2019年10月30日更新

「スラムダンク」安西先生はなぜ名将なのか?名言多き指導者を徹底解説

安西先生

スラムダンクを語る上で欠かせないのが安西先生です。愛くるしいビジュアルながらも、湘北高校バスケ部の監督として、的確な指導で彼らを導きます。そんな安西先生のプロフィールや過去、名言について紹介します!

目次

湘北の名将・安西先生はかわいいだけじゃない!

『SLUM DUNK』は週刊少年ジャンプで1990年代に連載されたバスケ漫画の金字塔。コミックスの発行部数は1億2000万部を突破しています。 主人公・桜木花道(さくらぎ はなみち)や流川楓(るかわ かえで)らが所属する、湘北高校バスケット部の監督が言わずと知れた安西先生です。本記事では愛らしい見た目と優れた指導力を持つ安西先生を紹介。プロフィールや秘められた過去、作中の名言について、改めておさらいします。 ※本記事は『SLUM DUNK』のネタバレを含んでいます。ご了承ください。

タプタプしたくなる!優しい指導者・安西先生のプロフィールを紹介

マスコット的なキャラクターで、多くのファンから愛される安西先生。そんな彼のプロフィールを紹介します。 フルネームは安西光義(あんざい みつよし)。奥さんのいる既婚者です。生年月日はわかっていませんが、見た目や過去の経歴、また現在は教師として授業を行っていない様子などから、60歳は超えているものと考えられます。 身長は175センチ、体重は不明ですがかなりのぽっちゃり体型です。花道からは度々その二重顎をタプタプされていました。一度肥満体型が原因で倒れてしまうという事件が起きたことがあります。そのため本編終了後を描いた「あれから10日後」では、健康のために運動する姿が描かれていました。 「ホッホッホ」という特徴的な笑い方をし、性格は非常に温厚です。同時に指導者としても優秀で、バスケット界では有名な存在。バスケット部のメンバーである三井寿や宮城リョータは、彼を慕って湘北に入学するほどです。「ケンタッキーおじさん」とからかわれることもありますが、試合になると一瞬にして勝負師の顔つきに。 大事な局面では的確な指示を出し、試合の最後まで監督として諦めず勝ちを取りに行く姿に部員達も信頼を寄せています。普段動く姿はあまり見られませんが、試合展開に思わず「それだ!」と身を乗り出したり、ガッツポーズを見せることも。 他校の監督からも尊敬の意を込めて、安西先生と呼ばれています。中でも天才・仙道を擁する陵南高校の監督である田岡茂一(たおか もいち)は彼を猛将と称し、人一倍畏敬の念を抱いている様子でした。その理由は過去の安西先生を知っているからなのですが、一体どのような人物だったのでしょうか。 性格は温和で指導者としても優れている安西先生。一見完璧にも思える彼の過去を紐解く鍵は、その異名にありました。

鬼から仏へ、安西先生の変化には教え子との過去が関係している?

今となっては白髪仏(ホワイトヘアードブッダ)と呼ばれている安西先生ですが、過去には白髪鬼(ホワイトヘアードデビル)と言われ恐れられていました。 昔、自身も全日本の選手だった安西先生は引退後にある名門大学で監督を務めていました。当時の彼は大学界きっての名将にして、「白髪鬼」の異名を持つスパルタコーチとして知られていたのです。今ほど太っていない強面の顔に、けんか腰の口調で激しく叱責する指導方法をとっており、ヤクザのようだと言われることも。基礎練習を重ねるその練習方法は、選手にとってはとても厳しいものでした。 そんな折に谷沢龍二(やざわ りゅうじ)という、2メートルを超える身長と優れた運動能力を持つ選手と出会います。谷沢の将来性を見込んだ安西先生は、彼を一層厳しく指導。自分の才能に頼ったプレーをする谷沢に、「おまえのためにチームがあるんじゃねえ、チームのためにおまえがいるんだ!」と教えます。しかし谷沢はひたすら続く基礎練習に意味を見出せず、単身バスケットの本場・アメリカへ留学しました。

谷沢の一方的な離別に落ち込んでいた安西先生。渡米から一年たったある日、連絡のつかなくなっていた谷沢から大学に一本のビデオテープが届きます。そこにはアメリカでバスケットをプレイする谷沢の姿がありました。元チームメイトの活躍を喜ぶ部員たちでしたが、安西先生は彼の現状を見抜きます。「まるで成長していない……」。 元々、監督生活の最後に谷沢を日本一の選手に育て上げるつもりだったため、彼がアメリカで潰れない内に日本へ呼び戻したいと考えていました。必至で連絡を取ろうとしますが、どうにも彼の行方を掴めません。谷沢が籍を置く大学に訊いたところ、バスケット部にも顔を見せなくなっているとのこと。そのまま谷沢の消息がわからないまま、月日が過ぎていきました。 谷沢が渡米してから5年目の朝、安西先生はとある新聞の記事を見つけます。それは谷沢がアメリカで激突死したというもの。120キロの暴走で薬物反応もあったかもしれないとされており、谷沢がバスケットに挫折し、半分自殺のような死に方をしたことを伝えていました。 この一件以降大学バスケットボール界から身を引いていますが、谷沢のことを吹っ切れていないために弱小の湘北高校バスケット部監督となりました。性格も体型も以前から丸くなり、優しい性格の「白髪仏」と呼ばれるように。以前はガチガチのシステマチックなバスケット論者でしたが、谷沢のような悲劇を繰り返すまいと、湘北では部員の個性を尊重して要所で指導する方針に変わっています。 このように壮絶な過去を持つ安西先生ですが、湘北高校で谷沢を彷彿させる二人の才能に出会います。それが桜木花道と流川楓。この出会いが、「日本一の選手を育て上げる」という夢を再燃させるのです。

安西先生の名将たる所以は名言にあり!

ここからは安西先生の作中における名言を紹介します。どれも心に残るものとなっていますので、おさらいしましょう。

「あきらめたらそこで試合終了だよ」

「スラムダンク」と言えばこの名言。本作を読んでいない人でも知っていることも多い、安西先生の代表的な名言です。 コミックス8巻で語られた三井の中学時代の回想で登場します。三井のいる武石中学は県大会で決勝戦に挑んでいました。一点差でリードされ、残り時間は12秒。さらには相手ボールと絶望的な状況です。エースの三井も内心勝利を諦めかけてしまいますが、来賓として試合会場にいた安西先生が三井に語りかけます。 「最後まで…… 希望を捨てちゃいかん あきらめたらそこで試合終了だよ」。その言葉を受けた三井は奮起し、相手チームからボールを奪いゴールを決めます。見事県大会優勝を決めた三井はMVPプレイヤーに輝き、感銘を受けた先生の元でもっとバスケットがしたいと思うように。結果、三井は強豪校からの誘いを断り、湘北へ進学しました。 この言葉を安西先生も大切にしているようで、後に花道に対しても発言しています。スポーツに限らず、私生活においても参考となる名言です。

「とりあえず…… 君は日本一の高校生になりなさい」

コミックス21巻で、アメリカ留学を考える流川を諭す際に放たれたセリフです。 陵南戦終了後、流川は安西先生の家を訪ねます。もっと上手くなりたい一心でアメリカに行きたいという流川でしたが、先生は反対します。そしてまだ流川は仙道に及ばないことを指摘。さらに「今アメリカへ行くと言う…… それは逃げじゃないのかね?まして全国にはもっと上がいるかも」と告げます。こう言われれば、流川も黙っていられなくなると見越しての一言でしょう。 そこで流川に「とりあえず…… 君は日本一の高校生になりなさい アメリカはそれからでも遅くはない」と告げました。流川を焚き付けていながら、さらには日本一になれるという多大な期待を込めていることがわかります。 流川を引き留めたのは、彼にアメリカはまだ早いと感じていることはもちろん、谷沢との過去を繰り返さないためでもありました。この時点で流川はアメリカに行くことを決心していて、先生からも了解を得られると踏んでいたと思われます。 反対されてはしまいましたが、その後の練習に対する姿勢には鬼気迫るものがあったことから、彼にとっていい発奮材料となっていたとことが伺えました。そして谷沢の時とは違って、今回は事前に相談しており、これは安西先生が流川からの信頼を得ている証しと言えるでしょう。 この一言には、彼の指導者としての成長が詰まっています。

「……だがそろそろ自分を信じていい頃だ…… 今の君はもう十分 あの頃を越えているよ」

コミックス26巻収録のインターハイ2回戦・山王工業との試合中に、三井に向けて放たれたセリフです。 今まで以上のプレーを見せ活躍し、絶好調の三井。湘北ベンチではその凄まじさから、ブランク前の中学時代はもっとすごかったのかという疑問がこぼれます。それに対し小暮は、ブランクを後悔している三井は過去を美化し今の自分を責める傾向にあると言いました。 安西先生は、ブランクの重さを実感するたびに、三井は自分を信じられなくなったのではないかと続けます。「……だがそろそろ 自分を信じていい頃だ…… 今の君はもう十分 あの頃を越えているよ」という言葉を体現するかのように、三井がディフェンスを抜きゴールを決めました。 ガッツポーズを作る先生に、三井も同じくガッツポーズで返します。一度は挫折した三井を再び導くことのできた安西先生、二人の信頼関係が伺える名台詞です。

「おい…… 見てるか谷沢…… お前を超える逸材がここにいるのだ……!!それも…… 2人も同時にだ…… 谷沢……」

物語終盤に差しかかるコミックス29巻、同じく山王戦での台詞です。 リバウンドに速攻にとフルパワーで試合に挑む花道。その滞空時間や着地後すぐに先頭で駆け出すほどの普通じゃない脚力に、山王の河田が気づき始めます。一方で花道の才覚を早くから見出していた安西先生は、気持ちの高ぶりを抑えられないようで、頭を抱えて震えながら思います。「おい…… 見てるか谷沢…… お前を超える逸材がここにいるのだ……!!」。 夢半ばで亡くなってしまった谷沢を、花道が超えると確信した瞬間でした。そして試合では、速攻を仕掛けた花道が放ったシュートを流川がダンクで押し込みます。「それも…… 2人も同時にだ……… 谷沢……」と、その確信は同じく流川にも感じていました。 才能あふれる花道・流川と過去の教え子である谷沢を重ねて見ており、止まっていた安西先生の時間が、過去を取り戻すかの様に動き始めたシーンでした。

安西先生を演じたのは、豊富なキャリアを持つベテラン声優

安西先生の声を務めたのは声優の西村知道(にしむらともみち)。1946年6月2日生まれで長いキャリアを持ち、様々な役をこなします。特に渋い声を活かし、老人役や温厚な人柄の役が多いことで有名です。「NARUTO -ナルト-」シリーズの三代目土影・オオノキなど、威厳ある人物も演じています。 安西先生役では優しく穏やかな口調で、時には指導に説得力を持たせるような語り口でした。西村はそんな二つの面を完璧に演じ分けています。

花道や流川を名プレイヤーへ導く存在!安西先生は指導者のかがみ

本記事では「スラムダンク」の名監督・安西先生を紹介しました。異名の由来やそこに隠された過去は悲劇的なものでした。そんな過去を乗り越えて、湘北メンバーと共に歩む姿からは、「スラムダンク」が先生の成長も描いていたことがわかります。そして数々の名言で花道や流川ら湘北メンバーを導くその姿は、理想的な指導者と言えるでしょう。 安西先生は湘北メンバーだけではなく、読者も導く優れた人物であることがわかりました。悩んだ時には、名言を思い出すといいかもしれませんね。