泣けるアニメとして人気!『最終兵器彼女』の謎を考察・解説【ネタバレ注意】

2018年1月1日更新

2002年に放送され「泣ける」アニメとして人気の『最終兵器彼女』は、SF要素もあり、設定に謎が多い作品です。今回はそんな本作の謎や作品としての評価などを徹底解説します!

『最終兵器彼女』、極限状態で展開する純愛ストーリーを解説!

『最終兵器彼女』は2002年に放送されたアニメで、『いいひと。』の高橋しんがビックコミックススピリッツで連載していた青年漫画を原作とする作品です。 戦争で人類が危機を迎えている世界で、最終兵器にされてしまった彼女との純愛が描かれており、衝撃的な設定と泣けるラブストーリーが若者の読者を中心に人気を博しました。原作は累計発行部数400万部を突破し、実写映画や外伝OVAなどさまざまなメディアで展開しました。 今回はこの『最終兵器彼女』のあらすじや評価、ストーリーの謎などを徹底解説します!

突然彼女が兵器の姿に!『最終兵器彼女』のあらすじ

北海道のとある田舎町。高校3年生のシュウジとちせはありふれた学生生活を送っていました。以前からシュウジに憧れていたちせは、ある日思い切って胸に秘めていた想いを告白し、二人の彼氏彼女の関係が始まりました。 シュウジとちせは不器用ながらも互いの関係を深めていきますが、そんな中、謎の敵による空襲が街を襲います。なんとか戦火を逃れたシュウジの目の前に現れたのは、右腕は武器に変わり、背中からは鋼鉄の羽根が生え、「最終兵器」と化したちせの姿でした。

思春期真っ只中な『最終兵器彼女』のキャラクターたち

シュウジ(CV:石母田史朗)

本作の主人公の男の子。北海道の高校に通う3年生で、短髪に眼鏡をかけています。目つきが鋭く口が悪いことから怖いと誤解されがちですが、真面目で優しい性格の持ち主。かつては陸上部に所属し、学業の成績も優秀です。 ちせのことは、のろまで気が弱いと思っていましたが、告白を受けて「顔がかわいい」という理由で付き合うことにしました。その後、最終兵器と化したちせとの関係性に悩みますが、さまざまな経験を経て最後までちせと添い遂げることを決めます。 アニメでシュウジを演じたのは俳優の石母田史朗(いしもだしろう)です。アニメの出演は少ないですが、素朴で不器用なシュウジを好演しています。

ちせ(CV:折笠富美子)

本作のヒロインの女の子。シュウジとはただのクラスメイトでしたが、友人のアケミに背中を押されて、以前から憧れていたシュウジに告白し、恋人になります。 身長は147cmと小さく、鈍くさいですが、顔がかわいく愛嬌があるため、誰からも愛される人物です。なにかと「ごめんなさい」と謝ってしまう気弱な性格。突如として自衛隊に「最終兵器」として選出され、兵器としての自分に苦悩を重ねていきます。 ちせ役を演じるのは声優の折笠富美子(おりかさふみこ)です。『コードギアス 反逆のルルーシュ』のシャーリー役、『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』のリザ・ホークアイ役などで知られています。本作では方言も含めて役作りが見事です。

ふゆみ(CV:伊藤美紀)

中学の時にシュウジのクラスへ教育実習でやってきた女性。シュウジの陸上部の先輩で、自衛隊所属のテツの妻。シュウジの初めての相手でもあり、後にシュウジの街へとふゆみが避難してきたことで再会を果たしました。 さみしがり屋で、テツが出征しているさみしさに耐えきれず、シュウジのことを誘惑します。

アニメ『最終兵器彼女』の評価、セカイ系作品としての立ち位置

『最終兵器彼女』は泣ける作品として高く評価されています。原作である漫画版は、青年誌での連載ながら、キャラクターの心情を描く細かいモノローグ、デフォルメしたギャグシーンなど、少女漫画的な手法を大胆に取り入れました。そうして思春期の少年少女の感情を鮮やかに描き出した本作は、時代を問わず若者を中心に支持を集めています。 また、本作は1995年の『新世紀エヴァンゲリオン』の影響を受け流行した「セカイ系」と呼ばれる作品群のひとつとして語られます。セカイ系作品は、主人公とヒロインの関係性が世界の危機に直結するというのが特徴で、世界の状況などは一切語られない『最終兵器彼女』もぴったり該当します。 本作は、秋山瑞人のライトノベル『イリヤの空、UFOの夏』、新海誠監督の『ほしのこえ』と並んで、セカイ系の最高傑作として評価されることも多いです。

第12話に登場する記憶のないちせは何者!?【ネタバレあり】

第12話、約束の場所で待つシュウジの前には記憶のないちせが現れました。シュウジに対して「お前、誰だ?」と衝撃のセリフを言うちせですが、その正体は兵器としてのちせの一部です。 第1話で最終兵器となったちせですが、兵器として成長していくほど人間としての記憶や意識は失われていきました。第12話の時点では巨大な兵器となってしまったちせが、人間に近い仮の姿を作ってシュウジのもとに送り込んだということになります。 その後、シュウジと愛を確かめ合ったことで人間としてのちせの人格が戻り、最終話へと繋がっていきます。

謎の多い最終回、シュウジとちせはどうなった!?【ネタバレあり】

最終話は怒涛の展開が続き、シュウジとちせの物語は衝撃的な結末を迎えました。 シュウジたちの街は大量の戦闘機の攻撃にさらされ、海からは津波が襲いかかり、街は地獄の様相を呈します。結局はちせがシュウジだけを守り、世界は灰に帰してしまいまいした。 全てが滅びた世界に取り残されたシュウジは、兵器と化したちせの断片が地面に刺さっているのを見つけます。そして、シュウジは最後までのわずかな時間を、人間の姿に戻ったちせと過ごすのでした。 最後のちせの存在は解釈が分かれるところですが、兵器としてのちせは滅び、わずかに人間としてのちせが残った、と考えるのが一番ハッピーエンドではないでしょうか。シュウジの夢や幻覚だとしたら、あまりにも残酷です。

2006年に公開された映画版『最終兵器彼女』のエンディングは違う!?

『最終兵器彼女』は2006年に実写映画化されています。主役の二人はそれぞれ窪塚洋介と前田亜季が演じました。 気になる実写版のラストはアニメとは違ったものとなっています。戦争は最終局面に突入しますが、各国が発射したミサイルを引き受けてちせだけが命を落とし、世界は救われるというラストです。気になる方は映画版もチェックしてみてはいかがでしょうか。 今回はアニメ『最終兵器彼女』を紹介しました。曖昧な描き方も多い作品なので、年を重ねてからもう一度観ると全く違う感想を抱きます。ぜひ観直してみてください!