タップできる目次
- 1.生き方は変えられる
- 2.過去からは逃げられない
- 3.あなたが信じていなくても神は見ている
- 4.詐欺師には気をつけること
- 5.敵を許す
- 6.世の中は悪い男ばかりじゃない
- 7.子供のためなら母親はなんでもする
- 8.子供はあなたの人生を変える
- 9.血のつながりだけが家族ではない
- 10.愛してくれない人を愛することは痛みが伴う
- 11.男でも泣きたい時はある
- 12.仲間がいれば頑張れる
- 13.恋は突然訪れる
- 14.子供は親から巣立つもの
- 15.苦労は報われる…とは限らない
- 16.楽しい時は長くは続かない
- 17.完璧な善人も完全な悪人もいない
- 18.善悪は必ずしもはっきりするものではない
- 19.人生に悲劇はつきもの
- 20.それでも未来は明るい
1.生き方は変えられる
飢えた妹の子供のためにパンを1つ盗み、19年も投獄された主人公のジャン・バルジャン。仮釈放された彼は人間不信と憎悪の塊でしたが、司教から教会にあたたかく迎えられました。
しかし、銀器を盗んで逃亡したバルジャンは憲兵に捕まり、司教の元に連れて行かれます。司教は銀器は自分がバルジャンに与えたものと言い、彼を放免。さらに銀の燭台を与え「これで正しい人になりなさい」と言います。
このことをきっかけに心を入れ替えたバルジャンは、”マドレーヌ”と名前を変え、工場の経営者兼モントレイユ・シュル・メールの市長となり、人々から尊敬され、慕われる存在になりました。
2.過去からは逃げられない
いくら心を入れ替えても、過去を受け入れ、その罪をきちんと償わなければ、いつまでも過去からは逃げられません。
ひとかどの人物となり、裕福にもなったバルジャンでしたが、仮釈放からの逃亡犯だったため、いつまでもジャベール刑事に捕まることを恐れ、国中を逃げ回っていました。
3.あなたが信じていなくても神は見ている
仮釈放されたバルジャンは世間の冷たい待遇を受け、神の存在など信じていませんでしたが、司祭に救われ考えを改めるようになりました。信じていなくても、神はあなたを見ているのです。
4.詐欺師には気をつけること
世の中は、司祭のような善人ばかりではありません。テルナディエ夫妻のように、他人を食い物にして生きている人間もいます。バルジャンのように、そういう人たちからは一刻も早く距離を置きましょう。
5.敵を許す
ジャベール刑事はバルジャンを長年追いかけた彼の敵でしたが、バルジャンは「職務を果たしただけ」と彼を許します。敵を許すことで、自分の心も解放されるのです。
6.世の中は悪い男ばかりじゃない
フォンテーヌはコゼットの父親に捨てられ、工場長からはセクハラをうけ、悪い男に翻弄されて生きてきましたが、最後にはバルジャンに出会い、自分もそして娘コゼットも救われます。
世の中には悪い男だけでなく、親切で愛に溢れた男性もいるのです。
7.子供のためなら母親はなんでもする
娘コゼットをテルナディエの宿屋に預けてきたフォンテーヌは、娘の養育費のためについに娼婦にまで身をやつしてしまいました。
フォンテーヌほど困窮することはまれかもしれませんが、母親は子供のためなら困難なこともしてしまうものです。
8.子供はあなたの人生を変える
亡くなったフォンテーヌの娘コゼットを引き取ったバルジャンは、父として、また親友としてコゼットを育てていきます。
コゼットを自分の娘として育てたバルジャンの人生は、それまでの孤独なものから大きく変わったと言えるでしょう。
9.血のつながりだけが家族ではない
バルジャンとコゼットには血のつながりはありませんが、お互いに家族として深く信頼し、愛し合っています。
10.愛してくれない人を愛することは痛みが伴う
テルナディエの長女エポニーヌは、自分に興味のないマリウスに恋をしてしまいます。彼のために革命に身を投じ、コゼットに会うのを助け、最後には命まで落としてしまいますが、その想いが報われることはありませんでした。
振り向いてくれない人に片思いをしてしまうことは、誰しも経験があるのではないでしょうか。
11.男でも泣きたい時はある
民主主義を求めて戦ったマリウスは、6月暴動で多くの仲間を失ってしまいます。悲しいときは、男性でも遠慮なく泣きましょう。
12.仲間がいれば頑張れる
レジスタンスの若者たちは、大変に困難な状態でも仲間として支え合い、大きな理想に向かって闘っていました。
理想を実現するためには、ともに戦う仲間が必要です。
13.恋は突然訪れる
革命に身を投じていたマリウスとバルジャンとともに幸せな生活を送っていたコゼットは、街中で一目相手を見かけただけで恋に落ちてしまいます。
いつ自分に恋が訪れるかは誰にもわかりません。
14.子供は親から巣立つもの
コゼットの恋を知ったバルジャンは、若者に自分の娘をとられてしまうことを恐れます。しかし、最後にはマリウスを自分の息子のように感じ、コゼットとのしあわせを願うようになりました。
子供はいつか親から離れていくもので、それを邪魔するべきではありません。
15.苦労は報われる…とは限らない
フォンテーヌやコゼットの人生は苦難の連続でしたが、最後にはバルジャンによって救われました。
大変な状況の中でもくじけずに生きていれば、報われることもあります。一方で、エポニーヌのように自分を犠牲にして愛する人を守っても、報われない場合もあります。
どうなるかは最後までわかりません。
16.楽しい時は長くは続かない
フォンテーヌが「夢やぶれて(I Dreamed a Dream)」で歌うように、楽しい時間は長くは続きません。
人生の素晴らしい時間を過ごしたことのあるフォンテーヌは、現在の地獄のような日々を嘆いて歌いますが、覚悟していればそこまで悲しむこともないかもしれません。
17.完璧な善人も完全な悪人もいない
物語の主人公であるジャン・バルジャンは、善人として生きようと決意し、周囲からもそのように思われていましたが、実際には逃亡犯で生涯警察から逃げ、娘のコゼットを連れて国中を転々としていました。これは本当に善人のすることでしょうか。
一方で、バルジャンを追うジャベールは理不尽で横暴な刑事ですが、彼は法こそが正義と信じ、犯罪を憎む熱血刑事でもあります。バルジャンを中心とした物語では悪役ですが、彼が悪人だと言えるでしょうか。
私たちの暮らす世の中には、完璧な善人も完全な悪人もいないのです。
18.善悪は必ずしもはっきりするものではない
逃亡犯のバルジャンを悪人と信じ、追跡に執念を燃やしていたジャベールは、彼に命を救われたことでその信念が揺らいでしまいます。
犯罪者でありながら善人として生きたバルジャンと、善と信じて理不尽な行いもしたジャベール。善悪は必ずしもはっきりと分かれるものではありません。
19.人生に悲劇はつきもの
フォンテーヌやエポニーヌのように、悲劇のうちに幕を閉じた人生だけでなく、『レ・ミゼラブル』ではすべての登場人物がなんらかの悲劇に見舞われます。
私たちの人生にも、悲しい出来事は必ずおこるものです。
20.それでも未来は明るい
暗い過去がありながら正しく生きようとしたバルジャン、困窮した生活のなかでも民主主義を求めて闘ったレジスタンスの若者たち、報われないとわかっていながらもマリウスを想い続けたエポニーヌなど、『レ・ミゼラブル』の登場人物たちは美しく、明るい未来を信じていました。
私たちもそのように生きていきたいですね。