2020年4月16日更新

アニメ映画『美女と野獣』物語とキャラクターに関する15のトリビア【チップはティーカップではなかった!?】

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ディズニーアニメ映画『美女と野獣』の知られざるトリビアを紹介!

1991年に公開されたディズニーの長編アニメーション映画『美女と野獣』は、アニメ映画で初めてアカデミー賞作品賞にノミネートした名作です。美しい映像やロマンティックなストーリー、そして数多くの名曲で観客を魅了してきました。 今回は、今なお多くの人々から愛される本作に隠されたトリビアを紹介しましょう。特に1989年に製作されていた、ミュージカルでないオリジナル脚本からの変更点が多くあります。 これを読めば、もう一度『美女と野獣』を観たくなること間違いなし!

1. 野獣の本名は?

『美女と野獣』では、魔法で野獣に変えられた王子の名前は明らかになっていません。本作のDVDコメンタリーで、監督やプロデューサーは、彼の名前は特に設定していないと発言しています。 しかし、1998年に発売されたクイズゲーム「The D Show」では、彼の名前は「アダム王子」とされています。その後、この名前が野獣の本名として定着していますが、ディズニーは公式にはこれを認めていません。

2. 忘れてた?あの名曲もアカデミー賞歌曲賞にノミネートしていた

『美女と野獣』の映画と同タイトルの主題歌は、アカデミー賞で最優秀歌曲賞を受賞しています。しかし、本作ではもう1曲、歌曲賞にノミネートした楽曲がありました。 それは、ルミエールやポット夫人など、野獣の城の使用人たちが歌う名曲『ひとりぼっちの晩餐会(Be Our Guest)』。惜しくも受賞は逃しましたが、城にやってきたベルを歓迎するこの曲が、とくに印象に残っているという人も多いのではないでしょうか。

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3. チップはもともとオルゴールだった!?

ポット夫人の子どもで、愛くるしい姿が人気のティーカップ、チップ。しかし実は、1989年に製作されたバージョンでは、彼はオルゴールのキャラクターでした。 最初に計画されていたストーリーでは、チップはベルの父・モーリスが旅先から彼女に持ち帰ったオルゴールで、セリフも一言のみの予定だったとか。しかし、プロデューサーはブラッドリー・ピアースが演じたチップの声を気に入り、後からセリフを増やしたそうです。

4. あの映画のワンシーンを使い回し!

『眠れる森の美女』
©DISNEY/zetaimage

ベルと人間に戻った王子がダンスをするクライマックスのシーンは、実は『眠れる森の美女』(1959年)のダンスシーンの使い回しでした。 ディズニーは、他の作品でも過去の作品のワンシーンに手を加えて再利用しています。例えば1973年の『ロビンフッド』では、『白雪姫』(1937年)の白雪姫と小人のダンスシーンや、『ジャングル・ブック』(1967年)のワンシーンが再利用されました。 これらは各作品の該当シーンを見比べるとよく分かるので、探してみるのも面白いかもしれません。

5. ガストンは映画オリジナルキャラクター!原作の悪役は?

本作で、圧倒的な存在感を放つ悪役のガストン。うぬぼれ屋の彼は、実は映画オリジナルのキャラクターです。本作の原作は、フランスの作家ボーモン夫人が1957年に発表した同名の童話ですが、そこに彼は登場しません。 原作の悪役はベルの2人の姉でした。強欲で嫉妬深い彼女立ちは、貧乏な商人である父に高価なお土産を頼んだり、ベルと野獣の仲を妨害しようとしたりします。しかし最後には、王子を野獣に変えた魔女から罰を与えられることになります。

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6. 彼の目に映っていたものは……

映画終盤、ガストンは野獣を殺そうと彼にナイフを刺した後、塔から転落してしまいました。そのシーンで彼の瞳をよく見ると、そこにはドクロが映し出されています。 ガストンが死亡する瞬間は描かれていませんが、このことから彼は死んだというのが通説となりました。

7. 映画化はフランス実写版のほうが先だった

1937年の『白雪姫』のヒットを受けて、ウォルト・ディズニーは生前から『美女と野獣』のアニメ映画化を目指していたといわれています。 しかし1947年に、作家としても知られるフランスのジャン・コクトーが、同じ童話を原作にとした実写映画化を製作。そのため、ディズニーの計画は頓挫してしまいました。コクトー版『美女と野獣』では、ジャン・マレーが野獣を演じています。

8. ベルのモデルはあの女優が演じた有名小説の主人公

脚本家のリンダ・ウールヴァートンは、ベルのキャラクターのモデルになったのは、1933年の映画『若草物語』でキャサリン・ヘップバーンが演じたジョーだったと語っています。知的で自分の意見をはっきりと言うベルの性格は、ジョーをモデルにしているためだったのですね。

9. オリジナル版であの曲がカットされていた理由

使用人たちが歌う挿入曲「人間に戻りたい」は、オリジナル版のサウンドトラックに収録されているにもかかわらず、本編ではカットされています。 その理由は、この曲が11分もあり、そのために上映時間が伸びることに制作側が難色を示したためだったとか。 2002年に公開されたIMAX版ではこの曲のシーンも追加され、DVDのスペシャル・リミテッド・エディションでも、このシーンを観ることができます。

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10. 野獣は色々な動物がモデルとなっていた

野獣は色々な動物を組み合わせて作られました。 DVDに収録されているオーディオコメンタリーによると、野獣の顔はブッファロー(水牛)、眉毛はゴリラ、たてがみはライオン、牙はイノシシ、体はクマ、足と尻尾はオオカミをモデルにしています。 ただし目だけは人間がモデルだったのだそう。こちらもコメンタリーで「野獣の感情を見て取れるように」と、人間の目にしたと語られています。

11. ディズニーランドの近くが舞台だった!?

ベルの父・モーリスが森で迷う冒頭のシーンで、4方向に分かれた標識が出てきます。一瞬映っただけでは読み取れないほど古びた標識ですが、そこには、アナハイムの方向を指したものが。アナハイムは本家ディズニーランドが存在するカリフォルニア州の都市です。 また、標識に書かれている地名の1つにスペインのバレンシアがありますが、そこは本作の背景を担当したあるスタッフの出身地だとか。ディズニーはほかの作品でも、製作に携わったスタッフに関連するものを映画に忍ばせるお遊びをしています。

12. ポスターを製作したのは超有名アーティスト

この映画のポスターを手がけたのはジョン・アルヴィン。彼は他にも『E.T.』(1982年)や『グレムリン』(1984年)など、数々の名作のポスターを製作したことで知られています。 またアルヴィンは、ディズニーアニメでは『リトル・マーメイド』(1989年)や『ライオンキング』(1994年)などのポスターも手がけました。

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13. ベルは他の映画にも出ていた

ノートルダムの鐘
©T.C.D / VISUAL Press Agency

ベルは他のディズニー映画にカメオ出演の経験も。『ノートルダムの鐘』(1996年)で彼女の姿を見ることができます。それはカジモドが「僕の願い」を歌うシーンです。 このシーンには、他にも『アラジン』(1992年)の魔法のじゅうたんと『ライオンキング』のプンヴァも出演。 また、ディズニー・プリンセスが大集合した『シュガー・ラッシュ:オンライン』(2018年)にも、ベルは登場しています。

14. 続編で明かされた王子が野獣になった経緯

『美女と野獣』の続編は、『美女と野獣 ベルの素敵なプレゼント』というタイトルで1997年にビデオリリースされました。本作は、ポット夫人がかつてクリスマスを祝うことが禁止されていた野獣の城で、再びクリスマスが祝われるようになった経緯を回想するストーリー。 本作では、王子が野獣に変えられた瞬間が描かれています。それがクリスマスの夜だったため、彼は城でクリスマスを祝うことを禁じていたのです。

15. 初めて上映された『美女と野獣』は未完成だった!?

『美女と野獣』が初めて上映されたのは、1991年のニューヨーク映画祭でした。しかし、そのとき映画はまだ完成しておらず、3分の1が絵コンテと白黒のアニメーションという「ワーク・イン・プログレス」版の上映だったのです。 2016年に開催された本作の公開25周年記念のイベントで、プロデューサーのドン・ハーンは当時をふり返り「(製作途中のものを上映するのは)ひどいアイディアだと思った」と語っています。 しかし、そんな製作陣の覚悟とは裏腹に、観客の反応はスタンディングオベーションで、まるでブロードウェイの舞台のようだったと振り返りました。 その段階から、『美女と野獣』は観客を魅了していたのですね。

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トリビアを知れば『美女と野獣』がさらに楽しめる!

ディズニーアニメーションの名作『美女と野獣』には、意外なトリビアがたくさん隠されていました。 今回紹介したトリビアのなかには、本編を観て確認することができるものもあります。この機会にアニメ版『美女と野獣』を観てみるのもいいかもしれませんね。