2017年7月6日更新

『世界の中心で、愛をさけぶ』あらすじ・ロケ地など情報まとめ【セカチュー】

片山恭一の小説を原作に映画化された『世界の中心で、愛をさけぶ』。大沢たかおと柴咲コウが主演を務め大ヒットし、長澤まさみの出世作にもなりました。原作とは異なった視点で描かれた映画版の「セカチュー」についてまとめてみます。

「セカチュー」として大ヒットした映画『世界の中心で、愛をさけぶ』

『世界の中心で、愛をさけぶ』は、片山恭一の恋愛小説です。発売当初はさほど注目されなかったものの、口コミなどでじわじわと人気が増したところに柴咲コウの書評が火付け役となり、2003年には100万部を超える大ベストセラーとなりました。

その勢いに乗って、2004年には大沢たかおと柴咲コウの主演によって映画化。行定勲が監督を務め、85億円を超える興行収入、観客動員数は620万人突破という原作に負けない大ヒットを飛ばします。映画との相乗効果で原作本は300万部にも達したとか。

さらにドラマや舞台化など、様々な展開がされた『世界の中心で、愛をさけぶ』。そのタイトルは「セカチュー」と略され、流行語にもなり「セカチューブーム」を巻き起こしました。

映画『世界の中心で、愛をさけぶ』のあらすじ

主人公・朔太郎の婚約者・律子は、引っ越しの荷物の中から1本のカセットテープを見つけ、理由を告げずに姿を消します。行き先が自身の故郷であると分かり追いかける朔太郎に、ふと高校時代の甘く切ない思い出がよみがえってきました。

初恋の人である亜紀とラジオ投稿やカセットテープでの交換日記をした日々。しかし、楽しい時間は長くは続かず、亜紀が重い病気で余命わずかと知った朔太郎は、亜紀の望みを叶えようと一緒に高松空港へ向かいます。そして、空港ロビーで倒れてしまった亜紀……。

過去の記憶を手繰り寄せた朔太郎と律子はある真実に辿り着き、当時渡ることのなかった亜紀から朔太郎への最後のテープの内容を、十数年越しに朔太郎は聴くことになります。

映画『世界の中心で、愛をさけぶ』の主要キャスト

松本朔太郎/大沢たかお

本作の主人公・松本朔太郎を演じたのは、東京都出身、1968年生まれの大沢たかお(おおさわ・たかお)です。

モデルとして『MEN'S NON-NO』などのファッション誌のほかパリコレでも活躍し、その後俳優に転向。映画『解夏』では病気にかかりながらも懸命に生きる主人公を演じ、日本アカデミー賞の優秀主演男優賞に輝きました。

また、連続ドラマ『JIN-仁-』での幕末にタイムスリップした誠実な医師・南方仁役も印象的であり、ドラマの視聴率は瞬間で31%を超えるヒットとなっています。

松本朔太郎/森山未來(高校時代)

回想パートとなる高校時代の朔太郎を演じたのは、兵庫県出身、1984年生まれの森山未來(もりやま・みらい)です。

ドラマ『WATER BOYS』立松憲男役で認知され、本作の朔太郎役を演じたことでさらに知名度を上げました。その「セカチュー」での演技が高い評価を受け、日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめ多くの映画賞を獲得しています。

また、ダンサーとしての顔も持つ森山は、映画『モテキ』で見事なダンスを披露。2013年から2014年にかけ、文化庁文化交流使としてイスラエルのダンスカンパニーに留学もしました。2016年11月1日付で所属事務所からの独立を発表し、今後の活動が注目されます。

広瀬亜紀/長澤まさみ

朔太郎の高校時代の恋人・広瀬亜紀は、成績優秀でスポーツも万能な人気者です。静岡県出身、1987年生まれの長澤まさみ(ながさわ・まさみ)が演じました。

東宝「シンデレラ」オーディションでグランプリを獲得し芸能界入り。ファッション雑誌のモデルを経て女優業もスタートさせ、ドラマ『秘密〜弁護士迫まり子の遺言作成ファイル〜』でデビューします。

本作の亜紀役で知名度を上げた後、映画『モテキ』で森山未來と再共演するなど、多くの作品で活躍。2016年はNHK大河『真田丸』でヒロインのきり役を務め、2017年1月には櫻井翔と夫婦役を演じるスペシャルドラマ『君に捧げるエンブレム』が放送されます。

藤村律子/柴咲コウ

朔太郎の婚約者・藤村律子は、東京都出身、1981年生まれの柴咲コウ(しばさき・コウ)が務めました。

日本リーバのテレビCMで注目された後、映画『GO』や『黄泉がえり』など、多くの作品に出演。ヒロインを務めた『GO』での演技が評価され、映画賞を総なめにしています。歌手活動も活発で、ドラマ版『世界の中心で、愛をさけぶ』の主題歌を担当しました。

2017年のNHK大河『おんな城主 直虎』では、主人公の井伊直虎役を務めることが決定し、女優として飛躍を続けています。

重蔵(重じぃ)/山崎努

高校生の朔太郎と亜紀をあたたかく見守る写真館経営の重蔵(重じぃ)を演じたのは、千葉県出身、1936年生まれの山崎努(やまざき・つとむ)です。

時代劇『必殺仕置人』念仏の鉄役で人気となり、映画『八つ墓村』では狂気に満ちた殺人鬼役で強烈なインパクトを残しました。納棺師をテーマにした映画『おくりびと』での佐々木生栄役も印象深く、深みのある演技で存在感を示す大ベテラン俳優です。

大木龍之介/宮藤官九郎

朔太郎の友人・大木龍之介は、宮城県出身、1970年生まれの宮藤官九郎(くどう・かんくろう)が務めました。

劇団「大人計画」に所属し、俳優だけでなく脚本家や映画監督、ミュージシャン、さらに濡れ場評論家など、マルチに活躍する宮藤。

特に際立っているのが脚本家としての活動で、『木更津キャッツアイ』や『タイガー&ドラゴン』、NHK『あまちゃん』などのヒット作を生み出しています。

大木龍之介/高橋一生(高校時代)

高校生の大木龍之介を演じたのは、東京都出身、1980年生まれの高橋一生(たかはし・いっせい)です。

子役から活動し、その後劇団で実力をつけた本格派。コンスタントにドラマや映画に出演し、『民王』でのクールな秘書・貝原茂平役が人気を呼び、貝原を主役としたネット限定のドラマが放送されました。

2017年公開予定の『3月のライオン』では、林田高志役を務めるそうです。

映画『世界の中心で、愛をさけぶ』での名言

「亜紀!亜紀!助けてください…助けてください!助けてください!」

高松空港のロビーでの朔太郎のセリフです。亜紀の命が尽きる前に、オーストラリアのウルルという場所に行きたいという亜紀の夢を叶えようとふたりで空港に来たものの、悪天候で飛行機は飛ばず、亜紀もロビーで倒れてしまいました。

はじめはつぶやくように、そしてその声はすぐに絶叫に変わり、空港のロビーに朔太郎の悲痛な叫びが響きます。物語のクライマックスシーンであり、朔太郎の必死の想いをストレートに表現した名言ではないでしょうか。

このあと、亜紀は病院で息を引き取りました。

長澤まさみの女優魂

ヒロインの高校生時代を演じた長澤まさみですが、それまでは無名に近い女優でした。白血病の亜紀を演じるにあたり、役作りのために自ら髪をそり落とすことを申し出たといいます。

新人ながら熱い女優魂を見せ、真に迫る演技で亜紀を務め上げた長澤は称賛の声を浴び、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞をはじめとする多くの賞に輝きました。こうして本作で長澤は大きな成長を遂げ、その後の活躍に繋げていきます。

十数年の時を越えて届けられた最後のテープ

高校時代の朔太郎と亜紀はカセットテープでメッセージの交換をしていましたが、亜紀が入院してからもそれが続けられていたのは律子という少女が関わっていたからです。

律子の母親も亜紀が治療を受けている病院に入院しており、そこで亜紀と知り合いテープを朔太郎の高校の下駄箱まで届けることを頼まれました。しかし、いつものようにテープを持って向かったある日、律子は交通事故に遭ってしまいます。

大怪我をした律子は結局届けられず、月日は流れ、ふとしたきっかけで見つけた1本のカセットテープ。これが当時亜紀から預かり、亜紀の最後のメッセージが遺されているテープでした。

テープの配達をしていた少女は朔太郎の婚約者・律子であり、律子自身子どもの頃の記憶が薄れている上、亜紀が亡くなったことも、朔太郎と亜紀が恋人同士だったことも知らずにいたのです。

すべてを悟った律子は十数年の時を経て、テープを朔太郎に渡します。それには、自分が死んだら灰をウルルの風の中に撒いてほしいこと、そして「あなたはあなたの今を生きて」と語られていました。

ウルル(エアーズロック)はオーストラリアの先住民・アボリジニの聖地で、「世界の中心」と思えるくらい神聖な場所と亜紀が言い行きたがっていた場所。あの日高松空港で倒れてしまった亜紀の想いを背負い、朔太郎と律子はオーストラリアへ向かいます。

映画ならではのキャラクター・律子

映画化にあたり、原作本ではほとんど描かれていない大人になった朔太郎のストーリーが大きく加えられました。婚約者の律子に至っては、原作のラストでちらりと登場するだけの名もないキャラクターでしたが、映画ではとても重要な役割を果たします。

テープでの交換日記も映画化で新しく設けられた設定であり、そうした中で律子は欠かせない存在です。恋人の死という悲しすぎる現実から目を背けていた朔太郎を思い出の世界にいざない、朔太郎の傷ついた心を救いに導いたのが律子なのです。

喪失感をメインテーマにした原作本のストーリーに、救済も加えた映画版。柴崎コウが律子を真摯に演じ、胸に迫る物語になりました。

映画『世界の中心で、愛をさけぶ』のロケ地は?

物語のロケは、香川県を中心に愛媛県や神奈川県、オーストラリアでも行われました。

クライマックスとなる空港シーンは香川県高松空港で、朔太郎と亜紀がふたりだけの時を過ごした「夢島」は香川県の稲毛島、度々登場する高校での場面は愛媛県立伊予高等学校をメインに、亜紀の望みを叶えるラストシーンは実際にオーストラリアで撮影されたそうです。

また、朔太郎と亜紀がブランコに乗って語った公園は香川県高松市の皇子神社でした。ブランコ傍の金網には恋愛成就の祈願として観光客らが南京錠を付けるようになり、純愛の聖地として有名に。あまりにも南京錠が増えすぎたため取り外されることになりますが、一部は保管されているのだとか。

感動の涙を誘う平井堅の『瞳をとじて』

映画『世界の中心で、愛をさけぶ』の主題歌となったのは、平井堅の『瞳をとじて』です。平井の20枚目のシングルにあたり、2004年4月28日に発売されました。

原作や脚本を読み映像も見た上で平井が映画のために書き下ろした渾身のバラードであり、亜紀が遺した最後のメッセージへのアンサーソングにもなっているそうです。映画のエンディングに流れた平井の歌声に、さらに涙した人も多いのではないでしょうか。

映画の世界観を見事に表現した名曲であり、興行的にもオリコンシングルチャートでの年間1位や出荷枚数100万枚突破などの大ヒットを記録しています。