ジョディ・フォスター出演のおすすめ映画9選 オスカー2度獲得の知性派女優
ジョディ・フォスターの魅力溢れる映画を紹介
1962年アメリカ生まれのハリウッドきっての大女優ジョディ・フォスター。彼女のブレイクのきっかけとなったのは13歳で出演したマーティン・スコセッシ監督の『タクシードライバー』でした。 順調にキャリアを積み上げるかに思えたジョディ・フォスターでしたが、彼女の熱狂的ファンが大統領暗殺未遂を起こし、映画界から一時的に離れることに。学業に専念した彼女はアメリカの名門イェール大学を卒業。その後、映画界にカムバックした彼女は数々の名作に出演するだけでなく、プロデュースや監督業まで手がけるようになりました。 この記事ではそんなジョディ・フォスター出演のおすすめ映画を厳選して紹介します。
『タクシードライバー』(1976年)
社会への行き場の無い怒りが狂気に変わる!ジョディ・フォスターが13歳で娼婦役に挑戦した傑作
戦争の後遺症で不眠症となった男が、タクシードライバーになるために面接を受けるシーンから始まります。孤独で内向的な性格の主人公トラヴィスをロバート・デ・ニーロが魅力的に演じました。 当時若干13歳のジョディ・フォスターが、トラヴィスの運命を決定付ける12歳の娼婦アイリス役で出演しています。本作のアイリスに魅了された彼女のストーカーが、ストーリーになぞらえて実際に大統領暗殺事件を起こすというショッキングな事件が起きたことでも話題になりました。 本作でデ・ニーロ、ハーヴェイ・カイテルなど演技派俳優に引けを取らない演技を披露したジョディ・フォスターは「英国アカデミー賞 」「全米映画批評家協会賞」で助演女優賞を受賞し、米アカデミー賞では助演女優賞にノミネートされました。
『ホテル・ニューハンプシャー』(1984年)
波乱万丈の人生を送る家族の物語
とある一家の父親が熊がいるホテルの経営に憧れ、やがて「ホテル・ニューハンプシャー」を手にします。このホテルで暮らす家族と、それを取り巻く人々の様々な出来事を描いた作品です。 死や、いじめ、レイプ、自殺など、これでもかというくらいに不幸な出来事に見舞われても、明るく前を向く家族たち。登場人物が個性的でおとぎ話のような不思議な世界観が広がります。 しっかり者の長女フラニー役のジョディ・フォスターは、近親相姦など際どいシーンがある難しい役どころながら見事に演じきりました。
『告発の行方』(1988年)
体当たりの演技で社会派作品に出演
公開当時アメリカの社会問題となっていたレイプ事件を題材にした作品です。ジョディ・フォスターが主人公の被害者女性サラを演じ、そのリアルな描写が話題となりました。 酒場で複数の男によるレイプ事件が発生します。被害者サラの裁判を担当することになった女性地方検事補キャサリンが事件を追うも、サラに有利な証拠はあがらず、犯人側の弁護士と取引をすることに――。 喫煙・飲酒・ドラッグを常習していたサラに対する世間の目は厳しく、彼女が精神的に追い詰められていく様子が、ジョディ・フォスターの演技でリアルに表現されています。凄惨な事件の被害者になりながらも、ときに明るくチャーミングなサラ。悪態をついている時でもどこか魅力的に感じてしまうのは、ジョディ・フォスター本人の魅力に違いありません。 彼女は本作で、第61回アカデミー主演女優賞、第46回ゴールデングローブ主演女優賞(ドラマ部門)を受賞しています。
『ハートに火をつけて』(1990年)
ジョディ・フォスターの七変化?キュートなファッションやヘアスタイルにも注目
本作でジョディ・フォスターが演じているのは、マフィアによる殺人事件を目撃してしまうアーティストのアン・ベントン。現場から逃げたアンを追うマフィアが彼女の家に侵入し、ボーイフレンドを殺害してしまいます。身の危険を感じ逃亡するアンと、彼女を追うプロの殺し屋マイロとのラブサスペンスです。 監督は、冷酷な殺し屋マイロを演じるデニス・ホッパー。製作会社とのトラブルが原因で、異なる編集の2作品が公開され話題になりました。『ハートに火をつけて』 (原題:Catchfire)は架空の映画監督アラン・スミシー名義のサスペンス色が強い作品で、デニス・ホッパー名義の『バックトラック』(原題:Backtrack)はロマンスを強調して編集されたバージョンです。 アンが逃亡時にしていた変装や、場面ごとに変わるヘアスタイルやファッションも見どころのひとつ。殺し屋もうっかり恋に落ちてしまうほど美しいジョディ・フォスターの魅力を堪能できる作品です。また、恋人役でチャーリー・シーンが、ミュージシャンのボブ・ディランが芸術家役でカメオ出演しています。
『羊たちの沈黙』(1991年)
サイコスリラーの金字塔!ジョディ・フォスターの代表作
FBI訓練生の中でもトップクラスで優秀なクラリス・スターリング。彼女は行動科学課の主任捜査官の指示で、“バッファロー・ビル”と呼ばれる連続殺人犯の捜査に加わり、元精神科医の囚人を訪ねます。気難しく、FBIの協力要請を拒んでいたその囚人の名はハンニバル・レクター。聡明で素直なクラリスにほんの少し心を開いたレクターは、犯人に辿り着くためのヒントと引き換えに、彼女にある交換条件を出します。 サイコスリラーの傑作として名高い本作。レクター博士が出したクラリスへの交換条件の中で、映画のタイトルの秘密が明かされます。ジョディ・フォスターが、劇中で訓練生のトレーニングに挑んでいるシーンも見どころのひとつです。 本作は第64回アカデミー賞において作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞の主要5部門でノミネートされ、ジョディ・フォスターは自身二度目の主演女優賞を受賞しました。
『コンタクト』(1997年)
強い信念と知性を兼ね備えた女性を演じたらジョディ・フォスターの右に出るものはいない!
地球外知的生命体調査プロジェクトに関わる研究者エリー。子供の頃から宇宙を愛していた彼女のプロジェクトは、かつての上司で天文学の権威でもあるドラムリンの策略で研究予算をカットされ、中断してしまいます。亡き父とともに宇宙に夢を馳せていたエリーは、仲間たちとともに必死で資金を集め、ついに他の惑星からの電波信号をキャッチします。 どんな時でも諦めず、宇宙との交信に全力を注ぐ主人公エリーをジョディ・フォスターが好演し、彼女はゴールデングローブ主演女優賞(ドラマ部門)にノミネートされました。
『パニック・ルーム』(2002年)
キレッキレの頭脳と娘への愛で強盗に立ち向かう!ジョディ・フォスターの緊張感溢れる演技がスゴい
夫との離婚後、沢山の部屋とエレベーター、そして緊急避難用の密室「パニック・ルーム」付きの豪邸に住むことになった主人公メグと娘のサラ。 パニック・ルームは屋敷をモニタリング出来る仕様で防犯対策も完璧です。そんな豪邸に武装した強盗3人組が訪れます。メグは、家と娘を守れるのかーー。 外から開けることが出来ないパニック・ルームに逃げ込むメグとサラを襲う数々のピンチ。ジョディ・フォスターが知性を駆使して強盗犯に立ち向かう姿が印象的な作品です。
『フライトプラン』(2005年)
母は強し!ジョディ・フォスターの迫真の演技を堪能できる一本
滞在先のベルリンで、夫を突然の事故で亡くした航空機設計士のカイルは、自宅のあるニューヨークへ戻るため、6歳の娘と共に空港へ向かいます。乗り込んだのは自身が設計に携わった飛行機。 その荷物室には、夫の亡骸が収められた棺が安置されていました。精神的に不安定な娘をなだめているうちに眠ってしまうカイル。目が覚めた時隣にいたはずの娘は、空飛ぶ密室の中で忽然と姿を消していたのでした。 ただでさえ夫を亡くし、精神的に追い詰められていたカイル。機内をいくら探しても見つからず、娘ジュリアの存在さえ否定された彼女は、正気を失い思いもよらぬ行動を起こします。 果たして彼女は娘を見つけられるのか?ジョディ・フォスターの迫真の演技に注目です。
『おとなのけんか』(2011年)
子供がきっかけの些細な争いが本性のむき出しの喜劇に変わる!?
子供同士のけんかが、親同士のけんかに発展するさまをほぼワンシチュエーションで描くコメディ作品です。 気難しい妻と平凡で無神経な夫の被害者夫妻、一見エレガントで物静かな妻と仕事一筋で口達者な夫の加害者夫妻。最初は友好的だった4人ですが、段々と険悪な雰囲気になり……。一室で巻き起こる人間ドラマは見ごたえたっぷりです。 本作でジョディ・フォスターは、芸術家肌の作家である被害者側の妻を演じています。スイッチが入ると感情の起伏が激しくなり、自分のターンでは生き生きと攻撃する彼女は見ていて清々しくもあります。 彼女は本作でゴールデングローブ主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされました。
知的でパワフルな魅力を放つ女優ジョディ・フォスター
自由奔放で瑞々しい演技が印象的な作品、知的で繊細な演技が心に残る作品、パワフルで狂気さえ感じる情熱的な演技が胸を打つ作品ーー。どれもジョディ・フォスターの魅力が満載な映画です。 ハリウッドを代表する名女優、ジョディ・フォスターの今後の作品も楽しみにしたいですね!