大根仁はトレンドセッターか!?個性的な注目監督に迫る10の事

2017年12月1日更新

深夜ドラマやMVなど幅広い分野で活躍を見せている大根仁(おおねひとし)。2012年に映画『モテキ』で第35回日本アカデミー賞話題賞・優秀作品部門を受賞した、今話題の映画監督・映像ディレクターについてご紹介します。

1:『北の国から』に衝撃を受け、番組制作会社に入社

撮影33日目。井川遥様に見守られながら。

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演出家・映像ディレクターである大根仁(おおねひとし)は、1968年に東京の国立で生まれました。幼少期はちょうどテレビの黄金時代にあたり、さまざまな番組に影響を受けて次第にテレビの仕事に興味を持ったそうです。 高校生の時にドラマ『北の国から』を観て衝撃を受け、シナリオを書店で読んだことがきっかけでドラマ作りに関わりたいと考えるようになります。 そして一生現場で制作をしたいという思いから映像系の専門学校へ進学しました。 専門学校を卒業間際、プロモーションビデオのコンテストに出品したPVが映画監督の堤幸彦の目に留まったことで、堤幸彦と秋元康が作った番組制作会社「SOLD OUT」に入社。ニューヨークの家に居候しながらアシスタントをすることとなります。

2:堤幸彦の手掛けるドラマで、監督としての腕を磨く

アシスタント時代は過酷なものであったと大根仁は語っています。それでも作品に関われる喜びの方が勝り、必死に食らいついてクリエイターとしての信頼を築いていったそうです。 20代の下積みを経て30歳を過ぎた頃、ようやく仕事内容がディレクターへとシフトしていきます。 堤幸彦が手がけた『金田一少年の事件簿』や『サイコメトラーEIJI』など、ゴールデンタイムに放映される数々の作品の手伝いをしながら監督としての腕を磨きました。 その後、注目されている作品の演出を任されるというチャンスが訪れますが、「落ち込むぐらいデキが悪かった」と大根仁は話しています。失敗を機に自分は演出だけでなく脚本などにも関わった方が上手くいくのではないかと考え、自由度が高い深夜枠へ活動場所を移すことにしたそうです。

3:テレ東深夜ドラマで頭角を表す

大根仁のスタンスを確立するおおきなきっかけとなったのがテレビ東京で放映された『演技者。』です。脚本も自分で担当し、尊敬する作家の小演劇作品にジャニーズのメンバーを起用したことで、「メジャーとインディーズの架け橋になる」という自分の使命を見出します。 この作品を皮切りに大根仁は、次々話題の深夜ドラマを制作していきました。その中でも代表的な作品をご紹介しましょう。

『演技者。』

ジャニーズのメンバーと小劇場で活躍する役者が一緒に板の上に上がり、ストーリーを紡いでいく番組。「舞台とテレビのコラボレーション」という試みが話題を呼び、2002年から2年間放送されました。 シリーズは4話構成の本編と舞台裏を特集した総集編の5つで成り立っており、約一ヶ月ごとにストーリーとキャストが総入れ替えするというシステム。制作側と視聴者が近い距離にある番組です。

『30minutes』

バナナマンやおぎやはぎ、荒川良々の5人とゲストたちで1話完結のドラマを展開していく番組です。毎回様々な30分に焦点を当てて物語が進んでいきます。 2004年から2ヶ月の間放送され、2005年には続編となる『30minutes鬼』も放映されています。

『週刊真木よう子』

2008年に放映された深夜番組。主演を真木よう子が務め、毎回異なった演出家や脚本家、共演者で物語を織りなしていくというもの。大根仁は企画を担当しました。

4:ドラマ版『モテキ』

低予算で数々の深夜ドラマを作り続けていた大根仁は、次第に「一つの作品にじっくり向き合いたい」と思うようになります。そんな時に話が舞い込みかたちにしたのがドラマ版『モテキ』です。 久保ミツロウの漫画が原作であるこの作品は、三十路のモテない主人公・藤本幸世がある日突然知り合いの女の子から頻繁に誘いを受け、「モテキ」が到来するというもの。藤本幸世は俳優の森山未來が演じています。

大根仁はこの作品に脚本・演出だけでなく、カメラマンとして撮影にも関わっています。デジタル一眼レフカメラのムービー機能を使って撮影するという珍しい方法を採用し、話題となりました。『モテキ』には藤本幸世を翻弄するたくさんのかわいい女の子が登場するため、彼女らの自然な表情を撮るためにこの撮影手法にたどり着いたと大根仁は語っています。 ディレクターとして新しい表現方法を模索して出来上がったドラマは大きな反響を呼び、映画監督デビューの契機となっていきました。

5:映画初監督作で一躍スターダムへ!映画『モテキ』

ドラマ版『モテキ』の続編を映画化するにあたり、1年後を舞台にした完全オリジナルストーリーが久保ミツロウによって描き下され、脚本演出は引き続き大根仁が手がけることとなります。 2011年、42歳でようやく映画監督デビューを果たしたのでした。 映画『モテキ』は映画観客動員ランキングで初登場第2位を記録し大ヒットとなりました。 また第35回日本アカデミー賞や第66回毎日映画コンクール・男優主演賞など数々の賞を受賞し高い評価を得ています。 第21回日本映画プロフェッショナル大賞には、大根仁が個人賞・新人監督賞に輝いています。この作品をきっかけに一気に知名度を上げ、メジャー監督への階段を駆け上がっていきます。

6:メジャー監督になっても個性は健在『恋の渦』

その後も大根仁は映画監督として個性の光る作品を作り上げます。2013年に公開された映画『恋の渦』は「シネマ☆インパクト」限定で上映する予定でしたが、反響を呼んで連日満席だったことから全国ロードショーされるまでに発展しました。 三浦大輔脚本のこの作品は、ホームパーティーと称したコンパをきっかけに渦巻く男女9人の恋愛模様を描いた作品です。恋心や下心、駆け引きなど繊細に描かれた登場人物の心情が魅力となっています。

映画監督の山本政志が企画したワークショップ「シネマ☆インパクト」内の作品として制作され、俳優陣も全てワークショップ内で選出され4日で撮影するという珍しい作品です。 俳優陣には第23回日本映画プロフェッショナル大賞・新人奨励賞、大根仁ら製作陣には第5回TAMA映画賞・特別賞がそれぞれ贈られ評価を得ました。『モテキ』に引き続き、この作品もデジタル一眼レフカメラで撮影されています。

7:大ヒット少年漫画の映画化にも抜擢される

2015年に公開された映画『バクマン。』は大場つぐみ原作・小畑健作画の大人気漫画が原作の作品で、大根仁は監督と脚本を務めました。第39回日本アカデミー賞話題賞、最優秀音楽賞を受賞しています。 『バクマン。』は絵の上手い真城最高と文才のある高木秋人がコンビを組み、漫画家を目指すというストーリー。真城最高は佐藤健、高木秋人は神木隆之介がそれぞれ熱演し、ハマり役だと評判になりました。

8:MVも多数手掛けている

今となっては「映画監督」というイメージの強い人物ですが、大根仁は自身の肩書きを「演出家・映像ディレクター」であると語っています。実際に監督という枠には収まらない幅広い分野で活躍しており、MVも多く携わっているのです。 スチャダラパー『DISCO SYSTEM』の人間ドミノのような仕掛けや、フラワーカンパニーズ『深夜高速 (2009)』の躍動感など、大根仁らしい個性的な映像作品に仕上がっています。

9:twitterが面白い

大根仁はTwitter上で他の作品を観て自分が感じたことや、ニュースに対しての意見などをしばしば呟いています。大根仁の面白いツイートをいくつかご紹介しましょう。

『あまちゃん』へ愛のあるダメだし

NHK連続テレビ小説『あまちゃん』を映像ディレクターとしての視点から感想を述べています。脚本家宮藤官九郎の意図を読み取り、自分だったらこう表現するという意見を寄せています。

朝日新聞へ辛口コメント

朝日新聞の夕刊に掲載されたコラム「素粒子」で、フランスの風刺週刊紙「シャルリー・エブド」に対して起きた銃撃事件などを取り上げ皮肉ったことに対するコメントです。

10:大根仁はトレンドセッターか!?今後の監督作

次々に話題のヒット作品を世に送り出し、流行を生み出し続けている大根仁。是非とも注目したい今後の監督作をご紹介します!

『SCOOP!』

1985年に公開された『盗写 1/250秒 OUT OF FOCUS』を基とした、カメラマンにスポットを当てた作品です。パパラッチをしている主人公が仲間とともに大きな事件を追跡します。 中年カメラマンの主演を務める福山雅治、相棒の役を演じる今話題の二階堂ふみに注目です! 2016年10月の公開を予定しています。

『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』

渋谷直角原作の漫画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』が、妻夫木聡主演で実写映画化することが決まりました。大根仁は監督・脚本を兼任します。 この作品は奥田民生に憧れる雑誌編集者の主人公が、魅惑的な女に一目惚れするというラブコメディ。 『モテキ』が大ヒットした実績もあり期待が高まっています。 ヒロインには水原希子を起用。映画は2017年に全国公開予定です。