人気バスケ漫画『スラムダンク』
『スラムダンク』は、バスケットボールを題材にした大ヒット漫画とそれに基づいたアニメ作品です。ヤンキー少年の桜木花道がバスケットボールを通じて生きがいを見出し、友情に目覚めてゆく青春ドラマと、緻密で臨場感溢れる描写で人気を集めました。 連載は1990年から1996年までと、連載終了から既に20年の時が流れていますが、今な熱烈なファンを生むバスケ漫画の金字塔とも言える存在です。 リアリティや迫力は画力やコマ割り、アングルやセリフ回しといった描写力によるところが大きいのですが、もう一つのポイントは設定の緻密さにあります。特に主人公や対戦相手が在籍する高校にはそれぞれ実在のモデルが有ると言われています。 今なお色褪せないスラムダンクの魅力を、それぞれの高校別に追っていきましょう。
湘北高校
主人公の桜木花道がお馬鹿なイメージであるせいか、勉強のできる高校というイメージはないかもしれません。しかし、実際には赤点4教科以上でインターハイへの出場が禁止されるなど、それなりに厳しい学校です。モデルとされる都立武蔵野北高校も有名な進学校です。 しかし、バスケ部はエリートとは程遠く、県大会で初戦敗退が続く弱小チームでした。 ストーリーが進むにつれ流川のような天才選手と桜木のような常識をくつがえす選手が入り、チームは大きくなっていきます。強い連携力によって実力を伸ばし、県大会で準優勝インターハイでは2勝という飛躍的な成長を見せました。
陵南高校
桜木たちが最初に戦いを挑む高校で、地元では名のしれた強豪校。モデルは神奈川県立鎌倉高等学校と言われていて、こちらも超の付く進学校です。 天才プレーヤーの仙道や2m超えの魚住など、強力な選手が揃い、とにかく手強い相手です。練習試合ではかなり食らいついたプレイを繰り広げた湘北でしたが、惜しくも敗北。しかし、この敗北が湘北のバスケ魂を目覚めさせたことは間違いありません。 陵南とは物語の終盤で再び戦うことになります。互いに成長を果たした両者はアツい接戦を繰り広げ、今度は湘北が勝利を収めました。湘北はこの勝利によってインターハイ出場の切符を手にします。
海南大付属高校
バスケの超名門校であり、各地から有力選手をかき集める一方、非情に厳しい練習でも知られ、殆どの選手が脱落する厳しいチームでもあります。 「海南に天才はいない だが海南が最強だ!!」という岡田監督の名台詞が示す通り、どんなに天才児と呼ばれようと実力を伴わなければければ生き残ることが出来ない、実力主義のチームです。
翔陽高校
海南と並ぶ超強豪校で高身長の選手が豊富に揃うことも特徴の翔陽高校。モデルは神奈川県立松陽高等学校とされます。 対戦時には湘北を完全に舐めたような態度を取り、それが結果的に湘北の士気を高め不利な展開に至る原因となりました。また、監督がいない状態ということもあり、試合を「読む」という点でも悔いの残る結果となります。 とはいえ、やはり強豪校です。湘北都の試合は白熱し、読者にとっても印象深い章となっています。
豊玉高校
これまではエリート校と呼ばれるようなチームを紹介してきましたが、豊玉高校はどちらかと言えば不良が集まる高校で、応援席からも罵声が飛んできます。 プレイスタイルもオフェンスに特化した、いわゆるオラオラした鋭さがウリです。しかし、勢いの良さが災いしてチームのまとまりに欠ける部分もあり、それが仇となって湘北高校に敗北を喫しました。
山王高校
湘北vs山王といえば言わずと知れた名試合。モデルは秋田の能代工業高校とされています。高校バスケの中では絶対的な王者と呼ばれるほどの強豪校で、戦略、連携力、選手の身体能力など、どれをとっても最強です。 クライマックスとなる山王戦は目まぐるしく点を取り合うスリリングな展開で、最高の試合としてファンに語り継がれています。桜木の「ヤマオーは俺が倒す!!」はスラムダンク屈指の名台詞ですが、正しい読み方は「さんのう」です。