2017年7月6日更新

映画『フォックスキャッチャー』では描かれなかった17の真実!

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『フォックスキャッチャー』

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第67回カンヌ国際映画祭で監督賞受賞『フォックスキャッチャー』

実際に96年に起きたデュポン財団御曹司によるレスリング五輪金メダリスト射殺事件を題材に描かれた人間ドラマです。第67回カンヌ国際映画祭で監督賞に輝きました。 富豪と金メダリストの富や名声、孤独といった人間の欲や闇を映し出し、その狂気の演技が話題を呼びました。米誌『People』に“最もセクシーな男”に選ばれたこともある人気俳優チャニング・テイタムが事件に巻き込まれていくオリンピック金メダリストの弟マークを演じています。

17.小道具に実際にデイヴが使っていた本物のメガネを使ってる

ナンシー・シュルツ(デイヴの妻)がマーク・ラファロにデイヴのメガネを渡すシーンが作中にあるのですが、そのシーンでラファロがかけていたメガネは実際にデイヴが使っていたものだったそうです。

16.役作りで他の俳優たちと関わることを禁じられていた!

監督であるベネット・ミラーはスティーヴ・カレルにできる限り臨場感を出しながら演じてもらいたかったために他の俳優たちと撮影以外で関わることを禁じていたといいます。それを忠実に守ったスティーヴは撮影の合間に冗談を言い合ったり、仕事終わりに他の俳優たち関わることはなかったといいます。

15.スティーヴ・カレルのメイクにかける所要時間は二時間?!

スティーヴ・カレルは実際の存在したジョン・デュポンに外見も似せるためにつけ鼻をつけていたのですが、光の加減でどうなるか、カメラを通した時にどう見えるかなどのテストでいくつものつけ鼻をつけたといいます。 そして彼のメイクには毎回2時間を要したそうです。メイクでは彼の肌の色さえも本人に似せるために変えたといいます。

14.厳しすぎるトレーニングをやり遂げ最後に思わず涙

チャニング・テイタムによると、彼とマーク・ラファロは6ヶ月にも及んだ厳しいレスリングの稽古を受けたそうです。しかもその費用は俳優持ち。長時間の撮影を終えたかと思えば、激しいレスリングの稽古を受けるという生活を続けていたため、最後のトレーニングが終わったあとは二人共感極まって泣きあったといいます。

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13.演技で殴られて耳の鼓膜が破裂していた

映画の中のあるシーンでチャニングをマーク・ラファロが殴る場面があり、そのシーンの撮影ではなんとチャニングの耳の鼓膜が破裂してしまったそうです。

12.チャニング・テイタムが鏡を割ったのはアドリブだった!

チャニング・テイタムがミラーを鏡を割るシーンがあるのですが、実はあれ台本にはありませんでした。チャニングが役どころに忠実に演じていたら自然と鏡を割ってしまったのだとか……。

11.マークとデイヴが同時期にフォックスキャッチャーに参加した事実はない!

マーク・シュルツ
『フォックス・キャッチャー』の中でマーク・シュルツとデイヴ・シュルツ兄弟は、二人一緒ににレスリングキャンプのフォックスキャッチャーでトレーニングを行っていましたがこれは事実ではありません。マークは富豪のデュポンと仲たがいをおこし、デイヴがキャンプにくる何年も前に去っています。 ”私はデイヴがキャンプに来てからはレスリングをしていない、BYUで柔術をしていた”と映画が公開後、Facebookに投稿しています。 実際、マーク・シュルツはこの映画の事実と異なる脚色により中傷を受けています。マークが兄であるデイヴに介抱されるほど脆弱なレスラーだったということもありません。 なぜならデイヴはその時キャンプにはいなかったのです。マークは真のアスリートで精神的に弱いということはフィクションです。マークはデュポンが新しく建てたレスリング施設でトレーニングをしたこともありません。

10.ジョン・デュポンの母親はフォックスキャッチャー建設前に亡くなっていた!

ジョン・デュポン
この作品で、ジョン・デュポンの母親への承認欲求に同情した人も多いのではないでしょうか?しかし、母親に良いところを見せようとジョンがレスラーにありきたりな筋トレ器具で指導し、そのレスラーがまるですごい技術を教わっているかのように振舞い母親は馬鹿にしたように去ったシーンはフィクションです。 実際は1988年彼の母親はジョンがフォックスキャッチャーキャンプを始める前にに亡くなっていました。

9.UFCはマークにとって栄光の日々!

マーク・シュルツのUFCでの成功は彼の栄光の瞬間の一つですが、劇中ではUFCを野蛮なイベントとして描いていて、マークはまるで仕方がなくこの世界に入ったかのように思えてしまいます。 一番の間違いは1988年のオリンピックより前に、マークが仲間たちと家でUFCのイベントを見ていることです。なぜならUFCは1993年に設立したからです。映画で見られていた試合は1996年2月に実際に行われた試合です

8.描かれなかった遺産相続!

この作品ではジョン・デュポンが彼と親しい関係にあった、ブルガリアのレスラー、ヴァレンティン・ヨルダノフに80%の財産を残したことは描かれていません。 ヨルダノフはフォックスキャッチャーでトレーニングを積み、デュポンの財産数億円を相続したのです。 さらにデュポンは極端なナショナリストとして描かれていましたが、ブルガリア人レスラーをキャンプで大事な人物として扱っていました。そのためジョン・デュポンはブルガリアで大変な有名人です。

7.印象的なあのシーン!?実はフィクション!

『フォックス・キャッチャー』の中でジョン・デュポンがマーク・シュルツの顔を叩く印象的なシーンがあります。マークはFacebookにこう投稿しています。”もしデュポンが私を叩いていたら、彼を張り倒していただろう” マーク・シュルツはオリンピックの金メダリストであり、WWEのチャンピオンのカート・アングルがアメリカレスリングの歴史において最も強いレスラーの一人だと語るほどの男です。いくらデュポンほどクレイジーな人物であっても彼の顔をはたく勇気はなかったことでしょう。

6.マークにとって迷惑なフィクション!

この映画の様々な描写により、ジョン・デュポンがマークと肉体関係があるかのように仄めかしていますが、それは馬鹿らしいほどの間違いで、うんざりするとマークは語っています。 この映画がミスリードしていることは確かですが、マークはゲイではなくデュポンと関係は持っていないと主張しています。あるレスリング関係者によると、ジョン・デュポンとあるレスラーが関係を持っていたことを認めていますが真相は確かではありません。

5.映画のような事実が省略されていた!

カート・アングルはここ20年で最も有名なWWEレスラーの一人です。それ以前の彼は1996年アトランタオリンピックで金メダルを獲り、間違いなく名声のあるレスラーの一人です。 彼はフォックスキャッチャーでトレイニングを行ったこともあり、デイヴ・シュルツの友人でもありました。しかしこの作品でそのことは描かれていません。 カートの物語はある意味マークの物語よりも数奇なものかもしれません。カートはデイヴに指導を受けていて、デイヴが銃撃事件にあった6ヶ月後にオリンピックで金メダルを獲得しました。

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4.ジョン・デュポンの身体的問題!?

作中ではジョン・デュポンは身体的に弱い独り者のとして描かれています。しかしこれはフェアな表現ではありません。彼は大学一年の時にレスリング経験があり、スポーツにも興味は持ち続けていました。 カート・アングルは本でデュポンは競技者、スポンサーの両方で熱心にレスリングに関わっていたと語っています。彼は40代、50代のレスリングトーナメントに参加していました。

3.ジョン・デュポンレスリングへの献身性の真実!?

ジョン・デュポンがアメリカレスリング史において最も重要な人物であったことはこの作品の描いた通りです。彼はフォックスキャッチャーに8000万円を注ぎ込みベストなトレイニング器具や栄養サプリメントを用意しました。 この作品でスティーヴ・カレルは漫画のようにエキセントリックな人物としてデュポンを演じました。しかし彼は単にエキセントリックな男だっただけではなくアマチュアレスリングへの情熱は本物でした。

2.事件へのきっかけ!?

ジョン・デュポンは殺人事件を起こす数日前、頭に衝撃を受けていました。彼は家で倒れ、頭をテーブルか椅子に打ち付け意識を失いました。 これが事件の引き金となったのかは疑問ですが、カート・アングルは本で”彼はレスラーの一人が彼の頭をバットで叩いたと思い込んだのではないか”と書いています。

1.映画『フォックスキャッチャー』時間軸改変点!?

疑いようもなく、この作品で間違っているところは時間軸です。マーク・シュルツはデイヴの影的存在として描かれていましたが、彼は80年代中ごろには活躍していました。1984年にオリンピックで金メダル獲得、1985年に世界チャンピオンになっています。 レスリング関係者もマークが最も才能あるレスラーの1人であることを認めています。最もおかしな時間軸は、マークが1988年のオリンピックに出場し、すぐにUFCへ行ったことが仄めかされている点とデイヴがオリンピック後に撃たれたとされた点です。実際は1996年に起きた事件です。