韓国ドラマ『チュノ~推奴~』最終回までネタバレ解説!テギルは最後死亡?
2010年に韓国KBS2で放送され、最高視聴率35.9%を記録した時代劇『チュノ~推奴~』。逃げ出した奴婢を捕らえて報酬を得る「推奴師」を主人公に、身分制度に翻弄される男女の運命を描いた骨太な作品です。 主演のチャン・ヒョクが鍛え抜いた肉体で挑んだアクションは韓国で大きな反響を呼び、同年のKBS演技大賞では大賞に輝きました。この記事では、『チュノ~推奴~』のあらすじ・キャストを解説していきます。
ドラマ『チュノ~推奴~』作品概要・あらすじ【ネタバレなし】
| タイトル | チュノ~推奴~ |
|---|---|
| 原題 | 추노 |
| 韓国放送期間 | 2010年1月6日~2010年3月25日(KBS2) |
| 話数 | 全24話 |
| 日本での展開 | 2010年10月22日DVDレンタル開始 , 2010年11月1日M-netで放送開始 |
| 演出 | クァク・ジョンファン |
| 脚本 | チョン・ソンイル |
| 出演 | イ・テギル役/チャン・ヒョク , ソン・テハ役/オ・ジホ , オンニョン役/イ・ダヘ , ファン・チョルン役/イ・ジョンヒョク , オッポク役/コン・ヒョンジン , チェ将軍役/ハン・ジョンス , ワンソン役/キム・ジソク , ソルファ役/キム・ハウン , チョン・ジホ役/ソン・ドンイル |
| 最高視聴率 | 35.9%(韓国全国) |
| 主な受賞歴 | 2010年KBS演技大賞 大賞(チャン・ヒョク) , ソウルドラマアワード2010 ミニシリーズ部門作品賞 , 第39回国際エミー賞 主演男優賞ノミネート(チャン・ヒョク) |
『チュノ~推奴~』は、17世紀半ばの朝鮮王朝を舞台にした全24話の時代劇です。タイトルの「推奴(チュノ)」とは、主人のもとから逃げた奴婢を追跡し、連れ戻す仕事を指します。 物語の中心にいるのは、推奴師として生きる男、無実の罪で奴婢に落とされた元武将、そして名を変えて生きる女性の3人。それぞれの思惑が交差するなか、王宮の権力争いまでもが絡み合い、スケールの大きなドラマが展開していきます。 演出を手がけたのはクァク・ジョンファン、脚本はチョン・ソンイルです。従来の宮廷劇とは一線を画す“泥くさく”生々しい映像と迫力のアクションが支持を集め、韓国では放送期間中に7週連続で視聴率首位を独走しました。
あらすじ
名門の両班家に生まれたイ・テギルは、屋敷で働く奴婢の娘オンニョンと身分違いの恋に落ちていました。しかしある夜、オンニョンの兄クンノムが屋敷に火を放ち、テギルの一家は没落。オンニョンも行方知れずとなってしまいます。 それから10年。顔に傷を負ったテギルは、腕利きの推奴師として名を知られる存在になっていました。仲間のチェ将軍、ワンソンとともに逃亡奴婢を捕らえて稼ぐ日々のなか、彼が肌身離さず持っているのはオンニョンを描いた一枚の似顔絵です。 一方、かつて昭顕世子に仕えた勇将ソン・テハは、世子の急死後に濡れ衣を着せられ、奴婢の身分に落とされていました。世子の遺児を守るため、テハは決死の覚悟で脱走を図ります。 高額の報酬と引き換えに、テハの追跡を引き受けたテギル。しかし逃亡の途中でテハが出会う女性こそ、名を変えて生きるオンニョンでした——。追う者と追われる者、そしてふたりの間で揺れるひとりの女性——3人の運命は、やがて国を揺るがす陰謀へと飲み込まれていきます。
【ネタバレ】ドラマ『チュノ~推奴~』最終回まであらすじ解説
1〜5話
物語の舞台は17世紀の朝鮮王朝。王の跡継ぎである世子(セジャ)が謎の死を遂げ、朝廷の権力争いが激化する時代です。 世間では、当時の人口の半数近くが「奴婢(ぬひ)」と呼ばれる最下層の身分(奴隷)に置かれていました。過酷な扱いに耐えかねて逃げ出す奴婢が後を絶たず、彼らを捕らえて賞金を稼ぐ「推奴(チュノ)師」が活躍しています。 腕利きの推奴師である主人公・テギルは、かつて身分違いの恋に落ち、生き別れた初恋の女性・オンニョンを似顔絵片手に長年探し続けていました。 一方、当のオンニョンは奴婢の身分から抜け出し、現在は貴族のお嬢様「ヘウォン」として生活しています。しかし、権力者との望まぬ結婚を強いられ、初夜に屋敷から逃亡しました。 時を同じくして、元・最高武官のテハも逃亡を図ります。彼は仲間の裏切りで奴婢に転落していましたが、亡き世子との約束を果たすため、世子の生き残りの末っ子を救出する旅に出たのです。 過酷な逃避行の道中、偶然出会ったテハとヘウォンは行動を共にすることに。そこへ、テハの捕獲依頼を受けたテギル一行が迫ります。テギルの傍らには、旅芸人一座から逃げ出し、一行に合流した17歳の家出少女ソルファの姿もありました。 すぐ近くに最愛のオンニョンがいるとは夢にも思わず足跡を追跡するテギル。さらに出世のためにテハを執拗に狙うチョルンや、逃亡奴婢の秘密組織も絡み合い……。
6〜10話
追手から逃れ、亡き世子の末っ子を救うため済州島(チェジュ)を目指すテハとヘウォン(オンニョン)。 逃避行の中で互いに惹かれ合う2人ですが、刺客との激しい戦いの最中、ついにテハの額にある「奴婢」の焼印がヘウォンに露見してしまいます。しかし、ヘウォンは彼を蔑むどころか、自らの衣で痛々しい印を隠し、彼を受け入れるのでした。 一方、テハを執拗に追跡するテギルは、行く先々で出世のために暗躍する刺客チョルンと三つ巴の死闘を繰り広げます。 乱戦の中、テギルはヘウォンに深手を負わせますが、それが長年探し続けた初恋のオンニョンだとは気づきません。テギルを慕うソルファもまた、彼が心に秘めた女性を忘れられないことに胸を痛めながら旅に同行していました。 その後、手掛かりを辿ってヘウォンの兄・クンノムを追い詰めたテギルは、衝撃の真実を知らされます。なんとクンノムはテギルの父親違いの兄弟であり、最愛のオンニョンはすでにテハと夫婦になったというのです。 クンノムは「妹を忘れてくれ」とテギルの刃に身を投じて自害。テギルは、先ほど自ら傷つけた女性こそがオンニョンだったと悟り、深い絶望に突き落とされます。 時を同じくして済州島に辿り着いたテハは、チョルンの猛攻から世子の血筋を間一髪で救い出します。そして、自分を信じて待っていたヘウォンの元へ駆け戻り、熱い口づけを交わすのでした。
11〜15話
長年追い求めたオンニョン(ヘウォン)がテハと結婚した事実を知り、絶望のあまり荒れるテギル。一方のヘウォンも、道中で偶然テギルの姿を目撃します。かつて愛した人が生きていたことに涙しつつも、自分の過去(奴婢であったこと)を今の夫・テハに打ち明けられずに苦悩していました。 そんな中、テギルの弟分ワンソンが単独でテハの捕獲に挑み、謎の刺客ファン・チョルンに襲撃されて姿を消します。助けに向かった兄貴分のチェ将軍も、チョルンの刃に倒れてしまいました。 現場に残された血痕と折れた武器を見つけたテギル。そこへ「追ってくれば死ぬ」というテハの名を騙った偽の脅迫状と2人の遺品が届きます。 家族同然の仲間をテハに殺されたと思い込んだテギルは、激しい復讐心に駆られ、長年大切に持っていたオンニョンの似顔絵を燃やして決死の追跡を決意。「離れたくない」と泣きすがるソルファにお金を投げつけ、強引に別れを告げます。 一方、テハは世の中を変えるための出征式を執り行いますが、チョルンの暗躍によって信頼する部下たちが次々と惨殺されてしまいます。 そしてついに、復讐の鬼と化したテギルがヘウォンの前に姿を現します。逃亡奴婢として彼女に刃を突きつけ、テハの居場所を問い詰めるテギル。「あなたが生きているだけで幸せだった」と死を受け入れるヘウォン。 そこへ駆けつけたテハがテギルの首元に刃を突きつけ、かつて愛し合った男女と現在の夫が、命がけの三つ巴となって対峙する衝撃の展開へ突入します。
16〜20話
ついに刀を交えるテギルとテハ。彼女が連れている赤子がテハとの子ではなく、朝廷から追われる亡き世子の末っ子だと判明しました。愛する女性を危険に巻き込んだテハに激怒するテギルですが、追手から彼女を守るため、反発し合いながらもテハと共闘する道を選びます。 その後、捕らえられた2人は死刑を宣告され公開処刑の場へ。絶体絶命の危機を救ったのは、テハの仲間と、テギルを助けに来たかつての親方チョン・ジホでした。しかし、逃走劇の最中にジホが命を落としてしまいます。最期まで不器用だった親方の死に、テギルは慟哭するのでした。 一方、テギルに突き放されたソルファは、凍えるような寒さの中でも彼を忘れられず、過酷な旅を続けていました。 追手を振り切ったテギルとテハ、そしてヘウォンの3人は、テギルの昔馴染みの盗賊チャッキが仕切る山塞へと逃げ込みます。そこでテギルを待っていたのは、死んだはずの弟分ワンソンとチェ将軍の姿でした。彼らはチョルンの襲撃から奇跡的に生き延び、チャッキの砦で療養していたのです。 思わぬ生還に涙を流して抱き合う3人。それぞれの絆と愛の行方が再び動き出し、そこへソルファもまた、彼らの元へと辿り着き……。
21〜23話
チャッキの砦で療養するテギルたちの前に、清の使節団が世子の末っ子・ウォンソンを奪いに急襲してきますが、チャッキの圧倒的な強さで退けます。一方、テハとテギルは共闘して漢陽(ハニャン)へ向かい、生き残っていた世子に元孫の庇護を求めますが、世子からは謀反の疑いをかけられ拒絶されてしまいます。 希望を絶たれたテハですが、清の使節団からの暗号を受け取り、彼らと共に清へ亡命する決意を固めました。タイムリミットが迫る中、2人は追手であるファン・チョルンを撒くために奔走します。 その頃、水面下で反乱を企てていた逃亡奴婢の秘密組織にも衝撃の展開が。オッポクたちは仲間を犠牲にしながらも米倉への放火を成功させますが、実は組織のトップである「あの方」の正体は、左議政と結託した両班の回し者でした。 利用されていたと知らずに集結した奴婢たちは、罠にはめられて次々と惨殺されてしまいます。一方、借金のカタに牛一頭で売られてしまった愛するチョボクを追って村を出ていたオッポクは、主人の両班を殺害して彼女を救い出します。 「一緒に逃げよう」と誓い合う2人ですが、チョボクは「私たちが逃げたら誰が世の中を変えるの?」と涙ながらにオッポクを戦いの場へ送り出したのでした。 また、チェ将軍らと安全な隠れ家へ向かうはずだったソルファも、「テギルがいなければ意味がない」と一行から離れ、戦地へ向かったテギルを探しに走り出します。
最終回
仲間を裏切られた逃亡奴婢のオッポクは、たった一人で宮殿へ乗り込みます。壮絶な銃撃戦の末、黒幕である左議政と裏切り者の「あの方」を見事撃ち殺し、自らの命と引き換えに復讐を果たす悲壮な最期を遂げました。 一方、過酷な逃避行の中でついに心を通わせ、笑い合える戦友となったテギルとテハ。しかし、清への亡命を目前にしてファン・チョルン率いる大軍の急襲を受けます。深手を負ったテハと愛するオンニョン(ヘウォン)、そして元孫を確実に逃がすため、テギルはただ一人で大軍の盾となり、死地へと飛び込んでいきました。 愛する人たちの未来を守るため、命を燃やして敵陣へ突っ込むテギル。満身創痍で倒れたテギルを見つけたのは、彼を慕って追いかけてきたソルファでした。テギルは初めて「ソルファ」と彼女の名前を呼び、謝罪を口にしながら、彼女の歌う子守唄を聴いて静かに息を引き取ります。 時は流れ、テギルが仲間のために買っていた利川の土地では、兄貴の死を知らないチェ将軍とワンソンが笑顔で畑を耕していました。生涯をかけて愛する女と仲間を守り抜いたテギル。何も知らないまま笑い合う仲間たちの姿がそこにはありました。
ドラマ『チュノ~推奴~』キャスト解説!チャン・ヒョク×オ・ジホ×イ・ダヘら実力派が集結
イ・テギル役/チャン・ヒョク

主人公のイ・テギルは、逃亡した奴婢を捕らえて生計を立てる推奴師です。もとは両班の家の息子でしたが、ある事件で一家が没落し、すべてを失いました。荒っぽい言動の裏には、生き別れたオンニョンへの一途な想いと深い孤独が隠されています。 演じたチャン・ヒョクは、ドラマ『ありがとうございます』(2007年)や『運命のように君を愛してる』(2014年)、『ボイス~112の奇跡~』(2017年)で主演を務めてきた俳優です。本作では撮影に向けて体を徹底的に鍛え上げ、野性味あふれるテギルを熱演。2010年のKBS演技大賞で大賞を受賞したほか、国際エミー賞の主演男優賞にもノミネートされました。
ソン・テハ役/オ・ジホ
ソン・テハは、昭顕世子に仕えて武勇をとどろかせた元武将です。世子の急死後に濡れ衣を着せられ、奴婢の身分に落とされてしまいました。それでも忠義を捨てず、遺された王孫を守るため命がけの逃亡を続けます。 テハを演じたオ・ジホは、ドラマ『ファンタスティック・カップル』(2006年)のようなラブコメディで人気を集めてきた俳優。本作では一転して寡黙な武人役に挑み、重厚な存在感で新境地を切り開きました。2010年のKBS演技大賞では、中編ドラマ部門の優秀演技賞を受賞しています。
オンニョン役/イ・ダヘ
オンニョンは、かつてテギルの家で働いていた奴婢の娘です。身分の差を越えてテギルと想い合っていたものの、兄が起こした事件を境に屋敷から姿を消しました。10年後の彼女は「キム・ヘウォン」と名を変え、両班の娘として暮らしています。逃亡中のテハと出会ったことで、彼女の運命も大きく動き出すのでした。 演じたイ・ダヘは、ドラマ『マイ・ガール』(2005年)でブレイクし、『ミス・リプリー』(2011年)でも主演を務めた女優です。本作では、過去を隠して生きるヒロインの揺れる心を繊細に表現しました。チャン・ヒョクとともに、2010年KBS演技大賞のベストカップル賞にも選ばれています。
ファン・チョルン役/イ・ジョンヒョク
ファン・チョルンは、テハと同期の武官です。いつもテハの後ろを追う立場だったため、憧れと嫉妬が入り混じった複雑な感情を抱えています。権力者の命を受け、逃亡したテハを執拗に追い詰めていく人物です。 演じたイ・ジョンヒョクは、映画『マルチュク青春通り』(2004年)で強烈な印象を残した俳優。ドラマ『紳士の品格』(2012年)でも存在感を発揮しました。本作では屈折したエリート武官の内面を、鋭いまなざしで体現しています。
オッポク役/コン・ヒョンジン
オッポクは、借金を返せず奴婢として売られた男です。銃の名手で、奴婢として生きる理不尽さに強い怒りを抱えています。“人間らしく生きたい”と願う奴婢たちの思いを背負う人物で、物語のもうひとつの軸を担う存在と言えるでしょう。 演じたコン・ヒョンジンは、映画やドラマで個性豊かな役柄を数多くこなしてきた実力派。本作では、素朴さと激しさをあわせ持つオッポクを説得力たっぷりに演じました。
チェ将軍役/ハン・ジョンス
チェ将軍は、テギル率いる推奴師チームの一員です。武官への道を断たれた元両班で、冷静な判断力と確かな武術の腕でテギルを支えます。荒くれ者ぞろいのチームにおいて、頼れる兄貴分と呼べる存在でしょう。 演じたハン・ジョンスは、ドラマや映画で活躍してきた俳優です。本作では落ち着いた佇まいと迫力ある立ち回りで、チームの精神的支柱を体現しました。
ワンソン役/キム・ジソク
ワンソンは、推奴師チームの弟分です。スリの腕前を自慢するお調子者で、口がうまく女性にも目がありません。シリアスな展開が続く物語のなかで、場を和ませるムードメーカーとして活躍します。 演じたキム・ジソクは、のちにドラマ『椿の花咲く頃』(2019年)のノ・ギュテ役でも注目を集めた俳優です。本作では憎めない愛嬌でチームの空気を明るくしています。
ソルファ役/キム・ハウン
ソルファは、テギルたちと行動をともにするようになる紅一点です。幼いころから過酷な環境を生き抜いてきたたくましさと、明るく奔放な性格の持ち主。旅の途中でテギルと出会い、しだいに彼に惹かれていきます。 演じたキム・ハウンは、本作のソルファ役で一躍注目を浴びた女優です。陽気さの奥に寂しさをのぞかせる演技が、多くの視聴者の心をつかみました。
チョン・ジホ役/ソン・ドンイル
チョン・ジホは、テギルたちと獲物を奪い合うライバルの推奴師です。手下を引き連れて派手に立ち回る親分肌で、コミカルな言動が物語に独特のアクセントを加えます。 演じたソン・ドンイルは、ドラマ『応答せよ1988』(2015年)でも知られる名バイプレーヤー。本作の怪演が評価され、2010年KBS演技大賞の助演男優賞に輝きました。
ドラマ『チュノ~推奴~』は身分の壁に抗う人々を描いた不朽の名作時代劇
奴婢を追う者と追われる者——相容れない立場に置かれた人々が、それぞれの信念を胸に激しくぶつかり合う『チュノ~推奴~』。2010年の放送から時を経ても、物語の熱量は色あせません。 主演のチャン・ヒョクが体現したテギルの一途な想いと、息をのむような迫力のアクションは本作ならではの魅力です。身分制度という巨大な壁に翻弄されながらも、懸命に生き抜こうとする人々の姿を、ぜひその目で見届けてください。