2017年7月6日更新

『007 スペクター』の驚くべきシーン28選【ネタバレ注意】

007 スペクター

2015年12月4日公開のシリーズ24作目『007 スペクター』日本に先がけ公開されている本国イギリスからの、その中身と驚くべき点、少々辛口コメントをお伝えしたいと思います。どんな全貌なのか!?

目次

1.おなじみのオープニングシーンが復刻

『慰めの報酬』、『スカイフォール』の過去2作品では、007伝統的なオープニングシーンである冒頭の銃口の中からボンドのシルエットが出てくるショットが映画の最後のエンドロール部分に移動されていました。このまま新たな手法で定着するのかと思いきや、サム・メンデス監督は今回は往年のファンも納得してくれるであろう、おなじみのオープニングに戻してくれました。

実際は前作『スカイフォール』でも冒頭に戻そうと思ったのですが、何だかダニエル・クレイグの登場の仕方がしっくり来なかったということだったみたいです。今回はうまくいってよかったですね。

2.超かっこいい映画冒頭のシーン

映画の全体的な出来がどうかはさておき、オープニングコールが始まるよりも更に前のシーンのワンカットで撮られた(ように見える)シーンは圧巻です。ボンドと美しい女性がひとり、メキシコシティの死者の日をお祝いしている街中の群衆の中を駆け抜けていきます。そして2人はある建物の屋上まで上がっていくと、ちょうど目の前の他のビルに潜むボンドのターゲットであるマルコ・スキアラを視界に収めるのです。

ここまでが長いワンカットシーンで撮られています。その裏には進歩したCGの力があり、実際には何分割かのシーンをうまく繋ぎ合わせているのですが、それでも見事な迫力ある映像となっており、ボンド映画の中でもとても優れた名場面として以降もファンの記憶に残るでしょう。

3.至る所に稚拙なCG編集

さきの冒頭のシーンでは屋根の上をバイクで走ったり、電車の上での場面等、極めてCGと分るようなショットも多々含まれていましたが、もっとうまくいかなかったシーンもたくさんありました。

標的スキアラに銃の狙いを定めながら、同時にボンドは自分のビルの爆破装置を起動させ破壊します。しかし、クレイグがその場にいる臨場感が涌きません。なぜなら彼の身体が周囲の背景から完全に浮いてしまっていてすぐにCGだとわかるからです。

他にもこの画像の雪の中の飛行機のシーンや、最後にヘリコプターが爆発する場面もCGっぽすぎて迫力がかけています。どうしていつもヘリコプターになるとハリウッド映画はうまく行かないのでしょうか。とにかく、3億かそれ以上かけた映画がこの出来ではどうしようもないですね。お金があっても技術はこの程度が最高峰なのでしょうか。

4.80年代黄金時代のユーモラスなボンド

『スカイフォール』では冷静沈着に任務を淡々と遂行する寡黙なボンドが描かれていましたが、『スペクター』では70、80年代の007黄金期を支えたロジャー・ムーア演じるややユーモラスなボンドっぽさが少し垣間見えます。

ローマでのカーチェイスのシーンではデビッド・バウティスタ演じる敵のMr.ヒンクスをボンドが追いかけます。その際にハンドル操作がすべって変な音楽が流れ出したり、前をとろとろと走るおじいちゃんをやっとの思いで追い抜かしたり、挙げ句の果てには駐車を派手にしでかしエアバッグが飛び出す始末。なんとなくコミカルです。

他には、Qがオーストラリアのスキーリフトで立ち往生したり、ボンドの乗る飛行機は雪山に敵もろとも突っ込みボカーン。おもしろいシーンもあれば、え、今の何?という瞬間もありますが『スカイフォール』の印象が強い人は少し違和感を感じるかもしれません。

5.ボンドの自宅公開

ダニエル・クレイグ演じるボンドはボンドの私生活のパーソナルな部分に重きをおいて描かれて来たと言えるでしょう。『スペクター』ではさらに一歩踏み込み、観客はボンドのロンドンの自宅を見ることができるのです。(!)

こざっぱりとした必要最低限のものだけのシンプルな部屋にはソファ、テレビそして山積みの本を確認する事ができます。映画の序盤でマニー・ペニーが立寄り話す内容を聞く限り、ボンドは越してきたばかりであろうことが推測できます。それでもボンドの部屋が見れるなんて、貴重です。安らぐ私生活等無いに等しいボンドのわずかな任務外の時間を感じることができるシーンとなっています。

6.ジュディ・デンチがまた見れる

ファンの間で公開前から関心が集まっていたことの1つには、ジュディ・デンチの出演シーンがあるかどうかということがありました。

今回の任務にあたるボンドに動機を与えたのはデンチ演じるMからの指令の残った1枚のDVDだったのです。DVDの中でMはボンドにスキアラを追うように命じています。

死者に語らせるなんてなんてお決まりの、やもすれば手抜きの設定と思う007ファンも少なくないでしょう。しかし、そんな憤りなんて問題にも及ばないほどジュディ・デンチの存在感は我々を喜ばしてくれます。

7.スーパーハイテク監視装置

メキシコシティにてのむちゃくちゃな行動の代償として、Mによって一時任務を外されることとなるボンド。規則によりQの元に送られ、血管に四六時中の行動を監視するマイクロチップを取り付けられます。

ボンドはQを説き伏せ、スキアラの妻とその他の幹部を追う48時間だけ追跡監視の通信を切るように仕向けます。そしてQはMにボンドの居場所を偽り、かばうのでした。

ハイテクすぎる追跡装置に関する説明があまり劇中で無いため、見ているものは『???』とその血管に入るマイクロチップのアイディアがよく理解できぬまま終わっちゃった。なんて方も出てくるのではないでしょうか。そもそも血管に入れる必要あったのかな?

8.明かされる00〈ダブルオー〉の存在

Qは当初アストンマーチンのDB-10をボンドの任務用の車として用意していたが、任務から外されたのでその最新の試作品は009に与えたと言いました。009!実際には登場しませんが、他の00エージェントの存在が明かされるなんてどきどきしますね。

実際にクレイグのシリーズで他のエージェントの名前が出るのは初めてですし、そもそも一番最近他の00が出てきたのは95年の『ゴールデンアイ』の006以来のことなんです。

最終的にはボンドは華麗にQのもとから車を奪い返し、ローマへ向けて走り去っていくのでした。キザなシャンパン一本を申し訳程度に後に残して...。

9.過剰なプロダクト宣伝

007の劇中でスポンサーの商品の宣伝が多用されることは有名な話です。これだけ幅広い世代から支持される常に注目を浴びる大作なので、こぞって「うちの商品を使用してほしい!」という会社の熾烈な戦いがある事は容易に理解できますね。例えば、ボンドの手元がアップで映る時、それはいつだってオメガです(ロレックスはありえないのです)。そしてボンドは必ず一回はハイネケンを飲まなくてはなりません。

カーチェイスがお決まりのボンドムービーの中では車の宣伝は比較的自然に観れます。が、他の製品に関してはいくぶんあからさま感が否めません。ただそのためだけに、入れられたわざとらしいセリフまでは今回は無いですけれども。(カジノロワイヤルは結構主張が強かったことを覚えています。)

10.モニカ・ベルッチの出演時間がわずか6分

『スペクター』の中でも特に驚きとがっかりだったことと言えば、イタリアを代表する世界的女優モニカ・ベルッチの出演がちょこっとしか無かったことでしょうか。ベルッチはボンドが追うマルコ・スキアラの妻ルシアを演じました。2人は彼女の夫の葬儀で出会い、ボンドは冷淡に自己紹介のあいさつをします。

その夜、夫を無くしたルチアを2人の追っ手が襲います。そこをボンドは助けるのですが、夫を無くした彼女の命を守るものはもはや無く、もうじき夫の組織に自分は殺されるのだと心情を吐露するのです。ボンドと彼女はその張りつめた環境下で激しく互いを求め合うのでした。

そして心を許したルチアは夫が組織の幹部と落ち合うはずであった秘密の場所をボンドに告げ、ボンドは奴らの居場所を突き止める事ができたのです。

モニカ・ベルッチほどの大女優が、ただ単にボンドと寝て立ち去られるだけの役に留まるとは。実際に、彼女の役はまるまる作品からカットされていた可能性もあるぐらい小さな設定だったそうです。

11.フェリックス・ライター出演せず

更なる追っ手に追われる中、ボンドは盟友であるアメリカ人秘密情報部員であるフェリックス・ライターの力を借りればルチアを守れると約束をします。覚えている方も多いですね、ジェフリー・ライトによって最高に演じられたあのフェリックス・ライターです。

しかし、ファンの期待をよそに実際の登場はありませんでした。しかも、『スカイフォール』と合わせて2作連続で出演が無いので製作陣が彼の存在を忘れていない事を切に願います。次回以降の映画に期待をつなげましょう。

12.破壊力抜群の目つぶし

ボンドはローマでの謎の闇社会の会合に潜みます。もちろん、その首謀者はクリストファー・ヴァルツ演じる(見るからにただならぬ雰囲気)オーベルハウザーです。

議題は謎に包まれたターゲット、The Pale Kingを殺すに相応しい暗殺者はいるか。ということで、ひとりの男が名乗り出ます。自身の経歴を語り、自分がどれほどこのミッションに適しているかアピールします。オーベルハウザーが「他に希望者はいないか?」と最後に問いかけると、屈強な米プロレスラー、デビッド・バウティスタ演じる大男Mr.ヒンクスがいきなり勢い良くその男に目つぶしを食らわします。

R指定では無いのであまり分りやすくは見えないですが、それでも血まみれの親指を抜き取りナプキンで拭うその一連の動作はかなりグロテスクと言えるでしょう。とにかく、Mr.ヒンクスは今作の中でもそのインパクトで目立ったキャラクターであったことは間違い無しです。

13.マニー・ペニーにはパートナーがいた

ミーティングの後、ボンドはオーベルハウザーに呼び止められ、急いでボンドは会場を後にしようと追っ手を必死に振り払い相棒のDB−10に乗り込みなんとか逃げ出します。その直後をオレンジのスポーツカーでヒンクスが追います。ボンドはマニー・ペニーに助けを求める電話をかけますが、深夜なので寝入っているマニー・ペニーは無理矢理起こされることとなります。

あれ?あれれ?なんと、マニー・ペニーのその横でもう1人男が寝ているではありませんか。

電話にでる彼女の横でその男は「誰からの電話か」と尋ねます。マニー・ペニーは「上司からの電話で、彼のクレジットカードが詐欺被害にあったの。」と嘘をつきます。それを聞いたボンドはからかって、誰だと聞きます、そしてマニー・ペニーは「ただの男友達よ」と答えるのでした。すると、ボンドはいくらか苛立ったように「友達と呼ぶにはすでに一線を超えている」と指摘すると、「これは人生を楽しむと呼ぶの。あなたにも血の通った時間が必要だと思うわ。」と返されるのでした。

常に何かありそうな微妙な雰囲気の2人の関係が、このやり取りによって表される部分は多いでしょう。そして、ボンドはやはり職場でも孤立した存在であること、人との関わりを好まないことが分ります。国家に従事するシークレットエージェントでも、もっと私生活と仕事のバランスをうまく取っている同僚もいるようですね。ボンドだけがここまで不器用なのでしょうか。

14.ミスター・ホワイトの自殺

命を狙われていたThe Pale Kingの正体はなんとあの『カジノロワイヤル』と『慰めの報酬』でおなじみ、ボンドの宿敵ミスター・ホワイトであったということを突き止め、ボンドは彼の隠れアジトを見つけ出すのでした。ホワイトを演じているイェスパー・クリステンセンは出演の過去2作品を公開後に批判していますが、今作でも結局ゲスト出演を果たしています。

ボンドは、ミスター・ホワイトがオーベルハウザーのために以前働いていたが、オーベルハウザーのテロの標的が女子どももかまわず無差別になっていったことで意見が食い違い、離反しようとしたことを知らされます。そして、その裏切り以降、彼はオーベルハウザーの手下により微量な毒物を投与されつづけ、残りいくばかりも無い命であることをボンドに伝えるのでした。

ボンドはホワイトが娘であるマドレーヌ・スワンを必死で守ろうとしていることを知り、ホワイトと取引をします。オーベルハウザーの居場所を教えれば娘を代わりに守ってやろうと。そこでホワイトはマドレーヌの居場所と、彼女こそがが手がかりになる人物を見つけ出す手がかりを知っているはずだと教え、自身に銃口を向けその命を経ったのです。

15.バーテンに適当にあしらわれるボンド

マドレーヌに会うため、彼女の働くオーストリアにある富裕層向け保養所を訪れたボンド、そして父親の死と彼女を守るという約束をした話をします。しかし、マドレーヌはそんなことを重荷に思い自分を守る必要は無いとボンドに告げました。

ボンドはバーへ向かい、彼のシグネチャードリンクでもあるマティーニを注文しようとすると、バーテンダーから「うちは酒を出してない」と言われるのでした。そこへ、Qが現れバーテンにボンドに”エンザイム健康シェイク”なるものを出すように言います。間もなくして緑色の怪しげな飲み物が出てくると、ボンドは「トイレに流してくれ、こいつの言うことは聞かないように。」と拒絶するのです。

ボンドとお酒の切っても切れない関係を皮肉るシーンで、今作の中では比較的おもしろいシーンだったのでは無いでしょうか。

16.ミスター・ヒンクスにとどめを刺さないボンド

マドレーヌは結局ヒンクスにさらわれ、ボンドはなぜかそこにある小型機で奴らを追います。激しい戦闘で機体には穴が開き、翼は破損し森に墜落して雪山の斜面を滑落し、敵の一台の車に衝突します。

マドレーヌを捕らえているヒンクスの乗る車は間一髪でボンドの飛行機との衝突を免れたものの、ヒンクスは窓から投げ出されます。ボンドは運転手を狙撃し、マドレーヌを助け出す事に成功するのでした。しかし、次の画面ではヒンクスのかすかに動く手が映し出され、彼が生存していることを物語っています。

そんなに詰めが甘くていいのでしょうか?いや、まあ映画だっていうことはわかりますけど、あんなに凶暴な奴をとどめを刺さずに活かしておくという危ない選択肢があるなんて...。いつまた奴が追ってくるか恐怖心が消えないじゃないですか!

17.ミスター・ホワイトの名誉挽回

予想外の展開といえば、ミスター・ホワイトの名誉を挽回するかのような今回の彼のキャラクターでしょう。たしかに、彼が”敵”としてボンドに対して行ってきた過去の行動は非道であり、歴とした’悪党’であることに変わりはありません。しかし、今作でのミスター・ホワイトは冷酷な男では無く、人間味のある娘を心から愛する父としての一面が描かれています。

ボンドがマドレーヌにオーベルハウザーの居場所へと導く手がかりとなる人物の名前を尋ねると、それは人では無く場所だと答えるマドレーヌ。

ルアメリケインというのはホワイトが彼の妻と記念日を祝いによく訪れていた思い出のホテルであり、ボンドとマドレーヌは訪れます。愛用していた部屋を調べていると隠し部屋があることにボンドは気がつくのです。中には貴金属類と位置を示した座標のメモがあり、その場所に2人は向かうのでした。

あんなに今まで悪い奴だと思っていたのに、死んでからいいところもあったなんてずるいじゃないか。子どもを想う親の気持ちに偽りは無いのですね。

18.ヒンクスの最後となぜか吹替え(のような)声

マドレーヌと共にモロッコを電車で移動するボンド。旅の途中、2人の距離は縮まっていきます。そんな良い時にやっぱり!ヒンクスが現れ大暴れ。ボンドへの復讐心を旨に襲いかかってくるのでした。このシーンはほぼBGM無しで取られており、一種効果的な空気を作り出しています。

ヒンクスはボンドを追いつめ、マドレーヌを殴り、ボンドを電車の外へ放り出そうとします。しかし、ボンドもやられっぱなしではありません。ヒンクスの首に鎖を引っかけ、メタル製の樽につなげ、その樽もろとも蹴り出しヒンクスは列車の下敷きとなります。その時ヒンクスの劇中での唯一のセリフ「クソッ!!!」という言葉が発せられるのでした。

さらにここでおかしな点は、唯一のセリフの声がどう考えてもヒンクス役のバウティスタの普段のものとかけ離れているということです。映画の声はもっとヨーロッパっぼいアクセントで高い感じがします。もしかしたら、バウティスタが実は声色を変えることがとても得意なのかもしれませんが、十中八九吹き替えでしょう。なんで吹き替えにする必要があったのでしょうか?

19.オーベルハウザーの登場が遅い!

ボンドがローマに向かう中、今回の黒幕であるオーベルハウザーがちらっと登場します。スペクター会議では彼はぼんやりとほとんど影のみの出演で何個かセリフを発すると5分とたたずにまた去ってしいました。

ちゃんと何者であるのかしっかりと観客に向けて説明がされるのは映画も100分を過ぎたころ、ボンドとスワンが目的地に向かおうとしている映画も終盤に入ってからなのです。追っ手を送り、2人を自分の隠れ家へ連れてくるとようやく本人と地下で対面を果たすことになります。

クリストフ・ヴァルツの悪役を楽しみに『スペクター』を見に来た人はさぞがっかりすることでしょう。彼の登場シーンは25分そこそこ。ヒンクスと変わらないぐらいなのですから!今回の作品には分りやすい大悪役がオーベルハウザー以外には不在なので、なおさら彼の活躍が期待されていた訳ですが、次回以降にヴァルツの登場が増えることを期待することにしましょう。

20.ブロフェルドの正体

ファンの最大の関心は、”オーベルハウザーこそがブロフェルドの正体なのか?”もちろん制作側は否定をしてきましたが、そうです。彼こそがブロフェルドだったのです。やっと真相が明るみに出ました。

映画の終盤、オーベルハウザーはボンドをボコボコにし、串刺し拷問装置のある別部屋へと移します。そこで彼は、本物のオーベルハウザーであった実の父は20年前に自身で殺めており(’事故’と言っていますが)、自分はスタヴロ・ブロフェルドであることをボンドに知らせるのでした。ちょうどその時あのトレードマークの白猫も出てくるというわけです。

ヴァルツをもってしてブロフェルドが物語に帰ってくるのはファンとしてはうれしいですが、その判明するまでの展開があまりにもあっさりというか、ちょっと期待外れでつまらない思いをする人も多いかもしれません。

21.義理の兄弟!?

映画の最初の前半にマニー・ペニーから、スカイフォールのがれきから回収した自身の所持品を受け取るボンド。その中に意味ありげな少年と父親らしき人物、その横には焦げて顔が見えませんがもう1人の少年の3人で移った写真がありました。

もしかして、この目の前にいるブロフェルドこそがもう1人の少年なのでしょうか?顔の部分が燃えているだけではあまりにもわかりやすい伏線ですね。

そこでボンドとブロフェルドが幼少期を回想します。ボンドは両親を亡くし、オーベルハウザーの父親に引き取られたのです。ボンドの存在のせいで自分に十分に愛情が向かなくなったと感じたブロフェルドの幼少期の傷がボンドをここまで執拗に忌み嫌う動機だったのです。

ボンドを幼い頃の嫌なあだ名で呼ぶブロフェルド。そんな悪党は見たくありません。ただのこどものわがままで単に哀れにしか映らないじゃないですか。親子関係のもつれが007の根底にあったとは。なんとなくこの2人のつながり、信じがたいですが...。

22.たった数日で愛を誓うヒロイン

『スペクター』でさらにツッコミたい点はボンドとマドレーヌのロマンスです。まあ、特異な環境の中で互いに惹かれ合っていく過程は百歩譲って理解するとしましょう。しかし、拷問を受けたボンドを見つめマドレーヌは彼の元に歩み寄り「愛してる」と伝えるのです。

まだ出会って数日なのに!しかもマドレーヌは最初とてもまともな冷静な子だったのに。なんか急展開すぎませんか?ここでもまたリアリティが欠けている気がします。マドレーヌが登場するのは映画も半分を過ぎてから。観客を納得させるにはあまりにも2人がともに過ごした時間が少ないような仕上がりとなっています。

23.最後の山場はMI6ビルの破壊

ブロフェルドの拷問マシーンからなんとか抜け出し、彼のアジトを見事に爆破し逃げる2人。その後ボンドはロンドンへ戻りますが平穏は訪れず、また何者かにさらわれるのです。なんと行き着いた先にはブロフェルドが待ち構えているではありませんか。

ブロフェルドはマドレーヌを誘拐したので、助けたくばMI6の建物を3分以内に破壊すること、さもなければ2人とも殺すとボンドに冷酷に宣告します。ボンドは隙をつきマドレーヌを助けるべく逃げ出すのでした。

24.言ってはいけないCワード

『スペクター』の中で一番おもしろかった場面はCとMが戦うシーンでしょう。CとMが互いに銃を取り戦うシーンで、CはMを”能無し”(Moron)と呼び挑発しますが、MはCを...”たこ”(callous)呼ばわりします。

でも本当はMがCをなんと言いたかったかは簡単にわかります。英語でもっとも口に出してはいけないとされる最大の侮辱の言葉Cから始まる4文字です。あえて言葉に出さずにしたところがスマートで爆笑をかっさらったことでしょう。英語には言ってはいけない汚い言葉がたくさんありますからね。けっこう過激なジョークとなっています。

25.”文字通り”文字は壁に

MI6の建物に潜入した際にボンドは壁にスカイフォールの爆破で亡くなった人々の名前が書いてあるのを見つけます。その中には彼自身の名前も生々しい赤いペンキで書かれていました。

今回の主題歌が『ライティング・オン・ザ・ウォール』ということを考えると、主題歌よりも先にシーンの構想があったとしてもあまりにも分りやすくちょっとださい感じがします。

26.Mとの戦いで命を落とすC

予告編ですでに2人の戦いがあることは知らされていましたが、実際に激しくやり合った後、バランスを崩しCは地上へ真っ逆さま、即死します。

Cは嫌な奴だったのでむしろせいせいしている人も多いでしょう、どうせならバランスを崩すのではなく、MがCの頭を打ち抜いてくれた方がかっこ良かった気がします。

27.死なないオーベルハウザー

最終的にボンドは間一髪でマドレーヌを救い出し、MI6のビルは破壊されるのでした。その一部始終を上空のヘリコプターから眺めるブロフェルド。ボンドはテムズ川をスピードボートで飛ばしながら銃口の狙いをヘリコプターに定めます。そして、見事命中し、ヘリはウェストミンスターブリッジの上へと墜落します。

乗員は全員即死、ただ1人ブロフェルドを除いては。彼は不死身なのです。ボンドは彼の息の根を止めるチャンスがありながらもすんでのところで考えを変えて彼を生き残らせる道を選択します。これで、次回作以降もヴァルツの怪演が見れる事は約束されたも同じです。

28.ジェームス・ボンド引退?!

ブロフェルドを見逃した後ボンドはマドレーヌの元へ。まるでラストシーンかのような撮り方でしたが、もうワンシーンあるのです。

ボンドはQを訪れます。ボンドはとっくに姿をくらましたと想っていたQは彼の訪問を驚きます。ボンドは「ああ、ジェームス・ボンドはもういない。ただ俺はもう1つ必要なものが残っているんだ。」シーン変わって、スカイフォールで破壊されたはずの愛車アストン・マーチンDB-5に乗り込むボンド、その横にはマドレーヌの姿が。画面暗くなり、エンドロールへ。。。

この終わり方じゃまるでマドレーヌこそがボンドがついに定めた’一生の相手’みたいですが、そんなの納得いきません。ヴェスパーとの心のつながりの方がよっぽど強かったし、どちらにしろジェームス・ボンドに引退なんてあり得ないのですから。