2017年7月6日更新

SF映画の金字塔『フィフスエレメント』について知っておきたい10のこと

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『フィフス・エレメント』
© Sony Pictures Entertainment

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SF映画の金字塔『フィフスエレメント』とは?

タクシードライバーのコーベン・ダラスは悪の脅威が迫った23世紀の地球で、人類を救う唯一の存在リールーに出会います。ある使命を与えられていたリールーは、武器商人ゾーグ率いるマンガロワ人に命を狙われていました。 かつて米軍特殊部隊に所属していたコーベンはリールーを助けることを決意し、人類滅亡を阻止するための宇宙を股に掛けた戦いが始まります。 『レオン』や『TAXi』シリーズを手がけたリュック・ベッソン監督が、ブルース・ウィリスを主演に迎えた本作。世界的デザイナーによる独特な衣装や、個性的なキャラクターが盛り上げるコメディ要素満載のSFアクションです。

1.『レオン』のヒットが製作の鍵だった

Leon – The Professional
1992年に『フィフス・エレメント』の製作を開始した時、リュック・ベッソンはすでに数本の映画を監督した経験がありました。しかし当時の彼の経歴では、巨額の資金を必要とするSF映画の撮影に十分なだけの製作費を、映画スタジオから受け取ることができませんでした。 そこで彼は『フィフス・エレメント』の製作を保留にして、ジャン・レノ主演の大ヒット作『レオン』を企画・製作し、その実力を世に知らしめました。この『レオン』の成功により潤沢な資金提供を受けることが可能になり、『フィフス・エレメント』の製作が再開されたのです。

2.アメリカの作品を除けば史上最高額の製作費

『フィフス・エレメント』
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『フィフス・エレメント』製作費は9000万ドル、日本円にしておよそ100億円と言われています。これは同じ年に公開された『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク』と同規模の予算です。

3.悪役ゾーグを演じたゲイリー・オールドマンのキャスティング秘話

『フィフス・エレメント』
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前作『レオン』でリュック・ベッソン監督作品に出演していたゲイリー・オールドマンは、脚本を読むこともなく『フィフス・エレメント』への出演依頼を了解しました。 『レオン』の撮影前から知り合いだった二人は、友人として交流があったためにすんなりと『フィフス・エレメント』の出演を決めたそうですが、ゲイリー・オールドマンはのちにコスチュームの着心地の悪さを嘆いていたそうです。

4.『フィフス・エレメント』のタイトルが意味するもの

『フィフス・エレメント』
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ヨーロッパには四元素説と呼ばれる、万物が火・風・水・土から成り立つという思想があります。本作のタイトル『フィフス・エレメント』は、この四元素に並ぶ五つ目の要素としての”愛”を意味します。リュック・ベッソンはまだ10代だった1970年代に、四元素を含む『フィフス・エレメント』のコンセプトを自ら思いついたと語っています。 しかし、この四元素の基本的なコンセプトは、すでに遥か昔の哲学者たちによって考え出されていました。父親から『フィフス・エレメント』はギリシャの哲学者プラトンの著書のリメイク版だと指摘され、それを読んだリュック・ベッソンは脚本との共通点の多さに驚いたそうです。

5.ミラ・ジョボビッチのハイキックをする脚は偽物!?

『フィフス・エレメント』
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地球を救う謎の美女リールーに抜擢されたミラ・ジョボビッチは、アクションシーンのためにトレーニングを受けたそうです。しかしまだアクションに不慣れだった彼女は、足を高く上げて蹴ることができませんでした。 そこで撮影スタッフはフェイクの脚を棒に取りつけた小道具を用意しました。スタッフはその脚をカメラの下に構え、ミラ・ジョボビッチが蹴っているような体を動きをした瞬間にその動きに合わせてフェイクの脚を高く上げ、ハイキックをして見えるように撮影したそうです。

6.ディーヴァの容姿は出演者も知らない機密事項!?

『フィフス・エレメント』
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リュック・ベッソンは俳優たちが初めてオペラ歌手ディーヴァ・プラヴァラグナを見た瞬間の、自然な驚きの表情を撮影したいと考えました。そのため登場する直前までディーヴァの姿はカーテンで隠されていたそうです。 奇妙な青い肌に頭と背中から触手を生やした宇宙人に驚くブルース・ウィルスの表情は、演技というよりも自然な反応だったのかもしれません。

7.衣装担当ジャン=ポール・ゴルチエのこだわり

『フィフス・エレメント』
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『フィフス・エレメント』のキャストが着用する衣装は、マドンナに衣装提供したことでも知られているフランスのトップデザイナー ジャン=ポール・ゴルチエがデザインを手がけています。 彼は1000着以上もの未来的なコスチュームをデザインしただけでなく、数百人のエキストラを動員した大観衆がいるシーンでは撮影前に一人一人の衣装チェックを彼自身が担当したそうです。次に本作を観るときは彼に敬意を表して衣装に注目してみてはいかがでしょうか?

8.ディーヴァが歌う美しいオペラも話題に

The Fifth Element
女優・映画監督・脚本家として活動するスランスのマイウェンが演じたオペラ歌手ディーヴァ・プラヴァラグナ。 ディーヴァは劇中でガエターノ・ドニゼッティが作曲したイタリア語オペラ『ランメルモールのルチア』のアリア、そして作曲家エリック・セラの『ザ・ディーヴァ・ダンス』を披露します。オペラ『ランメルモールのルチア』の歌の吹き替えをしているのはオペラ歌手のインヴァ・ムラです。 ちなみにディーヴァの名前は、子供の頃にリュック・ベッソンが夏休みを過ごしたクロアチアにある防空壕に由来しているそうです。

9.フレンチコミックからの影響も

Valérian, tome 2 : L’Empire des mille planètes Album – 8 octobre 1997
リュック・ベッソンは10代の時にフランスのコミックに夢中になり、ジャン=クロード・メジエールやジャン・ジローのSF作品から影響を受けたそうです。 『フィフス・エレメント』の製作にあたっては彼らに協力を得て、スケッチや絵コンテを広く使用しました。

10.リールーの話す古代宇宙語は造語

『フィフス・エレメント』
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リールーが話す古代宇宙語はリュック・ベッソンが創作したものをもとに、ミラ・ジョボビッチと共に洗練させていきました。ミラ・ジョボビッチは4か国語を操るほど語学が堪能で、この新しい言葉を習得するのには苦労をしなかったようです。 400語しかない言語で、2人は会話をし手紙を送り合って練習をしました。撮影が終わる頃には古代宇宙語だけで会話が成立するほどに上達したそうです。