずに見送りました。
【種類】新人類の卵を保管?シュワの墓所の主
【正体】世界の浄化・再生計画のための生体コンピューター
ヒドラのもう1つの種類が、「シュワの墓所の主」です。その姿は黒く大きな墓所ではあるものの、実は生物のように動くヒドラ型の人工生命体であり、生体コンピューターでした。 「火の七日間」に絶望した旧人類の研究者一派により世界の浄化・再生計画が進められ、その計画を司る主としてこの「シュワの墓所の主」が造られたのです。核となる部分はまるでうごめく脳か心臓のような球体で、ナウシカとトルメキアのヴ王を前にその計画の真意を明らかにしました。 これまでもずっと旧世界後の人類に技術提供という形で干渉してきており、墓所の主を神を仰ぐ教団を通じて新しい王を決め、その力を与えてきました。そうして人類の発展を調整してきたのです。
【能力】シュワの墓所そのものが肉体?
巨神兵オーマがシュワの墓所をビームで中央から焼き切りますが、真っ二つになったその隙間がうごめき出し、自ら閉じていこうとします。つまり、シュワの墓所そのものがヒドラの肉体であり、自ら傷を治癒することができるのです。 人間の武器などでは到底傷も付けられない外殻の強度とその自己回復能力は驚くべきもので、さらに光線による攻撃能力も備えています。オーマは墓所と対決し、ボロボロになって墓所の底へ落ちていきました。また、人間の心に干渉するといった、庭の主と同じような精神的攻撃も可能です。
【ナウシカとの関係】対話後オーマに破壊される
ナウシカとヴ王の前に「墓所の主」が姿を現しますが、それは生体コンピューターが映し出した映像であり、ナウシカは「あなた達はただの影だ」と言って彼らを突っ切ります。 ナウシカは「私達の身体が人工で作り変えられていても私達の生命は私達のものだ」と墓所の主の浄化再生計画を真っ向から拒絶。そして「私達はお前を必要としない」と言い切りますが、主は「この墓所は新しい世界への希望」だと語りました。 つまり清い「新人類」こそが新世界の希望なのだと。しかしナウシカは「清濁併せ吞んで生きる」ことこそが人間だと説き、「いのちは闇の中のまたたく光だ」と強く言い放ちました。そしてナウシカに呼び寄せられたオーマが光を放って新人類の卵を焼き、最後の力で主の核の肉体を握りつぶしたのです。
【関係】庭の主と墓所の主は互いに干渉しない
庭の主と墓所の主は、旧人類の研究者たちに同じ浄化再生計画のもとで造られたと考えられます。しかし、なぜかお互いに干渉する様子もなく、情報のやり取りもないようでした。 墓所の主が自身を「世界を救う存在」として神のように尊大な態度を見せる一方で、庭の主は「人間はこの庭にあるもの以外に価値あるものを残せなかった」と語っており、その価値観はかなり違います。 庭の主はあくまでも守り人として庭を守っているだけのようですが、墓所の主は計画の遂行を任された自負があるのか、同じヒドラでも両者の認識は大きく異なっていました。
【特徴】ヒドラの生命力がすごい!不老の生命体
人型のヒドラは頭部に弱点があり、ナムリスが使役する量産型ヒドラは頭巾の下にさらにプロテクターをして頭部を守っていました。 ヒドラは不死であるため、その弱点を破壊されない限りは、身体にどんな損傷を受けても死ぬことはありません。たとえ頭だけになっても、頭さえ破壊されなければ生きているのです。 またヒドラは不老でもあり、どれだけの時が経とうとも、その身体が劣化していくこともないようです。
【特徴】ナムリスはヒドラ人間?ヒドラの技術は生体に応用可能
実はヒドラの技術は生体への転用も可能であり、作中ではナムリスや墓所の教団博士たちが「ヒドラ人間」になっていました。人間に対してヒドラ手術を行うことで、ヒドラと同じような不老の身体と高い生命力を得ることができるようです。 しかしその技術は不完全であるため、ナムリスは登場した初期は若々しい姿でしたが、後半になるとミラルバのように沐浴したり、カプセルを常時服用していました。顔にも皺ができ始め、墓所の外に長時間いると老化が進むと思われる描写があります。 墓所の博士たちはみなヒドラ人間のようで、首だけで生きている者たちも。ナムリスも最終的には首だけになり、最後は巨神兵の光を浴びて落ちていきました。
『風の谷のナウシカ』ヒドラは、庭の主・シュワの墓所の主・量産型がいる
漫画『風の谷のナウシカ』は映画版とはまったく違う展開を見せる、より深淵で重厚な作品です。ヒドラは本作の重要なカギであり、この記事で気になった人はぜひ漫画全7巻を読破してみることをお勧めします!



