多くの役を演じこなすベン・メンデルソーンの魅力
ベン・メンデルソーンのプロフィール
ベン・メンデルソーンは1969年4月3日生まれ。オーストラリアのメルボルン出身です。 学校で演劇の授業を受けており、ある日友人が見つけた新聞広告で4歳から15歳までの子役を募集していることを知ります。友人数人でオーディションを受けに行ったところ、メンデルソーンだけが合格し俳優としてのキャリアがスタートしました。 母国オーストラリアでは、演技を始めたばかりの10代の頃から主演を張り、同世代のラッセル・クロウやノア・テイラー、ガイ・ピアーズらと共に若手人気俳優となっていきました。他の俳優たちと比べ、メンデルソーンにはトラブルメーカーや暴力的な役柄が多くまわってきましたが、コメディやロマンスでも実力を発揮しました。
ネットフリックスの『ブラッドライン』で脚光を浴びたメンデルソーン。それまで道のり
Netflixの人気シリーズ『ブラッドライン』に2014年から参加したベン・メンデルソーンは一躍注目を集め、欧米を中心に広く認知されるようになりました。それまでのメンデルソーンの出演作、そしてそのなかで彼の演じた多様なキャラクターとその軌跡を追います。
ベン・メンデルソーンの出演作
ベン・メンデルソーンは、繊細な演技から迫力のある演技まで幅広くこなすと俳優仲間の間でも称賛を受けているようです。
テレビシリーズ『ザ・ヘンダーソン・キッズ(原題)』(1985)
10代のきょうだい、スティーブとタマラを中心としたホームドラマ。メンデルソーンは地元の不良、テッド・モーガン役で出演しています。
映画『スティル・ポイント(原題)』(1986)
メンデルソーンの映画デビュー作です。
映画『君といた丘』(1987)
思春期の少年が、幼なじみの少女の成長を見守る物語。主人公ダニーをノア・テイラーが演じ、ダニーの幼なじみフレアが思いを寄せる不良少年をメンデルソーンが演じています。
テレビシリーズ『ネイバーズ(原題)』(1985〜)
1985年から現在もつづいているオーストラリアの長寿ドラマ。メンデルソーンは1986年から1987年にウォレン・マーフィーという役で計19エピソードに出演しました。
映画『ザ・ビッグ・スティール(原題)』(1990)
メンデルソーン主演。シャイな高校生ダニーが、女の子にモテるために名車ジャガーを手に入れようとする青春ストーリー。 本作で初めて主役を演じたということで、本人に取っても挑戦であり印象に残る作品だったとインタビューで述べています。コメディー要素が強いことから、メンデルソーンは自分には合わないと感じ、はじめ監督にできないと打ち明けたそうです。しかし監督は寛大に受け入れ、「とりあえずやってみなさい」と演じさせたようです。 結果的にとてもよくできた映画になったと、メンデルソーンは振り返っています。オーストラリアアカデミー賞主演賞を受賞しました。
映画『ホワイト・プレジデント 敏腕経営コンサルタント』(1992)
アンソニー・ホプキンス演じる経営コンサルタントが、業績の低迷するモカシン工場を立て直すため、ある行動に出ます。ラッセル・クロウがモカシン工場の野心的なセールスマンを演じています。メンデルソーンはケアリーという従業員の役で出演しています。
映画『ハーモニー』(1996)
全く経験がないにも関わらず、精神病院で演劇セラピーの指導をする青年ルイス。楽観的に構えていた彼が、患者たちの予測できない行動に苦労しながらも上演に向けて力を合わせる姿を描いた作品です。主人公のルイスをメンデルソーンが演じています。
映画『エイミー』(1999)
ミュージシャンであった父親の死を目撃したことをきっかけに、口もきかず耳も聞こえなくなった少女エイミー。様々な苦難を乗り越えて母親のタニアと強く生きて行く姿を描いた作品です。ミュージシャンのロバート(メンデルソーン)と出会い、エイミーが音楽や歌には反応し、コミュニケーションができることがわかります。
映画『バーティカル・リミット』(2000)
クリス・オドネル主演の山岳アクション。メンデルソーンは自然写真家の山岳部隊のひとりとして出演しています。
映画『ノウイング』(2009)
ニコラス・ケイジ主演、映画『アイ,ロボット』のアレックス・プロヤス監督によるディザスタームービー。ニコラス・ケイジ演じるジョン・ケストラーの同僚で、大学教授のフィル・ベックマンをメンデルソーンが演じています。
映画『アニマル・キングダム』(2010)
1988年にオーストラリアで警官2名を射殺したにもかかわらず、無罪判決を得たトレヴァー・ペティンギルの実話に基づいたストーリー。犯罪を犯した長男(メンデルソーン)を有罪にさせまいと協力しあう家族を描いた物語。この作品での熱演で、ベン・メンデルソーンは世界に広く名を知られるようになりました。
映画『キラー・エリート』(2011)
ジェイソン・ステイサム、クライブ・オーウェン、ロバート・デ・ニーロ共演のアクション映画。ベン・メンデルソーンはマーティン役で出演しています。
映画『ブレイクアウト』(2011)
ニコラス・ケイジ、ニコール・キッドマン共演のクライムサスペンス。ニコラス・ケイジ演じるダイアモンド商と、その妻子を人質に自宅に強盗団が入るストーリー。その強盗団のリーダーをメンデルソーンが迫力たっぷりに演じています。
映画『ダークナイト・ライジング』(2012)
クリストファー・ノーラン監督、クリスチャン・ベール主演の『ダークナイト』シリーズ完結編。メンデルソーンの役どころはブルース(バットマン)のウェイン産業を乗っ取ろうとするジョン・ダゲットです。
映画『プレイス・ビヨンド・パインズ/宿命』(2013)
ライアン・ゴズリング、ブラッドリー・クーパー出演のクライムドラマ。妻子のために強盗をする天才ライダー・ルーク(ゴズリング)とそれを追う刑事(クーパー)の物語です。メンデルソーンはルークに強盗の技術を教え込むロビンという役を演じています。
映画『ジャッキー・コーガン』(2012)
銀行強盗から仲間同士の殺し合いに発展するクライムサスペンス。ブラット・ピット主演。酒浸りの元殺し屋ミッキーをメンデルソーンが演じています。
映画『エクソダス:神と王』(2014)
リドリー・スコット監督、クリスチャン・ベール主演で聖書の出エジプト記をもとに制作された映画です。メンデルソーンは悪役であるヘゲップ総督を演じています。
映画『ウーナ』(2016)
一度は情熱的な関係にあった男女が15年後に再会し、やり直すかどうかの葛藤を描く人間ドラマ。共演はルーニー・マーラ、メンデルソーンは主人公のレイを演じます。 渋さと演技力が魅力的なベン・メンデルソーンを今後も追いかけていきたいと思います。
『ブラッドライン』でのベン・メンデルソーン
メンデルソーンは、ネットフリックスの人気オリジナルシリーズ『ブラッドライン』に出演しています。役どころは、地元の名士でもあるレイバーン一家の元に突然帰ってきた長男のダニー。彼は家族の秘密を握っており、それを盾に一家の地位を脅かし始めます。 同作で2015年第67回エミー賞ドラマ部門助演男優賞にノミネートされています。同年9月20日の授賞式で発表となり、注目が集まっています。 シーズン2も引き続き出演することが決定しています。
ベン・メンデルソーンに対する厳しい批評の声もあり
IGNエンターテイメントの『ブラッドライン』シーズン1に対するレビューでは、下記のような評価をされた。
"Everyone on the show shines...but it's Mendelsohn's lanky, damaged, bitter Danny Rayburn that truly drives the show into harrowing places. Spectacular work that I hope gets recognized come awards season."
ベン・メンデルソーン以外の出演者の演技を評価する一方で、メンデルソーンの演じるダニーが作品を台無しにしていると酷評しています。 『ブラッドライン』で好評を得ているベン・メンデルソーンですが、このような評価も少なからずあるなかでこれからメンデルソーンがどのように応えていくのか楽しみでもあります。
『スター・ウォーズ』スピンオフに出演!
スターウォーズ初のスピンオフ作品『スターウォーズ・アンソロジー ローグ・ワン』への出演が発表されているベン・メンデルソーン。当初は主演かとの噂もあったものの、主要キャストが次々と発表され、メンデルソーンは悪役であると発表されています。 主演女優にフェリシティー・ジョーンズ、『天国の口、終わりの楽園』のディエゴ・ルナ、香港のアクションスターにして監督のドニー・イェン、ドラマ版『ハンニバル』のマッツ・ミケルセン、フォレスト・ウィテカーなどの出演が決まっています。