イニャリトゥ監督のおすすめ映画8選!『アモーレス・ペロス』から最新作『DIGGER/ディガー』まで全作品を一覧で紹介
デビュー作『アモーレス・ペロス』で世界を驚かせ、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』と『レヴェナント:蘇えりし者』でアカデミー賞監督賞を2年連続で受賞したアレハンドロ・G・イニャリトゥ。複数の人生が思いがけない形で交差する群像劇や、観客を物語の中へ引き込む長回しの映像で、人間の弱さと再生を描き続けてきたメキシコ出身の名匠です。 2026年10月には、トム・クルーズと初めて組んだ最新作『DIGGER/ディガー』が日本公開されました。重厚な人間ドラマで知られるイニャリトゥが手がけるコメディとして、新たな一面にも注目が集まっています。 この記事では、最新作『DIGGER/ディガー』までの長編監督作品一覧と、全長編から選んだおすすめ映画8作品を、最新作から順に紹介します。
アレハンドロ・G・イニャリトゥのプロフィール|経歴・受賞歴
| 名前 | アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ (Alejandro González Iñárritu) |
|---|---|
| 生年月日 | 1963年8月15日 |
| 出身地 | メキシコ・メキシコシティ |
| 職業 | 映画監督・脚本家・プロデューサー |
| 長編デビュー作 | 『アモーレス・ペロス』(2000年) |
| 主な受賞歴 | アカデミー賞 監督賞(第87回・第88回)、作品賞・脚本賞(第87回) カンヌ国際映画祭 監督賞(『バベル』) |
| 最新作 | 『DIGGER/ディガー』(2026年10月9日日本公開) |
メキシコシティ生まれ。ラジオのDJやテレビ番組のプロデューサーとして活動したのち、映画監督の道へ進みました。2000年、長編デビュー作『アモーレス・ペロス』がカンヌ国際映画祭の批評家週間グランプリを受賞し、アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされます。続く『21グラム』『バベル』を含め、脚本家ギレルモ・アリアガと組んだ3作は、時間軸を入れ替えながら複数の物語をつなぐ構成で高く評価されました。『バベル』では、カンヌ国際映画祭の監督賞を受賞しています。 2015年には『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でアカデミー賞の作品賞・監督賞・脚本賞を受賞。翌年も『レヴェナント:蘇えりし者』で監督賞に輝き、ジョン・フォード、ジョセフ・L・マンキーウィッツに続く史上3人目の2年連続監督賞という快挙を成し遂げました。 その後は、メキシコから米国を目指す移民の体験をVRで再現した『カルネ・イ・アレナ』(2017年)でアカデミー賞の特別業績賞を受け、2019年には第72回カンヌ国際映画祭の審査員長を務めています。2022年には、母国メキシコを舞台にしたNetflix作品『バルド、偽りの記録と一握りの真実』を発表しました。
アレハンドロ・G・イニャリトゥの監督作品一覧【最新作まで】
| 製作年 | 作品名 | 主な出演 | 主な受賞・備考 |
|---|---|---|---|
| 長編映画(8作) | |||
| 2026年 | 『DIGGER/ディガー』 | トム・クルーズ、ジョン・グッドマン、リズ・アーメッド、ザンドラ・ヒュラー、マイケル・スタールバーグ、ジェシー・プレモンス | 最新作。2026年10月9日日本公開 |
| 2022年 | 『バルド、偽りの記録と一握りの真実』 | ダニエル・ヒメネス・カチョ、グリセルダ・シチリアーニ | Netflix作品。アカデミー賞撮影賞ノミネート |
| 2015年 | 『レヴェナント:蘇えりし者』 | レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ | アカデミー賞 監督賞・主演男優賞・撮影賞 |
| 2014年 | 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』 | マイケル・キートン、エドワード・ノートン、エマ・ストーン、ナオミ・ワッツ | アカデミー賞 作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞 |
| 2010年 | 『BIUTIFUL ビューティフル』 | ハビエル・バルデム | カンヌ国際映画祭 男優賞(ハビエル・バルデム) |
| 2006年 | 『バベル』 | ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊地凛子 | カンヌ国際映画祭 監督賞、アカデミー賞 作曲賞 |
| 2003年 | 『21グラム』 | ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロ | ヴェネツィア国際映画祭 男優賞(ショーン・ペン) |
| 2000年 | 『アモーレス・ペロス』 | ガエル・ガルシア・ベルナル、エミリオ・エチェバリア | 長編デビュー作。カンヌ国際映画祭 批評家週間グランプリ |
| 短編・オムニバス・VR作品(6作) | |||
| 2017年 | 『カルネ・イ・アレナ』 | ― | VR作品。メキシコから米国を目指す移民の体験を再現。アカデミー賞 特別業績賞 |
| 2012年 | 『Naran Ja』(原題) | ― | 実験的なダンス短編 |
| 2007年 | 『それぞれのシネマ』の一編「アンナ」 | ― | カンヌ国際映画祭60周年記念のオムニバス |
| 2002年 | 『11'09''01/セプテンバー11』の一編「メキシコ」 | ― | アメリカ同時多発テロを題材にしたオムニバス |
| 2001年 | 『Powder Keg』(原題) | クライヴ・オーウェン、ステラン・スカルスガルド | BMWのネット配信短編シリーズ『The Hire』の一編 |
| 1996年 | 『El timbre』(原題) | ― | 長編デビュー前の短編 |
製作年は本国での公開年です。長編8作のほか、短編やオムニバス映画の一編、VR作品も手がけてきました。2010年にはサッカーW杯に合わせたナイキのCM『Write the Future』を監督するなど、広告映像の分野でも活躍しています。
イニャリトゥ監督のおすすめ映画8選!最新作『DIGGER/ディガー』から原点『アモーレス・ペロス』まで
『DIGGER/ディガー』(2026年)|トム・クルーズと初タッグを組んだ大惨事コメディ
| 日本公開日 | 2026年10月9日 |
|---|---|
| 出演 | トム・クルーズ、ジョン・グッドマン、リズ・アーメッド、ザンドラ・ヒュラー、マイケル・スタールバーグ、ジェシー・プレモンス |
| 製作 | トム・クルーズ、アレハンドロ・G・イニャリトゥ |
| ジャンル | コメディ |
トム・クルーズが演じるのは、石油採掘会社のCEOディガー・ロックウェル。利益を優先した採掘が引き金となって地球規模の大災害が起き、アメリカ大統領(ジョン・グッドマン)からその後始末を命じられたディガーが、世界を救うために動き出します。 宣伝コピーは「規格外の大惨事エンターテイメント」。これまで重厚な人間ドラマを撮ってきたイニャリトゥと、アクション大作で知られるトム・クルーズの組み合わせは、企画の発表当初から大きな話題になりました。『バードマン』で見せたブラックな笑いのセンスが、スター俳優とどんな化学反応を起こすのかに注目です。
『バルド、偽りの記録と一握りの真実』(2022年)|母国メキシコを舞台にした自伝的作品
| 公開・配信 | 2022年11月18日 劇場公開 2022年12月16日 Netflixで配信開始 |
|---|---|
| 出演 | ダニエル・ヒメネス・カチョ、グリセルダ・シチリアーニ |
| 上映時間 | 159分 |
| 主な評価 | 第95回アカデミー賞 撮影賞ノミネート |
ロサンゼルスで暮らすメキシコ出身のジャーナリスト兼ドキュメンタリー作家シルヴェリオ・ガマ(ダニエル・ヒメネス・カチョ)が、国際的な賞の受賞をきっかけに母国へ戻り、自身のアイデンティティや家族、メキシコの歴史と向き合っていく物語です。 現実と幻想が入り交じる構成で、イニャリトゥ自身の経験が色濃く反映された作品とされています。夢の中をさまようような長回しの映像美は、イニャリトゥ作品のなかでもとりわけ自由で大胆です。
『レヴェナント:蘇えりし者』(2015年)|ディカプリオに初のオスカーをもたらしたサバイバル劇

| 日本公開日 | 2016年4月22日 |
|---|---|
| 出演 | レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ |
| 上映時間 | 157分 |
| 主な受賞 | 第88回アカデミー賞 監督賞・主演男優賞・撮影賞 |
1820年代のアメリカ西部。毛皮猟の一団でガイドを務めるヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)はクマに襲われて瀕死の重傷を負い、仲間に見捨てられて荒野に取り残されます。実在の人物の逸話をもとにした、壮絶なサバイバルの物語です。 撮影はほぼ自然光だけで行われ、極寒のロケ地で撮り切った映像は息をのむ迫力。本作でディカプリオは、念願のアカデミー賞主演男優賞を初めて受賞しました。言葉よりも息づかいと表情で語る、ディカプリオの鬼気迫る演技は必見です。
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014年)|ワンカット風の映像でアカデミー賞4冠
| 日本公開日 | 2015年4月10日 |
|---|---|
| 出演 | マイケル・キートン、エドワード・ノートン、エマ・ストーン、ナオミ・ワッツ |
| 上映時間 | 120分 |
| 主な受賞 | 第87回アカデミー賞 作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞 |
かつてスーパーヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡した落ち目の俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)が、ブロードウェイの舞台で再起を図る物語。レイモンド・カーヴァーの短編を自ら脚色・演出・主演する舞台の初日が迫るなか、トラブル続きの稽古と、頭の中で響く「バードマン」の声にリーガンは追い詰められていきます。 全編がひと続きのショットのように見える撮影と、ドラムだけで刻まれる劇伴が生む緊張感は唯一無二。実際に『バットマン』で主演したキートンの配役も含め、ショービジネスへの皮肉が効いたブラックコメディです。
『BIUTIFUL ビューティフル』(2010年)|ハビエル・バルデムが余命を宣告された父親を体現
| 日本公開日 | 2011年6月25日 |
|---|---|
| 出演 | ハビエル・バルデム |
| 上映時間 | 148分 |
| 主な受賞 | 第63回カンヌ国際映画祭 男優賞(ハビエル・バルデム) アカデミー賞 主演男優賞・外国語映画賞ノミネート |
スペイン・バルセロナの裏社会で、不法移民に仕事をあっせんして生計を立てるウスバル(ハビエル・バルデム)。幼いふたりの子どもを育てる彼は、ある日、末期がんで余命わずかと宣告されます。死者の声を聞く力を持つウスバルが、残された時間で家族のために何を遺せるのかを描いた作品です。 脚本家アリアガと離れて撮った初めての長編で、ひとりの主人公を時系列に沿って追う構成になっています。貧困や移民の問題を背景にしながら、父と子の愛を静かに見つめる一本です。
『バベル』(2006年)|役所広司・菊地凛子も出演した、国境を越える群像劇

| 日本公開日 | 2007年4月28日 |
|---|---|
| 出演 | ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊地凛子 |
| 上映時間 | 142分 |
| 主な受賞 | 第59回カンヌ国際映画祭 監督賞 ゴールデングローブ賞 作品賞(ドラマ部門) アカデミー賞 作曲賞(7部門ノミネート) |
モロッコを旅行中のアメリカ人夫婦を襲った1発の銃弾をきっかけに、モロッコ、アメリカとメキシコの国境地帯、そして東京で暮らす人々の運命が交錯していきます。言葉や文化の壁から生まれるすれ違いを、旧約聖書の「バベルの塔」になぞらえて描いた作品です。 東京編では、聴覚に障害のある高校生綿谷千恵子を演じた菊地凛子が、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされる鮮烈な演技を見せました。千恵子の父親を演じるのは役所広司です。
『21グラム』(2003年)|ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロが競演した重厚なドラマ
| 日本公開日 | 2004年6月5日 |
|---|---|
| 出演 | ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロ、シャルロット・ゲンズブール |
| 脚本 | ギレルモ・アリアガ |
| 上映時間 | 124分 |
| 主な受賞 | 第60回ヴェネツィア国際映画祭 男優賞(ショーン・ペン) アカデミー賞 主演女優賞・助演男優賞ノミネート |
心臓移植を待つ大学教授のポール(ショーン・ペン)、夫と幼い娘たちとの穏やかな生活を送るクリスティーナ(ナオミ・ワッツ)、過去を悔い改めて信仰に生きる前科者のジャック(ベニチオ・デル・トロ)。1件の交通事故をきっかけに、出会うはずのなかった3人の人生が結びついていきます。 タイトルは「人は死ぬと21グラム軽くなる」という説に由来します。断片的に並べられた場面が、終盤に向けてひとつの物語へと組み上がっていく構成に引き込まれる、俳優陣の熱演が光る一本です。
『アモーレス・ペロス』(2000年)|犬と交通事故がつなぐ3つの物語、衝撃の長編デビュー作
| 日本公開日 | 2002年2月2日 |
|---|---|
| 出演 | ガエル・ガルシア・ベルナル、エミリオ・エチェバリア |
| 脚本 | ギレルモ・アリアガ |
| 上映時間 | 153分 |
| 主な受賞 | カンヌ国際映画祭 批評家週間グランプリ 第73回アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート |
メキシコシティで起きた1件の交通事故を起点に、兄の妻に想いを寄せる青年オクタビオ(ガエル・ガルシア・ベルナル)、事故で人生が一変するモデルのバレリア、別れた娘を遠くから見守る元ゲリラの殺し屋エル・チーボという、3つの物語が描かれます。どの物語にも犬が深く関わっており、原題はスペイン語の「愛」と「犬」を組み合わせた言葉です。 のちのイニャリトゥ作品に通じる、時間軸を組み替えた群像劇の原点となった作品。ガエル・ガルシア・ベルナルの名を世界に知らしめた一本でもあります。
イニャリトゥ監督の映画についてよくある質問
イニャリトゥ監督がアカデミー賞を受賞した作品は?
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で第87回アカデミー賞の作品賞・監督賞・脚本賞を、『レヴェナント:蘇えりし者』で第88回の監督賞を受賞しました。2年連続の監督賞は、ジョン・フォード、ジョセフ・L・マンキーウィッツに続く史上3人目です。2017年には、VR作品『カルネ・イ・アレナ』で特別業績賞も贈られています。
イニャリトゥ監督の最新作は?
2026年10月9日に日本公開された『DIGGER/ディガー』です。トム・クルーズと初めて組んだ作品で、トム・クルーズは石油採掘会社のCEOディガー・ロックウェルを演じています(2026年10月時点)。
日本人俳優が出演したイニャリトゥ監督の作品は?
『バベル』(2006年)に役所広司と菊地凛子が出演しています。東京編で聴覚に障害のある高校生・綿谷千恵子を演じた菊地凛子は、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされました。
イニャリトゥ監督の「三部作」とはどの作品?
『アモーレス・ペロス』『21グラム』『バベル』の3作を指します。いずれも脚本家ギレルモ・アリアガと組み、1つの出来事を起点に複数の人生が交差する物語を、時間軸を入れ替えながら描いている点が共通しています。
『バルド、偽りの記録と一握りの真実』はどこで見られる?
Netflixオリジナル作品のため、Netflixで配信されています(2026年10月時点)。日本では2022年11月18日に劇場公開され、同年12月16日から配信が始まりました。
イニャリトゥ監督作品で、人生が交差する瞬間を味わおう

アレハンドロ・G・イニャリトゥの監督作品を、最新作『DIGGER/ディガー』から長編デビュー作『アモーレス・ペロス』まで紹介しました。 初期の3作では、時間軸を組み替えた群像劇で人と人とのつながりを描き、『バードマン』『レヴェナント』では長回しを生かした没入感のある映像で、2年連続のアカデミー賞監督賞に輝きました。作品ごとに語り口を変えながらも、生と死、家族、孤独と向き合う人間の姿を描き続けている点は一貫しています。 まずは代表作の『バードマン』や『レヴェナント』から見て、気に入ったら初期作へさかのぼるのもおすすめです。最新作『DIGGER/ディガー』とあわせて、イニャリトゥ作品の世界を味わってみてください。

