2018年3月17日更新

ヤン・イクチュン、韓国を代表する実力派俳優に迫る!【あゝ、荒野】

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ヤン・イクチュン

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日本でも高い人気を誇る、韓国の実力派俳優ヤン・イクチュン

世界中で激賞された『息もできない』により、母国韓国のみならず日本でも人気の高いヤン・イクチュンは、1975年10月19日ソウルに生まれました。商業高校卒業後、様々な仕事を経験して21歳のとき兵役につきます。除隊後、公州映像大学演芸演技科からアクターズ21アカデミーを経て俳優キャリアをスタートさせました。 2002年以降、俳優として複数の作品に出演する一方、2005年に短編映画『ながめる(Always Behind You)』で監督デビューも果たします。自ら主演もした同作で、ソウル・インディペンデント短編映画祭観客賞を受賞するなど一躍注目される存在となりました。 ここでは、その後日本映画でも活躍するヤン・イクチュンの代表作を紹介しながら、才能あふれる魅力に迫ってみたいと思います。

初長編監督作『息もできない』が世界で大絶賛!

2009年に私費を投じて完成させた初長編監督作『息もできない』が、ロッテルダム国際映画祭でグランプリに相当するタイガーアワード、さらにウラジオストク国際映画祭グランプリなど世界中で数々の賞を受賞して大絶賛されます。日本でも東京フィルメックス最優秀作品賞や、キネマ旬報外国映画第1位に堂々とランキングしました。 暴力的な借金の取り立て屋サンフンと、荒れた家庭に悩む女子高生ヨニが出会い、不思議な感情で惹かれあう姿を描きます。やがてヨニの弟ヨンジェがサンフンの弟分になったことで、2人の関係は否応なく悲劇的な破滅に向かうことになります。 本作でも監督のみならず、製作から脚本、編集、主演まですべてをヤン・イクチュンが務め上げ、ただならぬ才能を発揮しています。名実ともに韓国映画界を代表する存在として広く知られるようになりました。

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日本映画での活躍が目立つヤン・イクチュンの主な出演作

本国の映画やテレビドラマで役者として独特の個性を発揮する一方、2010年代に入ってから最近はとりわけ日本映画での活躍が目立っています。

『かぞくのくに』【2012年】

在日コリアンのヤン・ヨンヒ監督が自分自身の実体験を題材に、分断された家族の苦悩を描いた息詰る人間ドラマです。 帰国事業により一人北朝鮮に渡った兄ソンホが、病気を治療するため25年ぶりに日本に帰国します。妹のリエら家族は喜びと複雑な戸惑いを覚えながらも温かく迎え、病院での治療を手配していた矢先、本国から突然帰国命令が下るのでした。 リエを安藤サクラ、ソンホを井浦新が演じる中、ヤン・イクチュンはソンホに付き添って北朝鮮から来日する監視人のヤン同志を演じました。第86回キネマ旬報ベストテンで邦画第1位に輝いた秀作です。

『夢売るふたり』【2012年】

カンヌ国際映画祭に出品された『揺れる』や『ディア・ドクター』など寡作ながら常に高い評価を得てきた西川美和監督作です。豪華キャストを迎え、結婚詐欺に手を染める風変りな夫婦の姿が皮肉交じりに描かれます。 火事により経営していた小料理屋を焼失してしまった貫也と里子夫婦が、浮気をきっかけに結婚詐欺を働くアイデアを思いつきます。店を再開する資金を稼ぐため共謀するものの、2人の関係が微妙に変化することで思ってもみなかった展開に至るのでした。 主人公夫婦を阿部サダヲと松たか子、そのほか田中麗奈や香川照之ら豪華キャストが脇を飾る中、ヤン・イクチュンも笑福亭鶴瓶扮する探偵の助手役で印象的な存在感を放っています。

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『中学生円山』【2013年】

宮藤官九郎が『少年メリケンサック』以来4年ぶりにメガホンをとり、主演に草なぎ剛を迎えた異色コメディです。 円山克也は思春期真っ只中でエッチな妄想ばかりをしている中学2年生です。ある日、同じ団地に引っ越してきた中年男・下井辰夫の行動を不可解に思った克也は、下井が近所で発生した殺人事件の真犯人ではないかと疑い始めます。 謎めいたシングルファーザーの下井を草なぎ剛、円山克也を平岡拓真が演じました。坂井真紀扮する克也の母ミズキが憧れる韓流ドラマの元俳優パク・ヒョンホンをヤン・イクチュンが演じています。

『あゝ、荒野』では菅田将暉とヤン・イクチュンがW主演!

アングラ劇団「天井桟敷」を主宰し、数々の作品を残したものの47歳の若さで他界した伝説の劇作家・寺山修司の唯一の長編小説を原作に、岸善幸監督が前後編の2部作として映画化したのが『あゝ、荒野』です。 詐欺仲間を半身不随にした男への復讐を誓う少年院出の新次、吃音と赤面対人恐怖症を抱える内気な健二の2人が、同じボクシングジムの門をくぐります。2人はそれぞれの目標に向かってトレーニングに励みつつ、奇妙な友情を育んでいくのですが。 新次を菅田将暉、「バリカン」こと健二をヤン・イクチュンがW主演で演じています。また、作品のイメージ写真を寺山と親交のあった著名写真家・森山大道が担当したことも大きな話題をよびました。公開は前編が2017年10月7日、後編が10月21日です。

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韓国アニメ『我は神なり』では声優として主人公を熱演!

パニックホラー映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』が話題のヨン・サンホ監督が2014年に発表した傑作アニメが、いよいよ2017年10月21日に日本でも公開。信仰という深遠なテーマを軸に、様々な問題が絡む重層的な物語が織り成す社会派アニメです。 ダム建設によりやがて水没する村が舞台です。村人たちがカリスマ牧師のもと宗教に没頭する中、久しぶりに村に帰って来た中年男のミンチョルは、背後に詐欺師の陰謀があることに気づきます。 粗暴さゆえ村人や警察から「悪魔に憑かれた男」として扱われてしまう主人公のミンチョルの声を担当したのがヤン・イクチュンです。迫真の演技は非常に高い評価を受けたほか、作品もシッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭でアニメーション部門の最優秀作品賞に輝きました。

ヤン・イクチュンのプライベートは?リュ・ヒョンギョンと交際?

ヤン・イクチュンは1975年生まれですでに40代(2017年現在)を迎えていますが、いまだ独身でプライベートはあまりよく知られていません。韓流スターらしい典型的な二枚目ではありませんが、野性味あふれる男性的な魅力に魅せられた女性ファンも多くいます。 2013年には、ヤン・イクチュンが監督した短編映画『Departure』で主演した女優のリュ・ヒョンギョンとの熱愛が韓国メディアを賑わせました。業界ではかなり知られた仲だったという声もありますが、両事務所は否定しており真相は不明のままです。 リュ・ヒョンギョンは2017年に入って俳優のパク・ソンフンとの恋愛を公式に認めており、いずれにせよヤン・イクチュンとの関係はなかったかあるいは破局していることは事実のようです。来日も頻繁で日本語もずいぶん流暢になったヤン・イクチュンですから、今後、もしかして日本女性とのロマンスもありうるかもしれません。