ラスト、「色欲」の名を持つホムンクルス
『鋼の錬金術師』では主人公エルリック兄弟の行く手を阻む強敵達が数々登場しますが、その中で最も代表的なのがホムンクルス・ラストです。ホムンクルスは強力な力を持つ“賢者の石”を核に錬成された人造人間で、非常に高い知能と戦闘力を有しています。 胸元に刻まれたウロボロスの紋章、そして妖艶な魅力たっぷりの容姿を持つラストは“色欲”の名が与えられているホムンクルスで、作中でも独特の存在感を放なっており非常にファンの多いキャラクターの1人です。 冷静沈着な性格の持ち主で作中で様々な計画を実行する際には隊長のような役割りを務め、他のホムンクルスと共にエルリック兄弟を苦しめました。
「最強の矛」を自在に操る女
『鋼の錬金術師』に登場するホムンクルス達は自らの身体を自在に操り様々な特殊能力で戦闘を行いますが、ラストの持つ能力は「最強の矛」。指先を伸縮自在な刃に変化させ武器として扱います。 どちらかと言えば計画を影で実行しているイメージが強いラスト。他のホムンクルスに比べて戦闘能力が高いという印象に乏しい彼女ですが、その最強の矛でコンクリートや鉄を切断したり、アルの身体を貫いたりというシーンも描かれていています。
マスタングとの戦いの結末は?
ハガレンにおいて1つの山場ともいえる展開がラストVSマスタングの対決です。作中では軍の中枢に巣食うホムンクルス達の体制側とエドやマスタングなどの軍における良心派の構図があり、この対決は1つの象徴的な戦いといえるでしょう。 マスタングが自分たちの思惑に気づいたことを察知したラストは、自らを「ソラリス」と名乗りマスタング側の人間に近づき牽制します。が主だった情報を得られず失敗に終わります。 結局、ホムンクルス側が研究を行っていた施設にマスタング達の侵入を許し対決することとなりますが、ラストはマスタングに重症を追わせ一旦は彼らの襲撃を退けたように見えました。 その後、マスタングの腹心であるホークアイやアルフォンス達がラストを食い止める中、再びマスタングが登場し自らの体を再生することができる賢者の石の能力を使い果たすまでその身を炎に焼かれ敗北します。
清々しくてかっこいい、ラストの名言
完敗よ。くやしいけど貴方みたいな男に殺られるのも悪くないわ。その迷いの無い真っ直ぐな目、好きよ。楽しみね その目が苦悩にゆがむ日は……すぐ……そこ……
マスタングとの戦いに敗れ彼女が最後に残したセリフです。人間としてマスタングを評価する一方、彼の未来を暗示するような言葉を残し彼女はこの世を去ります。実はこのセリフが物語の終盤に深い意味をもたらすことになるのです。
本当に愚かで弱い 悲しい生き物ね
マスタングの死を伝えられ我を忘れて立ち向かうも刃が立たず、自らの無力さに打ちひしがれるホークアイを見て発した言葉です。 ラストは物語の初期にも人間に対して「悲しい生き物」と口にするシーンが描かれていています。ホムンクルスという存在を通して人間の本質を考えさせられるこの言葉は、敵として登場するラストだからこそ発せられる名言なのかもしれません。
アニメ版の声優は?
『鋼の錬金術師』は2度のテレビアニメ化がされておりラストを担当した声優は2人存在します。
佐藤ゆうこ
2003年のテレビアニメでラストを演じたのは佐藤ゆうこ。誕生日は12月25日、神奈川県出身、アクセント所属の声優です。 週刊少年ジャンプで大人気だった作品『シャーマンキング』の主人公、麻倉葉役で広く知られており、また『鋼の錬金術師』の主人公エドワード・エルリックを演じる声優、朴璐美との共演が多くプライベートでも親交があるようです。
井上喜久子
2009年に放送された『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』ではラストを演じたのは井上喜久子。1964年9月25日生まれ、神奈川県出身、オフィスアネモネおよびベルベットオフィスに所属する声優です。 テレビアニメ『ああっ女神さまっ』のベルダンディー役や『らんま1/2』の天道かすみ役など、年上の女性や優しいお姉さん役の印象が強い井上喜久子、自己紹介の際の「井上喜久子、17歳です」という挨拶はファンの間ではお約束となっています。
実写版ラストを演じるのは?
2017年に実写映画が公開されることが発表されたハガレン。人気キャラであるラストのキャスティングにも注目が集まっていました。 実写版ハガレンでラストを演じるのは松雪泰子。ドラマ『Mother』では12年ぶりの主演であったにもかかわらず、難しい役どころに挑戦し演技が高く評価されました。 大人の魅力を醸し出す彼女がラストをどう演じるのか今から楽しみですね。