2017年7月6日更新

キューブリック『2001年宇宙の旅』に隠された20の秘話

1968年公開、スタンリー・キューブリック『2001年宇宙の旅』はSF映画の不朽の名作として知られ、公開から50年近く経った現在も全く色あせていません。今回は『2001年宇宙の旅』に隠された20の秘話を紹介します。

1.宇宙人が発見された時の保険!?

共同で脚本を担当したアーサー・C・クラークによると、スタンリー・キューブリックは映画公開前に地球外知的生命体が発見された際に本作に及ぶ損害保険条項を求めていましたが、保険会社に却下されていたそうです。

2.公開されたのはほんの一部!?

本作で撮影された映像の合計は公開された映像の200倍存在すると言われています。

3.大量の砂が必要だった!?

スタンリー・キューブリックはスタッフに数10トンの砂をセットに持ち込ませた後、洗浄したり、色付けたりして月面シーンに使用していました。

4.タイトルを変更していた!?

本作には元々『2001:Space Odyssey』(原題)ではなく“Voyage Beyond the Stars”というタイトルが付けられていましたが、1966年に“Fantastic Voyage”(『ミクロの決死圏』)が公開されたためタイトルを変更することになったそうです。

5.25分間セリフなし!?

本作は25分38秒経過して、スチュワーデスが話すまで全くセリフがありません。また、ラスト23分もセリフはなく、トータル88分セリフがないシーンが存在します。

6.8000万円の巨大セット!?

宇宙船ディスカバリー号のメインセットの大きさは12m×2mにも及び、時速5キロで回転する仕様でした。このセットは約8000万円かけられて制作されたそうです。

7.もっと人間らしい猿人が登場する予定だった!?

元々スタンリー・キューブリックは、本作に登場する猿人にはもっと人間らしい姿を思い描いていました。

しかし、俳優が裸になって撮影するとR指定を受ける可能性が高かったため、より猿らしい猿人になったそうです。2匹の赤ちゃんチンパンジー以外は猿人の着ぐるみを着た俳優が演じています。

8.SFのわりに特殊効果が少ない!?

本作で特殊効果が使用されたショットはわずか205しかありません。『スター・ウォーズ 新たなる希望』の350、『スター・ウォーズ シスの復讐』の2200と比べるとSF作品としてかなり少ないことが分かります。

9.アームストロングの月面歩行はキューブリックの監督作品!?

本作はニール・アームストロングとバズ・アルドリンが月面歩行を行う前に製作された映画で、月面に人類が立つ場面がある最後の作品です。

現在、アームストロングが月面歩行している映像はキューブリックが本作の未公開場面をつなぎ合わせたものだという陰謀説まで存在します。

10.宇宙はサイレント!?

本作の宇宙のシークエンスは音楽を除いて全く音が流れません。これは宇宙の音が聞こえない真空状態を忠実に再現したためです。

11.HALが女性だった!?

元々、人工知能のHAL9000はアテナという名前で、女性の声にする予定だったそうです。

12.理解出来なくて当たり前!?

プレミア上映会に参加した俳優ロック・ハドソン(『ジャイアンツ』)は劇場から立ち去り、こうコメントを残しました。

“いったいこれは何についての映画なんだ、誰か教えてくれ!?”

アーサー・C・クラークはこう語っています。

“もし、観客がこの作品を100パーセント理解したなら、それは失敗を意味します。我々は答え以上に問題を投げかけたかったのです。”

13.打ち切り寸前だった!?

公開から数週間、本作は興行的に決して成功している映画とは言えませんでした。

配給会社MGMは早くも劇場から撤退することを考えていましたが、劇場オーナーたちは本作の公開続行を熱望していました。その後、若者を中心とした観客が徐々に増加、興行的にも成功を収めることとなりました。

14.幻のエンディング!?

元々、本作は『スーパーマンⅣ/最強の敵』のようなエンディングを迎える予定だったそうです。そのエンディングは、スターチャイルドが核爆弾を爆発させて人類を絶滅させるというものでした。

しかし、同キューブリック監督作『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』のエンディングに酷似していたため、このアイデアが採用されることはありませんでした。

15.土星は再現が難しい惑星!?

元々、ディスカバリー号の最終目的地は土星だったそうです。しかし、土星の輪の再現が困難だったため、木星に変更されました。

16.キューブリックが影響を受けた人物とは!?

キューブリックが本作で採用した宇宙の無重力表現や回転する宇宙ステーションのアイデアはロシアのドキュメンタリー映画監督パベル・クルシャンツェフから多大な影響を受けていたと言われています。

17.リサイクル禁止!?

キューブリックは本作のセット、ミニチュア、小道具を今後の作品がリサイクルできないように全て破壊していたそうです。

18.10分間の幻のオープニング!?

元々、本作は実在の科学者フリーマン・ダイソンが地球外生命体について語る10分間のモノクロプロローグで始まる予定だったそうです。

19.映像はリサイクルされていた!?

ビートルズの映画『マジカル・ミステリー・ツアー』に本作でカットされたスターゲートの映像が使用されていました。

20.ジョージ・ルーカスも白旗を上げた作品!?

1977年、ジョージ・ルーカスは『2001年宇宙の旅』が『スター・ウォーズ』よりも優れていることを認めています。

“スタンリー・キューブリックはSFの最高傑作を生みだしました。今作より素晴らしい映画を作ることは難しいでしょう。『スター・ウォーズ』もテクニカルな部分に関しては比較できるかもしれません。しかし『2001年宇宙の旅』の方が優れていることは明らかです。””