アニメ『東のエデン』なぜこんなにも評価が高いのか?その魅力を徹底解説!【ネタバレあり】

2018年6月15日更新

2009年にフジテレビのノイタミナ枠で放送され、続編の劇場版2作品も作られた人気のアニメ『東のエデン』。数々の賞も受賞している本作がなぜ評価されているのか、今回はその5つの理由に迫ります!

傑作SFアニメ『東のエデン』が評価される5つの理由とは

TVシリーズが2009年に放送され、いまだに根強い人気を誇るアニメ『東のエデン』は、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の神山健治監督のオリジナル作品として注目を集め、幅広い世代から支持を受けている作品。 全11話のTVシリーズと劇場版2作品を通して、現代に近い日本を舞台に謎の少年・滝沢朗の失った記憶をめぐるサスペンスと、普通の女子大生・森美咲のラブストーリーが描かれます。また、第14回アニメーション神戸賞作品賞・テレビ部門をはじめ数々の賞を受賞し、メディアからも高評価を受けています。 本記事では、そんな『東のエデン』がなぜ評価されているのか、5つの理由に迫ります。

アニメ『東のエデン』テレビシリーズから劇場版までのあらすじ

テレビアニメシリーズ『東のエデン』

2010年11月22日、日本では各地に同時にミサイルが撃ち込まれるテロ事件が起きたものの、犠牲者が出なかったことで早くも風化しかけていました。 そんな中、大学の卒業旅行で訪れたアメリカで、ワシントンDCに1人で来た森美咲は、予期せぬトラブルに巻き込まれてしまいますが、同年代の謎の全裸男・滝沢朗に窮地を救われます。 記憶をなくしながらも82億の電子マネーが入った奇妙な携帯電話と拳銃を手に現れた滝沢を不審に思う咲でしたが、彼に振り回されるうちに徐々に惹かれていきます。つぎつぎと謎が出てくる滝沢朗は果たして何者なのか!?

劇場版前編『東のエデンⅠ The King of Eden』

60発のミサイル攻撃を食い止め、ニートたちの王となった滝沢朗は、彼を最後まで信じてくれた森美咲に1件のメッセージを残し、忽然と姿を消しました。 それから半年、咲は滝沢からのメッセージを頼りに単身ニューヨークへ渡り、一方で滝沢を除いたセレソンたちは再び動きを見せ始めていました。

劇場版後編『東のエデンⅡ Paradise Lost』

アメリカから日本に戻ってきた滝沢朗には、休む間もなくセレソンゲームの最後の戦いが待ち受けていました。長きにわたったマネーゲームの勝者、そしてラブストーリーの結末は?

1:ノイタミナ枠の女性向け作品として抜群の支持率

深夜アニメというとオタク向けの女性キャラクターが活躍する作品が多いですが、フジテレビのノイタミナと呼ばれるアニメ枠では、第1作目の『ハチミツとクローバー』をはじめ、女性も楽しめる深夜アニメを数多く放送してきました。 第15作目にして、初の本格的なオリジナル作品となった『東のエデン』も女性アニメファンを意識した作りになっています。 主人公である滝沢朗は冒頭こそ裸で登場しますが、記憶喪失の謎を持つイケメンで、事情を知らない人から見れば100億を自由に使えるセレブ、女性の扱いもスマートと、王子様度の高いキャラクター。 平凡な大学生だった森美咲と滝沢のシンデレラストーリーは多くの女性ファンから指示されています。

2:キャラクター原案には「ハチクロ」の羽海野チカを採用!

キャラクター原案には、『ハチミツとクローバー』や『3月のライオン』で知られる羽海野チカが参加しています。 女性目線を意識したというのはもちろんですが、神山健治監督が得意とする重厚なストーリーとポップなキャラクターの両立という意味でも、『東のエデン』のキャラクターは絶妙なバランスです。 本作のテーマでもある政治的な話に踏み込み過ぎず、作中のギャグシーンでは、キャラクターを可愛らしくデフォルメしたり、漫画的な記号を演出に使ったり、羽海野作品に近いテンポの良さと軽快さを感じられるのも好印象です。

3:王子様・滝沢朗の正体は!?謎が謎を呼ぶストーリー

1話冒頭から、裸に拳銃と携帯電話を持っての初登場シーンで絶大なインパクトを残した滝沢朗。 そんな彼の正体、そしてなぜ記憶を失っているのかが本作最大の謎であり、咲と滝沢のラブストーリーと並行して、全11話+劇場版2作品を通してその全貌が徐々に明らかになっていきます。 また1話1話の引きも秀逸で、先が読めない展開に視聴者もいつの間にか引き込まれていきます。ノイタミナ枠は全11話ということもあり、あっという間に最終話という感想も多く見られました。

4:美術や音楽といったアニメ作品を支える要素もスゴイ!

『東のエデン』は、アニメ作品を脇から支える背景美術や音楽にも力が入っています。 美術監督は『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 』、『精霊の守り人』など、神山監督とはたびたびタッグを組んでいる竹田悠介。近未来からファンタジーまで実に幅広い仕事ぶりですが、本作でも虚構と現実が混在する世界をぐっと現実に引き寄せています。冒頭のワシントンDCや劇場版で描かれたニューヨークの背景も印象的です。 さらに音楽を担当したのはドラマやCMなど実写の分野でも活躍している川井憲次、OP曲にはイギリスが誇る世界的ロックバンドOASISと豪華過ぎる布陣です。

5:『東のエデン』で描かれた現代日本への問題提起【ネタバレあり】

『東のエデン』アニメが放送されたのは2009年。テロにさらされながらも危機感のない日本、先進国を覆う閉塞感は2017年現在にも通用するテーマです。 繰り返される「ノブレスオブリージュ(持てる者の義務)」という言葉、終盤のニートたちの奮起からは、監督が見る日本の問題点がひしひしと伝わってきます。 インタビューでは、当初は既得権益とニート両方をぶっ飛ばす予定だった語る神山監督。そこから路線変更の末辿り着いたニートが集まって社会を救うという結末も、「ニート=引きこもり、オタク」として十把一絡げに語られることが多い中で斬新です。 今回は名作と名高い『東のエデン』の魅力を紹介しました。改めてその魅力を振り返ってみると、エンターテイメント性と問題提起、さらに斬新な設定を1作品で成立させたという点こそ、本作が広く評価されている一番の理由かもしれません。