2018年1月26日更新

軍隊階級ピラミッドを有名な映画キャラ別で解説してみた

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『フューリー』2014
© Columbia Pictures/zetaimage

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あのキャラクターはどれくらい偉いの?軍隊の階級を映画キャラで解説!

戦争映画を見るときに、それぞれのキャラクターの階級について疑問に思ったことはありませんか?軍隊にあまり親しみのない多くの人にとって、階級の違いは少しわかりづらいのではないでしょうか。 軍隊の階級は、国や時代によって違いますが、今回は目安として9つの階級に分けて解説します。 あの映画に登場した有名キャラクターは、いったいどのくらい偉いのでしょうか。この記事では、軍隊の階級を下から順にご紹介していきます。 これを知っておけば、これまで以上に戦争映画が楽しめることうけあいです。

9:兵(上等兵、一等兵、二等兵)

指揮権がない一般の兵士は、軍隊で一番下の階級です。呼び方は下から二等兵、一等兵、上等兵と変化していきますが、彼らに権限の差はなく、給与の違いによって区別されます。 戦場を舞台とする作品では、士官学校を経ずに入隊した新兵などのキャラクターが多いため、この階級に属している場合がほとんどです。 『ビルマの竪琴』(1956)で、安井昌二が映じたのが水島上等兵、『硫黄島からの手紙』(2006)では、二宮和也が西郷昇陸軍一等兵を演じました。 『フルメタル・ジャケット』(1987)の、ほほえみデブ(ゴーマー・パイル)ことレナード・ローレンス(ヴィンセント・ドノフリオ)たちは米国海兵隊二等兵。『ダンケルク』(2017)のトミー(フィン・ホワイトヘッド)とアレックス(ハリー・スタイルズ)は、ともに英国海軍二等兵です。

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8:下士官(軍曹、伍長、兵曹)

下士官は、下位の兵たちを監督・指揮する代理権限を与えられた重要なポジションです。その階級は、上から軍曹、伍長(陸軍、空軍、海兵隊)、兵曹(海軍、沿岸警備隊)となっています。 映画キャラクターでは、『プラトーン』(1986)でウィレム・デフォーが演じたエリアス・グロージョン3等軍曹や、『フルメタル・ジャケット』で新兵たちに容赦ない体罰を加えるハートマン軍曹(R・リー・アーメイ)などが有名です。 また、『プライベート・ライアン』(1998)には、ジェレミー・デイヴィス演じるティモシー・E・アパム伍長が登場します。

7:准士官・上級下士官

准士官の扱いは国によって様々ですが、多くの場合通常の階級には含まれず、軍医や造船士官などの専門職がこの階級に属します。彼らは通常の兵とは異なり、戦闘訓練をあまり受けておらず、指揮権限も与えられていません。 また、上級下士官は後述する尉官よりも軍歴が長い場合が多く、その背負う責任と集める尊敬は尉官と同等か、それ以上であることも少なくないとか。 軍医などは先述のとおり非戦闘員ですが、戦艦には乗船する場合が多いようです。 『マスター・アンド・コマンダー』(2003)でポール・ベタニーが演じたスティーヴン・マチュリーや、「スター・トレック」シリーズのレナード・マッコイ(デレフォスト・ケリー、カール・アーバン)などが軍医として有名です。

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6:特務士官(准尉、特務士官/兵曹長)

日本海軍での特務士官は士官と同等で、海軍のみの階級です。特務士官は兵からのたたきあげで、士官相当の階級ではありますが、指揮権限はなく、制服も将校とは違っています。 兵学校卒ではないため、差別を受けることもあったとか。 他の国でも、特務士官は主に海軍のみに設置される階級となっており、特務士官と准尉をまとめて准士官と呼びます。 特務士官や准尉の映画作品への登場は多くありませんが、アニメ作品では、『機動戦士ガンダム』のセイラ・マス(本名:アルテイシア・ソム・ダイクン)の階級が准尉となっています。

5:士官候補生

士官候補生は、それぞれの軍隊(陸軍、海軍、空軍)に属する士官学校で、士官候補者として教育を受けているエリートです。国や時代にもよりますが、在学中の階級は曹長で、卒業後は少尉として入隊します。 映画のキャラクターとしては、1982年に公開された『愛と青春の旅だち』に登場する海軍飛行士養成学校の士官候補生、ザック・メイヨ(リチャード・ギア)が有名です。 また、『マスター・アンド・コマンダー』には、ウィリアム・ブレイクニー(マックス・パーキス)、ピーター・カラミー(マックス・ベニッツ)、ホロム(リー・イングルビー)などの士官候補生たちが登場します。

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4:尉官(大尉、中尉、少尉)

尉官は、士官学校を卒業した士官のなかで最も下の階級で、将校とも呼ばれます。 陸軍や空軍では、通常小隊長や中隊などの部隊の司令官や航空機のパイロットは、少尉以上の士官から任命されます。また、海軍では軍艦は必ず士官の指揮下に置かれ、艦長や航海士、機関長などの高級船員もこの階級です。 1987年の実写映画『はいからさんが通る』で、阿部寛が演じた伊集院忍は陸軍歩兵少尉でした。 『戦場のメリークリスマス』(1983)では、坂本龍一がヨノイ大尉を演じています。『プライベート・ライアン』(1998)に登場するジョン・H・ミラー(トム・ハンクス)も大尉です。

3:佐官(大佐、中佐、少佐)

左官は大隊や連隊、大型軍艦、飛行戦隊など大きな部隊を指揮する上級士官で、単独で短期作戦を実施することができます。一般的に作戦を計画する参謀も務めます。 『地獄の黙示録』(1979)でマーロン・ブランドが演じたウォルター・E・カーツ大佐が有名です。また、 『イングロリアス・バスターズ』(2009)のクリストフ・ヴァルツ演じるハンス・ランダはナチス親衛隊大佐でした。 あまり知られていませんが、「スター・トレック」シリーズのスポック副長(レナード・ニモイ、ザカリー・クィント)の階級は中佐。 『戦場のメリークリスマス』ではトム・コンティが演じたジョン・ロレンスが中佐、デヴィッド・ボウイが演じたジャック・セリアスは少佐となっています。

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2:将官(大将、中将、少将、准将)

将官は一般的に大将、中将、少将に分けられ、それらをまとめて陸軍や空軍では将軍、海軍では提督と呼ばれます。長期間に渡る作戦で、部隊や艦隊などを指揮するのが役目。 映画作品では、細かく階級の名称が分けられることは少なく、多くは「将軍」「提督」と呼ばれます。 「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのエリザベス・スワンの父ウェザビー・スワンは英国軍ポートロイヤル提督です。 1970年の『トラ、トラ、トラ!』では、山村聡が山本五十六海軍中将を演じ、劇中で大将に昇格。 『ブラック・ホークダウン』(2001)に登場した前線基地司令官ウィリアム・F・ガリソン(サム・シャパード)の階級は少将です。

1:元帥

多くの軍隊で最高司令官にあたる元帥は、映画などに実際に登場する機会はあまり多くありません。現代では、実際に戦闘や作戦に関わることはなく、あくまで名誉職として設置されていると考えていいでしょう。 国によっては、元帥の上に最上級司令官として「大元帥」という階級がある場合もありますが、これはほとんどの場合、国家元首を指します。 映画作品では、日本にも馴染みのあるマッカーサー元帥を『終戦のエンペラー』(2013)でトミー・リー・ジョーンズが演じています。 また、日本映画では『日本海大海戦』(1969)で三船敏郎が東郷平八郎元帥を演じました。

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戦争ものではキャラクターの階級にも注目してみよう!

いかがでしたでしたか。今回は海外のよく知られた戦争映画のキャラクターを中心に、階級をご紹介しました。階級とその職務内容が必ずしもリンクしているわけではないのも、分かりづらい理由なのではないでしょうか。 この記事で紹介した以外にも、「スター・ウォーズ」シリーズなどのSF作品や『ONE PIECE』、『攻殻機動隊』、『進撃の巨人』などのアニメ作品でも、軍隊やそれに準ずる組織が登場し、同じような階級制度を見ることができます。 階級差別のあった背景や基本的な情報を知ることで、より深くドラマを読み取ることができると思います。ぜひ、そういった視点でも様々な作品をたのしんでみてください。