ジェレミー・アイアンズ、数々の賞レースで評価される演技派俳優を紹介
トニー賞・アカデミー賞・エミー賞の三冠受賞者ジェレミー・アイアンズ
ジェレミー・アイアンズは1948年9月19日生まれのイギリスの俳優です。彼は舞台俳優としてキャリアをスタートさせました。 有名なイギリス俳優の多くが所属していたロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの一員となり、1984年にはブロードウェイで演技を行います。そして『Real Thing』で演劇界最高の賞トニー賞の受賞を果たしました。 その後1980年の映画『ニジンスキー』で映画初出演。1988年の映画『戦慄の絆』で評価を高めたジェレミーは1990年の映画『運命の逆転』でアカデミー賞主演男優賞を受賞します。
1997年に公開した『ロリータ』では主演を務め、2005年のテレビ映画『エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~』ではレスター伯 ロバード・ダドリーを演じエミー賞助演男優賞を受賞しました。これでトニー賞・アカデミー賞・エミー賞の演劇界の3つの大きな賞を受賞するという史上14人目の快挙を果たします。 近年では2016年の映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』にアルフレッド・ペニーワース役で出演、2017年公開予定の映画『アサシン クリード』にアラン・リッキン役で出演するなど衰えを見せずに活躍しています。
映画初出演作『ニジンスキー』(1980)とは?
ジェレミー・アイアンズの映画デビュー作『ニジンスキー』は実在した伝説のバレエダンサー、ヴァーツラフ・ニジンスキーの人生を描いた伝記映画です。今作でジェレミーは端役のミハイル・フォーキンを演じ、スクリーンデビューを果たしました。残念ながら彼はあまり出演しません。 今作のあらすじは、ジョルジュ・デ・ラ・ペーニャ演じるニジンスキーと アラン・ベイツ演じるロシアバレエ団の主催者セルゲイ・ディアギレフの愛と破滅の人生を描いています。もちろん見どころはプロのバレエダンサー顔負けのダンスシーンです。
ブレイクのきっかけとなった作品は『戦慄の絆』
『ニジンスキー』でスクリーンデビューを果たしたジェレミー・アイアンズは、その後ほぼ毎年のように映画出演を果たします。 そんな彼が大ブレイクを果たした作品が1988年のサイコ・スリラー映画『戦慄の絆』。ジェレミーは主役の双子エリオット・マントルとビヴァリー・マントルの2役を演じたのです。 産婦人科医院を開業しているエリオットとビヴァリーは一卵性双生児。見た目は全く同じ2人ですが性格は全然違います。苦楽を共にしてきた双子は、ある時彼らの病院に美人女優が訪れたことで、双子のアイデンティティーが崩れることに。 今作でジェレミーは性格が全く違う双子という難しい役を熱演しました。彼の演技は高く評価され、ニューヨーク映画批評家協会賞主演男優賞とシカゴ映画批評家協会賞主演男優賞を受賞しました。
『運命の逆転』でアカデミー賞主演男優賞受賞を果たす!
1990年の映画『運命の逆転』は実際に起きたクラウス・フォン・ビューロー事件を基に製作されたものです。 映画のあらすじは人権弁護の世界的権威であるアラン・ダーショウィッツ(ロン・シルヴァー)のもとに クラウス・フォン・ビューロー(ジェレミー・アイアンズ)が刑事事件の弁護を依頼するところから始まります。 クラウスには植物状態の妻サニー(グレン・クローズ)がいましたが、彼女が植物状態になっているのはクラウスの殺害の企ての結果であると義理の息子・娘に告発されたのです。 そしてメイドの証言もあり、第一審でクラウスは懲役30年の有罪判決を受けてしまったのでした。アランがこの事件の調査を進めると様々な問題が明らかになります。 今作でジェレミーは主人公のクラウス・フォン・ビューローを熱演。彼の演技は高く評価され、自身初となるアカデミー賞主演男優賞を受賞するのです。
妻は女優のシニード・キューザック!
ジェレミー・アイアンズは1978年にシニード・キューザックと結婚しています。シニード・キューザックは1948年2月18日生まれのアイルランド出身の女優です。 彼女もまた多数の映画作品に出演していて、主な作品は1996年の映画『魅せられて』でのディアナ役、そして2012年の映画『タイタンの逆襲』でのクレア役などがあります。
彼女との間には2人の息子が生まれ、次男のマックス・アイアンズはモデルだけではなく、俳優としても2011年の映画『赤ずきん』でのヘンリー役等に出演しています。
アムネスティ・インターナショナルの活動にも参加している!?
アムネスティ・インターナショナルは国際的影響力が非常に大きい非政府組織の1つです。グループは死刑の廃止や難民の救済など人権を擁護する活動を行っています。そんなアムネスティ・インターナショナルの活動にジェレミー・アイアンズも参加しているのです。 特に死刑廃止への活動は熱心に行っているようで、アムネスティ・インターナショナルが出すビデオにも何度か出演し死刑廃止や人権擁護を人々に呼びかけています。
あの映画史に残るキャラクターを演じていたかも!?
1991年の映画『羊たちの沈黙』といえば、ジョディ・フォスター、アンソニー・ホプキンスを主演に迎えた作品で、アカデミー賞主要5部門を受賞するという大快挙を成し遂げました。特にアンソニー・ホプキンスが演じたハンニバル・レクターは映画史に残るキャラクターとしてこれまで何度も映画化やドラマ化されています。 そんなレクター博士役がアンソニー・ホプキンスに決まる前、ジェレミー・アイアンズにオファーが来ていたのです。 しかしジェレミーは断りました。1990年の映画『運命の逆転』でクラウス・フォン・ビューローを演じた彼は、再び悪の要素が強いキャラクターを演じる気にはならなかったのだそうです。