2023年6月23日更新

『風の谷のナウシカ』クシャナ殿下の人気が高いのはなぜ?名前の由来や名セリフの背景を深堀り

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『風の谷のナウシカ』クシャナ

ジブリ不朽の名作『風の谷のナウシカ』に登場するクシャナ。悪役であるにも関わらず、高い人気を誇る彼女は、様々な魅力のあるキャラクターです。 この記事では、そんなクシャナの魅力を深掘り!原作との違いや、名言、名シーン、声優などを紹介します。

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『風の谷のナウシカ』クシャナのプロフィール

『風の谷のナウシカ』クシャナ
名前 クシャナ
年齢 25歳
所属 トルメキア王国
由来 クシャーナ王朝 , ナウシカ(NAUSICAA)のアナグラム
声優 榊原良子

トルメキア王国の将軍で皇女でもあるクシャナ。彼女は巨神兵を使って腐海の木々や蟲たちを焼き払い、人間が腐海に怯えることのない世界を目指していました。 原作では、ほかの王位継承者たちから毒を盛られることなども多々あったというエピソードが描かれており、幼い頃から命の危険に晒されてきたようです。 そうした過去もあってか、頭の回転が早く優れた剣の腕を持ち、指揮能力にも長けています。

クシャナの活躍を
シネマコミックでおさらい

クシャナの性格 「殿下」と慕われている理由は?

冷酷で思いやりがないように見えるクシャナですが、実は彼女は「人間が蟲に怯えることのない世界を作りたい」と平和を願う心を持っています。それを実現するためには手段を選ばないという点では冷徹とも言えますが、熱い思いを抱えているのです。 トルメキア兵たちから敬意を込めて、「クシャナ殿下」と呼ばれる彼女。美しい顔立ちに加えカリスマ性もあるため、部下から厚い信頼を寄せられていました。 原作では過酷な生い立ちもあり、より部下に慕われる殿下としての一面が強調されています。 >原作漫画と映画での人物像の違い

実はファンが多い!
クシャナの魅力をおさらい

クシャナの名前の由来

風の谷のナウシカ
©︎ ciatr

「殿下」と親しまれるクシャナの名前の由来には、2つの有力説があります。 1つ目の説は、現実に実在した北インドのクシャーナ王朝。クシャーナ王朝はユーラシア大陸の多くの地域を支配し、1世紀から3世紀頃まで勢力を持ち続けました。支配下においた各国の文化を広く受け入れ、融合して繁栄させたイランの王朝です。 もう1つは、「ナウシカ=NAUSICAA」の綴りを入れ替え、「CUSIANAA」としたアナグラム説です。 ナウシカをローマ字にした際の表記は「NAUSHIKA」。クシャナを同じようにローマ字にした際は、「KUSHANA」という表記になります。そのためファンからは、“I=愛”があるのがナウシカで、“I=愛”がないのがクシャナともいわれているようです。

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「おぞましきものを見るだろう」の意味

原作にはないオリジナル要素として、映画のクシャナは左腕が義手になっています。風の谷の人びとを前に、自分の左腕は蟲たちの攻撃によって失われ、義手であると明かしました。 設定が変更された理由は色々と考察されていますが、確かなことは不明のままです。恐らくは左腕以外にも、蟲に襲われた時やその他の戦いで付いた傷があるのではないでしょうか。夫は体の至るところに存在する傷を見ることになる、と言っているのかもしれません。 台詞の意図としては、生半可な覚悟では自分と結婚できない、と伝えたいのでしょう。血塗られた継承権争いを演じてきた一族に加わることになる、という意味でもあるかもしれませんね。

陰惨な王位継承争いを

クシャナの最後は原作漫画と映画でどう違う?

原作漫画ではもう一人の主人公として描かれている

原作でのクシャナは、人間味のある女性として描かれています。冷静沈着で肝の座ったクシャナは、気骨のある軍人らしい性格。王としての資質も充分に兼ね備えています。物語がすすむにつれて、有益であればナウシカの意見も採用するなど、為政者として高い能力を発揮しています。 一方でクロトワをはじめ部下を思いやったり、なんとナウシカの無事を気にする場面も! のちに「トルメキア中興の祖」と評価されるようになりますが、生涯王座には就かず、彼女の没後、トルメキアは王のいない国になりました。

主人公としての
クシャナの活躍を見る

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映画では悪役として描かれている

『風の谷のナウシカ』

映画でのクシャナは、性格は原作とほとんど変わらないものの、悪役としての側面が強調されていました。ペジテから奪った巨神兵の繭を回収するため、風の谷を侵略しに来たトルメキアの将軍という一面が前に押し出されていたのです。 ナウシカに助けてもらったのに彼女に銃を向けたりと、悪役に近い役割を担っていました。 しかし、ナウシカと関わった後には彼女に心を動かされたようで、「ゆっくり話をしたかった」と語るなど、単純な悪役ではない描写もみられます。

悪役として描かれた
映画版での活躍を見る

クシャナの名言・名シーン

腐海を焼き払い、再びこの大地を甦らすのだ!

巨神兵の繭を探して風の谷へやって来たクシャナが、他の人びとに放ったセリフです。腐海を無くすことで、人々が安心して生活できる世界にしたい。そんな強い信念を持っていることが、このセリフからもうかがえますね。

焼き払え!どうした、それでも世界で最も邪悪な一族の末裔か!

巨神兵を復活させて、王蟲の突進を阻止しようとした際のクシャナのセリフ。巨神兵という巨大な兵器を従え、毅然と発せられた言葉により、巨神兵はプロトンビームを発しました。 結果は先述の通りですが、本作を象徴するシーンであり、セリフのひとつと言えます。

庵野秀明はクシャナで映画を作りたかった?

『風の谷のナウシカ』クシャナ

『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明が、クシャナを主人公とした物語を作りたいと、宮崎駿監督に提案したというエピソードがあります。庵野は本作で巨神兵の原画を全て担当しており、その縁もあっての話だったのかもしれません。 宮崎駿監督はそれをあっさりと却下し、戦争を中心とした映画を作りたいという庵野に対して、「つまらない」「くだらない」などと散々に言い放ちました。 クシャナのファンとしては、彼女が主人公の映画も観てみたいと思ってしまいますね。

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クシャナ役の声優は榊原良子

部下に慕われるクシャナ殿下の声優を務めたのは、声優の榊原良子。人気アニメ「ガンダム」シリーズのハマン・カーン役、「機動警察パトレイバー」の南雲しのぶ役などで知られ、数々のアニメ作品に出演しています。 番組ナレーションや吹き替えも多数こなし、2023現在も活躍しているベテランです。クシャナの芯の強い人間性を、声だけで見事に演じました。

英語の吹き替え声優はユマ・サーマン

英語吹き替え版のクシャナを演じたユマ・サーマンは、第一線で活躍するハリウッド女優です。日本でも地名度が高く、映画「キル・ビル」シリーズではザ・ブライド役を演じ、『ニンフォマニアック』(2013年)などの話題作に出演しています。 見た目も中身も「男前」と称される彼女らしさが残った、オリジナルのクシャナを演じました。

クシャナ殿下を深堀すると『風の谷のナウシカ』がもっと面白くなる

映画『風の谷のナウシカ』の映画、および原作漫画どちらでも1.2を争うほどの人気キャラクター、クシャナについて紹介してきました。 彼女を知れば知るほど、魅力的に見えること間違いなし!ぜひ原作となった漫画、そして映画をもう1度鑑賞してみてください。