2018年7月20日更新

ジム・ジャームッシュ監督のおすすめ映画まとめ

©Guignebourg Denis/Abaca/Newscom/Zeta Image

アメリカのインディーズ映画を代表する監督・ジム・ジャームッシュ。彼の独特の感性は今なお世界中の映画ファンを魅了してやみません。今回は、そんなジム・ジャームッシュ監督についてご紹介します。

インディーズ映画の巨匠・ジム・ジャームッシュとは?

アメリカのインディーズ映画を中心にコンスタントに活動を続けるジム・ジャームッシュ監督。 監督としての活動を初めて40年近くが経つにも関わらず、いまだにハリウッド大作には手を出さず、独特の感性の低予算映画ばかりを撮ってきた彼の映画に魅了された映画ファンは、世界中にいます。 そこで今回は、そんなジム・ジャームッシュ監督についていくつかの代表作とともに振り返ります。

ジム・ジャームッシュのプロフィール

ジム・ジャームッシュ (ゼータ)
©Guignebourg Denis/Abaca/Newscom/Zeta Image

1954年、オハイオ州で生まれたジム・ジャームッシュ監督は、母親が映画や演劇の批評家であったことから、幼少期から芸術に触れてきました。 コロンビア大学で文学を学ぶかたわら、パリに10ヶ月滞在。そこでシネマテーク・フランセーズに通い、小津やブレッソン、サミュエル・フラーといった監督の影響を受けます。

その後、ニューヨーク大学大学院にて映画を学び、卒業制作である『パーマネント・バケーション』を制作。本作は、大学院の学費をそのまま制作費に回したために卒業ができなくなった、と言う曰く付きの作品です。 その後、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』でカンヌ国際映画祭カメラドールを受賞。アメリカのインディーズ映画の騎手として知られるようになります。 その後もコンスタントに様々な映画を発表し続けるジャームッシュは、オフビートな作風のオムニバス形式の映画やロードムービーに定評があります。その一方、サスペンスや西部劇、ホラーファンタジーといった独特なジャンル映画も手掛け、世界の映画ファンから愛され続けています。 また、ジョン・ルーリーやイギー・ポップ、トム・ウェイツといったミュージシャンを自身の映画にキャスティングすることも多く、自身もミュージシャンとして活動しています。ちなみに、漫画『BECK』に登場するジム・ウォルシュという映画監督のモデルは、誰あろうジャームッシュです。

1. 全編モノクロで撮影された「楽園より奇妙な」三部構成のロードムービー

enoki ジム・ジャームッシュの作品の構図は素晴らしい。 ただの枠組みの中に男が2人女が1人いるだけなのにクールだ。

ストーリーは平坦でまるでまっすぐな道をずっととぼとぼ歩くイメージ。 彼の作品は評価の別れがはっきりするだろうな。僕は好き 長い長い夜に鑑賞したい1本かな

『パーマネント・バケーション』の後、ジャームッシュが取り組んだ長編2作目。 ニューヨークに住むウィリーは、叔母に頼まれてハンガリーからやってきた無愛想な従妹・エヴァを預かることに。初めはカルチャーギャップによってギクシャクする二人でしたが、ウィリーの親友・エディも交わることで徐々に打ち解けていきます。 そんなウィリー、エヴァ、エディ3人による行き当たりばったりで気だるい旅の過程を、ニューヨーク、クリーブランド、フロリダを舞台に三幕構成で描いたロードムービー。 全編モノクロ、ワンシーンワンカットの固定撮影という撮り方からして脱力感が強く、アメリカンドリームを感じさせるものは一切ありません。一見すると、非常に退屈な映画です。 しかし、その独特な語り口は世界に衝撃を与え、カンヌ国際映画祭カメラドール賞を受賞。今なおジャームッシュの最高傑作にあげる映画ファンも多い一作です。

2. エルヴィスが復活!?メンフィスのホテルを舞台に3つの物語が収束していく

daikinissan 同じホテル、同じ日に起きた出来事を三組の視点から描いた作品で ロビーの受付たちの同じやり取りが3つのパートそれぞれで出てくるところや ホテルを見つけた時のカットが同じだったり 冒頭とエンディングのカットが同じアングルなところなどが面白いと思えた

メンフィスにあるホテルを舞台に同時間軸で繰り広げられる3つの物語を描いた一作。 横浜から来た日本人の若いカップル、飛行機のチケットが取れず仕方なくホテルに泊まるイタリア人女性、店員を撃ってしまった三人組など、個性的なキャラクターが登場し、同じホテルを舞台に様々な出来事が巻き起こります。 異なる3つの物語が、フロントの会話、銃声、エルヴィス・プレスリーといった共通する要素の下、徐々に収束していく様は、見応えありです。特に、プレスリーが幽霊となって現れるシーンは必見! また、当時アイドル的な存在だった工藤夕貴が出演しており、本作への出演が彼女がハリウッドに進出するきっかけとなったことでも知られています。

3. 5つの都市を舞台に、タクシードライバーと乗客のやりとりを描いたオムニバス

Swtnb_Issue オムニバス形式でジムジャームッシュ。 ウィノナライダーにどうしても目が行きがちだけど、他の役者さんも凄いんです。 雰囲気といい大好き。

ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキを舞台に、タクシーの運転手と客との会話や悲喜交々を描いたオムニバス。 ウィノナ・ライダー、ジーナ・ローランズを始め、ベアトリス・ダル、ロベルト・ベニーニ、マッティ・ペロンパーといった国際的なキャスティングが話題になりました。 また、ヒューマンドラマのようなロサンゼルス編、軽快なコメディタッチのニューヨーク編、エスプリの利いたパリ編、下ネタに終始するローマ編、アキ・カウリスマキ監督の影響が顕著なヘルシンキ編と、それぞれの作風が異なるのも特徴で、ジャームッシュ監督の幅広い映画愛と器用さが伺えます。

4. ジョニー・デップが殺人鬼に!スタイリッシュなモノクロームの映像で綴られる詩的な西部劇

Hanae_Sakuma ジョニー・デップだからこそあの空気感が出るんだろうな。 人の死。自分で決めるんだろうなと思うことが、近親の死によって思った。 自ら死を選ぶという様なことではない。 死ぬ瞬間は自分で決めるということ。 父は、心配事があった。嘘なんだけど片がついたよと知らせると、 その日から意識を失い、三日後に息を引き取った。 祖父は、もう意識もない様な状態がずーっと続いていたのだけど、 横で寝ていた祖母が、呼ばれたのか分からないが、ふっと目を覚まし、 祖父が目でうなづく様に息を引き取った。 不思議なこと。昔は死そのものが恐かったが、今はそれほど恐くなくなった。 もともと一瞬一瞬を大事にしたいと思うので(そうしたい)、その気持ちが強くなった。 物語は、いつものように内容は話さないけど、 瞬きをゆっくりするように進んでいく。 最近ハイだったので、ここいらでちょっと落ち着く感じかな。 滅入っている時には向かないかな。そんな作品でした。

19世紀後半のアメリカ西部。会計士のブレイクは職を求めて鉄工所にやってきますが、なぜか追い出されます。そして、些細なことが原因で鉄工所の息子を射殺し、逃亡。しかし、自らも傷を負ったブレイクをネイティブアメリカンの男・ノーバディが助けたことから、彼らの旅が始まりますが......。 スタイリッシュなモノクロ映像とニール・ヤングの音楽、イギリスの詩人・ウィリアム・ブレイクへのオマージュの数々で綴られる、奇妙な味わいの西部劇。 「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズでブレイクする前のジョニー・デップが主演する他、ロバート・ミッチャムやイギー・ポップ、ジョン・ハートといった豪華なキャスティングにも注目です。

5. コーヒーとタバコは正義!ただひたすら語らう人々を映し出した異色オムニバス

ジム・ジャームッシュ監督が1986年以降撮り続けて来た11本の短編で成り立つオムニバス映画。2003年に公開されました。 いずれの作品においても様々な人々がコーヒーを飲み、タバコを吸ってとりとめのない会話をする、というシンプルな作りになっています。 ロベルト・ベニーニやケイト・ブランシェット、スティーヴ・ブシェミ、ビル・マーレイといった俳優から、イギー・ポップ、トム・ウェイツ、ホワイト・ストライプス、ウータン・クランといったミュージシャンまで様々な人々が、本人役で登場するというユニークなコンセプトも特徴。 また、一見中身のない会話が他のエピソードでも登場するなど、各エピソードが微妙に繋がっているのも面白いです。

6. 自分には隠し子がいた!?昔の恋人たちを訪ねる中年男をユーモラスに描いたロードムービー

monoral_stereo 最近のジャームッシュ映画はこれが初だったけどストーリーがしっかりあって、話のプロセスも省かずつめこんだ結果終わり方がしっくりこなかった。話自体は面白い。オフビートって感じはしない。音楽は相変わらず良い。

恋人が出て行ってしまった中年男のジョンストン。ある時、彼のもとに昔の恋人を名乗る匿名の封筒が。そこには、自分との間に隠し子がいると書かれていました。かくして、ジョンストンの、昔の恋人たちを訪ねる旅が始まります。 元プレイボーイなのに、今ではうだつの上がらない中年男になってしまった主人公のジョンストンを、ビル・マーレイが演じます。 一見するとジャームッシュにしてはわかりやすい家族ドラマが展開されますが、ビル・マーレイは常に無表情、車から流れる音楽はエチオピアのポップ音楽、昔の恋人たちはどこか変わった女性ばかりと、幻想的なまでに捻られたディテールの数々は、やはりジャームッシュ映画。 ラストシーンでのマーレイの表情にも注目です。

7. 現代を生きる吸血鬼の男女の葛藤を描く、スタイリッシュなダークファンタジー

Kie_Kobayashi オープニングがめっちゃくちゃかっこよくてサントラも凄いよかった 特にサントラ しかも吸血鬼とモロッコ的な装飾とか音楽の組み合わせって新しすぎるしティルダの顔面と相性良すぎた なのにフォントがあれって最高すぎる…気怠い映画は途中で飽きること多いけどこれは音楽と合いすぎてずっとみてられる ナルニアでもコンスタンティンでもだけどなんでこんなに人間じゃない役が似合うんだろう

何世紀にも渡って生き続ける吸血鬼のアダムは、ミュージシャンとして生きています。ある時、離れた地に暮らす恋人のイヴと再会。永遠の命を持つ彼らは、現代社会に順応するために病院で質の良い血液を入手して生きていました。 しかしそんなある時、イヴの妹である破天荒なエヴァが彼らのもとに現れ......。 現代社会に順応できず葛藤する吸血鬼をスタイリッシュなインテリアとファッションで描いた異色のダークホラー。 「マイティ・ソー」シリーズのロキ役で知られるトム・ヒドルストンとティルダ・スウィントンが共演した本作では、経済破綻したことで知られるデトロイトで撮影され、終始退廃的な雰囲気が漂います。