2017年7月6日更新

「ハンニバル」シリーズとは?【見る順番も解説】

『ハンニバル』 レクター博士
©RODEO DRIVE PRESS / VISUAL Press Agency

1991年公開、アンソニー・ホプキンスがレクター博士を怪演した『羊たちの沈黙』。その後3作が製作されてきた「ハンニバル」シリーズは多くの人々を恐怖に陥れてきました。この記事ではそんな本シリーズを一挙に紹介しています。

人喰い博士でおなじみの「ハンニバル」シリーズ

1991年に公開され、アカデミー賞5部門で受賞した『羊たちの沈黙』に始まり、全4作が制作された「ハンニバル」シリーズ。2013年にはさらにドラマ版も制作され、話題となりました。 映画を観たこともない人でも、「ハンニバル」と聞けば人喰いを連想する人は多いのではないでしょうか。そもそもハンニバルというのはどういう人物なのか、なぜ人を食べるようになったのか。各シリーズをネタバレありで解説します。

「ハンニバル」シリーズとは?

元の原作は小説

映画やドラマの「ハンニバル」シリーズですが、原作はアメリカの作家トマス・ハリスのハンニバル・レクターが主人公の小説シリーズ。彼は5つだけ作品を発表し、姿を見せない謎の作家とも知られています。

ハンニバルシリーズは4つ。「レッド・ドラゴン」「羊たちの沈黙」「ハンニバル」「ハンニバル・ライジング」。

基本的に元精神科医で連続猟奇殺人犯ハンニバル・レクターとFBI捜査官のウィル・グラハムやクラリス・スターリングを中心にストーリーが進みます。

映画シリーズを確認しよう

映画版は

という順番に制作されています。

ちなみに厳密に言うと「レッド・ドラゴン」にあたる『刑事グラハム/凍りついた欲望』(1986)という作品も存在するのですが、『レッド・ドラゴン』とほぼ同じ内容です。

見る順番は?

基本的には上記の制作順が一番楽しめると思いますが、一応ストーリー(時系列)順に見たい!という人のために時系列順に並べると、

『ハンニバル・ライジング』・・レクターの幼少・青年期 『レッド・ドラゴン』・・殺人犯として獄中にいる精神科医レクターとかつて彼を逮捕した元FBIのウィルがある事件を追う 『羊たちの沈黙』・・FBI研修生のクラリスとレクターの出会いからレクターの脱獄劇 『ハンニバル』・・10年後、クラリスのもとにレクターから手紙が届き再び接触へ

とこのようになっています。

ドラマ版との関係は?

ドラマ版「ハンニバル」(2013〜)は「レッド・ドラゴン」を原作にしたオリジナルストーリー。

時系列でいうと「ハンニバル・ライジング」から「レッド・ドラゴン」の間の話となっています。FBI特別捜査官のウィルと高名な精神科医レクター博士の出会いからストーリーが動き出します。

もちろん映画を見ていなくても楽しめるドラマ版ですが、先に映画シリーズを見ていると恐怖のハンニバルの世界観をもっと楽しめるかも。

衝撃のシリーズ第1作!『羊たちの沈黙』(1991)

FBIアカデミーの実習生クラリス・スターリングは、ジャック・クロフォード主任捜査官からある任務を任されます。とある殺人事件の操作に関する助言を求めるため、収監されている元精神科医のハンニバル・レクター博士に面会してこいというのです。 事件というのは通称“バッファロー・ビル”と呼ばれる犯人による連続殺人事件で、犯人は若い女性を狙い、殺害した後に皮膚を剥がすという猟奇的な行為が特徴でした。レクターと面会したクラリスは、自身の過去を話すことを条件に、捜査に助言することを約束します。そして、クラリスは幼い頃のトラウマ経験をレクターに共有します。 一方、新たに上院議員の娘がバッファロー・ビルに誘拐されてしまいます。精神病院長のチルトンの売り込みによりレクターは娘の母親である議員と接触。彼女は捜査協力の対価として彼を警備の緩い場所へ移送すると約束します。しかし、移送の隙をつき、レクターは警備員を殺して顔の皮を剥ぎます。そしてそれを被り、瀕死の警備員のふりをして救急搬送され、脱走に成功するのです。 クラリスは、レクターの助言によりバッファロー・ビルの自宅へ踏み込み、犯人を射殺して人質を助け出します。その後正式なFBI捜査官となったクラリスの元、レクターから電話が入ります。電話は逃亡先の異国からでした。そしてレクターはクラリスに対する祝福の言葉と、チルトン殺害をほのめかして電話を切ります。

捜査官となったクラリスに再びレクターが接触!『ハンニバル』(2001)

バッファロー・ビル事件から10年後、ベテランFBI捜査官となったクラリスですが、ある事件の不始末の責任を問われていました。そんな窮地のクラリスにレクターの元患者、メイスン・ヴァージャーが接触します。彼はレクターにより顔の半分を失い、車椅子生活になっていました。復讐を誓うメイスンは、レクターの居場所の手がかりを得るために司法省のスポークスマン、ポール・クレンドラーを使ってクラリスを呼び出します。 レクターは今はイタリアのフィレンツェで別人として暮らしていました。そのレクターの正体に、イタリアの刑事レオナルド・パッツィが気づきます。金が必要なパッツィ刑事は、FBIよりも高い懸賞金を掲げていたメイスンにレクターを売ろうと画策します。 レクターを追うクラリスは、同じく彼を追っていたパッツィと接触します。しかし策略がバレたパッツィはレクターに殺害されてしまいます。殺害直後、パッツィの携帯が鳴ったので出るとそれはクラリスでした。 クラリスの居場所がわかったレクターは、アメリカに渡ります。そこで、メイスンの手下に拉致され豚に食わされそうになりますが、間一髪でクラリスが突入。レクターの拘束を解いたことで、逆にメイスンと手下が豚の餌食となってしまいました。被弾したクラリスをレクターは手術し、助けます。そして、クラリスが麻酔から目覚めると、彼はクレンドラーに自分の脳を食べさせていました。 隙を見て、クラリスは自分とレクターに手錠をかけます。しかしレクターは自分の手首を切って脱走。ラストシーンはどこかに向かう機内の中で、自分用の特性弁当を食べるレクターの姿で終わります。その中身は……。

クラリスと出会う前のレクターを描く!『レッド・ドラゴン』(2002)

本作の舞台は1980年のアメリカ、ボルチモア。レクターとクラリスが出会う前の時代に遡ります。FBI捜査官のウィル・グレアムは、犯罪精神医学の権威レクター博士の助言を受けながらある連続殺人事件を追っていました。しかし、グレアムはレクターこそが真犯人であると気づきます。グレアムはレクターと乱闘の上彼を逮捕しますが、戦いの中で瀕死の重傷を追っていました。 それから3年後。FBIを退職して家族と過ごしていたグレアムの元に、元上司のジャック・クロフォードが尋ねてきます。彼は連続一家惨殺事件を追っており、グレアムに協力を要請してきたのです。実はジャックはグレアムとレクターが再びタッグを組み、事件を解決して欲しいと思っていたのでした。 やむなくレクターと再会するグレアム。レクターは精神病院に監禁されており、グレアムをからかいつつも、“家族ビデオ”という犯人特定のヒントを与えます。そして、犯人が家族ビデオの編集会社の社員で、幼少期の虐待によりトラウマをおったダラハイドという人物であることを突き止めます。 密かにレクターと手紙で交流していたダラハイドは、グレアムのことを知り、最終的にグレアムと彼の妻子を襲います。息子を人質に取られましたが、そのときお漏らしした息子を叱責することにより、グレアムはダラハイドの注意を自分に向けます。そして、格闘の末、妻にダラハイドを撃たせて勝利するのです。 事件後、レクターからグレアム宛に手紙が届きますが、グレアムは読み終わると手紙を捨てました。そして独居房にいるレクターに面会予約が入ります。相手はFBIの若い女性、クラリスでした……。

衝撃的なレクターの生い立ち!『ハンニバル・ライジング』(2007)

シリーズ4作目となりますが、時系列的には一番最初の物語で、ハンニバル・レクターの幼少期から青年期にかけてを描いています。 ハンニバルは元々リトアニアの名門貴族レクター家の子息でした。彼には妹のミーシャがいます。1944年、第二次世界大戦の東部戦線が激しくなっています。ソ連軍とドイツ軍の戦闘に巻き込まれ両親を失った幼いハンニバルは、一家の隠れ家にミーシャと暮らしていました。 そこに、ドイツに協力していたリトアニア市民の男たちが逃げてきます。男たちは二人を拘束し、隠れ家に立てこもりました。やがて食料が尽きると、彼らはミーシャを殺して食べたのです。 それから8年後。孤児院にハンニバルは収容されていましたが、フランスの叔父を頼って亡命します。叔父はすでに他界していましたが、未亡人で日本人のレディ・ムラサキがおり、彼女の元で暮らし始めます。 そこでハンニバルは剣道や作法を学びつつも、同時に日本刀の切れ味や戦国時代での首級などの知識も得ていきます。ある日、叔母を侮辱した肉屋のポールを惨殺し、首を斬って奪い取るという行動に出ます。 奨学医学生となりパリに移ったハンニバルは、人体解剖に勤しみながら、失われていたミーシャの記憶を辿ります。そして、犯人の顔を思い出した彼は復讐を誓い、かつて妹を食べた男たちを殺害して行きます……。

さらに深いハンニバル・レクターの世界へ……ドラマ版『ハンニバル』

ドラマ版は2013年から2015年にわたって放送され、シーズン3まで製作されました。下敷きとなっている原作は『レッド・ドラゴン』で、レクターとグレアムを中心にストーリーは展開します。 映画シリーズのファンにはたまらないお馴染みのエピソードやキャラクターに加え、映画では描ききれなかった深いハンニバル・レクターの世界を描きます。 映画シリーズのアンソニー・ホプキンスに変わって、ドラマ版ハンニバルを演じるのは“北欧の至宝”と呼ばれたデンマークの俳優マッツ・ミケルセン。妖艶な魅力で、若き日のハンニバル・レクターを見事に表現しています。

その過去には悲しいトラウマが……

猟奇的な人物かと思われていたハンニバル・レクター。実は、彼が人喰い博士となったのには悲しい過去が隠されていたのでした。 「ハンニバル」シリーズに登場する人物はクラリス然り、歴代の犯人たちも過去にそういったトラウマを抱えるキャラクターが多いのも特徴です。猟奇映画としてイメージが定着していますが、そういった視点で見てみると、また違った形でシリーズを楽しめるかもしれません。