2017年7月6日更新

2016年日本アカデミー賞受賞作品を予想してみた!【結果速報追記!】

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安藤サクラ『百円の恋』

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2016年第39回日本アカデミー賞受賞作品が発表!

日本アカデミー賞受賞まとめ

最優秀作品賞:『海街diary』 最優秀アニメーション作品賞:『バケモノの子』 最優秀主演男優賞:二宮和也『母と暮せば』 最優秀主演女優賞:安藤サクラ『百円の恋』 最優秀助演男優賞:本木雅弘『日本のいちばん長い日』 最優秀助演女優賞:黒木華『母と暮せば』

2016年日本アカデミー賞を大胆予想!

「日本映画人による日本映画人のための日本映画の祭典を」という理念のもと1978年より発足し、2016年で39回を迎える日本アカデミー賞。今年も、その季節が近づいてまいりました。 複数の部門で優れた映画を決定し表彰するという日本映画の振興を目的としたこの一大イベントに、果たして今回はどの作品が名誉ある賞を獲得するのでしょうか。主要の数部門についてCiatr独自に受賞結果を予想してみました。 ※選考対象となる作品は、2014年12月14日~2015年12月15日までに公開され、日本アカデミー賞協会による基準を満たした167の日本映画です。

最優秀作品賞予想

【本命】安藤サクラ主演『百円の恋』

ずばり、最優秀作品賞に選ばれるのは安藤サクラ主演・武正晴監督の『百円の恋』でしょう。自堕落な生活を送っているアラサーでひきこもりの斎藤一子(安藤サクラ)がボクサーである狩野祐二(新井浩文)と出会ったことをきっかけに、ボクシングを通して自らと向き合っていく人間ドラマです。 本作は第88回米アカデミー賞外国語映画部門において、日本出品作に選出されたことでも話題となりました。ダメダメだった一子が成長していく姿に、自分を重ねてしまうこと請け合い!公開規模がそこまで大きくなかったことが難点ではありますが、本作が今回の本命と言えるでしょう。気になる方は、発表までに是非鑑賞しておきましょう。

受賞!【対抗】大和撫子版アベンジャーズ『海街diary』

綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずら人気若手女優が集結した『海街diary』。家族の問題を抱える4姉妹がそれぞれの思いを胸に抱き葛藤しながら、共同生活を通して絆を育む様を描いたドラマ映画です。 実は、昨年の『永遠の0』や一昨年の『舟を編む』など、歴代の日本アカデミー賞では、小説原作の映画が作品賞を受賞をしている傾向があります。そして、本作は漫画を原作とした映画のため、一見受賞する可能性は薄いように見えます。 しかし、本作の邦画ならではの良い意味で質素な雰囲気にマッチした生と死をゆるやかに描く脚本は業界でも絶賛されており、、撮影監督の瀧本幹也氏による素晴らしい映像美がそれを引き立て、本年度の作品の中でも美しさという点で傑出しています。また、第37回に優秀作品賞に選定されている『そして父になる』の是枝裕和監督作品であることからも、本作が最優秀作品賞に選ばれる可能性は大きいのではないでしょうか。

【大穴】山田洋次監督による戦争映画の佳作『母と暮せば』

2002年公開の『たそがれ清兵衛で第23回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞している山田洋次監督は、前々回、前回と『東京家族』『小さいおうち』が作品賞に連続ノミネートを果たしている日本アカデミー賞の常連です。 吉永小百合、二宮和也、黒木華といったメインキャストも安定感抜群でしたので、『百円の恋』『海街diary』で票が割れた場合、間を縫って浮上してくることは考えられます。

その他の候補

日本のいちばん長い日(2015年8月8日) 海難1890(2015年12月5日)

最優秀アニメーション作品賞予想

受賞!【本命】細田守最新作!青春冒険活劇『バケモノの子』

今年の夏休み映画といえばコレ!人間界の渋谷とバケモノが棲む世界が繋がったことによる不思議な出会いから始まる、師弟・親子・友情の物語。両親の離婚で行き場を無くした少年・九太がバケモノの世界に生きる熊徹と生活するうちに成長し、人間の強さと弱さを学んでいく冒険譚です。 本作を手がける細田守氏は、今や日本を代表する有名アニメ映画監督として名を馳せており、過去にも本賞において第30回『時をかける少女』、第33回『サマー・ウォーズ』、第36回『おおかみこどもの雨と雪』が最優秀アニメーション作品賞を受賞しています。本年度の文句なしの大本命です。

【対抗】葛飾北斎の娘を描いた浮世アニメーション『百日紅~Miss HOKUSAI~』

江戸時代に絶大な支持を得た“浮世絵”をテーマとして、浮世絵師である葛飾北斎と、その娘であるお栄にフォーカスして江戸時代の人間模様を描いたアニメーション映画です。杉浦日向子氏の原作を見事に映像化し、日本文化に触れているところが日本アカデミー賞好みではないでしょうか。

【大穴】25億超大ヒットのアイドルアニメ!『ラブライブ!The School Idol Movie』

2013年より放送が開始された深夜アニメ『ラブライブ!』を中心としたメディアミックス群の映画化作品『ラブライブ!The School Idol Movie』!アイドルグループである「μ's(ミューズ)」の9人に焦点を当てたアイドルムービーです。 本作でヒロインらの声を担当し、歌手としても活動している新田恵海らより成る声優ユニット「μ's」はNHKの紅白歌合戦にも参加が決定し、今一番勢いのあるアニメと言っても良いかもしれません。もしかしたら、日本アカデミー賞にも爪痕を残す結果になるのでは・・・?

その他の候補

心が叫びたがってるんだ。 ドラゴンボールZ 復活の「F」

最優秀主演男優賞予想

【本命】役所広司『日本のいちばん長い日』

太平洋戦争末期の45年、ポツダム宣言受諾を要求された日本の一日を描いた戦争映画です。半藤一利によるノンフィクションを題材にした1967年以来2度目の映画化作品で、役所広司が陸軍大臣の阿南惟幾として主演しています。 毎年のように優秀賞に選出されている印象のある役所広司ですが、実は最後に最優秀主演男優賞を獲得したのは第21回の『うなぎ』。本作で受賞を果たした場合、なんと18年ぶりの快挙となるのです。

受賞!【対抗】二宮和也『母と暮らせば』

今回が日本アカデミー賞初ノミネートとなる二宮和也。演技力の高さには定評がありましたが、これまでの出演作は日本アカデミー賞向きでないものが多かったことがノミネートされなかった原因でしょう。 今回の『母と暮らせば』は日本を代表する巨匠による戦争映画。まさに日本アカデミー賞の本筋とも言える作品。受賞が期待されます。

【大穴】大泉洋『駆込み女と駆出し男』

作品賞には惜しくもノミネートされませんでしたが、映画ファンの間でも評価の高かった『駆込み女と駆出し男』。大泉洋のコミカルな演技も実にハマっていました。 本命の役所広司に比べると受賞の可能性は低いように思えますが、大泉洋の受賞は話題性としては抜群でしょう。

その他の候補

佐藤浩市『起終点駅 ターミナル』 内野聖陽『海難1890』

最優秀主演女優賞予想

受賞!【本命】安藤サクラ『百円の恋』

作品賞の筆頭候補にも挙げた濃厚なヒューマン・ドラマ『百円の恋』ですが、主演の安藤サクラの激烈な演技がそのクオリティを支えていると言っても過言ではないでしょう。実際にボクシングに本気で取り組み、驚異の肉体改造に挑んだそう。劇中でも前半にはぜい肉の目立つだらしない身体であるのにも関わらず、後半になるとその面影はまったく消え去っています。 指導を受けたプロボクサーの方にプロテストの受験を勧められたほどという安藤サクラのボクシングの腕前と、役作りに対するストイックさ。これこそ、主演女優賞間違いなしでしょう。

【対抗】吉永小百合『母と暮せば』

山田洋次監督の最新作であり、『父と暮せば』と対になる、1948年の広島を舞台としたヒューマン・ドラマです。息子を原爆で亡くし、残された母親が息子の亡霊と暮らす悲しい物語であり、吉永小百合はその母役である福原伸子を演じています。共演には嵐の二宮和也。 吉永は昨年も『ふしぎな岬の物語』で優秀賞を受賞したほか、過去に最優秀賞を含め16回も選出されている常連です。本作で再び栄光に輝く可能性は、非常に高いのではないでしょうか。

【大穴】樹木希林『あん』

小規模公開ながら、国内外で絶大な評判を得ている『あん』に主演しているのは、受賞時には御年73歳となる樹木希林。大ベテランとして様々な映画に出演してきた彼女ですが、日本アカデミー賞の主演女優賞では、第31回の『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』と第36回の『わが母の記』のみに選出。ただ、その両方で最優秀主演女優賞を獲得しています。 『あん』の作品規模的に大穴とは言えるものの、受賞も納得の素晴らしい演技でした。

その他の候補

有村架純-ビリギャル 綾瀬はるか-海街diary

最優秀助演男優賞予想

受賞!【本命】本木雅弘『日本のいちばん長い日』『天空の蜂』

『日本のいちばん長い日』で、主演の役所広司に負けず劣らずの存在感を放っていたのが、昭和天皇を演じた本木雅弘です。映画の最重要シーンとなる「玉音放送」が話題となりました。そんな気品あふれる演技に反し、『天空の蜂』での新鮮な役柄も評判が上々。第28回日刊スポーツ映画大賞ではこの2作品で助演男優賞を獲得している本木雅弘が、今年の本命です。

【対抗】新井浩文『百円の恋』

今年助演として一番輝いていたのは、『百円の恋』では寡黙なボクサーを静かに演じ、『バクマン。』では金と休みに目のないコミカルな漫画家に変身するなど、あらゆる作品で全く異なる個性を発揮した新井浩文ではないでしょうか。意外にも本賞を受賞したことは一度も無い、新井浩文の新境地に期待がかかります。

【大穴】伊藤淳史『ビリギャル』

2015年、興行的にも映画としても文句なく成功した映画『ビリギャル』。本作の最大の魅力は何といっても、素晴らしいキャラクターを素晴らしい役者が演じていることでしょう。有村架純、吉田羊と並んで伊藤淳史も素晴らしかったです。 最優秀助演男優賞を受賞してもおかしくない演技でしたが、日本アカデミー賞はポップな作品より重めな作品の方が受賞しやすい傾向にありますので、大穴が妥当というところでしょう。

その他の候補

浅野忠信『母と暮せば』 染谷将太『バクマン。』

最優秀助演女優賞予想

受賞!【本命】黒木華『母と暮せば』

2015年12月公開の『母と暮せば』をはじめ、『ソロモンの偽証』『幕が上がる』でも助演として活躍していた黒木華。第38回となる前回では、『小さいおうち』での演技が評価され最優秀助演女優賞を獲得しています。どの作品でもコンスタントに存在感を放つ彼女は、もはやベテラン並みの安定感を備えている気もしますね。 そんな山田洋次と黒木華のコンビが今年もやってくれるのではないでしょうか。若手女優にして2年連続受賞に期待がかかります。

【対抗】長澤まさみ『海街diary』

2015年邦画最高の作品のひとつである『海街diary』。豪華すぎるキャストすべてにノミネートの可能性があるといっても過言ではないほど、それぞれの役者がキャリア最高ともいえる演技を披露していました。 長澤まさみにとっても『海街diary』はキャリアを代表する作品になりました。最優秀助演女優賞を長澤まさみが受賞することに異論を持つ人は『海街diary』を観た人の中にはいないでしょう。

【大穴】吉田羊『ビリギャル』

『ビリギャル』で魅力的な母親を演じた吉田羊。あまりポップな作品は受賞しにくい傾向にあるとはいえ、2015年実写邦画界への貢献度を考えれば『ビリギャル』からひとつくらい最優秀が出てもおかしくはないはず。 有村架純の最優秀主演女優賞、伊藤淳史の最優秀助演男優賞と比べると吉田羊の最優秀助演女優賞の受賞可能性は高いと言えるかもしれません。

その他の候補

夏帆『海街diary』 満島ひかり『駆込み女と駆け出し男』