『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のあらすじ・キャスト・映画史に残る結末までとことん紹介!【ビョーク】

2017年7月6日更新 7320view

突然の不慮の事故により過酷な運命を背負うこととなった母親の壮絶な生き様を描き、センセーションを巻き起こした映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』。アイルランド歌姫ことビョークの狂気の演技も必見、観た者がトラウマに陥ること必至の本作を解剖!

カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品『ダンサー・イン・ザ・ダーク』

不遇な母親の壮絶な生き様を描いた2000年公開の映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』。手持ちのカメラワークや主人公を演じたビョークの圧倒的パフォーマンスが話題を呼び、カンヌ国際映画祭では最高賞のパルム・ドールを、ビョークが主演女優賞を獲得しました。

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』あらすじ【ネタバレあり】

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アメリカの片田舎で、息子ジーンと2人暮らしのセルマは、工場で働きながらトレーラーハウス暮らしをしていました。同僚のキャシーら友人に囲まれて趣味のミュージカルを楽しむ日々を過ごしているセルマは、実は遺伝性の病で視力を失いつつあり、手術を受けない限りジーンも同じようになると宣告されていたのです。

ジーンのために内緒で手術費用を貯めていたセルマですが、視力の衰えが悪化する事で仕事に支障をきたし始めます。それでも費用額が目標額に到達する目前にまでなっていたある日、セルマはトレーラーハウスの大家兼警官のビルと話しているうちに、自身の病気や貯金の事を話してしまうのでした。

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それ以来、ビルは金欠だとしてセルマに借金をせびるようになります。同時に視力もさらに悪化した事で工場でミスが重ねてしまい、とうとう工場をクビになります。そしてついには手術費用の隠し場所をビルに知られ、全額盗まれてしまうのでした。セルマはビルに金を返すよう迫りますが、ビルが銃を抜いてもみ合ううちに暴発した事で、彼は命を落とします。

金を取り戻しその足で病院に向かい費用を払ったセルマは逮捕され、裁判にかけられます。セルマは失明を隠していた事などが裏目に出て不利な状況となり、絞首刑の判決が下るのでした。キャシーは入院費用で弁護士を雇うことを勧めるも、セルマはジーンが失明しないで済むのなら自分は不要だとして拒否するのでした。

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死への恐怖に怯えるセルマに同情を寄せるようになった女性刑務官は、絞首台まで107歩で、通風口に耳を当てるとチャペルの賛美歌が聞こえると告げます。そして死刑執行当日、セルマは女性刑務官の気遣いにより歩数を数えながら、絞首台まで踊りながら移動する空想をするのでした。

キャシーからジーンの手術が成功した事を知ったセルマは、笑顔で「最後から二番目の歌」を歌いながら、刑の執行を受けるのでした。

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』キャスト

セルマ/ビョーク

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遺伝性の病で視力を失いつつあるセルマ。息子のジーンには同じ運命を辿らせないとばかり、究極の選択をする事となります。

演じるビョークはアイルランドの歌姫として活躍。本作『ダンサー・イン・ザ・ダーク』が女優出演2作目となりました。当初は先に音楽提供のオファーを受け、後にセルマを役のオファーを受ける事になりました。

キャシー/カトリーヌ・ドヌーブ

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出典: the-talks.com

セルマと同じ工場で働くフランス系移民のキャシー。視力の衰えで何かと不自由なセルマに親身につくします。

演じるカトリーヌ・ドヌーブはフランスを代表する大女優として、『シェルブールの雨傘』や『インドシナ』」などなど、挙げだすとキリがないほどの作品に出演しています。近作に『神様メール』があります。

ビル/デヴィッド・モース

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トレーラーハウスに暮らすセルマの大家で警察官のビル。金銭に困るあまりにセルマの金を盗もうとし、悲劇が起こります。

演じるモースはコワモテな風貌を活かし『12モンキーズ』、『交渉人』、『16ブロック』などで悪役や脇役を多数こなしています。近年ではテレビドラマ『TRUE DETECTIVE』に出演しました。

ジェフ/ピーター・ストーメア

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セルマに想いを抱き、積極的にアタックする男性のジェフ。セルマの病が進んでいる事を知り、色々と手助けをしようとします。

演じるストーメアは『ファーゴ』、『コンスタンティン』、『ラストスタンド』などで印象深い悪役や脇役で個性を発揮しています。

監督は鬼才、ラース・フォン・トリアー

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本作の監督ラース・フォン・トリアーは、デンマーク映画界を牽引する鬼才として『奇跡の海』、『メランコリア』、『ニンフォマニアック Vol.1~2』といった話題作、問題作を多数発表。その大半が人間の醜さや残酷さを表現する作風となっています。

ビョークが担当したサントラも大ヒット

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本作の主演ビョークが制作に関わり、彼女が歌う主題曲「アイヴ・シーン・イット・オール」も収録されたサントラアルバム『セルマソングス〜ミュージック・フロム・ダンサー・イン・ザ・ダーク』は、アカデミー歌曲賞やゴールデングローブ賞主題歌賞にノミネートもされるなど、世界でベストセラーとなりました。

ビョークの猛抗議で変えられたとされるもう一つのラスト

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本作は当初、監督のラース・フォン・トリアーが、息子ジーンの眼の手術が失敗してしまい、セルマは絶望の状態のまま絞首刑に課せられるというエンディングを考えていたとか。しかしビョークがそれではあまりにも救いがなさすぎると反対し、結果現状のエンディングになったと云われています。

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の感想、評価は!?

主人公セルマの生き様に衝撃を受ける

haaaaru08 ドキュメンタリー映画を見るときのようなカメラワークで、セルマにとても近い存在として物語に入っていった。 リズムを感じて歌が始まると、セルマの空想の世界を静かに覗き見るような映像になっていく様子が美しい。

鬱屈する内容だが希望も感じさせる出来

epocheche 鬱映画として紹介されている作品ですが、案外、ラストシーンのメッセージに希望が託されている気がしないでもないな、と思いました。 セルマが悲しい目にあったのは、恐らくあいつやあいつの取り巻きの所為。セルマ一人が何でこんなことを背負わなきゃいけないんだ、と絶望的な気分になって観ていましたが、最後のメッセージを見て、ああ、そういうことか、と。ラストシーンのセルマは、みんなの犠牲として十字架に磔になるキリストのような存在とでも言うのかな。うーん、上手く表わせないのが惜しい。 この物語はあくまでもフィクションで、現実でこのような悲惨な事態が起こらないために作られたフィルム、というように私には感じられました。

二度と観たくない映画

PHICHAN 現実をドキュメンタリーのようにし、妄想をミュージカルのようにすることでより残酷さが増している。もう二度と見たくない。