2017年7月6日更新

『スラムダンク』一試合ずつ試合を振り返っていこう!

連載終了から20年を経てなお、バスケ漫画の最高傑作と称される『スラムダンク』。臨場感溢れる試合展開や、青春ドラマ、名台詞など数多くの見どころがあります。今なお色褪せないその魅力に迫るべく、主な試合ごとにストーリーを振り返っていきましょう。

人気漫画『スラムダンク』

『スラムダンク』は、井上雄彦によるスポーツ漫画。不良少年の桜木花道がバスケットボールを通じ成長してゆくさまを描いた青春ストーリーと、躍動感溢れる試合展開が人気を呼び、大ヒットを飛ばしました。

連載は1990年から1996年まで、掲載雑誌は『週刊少年ジャンプ』、アニメは1993年10月から1996年3月までの3年間にわたって放送されています。

『スラムダンク』というタイトルは豪快にシュートを決める様子からとったもの、「スラム」は貧困街という意味の他に「激しく叩きつける」という意味もあります。リングに直接、ドンッ!と叩き込むダンクシュートの力強さを表現しているのですね。

絶大な人気を誇った『スラムダンク』ですが、その終わりは唐突でした。後の試合展開を暗示するような描写がありつつも、インターハイの半ばで連載を終了することになったのです。これは作品の熱気が頂点に達した段階で打ち切り、余韻を残すため、あるいは無理に引き伸ばして魅力が失われていくのを避けるためとも言われています。

ここでは『スラムダンク』のストーリーを、試合ごとにたどりその魅力に迫っていきたいと思います。

『スラムダンク』のあらすじ

主人公の桜木花道は不良少年。しかも硬派な番長ではなく、今で言うところのチャラ男とでも言うべきキャラクターです。そもそも彼はバスケにいい印象を持っていません。なぜなら、かつて自分を振った女の子が好きだった男の子がバスケ部だったから。ちょっとずれている気もしますが、桜木にとっては苦い思い出なのでしょう。

そんな彼はバスケ部キャプテンの赤木剛憲、通称「ゴリ」の妹である晴子に一目惚れし、彼女に近づくためにバスケ部に入部します。

とはいえ、目立ちたがりの桜木は基礎練習があまり好きではありません。派手な「スラムダンク」にしか興味が無いのです。おまけに、肝心の晴子は同期の流川楓にぞっこん。同期の流川は中学時代から一目置かれている天才少年で、なんとか互角にプレイできるもののかなり分が悪く、思うように行かない桜木はストレスをためていきます。

初試合の相手は陵南高校。ベンチスタートなのに反則を切られるという前代未聞の失態をするも、赤木の怪我によりコートに出た桜木はそのポテンシャルの高さを見せつけます。

結果的に負け試合となったものの、桜木のポテンシャルの高さを魅せつけることになり、自身も手応えを感じ取った形となります。これを機にバスケの楽しさに目覚めていくのです。

元の性格もあり、やはり基礎練習は嫌い。試合に出れば退場を食らうといった感じで序盤はなかなか活躍の機会がなかった桜木ですが、仲間やライバル校との関わりの中で次第に成長し、チームの一員としての自覚が芽生えていくのでした。

vs陵南高校

初めて本格的な試合のシーンが描かれたのが陵南高校との練習試合で、コミックでは3〜6巻にあたります。この練習試合まではひたすら基礎練習で、順調に実力をつけては行くものの桜木自身もあまり身が入っていない状態です。作品のテイストもこの時点ではコミカルな印象が強いですね。

ただし、迫力は抜群。練習試合とはいえ、キレ者のエース仙道、2m超えの魚住という強力な選手を抱えた陵南高校はかなりの強敵です。

意気揚々と試合を迎える桜木ですが彼はレギュラーではなくベンチに座る補欠要員(最終兵器と言いくるめられ)で、おまけに相手チームの監督にカンチョーをして反則点を与えてしまいます。そんな彼にチャンスが訪れたのは、「ゴリ」の怪我。交代要員としてコートに立った桜木は荒削りながらも力強いプレイで味方を沸かせます。しかし残り数秒というところでシュートを決められてしまい敗退。

悔しい結果ではあったものの、桜木の実力にスポットが当たるきっかけとなった試合で、バスケに対する熱意に目覚め始めます。

vs翔陽高校

インターハイ県予選の翔陽高校戦は、これで決勝リーグへの進出が決まるか否かの大勝負。

翔陽高校は前年に準優勝を飾った強豪校で、県内外から協力な選手を集めているという手強い相手です。ひとつ前の三浦台戦では倍以上の点差をつけて勝利しましたが、今度はそうも行きません。

試合開始直後は主要選手がベンチ待機という、あきらかに湘北を見下した戦法を取ってきます。これはある種の挑発ですから頭脳戦であるともいえます。試合を見てもパワー押しではなく技工や連携を武器にした緻密なプレイを繰り広げてきます。

前回の三浦台戦では相手チームの選手に(リングではなく)おもいっきりダンクシュートを決め退場となりましたが、今回はそういうおイタは控えようとしている様子。しかし、ボールを取られそうになった拍子に上げた肘が相手選手、花形の顔にヒット。これでファールを取られてしまった桜木は後がなくなり、思うようなプレイが出来なくなってしまいます。桜木はこれまでの試合で必ず退場になっているのです。

その後も奮闘を続け、残り2分で華麗なダンクシュートを決めますが、その過程でファールを取られてしまい退場します。残された時間は1分50秒。桜木の代わりに入った角田の活躍によってわずか2点差で翔陽高校に勝利したのでした。

vs海南大付属高校

16年連続でインターハイ出場という超強豪校、海南大附属高校との対戦となります。強豪相手にも食らいついていく翔陽ですが、なかなかリードを取れません。桜木は巧みなリバウンドと独特のセンスでこれまでにない活躍をしますが、その強力さに気づいた海南高校のメンバーによってプレイを阻まれ、あえなくベンチ入りとなります。反則意外でベンチに送られたのはこの試合が初めてでした。

苦戦を強いられる中赤木が足をくじき再び桜木がコートに立ちます。必死のディフェンスと流川の猛烈なアタックで追いつき、後半戦では赤木が復活と順調に見えたのもつかの間。赤木に渡すべきボールを相手チームの高さに渡してしまうというミスを犯し、そのまま僅差で敗れる形となりました。

陵南高校vs海南大付属高校

自身の失態によりチームの足を引っ張ってしまった桜木は責任を感じて頭を丸坊主に。それを見た顧問の安西は桜木にシュートの特訓と練習試合を提案します。これは、自身のプレイを振り返らせ、問題点を自覚させること、そして自信を回復させることでした。

この読みは当たり、桜木は自信をつけ、リーグ戦に備えるのです。ただし、練習に打ち込みすぎた桜木は武里高校との試合には遅刻し、出場はできませんでした。

そして陵南vs海南戦。この試合の結果はインターハイ出場の可能性を大きく左右しますし、湘北にとってはいずれも苦い敗北を喫した強豪校です。そして、陵南は次の対戦相手でもあります。

海南の強敵といえばやはり牧です。陵南の岡田監督が対抗策として打ち出したのは仙道。牧の動きを封じた陵南高校は序盤を有利に進めますが、清田の懇親のゴールによって勢いづいた海南が巻き返す展開となります。さらには頼みの綱の魚住が審判と揉めて退場し、陵南はさらなる苦戦を強いられ、陵南が僅差で敗退する形となりました。

この試合の見所はなんといっても牧と仙道の攻防で、特に終盤の駆け引きは必見です。

vs陵南高校

ついに迎えた陵南との決戦。インターハイ出場をかけた大勝負であるとともに、因縁の相手である陵南との試合ということで否応にも気分が盛り上がります。

この試合は桜木のダンクで始まりました。そのまま流れに乗るかとおもいきや、新たな強敵福田の登場と赤木の怪我の影響で苦戦を強いられる展開に。さらに服だと接触した桜木はそのままカメラに突っ込み負傷してしまいます。後半戦は流川のファインプレーでスタート。特訓を思い出し調子を取り戻します15点差をつけリードをします。しかしそこは強豪の陵南。仙道を中心に怒涛の巻き返しとなります。接戦を制したのは湘北!決め手は桜木のシュートでした。

ちなみにインターハイ出場が決定している海南高校が観客席から見守っていて事あるごとにリアクションを取ってくれます。その反応も見どころの一つですよ。

vs山王高校

陵南を下し、インターハイ出場を決めた湘北はその流れに乗って一回戦の豊玉にも勝利。インターハイ2戦目の山王戦は『スラムダンク』のフィナーレを飾る大勝負です。

まず試合開始前から面白いのがこの試合で、士気を上げまくった湘北がけんかを売っているような形に。これがまた青春ぽくてアツい!とファンの間で言わる名試合となりました。

試合が始まるとすぐに桜木とリョータの奇襲が始まり、不意を突かれた山王は調子を狂わせます。しかし、動じないのがキャプテンの深津です。他のメンバーもすぐに復活しどんどん巻き返してきます。

山王エースの沢北が退場となったことを受け、安西は流川をベンチに下げさせます。後半戦で沢北が復帰することを見越して、体力を温存させるという戦法ですね。エース不在となりながらもアツい接戦を繰り広げる湘北と山王でしたが、前半戦は湘北が二点差でリードしました。

後半戦は山王により怒涛の追い上げが続き15点差というピンチに陥り、さらに8分近くゴールを決められない湘北には焦りの色が出始めます。この流れを変えたのが桜木の叫び。「ヤマオーは俺が倒す!」という声に勇気づけられたメンバーは再び士気をあげます。

中盤で赤木が不調になるも、陵南の魚住がコートで桂剥きをしながら一喝し、目を覚ました赤木とともに一丸となった湘北は巻き返しを図ります。沢北の本気によって再び19点差のピンチに陥るも鋭い連携プレイで切り抜け、ついには1点差で勝利します。

とにかくハラハラする大接戦で、特に後半40秒からの怒涛の巻き返しは息をするのを忘れるほどの白熱ぶり。作者の井上が、この試合でラストを飾りたかったというのも納得です。