キメラアントの王・メルエムは「ハンターハンター」最強?基本情報や活躍を紹介!【ネタバレ注意】
『HUNTER×HUNTER』は週刊少年ジャンプの大人気マンガ。2019年10月現在休載中ですが、コミックスの累計発行部数は7200万部を突破し、連載再開の度に話題を呼んでいます。 数々の魅力的なキャラクターが登場しますが、本記事ではキメラアント編でゴンたちの前に立ちはだかる敵・キメラアントの王であるメルエムを紹介します。能力や活躍もおさらいし、さらに彼に勝てるキャラクターがいるかも予想! ※本記事では『HUNTER×HUNTER』21~30巻までのネタバレを含んでいます。ご了承ください。
メルエムの基本的なプロフィール
メルエムはキメラアントの女王が生んだ新たな王
「ハンターハンター」史上最も大規模な戦いが描かれたキメラアント編。その中でも異質な強さを見せたのが蟻の王・メルエムです。 キメラアントの女王が膨大な量の人間を食べ、集大成として産み出しました。人間の姿を元に、様々な種族の特徴が反映されています。 女王の腹を突き破って生まれ、その直後から種の王としての自覚を持ったメルエムは地球上の生物を統一すべく行動。人間を家畜としか考えておらず、暴力によって部下も含めた全てを支配しようとします。支配のためにNGLの人間を大勢集め、その中の念能力者を自分たちの兵とする「選別」を計画しました。生まれながらに高い能力を有していますが、常に進化と成長を続けています。 メルエムという名前は「すべてを照らす光」という意味を込めて女王が名付けたもの。彼は当初この名前を知らず、部下からも単に“王”と呼ばれていました。名前に興味を持っていませんでしたが、後に自分の名前を欲するようになります。 部下たちに命令を出し、従わなかった者や異論を唱えた者に言う「二度言わすな」が口癖。
優れた頭脳を持つメルエムとコムギの関係
「選別」で人間を集めるのに時間がかかるため、メルエムはその間暇つぶしとして囲碁や将棋に興じます。しかし生まれながらに優れた頭脳を有しているために、どんな名人でも相手にならず退屈していました。 そんな彼の前にコムギという少女が現れます。彼女は盲目であるものの、将棋に似た「軍儀」というゲームの世界王者。ぼさぼさの髪でいつも鼻水を垂らしており、訛った口調で冴えない見た目の彼女ですが、軍儀の腕前では進化を続けるメルエムをも寄せ付けません。 肉体的にひ弱な彼女の軍儀での強さや、命を賭けることをいとわないコムギの達観した考えに触れることによって、彼の価値観が変化していきます。 個に興味を持たなかったはずなのに、彼はコムギに名を尋ねます。そしてコムギに名前を尋ね返され、自分に名前がないことを疑問に思い始めます。次第に彼は自分が何者で何のために生まれて来たのかを考えるように。 そして後にコムギのように人間の中にも価値のある人間がいることを知り、暴力による支配ではなく、弱い存在を守る平等とまではいかなくとも理不尽のない社会を作ることを決意します。 このようにコムギはメルエムにとって大切な存在となっており、個に価値を見出していなかった彼に大きな影響を与えました。
「ハンターハンター」最強?メルエムの強さや能力とは
強さを増す能力と圧倒的なオーラ
女王が食べた生物の特徴を持った蟻を産めるように、メルエムはオーラごと食った相手の念能力を自分のものにすることができます。またその能力を自分に適したものへの昇華が可能。 また念能力の応用の1つである、自分の周囲にオーラを広げて索敵を行う「円」。メルエムの「円」は閃光のような速さで広がり、瞬時に敵を捉えます。 ゴンたちが使う「円」の広さが1~2メートほどの広さなのに比べ、その大きさは広大な敷地を持つ王宮が収まるほど。また「円」に触れたナックルが、国家権力レベルの武力を用意する必要があると感じるほどのオーラを誇ります。
ハンター協会会長・ネテロとの死闘!
メルエムを脅威と判断したハンター協会は会長のアイザック=ネテロを討伐に向かわせます。ネテロは戦いを挑みますが、彼を価値ある人間と認めたメルエムはこれを拒否。 しかしネテロは自分に勝てば名前を教えると条件を出します。彼の部下が死の直前の女王から「メルエム」という名前を聞いていたのでした。自分の名前を欲していたメルエムはこれを受け入れ、ネテロとの死闘が始まります。 ネテロは「百式観音」で様々な手を繰り出します。しかし非常に頑強な肉体にはあまりダメージを与えられません。それでも彼の攻撃を全て防ぎ続けるネテロ。 「百式観音」の強みは、その腕の数から無数とも言える攻撃パターンを誇ること。しかしメルエムは軍儀によって磨かれた先読みの力で、ネテロが無意識の内に好んで出すパターンを見抜き片足を奪います。さらに彼はネテロの鍛え上げられた強さに称賛を送るほど余裕の様子。 そこでネテロは、掌で相手を後ろから包み込み無慈悲の咆哮を浴びせる「百式観音」の奥の手、「零の掌」を放ちます。体が痩せ細るほどのオーラを消費した渾身の攻撃でしたが、メルエムはこれを耐え切ります。 後のなくなったネテロは「人間を舐めるなよ、メルエム」と告げ、心臓に仕込んであった「貧者の薔薇(ミニチュアローズ)」と呼ばれる爆弾を起動。至近距離で熱と爆風を受けたメルエムは両手両足を失い黒焦げの姿に。ネテロの決死の自爆でしたが、彼はまだかろうじて息をしていました。
メルエムの最期、コムギへの愛
復活するが記憶喪失に……
瀕死のメルエムの元に、王の身を案じた王直属護衛軍の2人・シャウアプフとモントゥトゥユピーが駆けつけます。2人は王を救うために、自分の細胞とオーラを凝縮して食べさせます。その結果手足が生え揃い、2人の能力を使用できるほどに回復。 しかし爆発の衝撃で記憶が曖昧になり、コムギのことを忘れてしまったメルエム。頭の痛みからなにかが足りない気がしてならず、それがコムギと思い出せないながらも、足りないものを探すために王宮へ向かいます。
コムギとの最期、王の生きた意味とは
コムギを王にとって不必要な存在と考え隠し通そうとしたプフと紆余曲折あった末、部下のウェルフィンがこぼしたコムギの名から全てを思い出します。そしてメルエムは真っ先にコムギの元へ。 無事に再会し、2人で軍儀を指します。対局中彼女は以前勝ち筋がないと言った手の「弧弧狸固(ココリコ)」を打ちます。勝ち目のない手を打ったことに怒るメルエムでしたが、その手を見事活かすコムギ。驚愕するものの、彼もまた新たな手を返します。 幸せを噛み締め涙する彼女に対し、自分が実は「貧者の薔薇」の毒に侵されていることを伝えます。またその毒が感染した者がその場にいるだけで伝染することも。最期にコムギと軍儀を打ちたかったと言う彼に、「この日のために生まれてきた」と述懐する彼女はさらに新たな一手を返します。さらなる一手を受けたメルエムは、自分がこの瞬間のために生まれて来たのだと悟ります。 毒により段々と弱っていくメルエムは、母のようなコムギの胸に抱かれ、その命を終えます。そしてコムギもまた、自身の死を受け入れるのです。 暴君とも言えたメルエムが愛を知り、人間味を見せ始めた最中に悲劇的な最期を遂げる展開。このキメラアント編の幕引きは読者に衝撃を与えました。
メルエムに勝てるキャラはいる?
最強に近い存在だったネテロに実力では完勝したメルエム。そんな彼に勝てるようなキャラクターがいるのでしょうか。ここからは作中の描写を元に考察します。
ゴン=フリークス
まずは主人公のゴン=フリークス。通常のゴンではメルエムに歯が立たないでしょうが、護衛軍の1人ネフェルピトーと戦った際の、全オーラを費やし成長した姿であれば戦えるのではないでしょうか。ファンからは「ゴンさん」と呼ばれ親しまれているこの姿。実際にピトーはこれを見て、「王にも届き得た」と評しています。 しかしピトーは王が一度死に瀕しユピーとプフの力をも身につけたことを知らないため、もしゴンが戦えばさらなる進化を果たしたメルエムが勝つかもしれませんね。
ゼノ=ゾルディック
キルアの祖父・ゼノ=ゾルディックではどうでしょうか。ネテロが命をかけて望んだキメラアント退治に同行を頼んでいることから、ネテロに比肩する実力者であることがわかっています。 「龍頭戯画(ドラゴンヘッド)」などの技を披露しているものの、まだ全力を見せてはいないゼノ。しかし同じく作中屈指の実力者と目されるクロロから危険視されるほどの実力を秘めている様子です。その秘めた力をもってすればメルエムに対抗できるのかもしれません。
声優・内山昂輝がアニメ『HUNTER×HUNTER』でメルエムを好演
内山昂輝が『「さらざんまい」スペシャルイベント ~みんなでつながりを取り戻せ~』に出演しました!#さらざんまい pic.twitter.com/M7JXNchvyU
— 劇団ひまわりinformation (@himawari_press) October 6, 2019
2011年から放送されたアニメ版『HUNTER×HUNTER』で、声優の内山昂輝がメルエムを演じました。「機動戦士ガンダムUC」のバナージ・リンクスのような主人公や『僕のヒーローアカデミア』の主人公と対になる悪役・死柄木弔などで知られています。 内山演じるメルエムは王として迫力のあるものでありながら、人と蟻の間で揺れる様を声で見事に表現していました。
メルエムを変えたのはコムギとの出会い!絶対的な蟻の王は愛を知った
本記事では「ハンターハンター」で最強と目され人気も高いメルエムの強さや活躍、彼に匹敵する実力者についても紹介しました。キメラアント編にしか登場しないものの、ファンに強い印象を残したキャラクターでした。コムギと出会うことで揺れ動く彼の変化をおさらいできたでしょうか。 世界の外側にある未開の地・暗黒大陸からやってきたことがわかっているキメラアント。今後「暗黒大陸編」でメルエム以上の強さを持ったキャラクターが登場するのかも注目です。