『風の谷のナウシカ』のヒロイン・ナウシカについて解説!実はテレパシー能力も使える!?
1.風の谷のナウシカの生い立ち
『風の谷のナウシカ』のヒロイン・ナウシカは、風の谷で暮らす16歳の少女です。母や兄たちは、腐海の毒に犯され亡くなっています。 幼少の頃から蟲たちに強い興味があり、腐海の主である王蟲の子どもを隠していたことが父親に見つかり、叱られた経験も。谷の民を家族のように愛し、若いながらも強いリーダーシップを発揮して人々に支持される、理想的な族長となっていきます。
2.「こわくない」全てを平等に愛するお姫さま
ナウシカは全ての人に平等に接し、その優しさを分け与えることを惜しみません。初めて遭遇したキツネリスに指を噛まれた時も、落ち着いて対処しています。このキツネリスは「テト」と名付けられ、ナウシカとずっと一緒にいる相棒のような存在になりました。 父親をトルメキア軍に殺害され我を忘れた時はあったものの、族長として冷静に対応。敵国の皇女クシャナに対しても、1人の人間として平等に接しています。
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3.ナウシカの愛した腐海
腐海の植物は瘴気(しょうき)と呼ばれる猛毒を放っており、人間が吸い込めばたった5分で肺が腐り、命を落としてしまいます。人間や家畜は、腐海に入る時には必ずマスクを装着し、植物の放出する胞子の付着にも注意しなければいけません。 腐海はそれほどの猛毒を放出する植物の集まる森のことで、非情に危険な場所なのです。 物語が進んでいくと、腐海は自然界の空気を浄化するためにできたものだと判明します。ナウシカはそれをいち早く察知し、城の地下で腐海の植物の研究を進めていました。
4.風の谷とはいったいどんな場所?
ナウシカが生まれ育った風の谷は辺境に位置する小国で、人口はわずか500人ほどです。腐海に近い位置にもかかわらず、海から吹く潮風により、胞子の侵蝕から守られていました。 その風を動力として、地下水を汲み上げ農業に生かしているため、多くの風車が存在しています。 付近の砂漠には旧時代の宇宙船が放置され、かつて「火の七日間」が発生する前に船が宇宙に行ったことは、迷信のように伝わっているとのこと。無人の遺跡が存在し、トルメキア軍との戦いでは籠城戦のために使用されました。
5.【ネタバレ】風の谷の長・ジルの末娘
風の谷の長だったジルには、妻と11人の子供がいました。しかし娘のナウシカとジル以外の妻と子どもたちは、腐海の毒で亡くなってしまいます。 ジルはただひとり残された家族であるナウシカに深い愛情を注ぎ、強くも美しい女性として大切に育て上げたのでした。
映画の劇中にて、ジルは風の谷に侵攻したトルメキア兵の手によって殺害されてしまいます。 一方で原作では生存していますが、妻と子供たち同様に自身も腐海の毒で侵されることに。寝たきり状態となってしまったため、ナウシカが新たな谷の長となりました。
6.ユパさまが師匠!
ナウシカの父親ジルの旧友である、ユパ様ことユパ・ミラルダ。腐海辺境一の剣士と言われ、ナウシカにとっては剣の師匠でもあります。 ユパは優れた剣の腕を持つ勇敢な剣士でありながら、理知的で争いを好まない人格者です。風の谷では子どもの名付け親となっていることから、皆からユパ様と慕われています。 腐海の謎を解くために仲間と旅を続けている途中、ナウシカと再会しました。
7.母性にあふれる風の谷のお姫様
母親の愛情を知らず育ったため、谷の少女たちを人一倍可愛がっていたナウシカ。「愛情」と「優しさ」を最も大切にし、強い心で人々を導いていました。 ナウシカは歴代ヒロインの中でも、胸が大きいのではないか?と話題になりましたが、実は宮崎駿監督なりの思いがあってのことだそうです。 宮崎監督は公開時のインタビューで、「風の谷で死んでいく城ジイやおばあさんたちをその胸の上で抱きとめてあげるために大きい」と、その理由について話しています。
8.アスベルとナウシカの関係
アスベルは工房都市「ペジテ市」の王子で、16歳の青年。双子の妹ラステルを殺され、自国を滅ぼされた復讐心から、トルメキア王国をひどく憎んでいます。 トルメキア王国の艦隊を襲撃した際に、墜落した腐海で蟲に襲われそうになっていたところをナウシカに助けられ、共に行動するようになりました。劇中では壊れたメーヴェを修理している場面もあり、アスベルが機械整備の腕に長けている様子が伺えます。 劇中のエンディングでは、ナウシカの考えに影響され、ユパの旅に同行する姿が描かれました。
9.トルメキア兵として戦うナウシカ
風の谷にトルメキアの輸送機が墜落した後、彼女は捕虜となり、トルメキアの輸送機で谷を離れます。その際、突然表れた戦闘機の襲撃を受け、彼女の乗る輸送機も被弾。墜落したナウシカは腐海不時着し、一命を取り留めます。 トルメキア王国の船が風の谷に墜落するまで、両国の間には何の関わりもありませんでしたが、漫画では一種の軍事同盟を結んでいました。いわゆる君臣関係が存在し、風の谷はトルメキア王国に属する辺境自治領の扱いだったのです。 同盟に従ってトルメキアの南下作戦に徴兵され、ナウシカがクシャナの部隊で戦う描写も!映画よりも2人の絡みが増えており、クシャナのイメージも変わるかもしれません。
10.ナウシカの名ゼリフ
マスクをしなければ5分で肺が腐ってしまう死の森なのに
冒頭でナウシカが口にするセリフから、腐海の恐ろしさに驚いた人も多いのではないでしょうか。腐海の正体を知った後にこの言葉を思い出すと、考えさせられることもあるかもしれません。
ほら こわくない
キツネリスのテトに初めて遭遇し、指を噛まれた時のセリフ。自分が敵ではないことを優しく、ゆっくりと時間をかけて伝えました。すぐに反撃するのではなく、自分を恐れているのだと気づくことができるところに、ナウシカの人間性が表れています。
神様。風の神様。どうかみんなを守って
ペジテ市の人々は王女を殺害し、国を滅ぼしたトルメキア王国への復讐心から、奪われた巨神兵の繭を取り戻す計画を立てます。繭がある風の谷に向かって大量の王蟲が放たれ、突進してくる王蟲の群れを見た時のナウシカのセリフです。 ナウシカの風の谷の民を心から愛する気持ちが伝わってきますね。
11.テレパシー能力を持っている⁉
ナウシカと腐海の蟲たちは、互いに心が通じ合っているようなシーンが何度か描かれます。 映画での描写は少ないですが、蟲笛を使って蟲に森へ帰るよう誘導したり、原作では実際に王蟲とテレパシー(念話)を使って話をしているシーンがありました。原作では「超常の力」の一種として描かれ、ナウシカは言語の違う国の者とも意思の疎通を行うことができます。
12.ナウシカの乗り物・凧(メーヴェ)
『風の谷のナウシカ』を観ていて、ナウシカが乗りこなす乗り物メーヴェに乗ってみたいと思った人も多いのではないでしょうか。 メーヴェはドイツ語でカモメを意味する言葉で、実際のフォルムもまるで鳥のようにすっきりとした見た目をしています。凧のように風の流れを受けて空を飛び、ナウシカたち「風使い」にとっては重要な乗り物となっているようです。 ナウシカが使っている1機はエンジン付きのものですが、風を利用した滑空が基本。エンジンは発進時の補助としての役割の他に、高速飛行時に使用されます。
13.ナウシカ役の声優は島本須美
ナウシカの声優を務めるのは、1954年生まれのベテラン声優・島本須美です。「アンパンマン」シリーズのしょくぱんまん役、『名探偵コナン』の工藤有希子役などで知られています。 映画『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)ではヒロインのクラリス役、『となりのトトロ』(1988年)では主人公の母親役を演じたほか、『もののけ姫』(1997年)にも出演。宮崎駿監督作品に縁のある声優で、どの作品でも印象的な役柄を演じています。 優しくて滑らかな声が、ナウシカの正義感あふれる柔らかいキャラクターにピッタリですね!
14.『風の谷のナウシカ』海外版の声はアリソン・ローマン
ハリウッドで活躍するアメリカ人女優アリソン・ローマン。わずか9歳で『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台に出演し、芸能界デビューしました。 長い下積みを経て、ホラー映画『スペル』(2009年)や『ビッグ・フィッシュ』(2004年)に出演し、さまざまな映画で重要な人物を演じています。そんな彼女がブレイク前に声優として抜擢されたのが、『風の谷のナウシカ』のナウシカ役だったのです。 まだ幼さの残る声で、強い気持ちを持ち続ける少女を巧みに演じました。