2023年2月10日更新

急死した韓国俳優キム・ジュヒョクの出演ドラマ・映画まとめ

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キム・ジュヒョク
©Yonhap News/YNA/Newscom/Zeta Image

2017年10月30日、突然の事故死が本国の韓国はもちろん日本のファンにも大きな衝撃を与えたキム・ジュヒョク。死後、韓国人が好きな映画俳優1位に選ばれるなど、ショックの余波と45歳の早逝を惜しむ声が絶えません。 キム・ジュヒョクは、1972年10月3日ソウルに生まれました。2世俳優として注目されつつ、1998年にテレビドラマ『カイスト』で俳優デビューを果たします。 その後は数々の映画やドラマに出演して人気俳優としてのキャリアを重ね、韓国映画界を背負う逸材として期待される最中の訃報でした。 ここではそんなキム・ジュヒョクを悼み、代表的作品はもちろん、家族や恋愛などプライベートについても振り返ってみます。

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キム・ジュヒョクの父親は名優キム・ムセン

キム・ジュヒョクは、数々の映画やドラマで活躍した俳優の故キム・ムセンの次男です。いわゆる二世俳優にあたりますが、デビューのきっかけはSBSの公開オーディションでした。 父キム・ムセンは1963年にデビュー後、ドラマ『龍の涙』や『光宗大王~帝国の朝~』、映画『イルマーレ』など100を超える作品に出演し、重厚で威厳溢れる存在感が高く評価されていた名優です。 1997年の『龍の涙』で演じた主人公イ・ソンゲ役ではKBS演技大賞男性最優秀演技賞を受賞しました。ドラマ『ラストダンスは私と一緒に』を遺作に、2005年に62歳で他界しています。 父子は1本のCM以外、俳優としての共演は果たせませんでしたが、キム・ジュヒョクの代表作の1つ『ホジュン〜伝説の心医』のタイトルロールは、父が1975年のドラマ『執念』で演じた役柄でした。

衝撃の事故死の真相

事故は2017年10月30日午後4時30分ごろ、ソウルの江南区三成洞の道路で発生しました。 キム・ジュヒョクが運転していた黒いベンツが他の車と追突したあと、マンションの外壁に突っ込んで横転します。緊急搬送された病院で死亡が確認されました。 後続車のドライブレコーダーや目撃者の証言で、キム・ジュヒョクが胸を強く押さえていたことから心筋梗塞を発症したとの報道もありましたが、解剖結果ではその確証がなく、いまだ事故が起こった原因は不明のままです。 12月18日に追悼式が行われ、親族や共演した俳優たち、ファンなど約500人が参列しました。

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女優のイ・ユヨンは結婚間近の婚約者だった

『親愛なる判事様』 イ・ユヨン

キム・ジュヒョクは映画『あなた自身とあなたのこと』で共演したことをきっかけに、女優のイ・ユヨンと交際に至ります。2016年12月には公式に恋人関係であることを認め、一部のインタビューでは結婚にも言及していたようです。 イ・ユヨンは、美容の仕事から転身して2014年に映画『アトリエの春』でデビュー後、期待の若手として注目されている女優です。1989年12月8日生まれで、キム・ジュヒョクとは17歳も年の差があることも話題になりました。 恋人の訃報は、プサンでバラエティ番組『ランニングマン』の収録に参加していたイ・ヨユンに伝えられます。撮影は即刻中断に至り、すぐにソウルに戻り遺体と対面、葬儀では一緒に霊柩車に同乗するなど痛ましい姿が周囲の涙を誘いました。

過去には女優のキム・ギュリとも交際

キム・ジュヒョクは2012年にドラマ『武神』で共演した女優キム・ギュリと交際していた事実もあります。 同年6月ごろから交際を開始して9月には公式発表し、仲睦まじくデートする姿などが目撃されていました。ところが翌年の1月にはすでに破局に至っていたようですから、期間は短かったようです。 キム・ギュリは1998年にテレビドラマでデビューし、映画初出演となった『女高怪談2』で複数の賞を受賞して一躍注目される存在になった女優です。 2004年のドラマ『漢江ブルース』ではMBC演技大賞の優秀賞を受賞するなど、どんな役柄もこなす演技派として知られています。

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キム・ジュヒョク出演のおすすめドラマ

パリに続く「恋人」シリーズ第2弾『プラハの恋人』(2005年)

大ヒットしたドラマ『パリの恋人』のスタッフが手掛ける「恋人」シリーズの第2弾として、30%を超える高視聴率を記録したロマンティック・コメディです。 今回はチェコのプラハを舞台に、大統領の娘でもある外交官ジェヒと留学中の恋人を探しにやってきた刑事サンヒョンのロマンスが描かれます。 2人は互いに好意を抱き始めながらも、5年前から行方がわからなくなっていたジェヒの恋人ヨンウが現れたことで関係は複雑に……。 キム・ジュヒョクが演じたのは、破天荒な刑事チェ・サンヒョンです。相手役のジェヒには『ユア・マイ・サンシャイン』のチョン・ドヨンが扮し、身分違いの恋の行方が視聴者をわくわくさせました。

ワインをテーマにしたドラマチックなラブストーリー『テロワール』(2008-2009年)

『がんばれ!クムスン』のハン・ヘジンをヒロインに迎え、ワインをめぐって繰り広げられるドラマチックなラブストーリーです。 キム・ジュヒョクが演じるのは、幻のワインを求めてフランスのボルドーにやってきたワイン専門家のカン・テミンです。同じころ、1人の女性イ・ウジュも恋人を探して渡仏し、テミンと劇的な出会いを果たします。 帰国後、テミンはワインレストラン「テロワール」を開くため、韓国伝統酒の酒蔵である「ナムチョ」に立ち退きを求めることになりますが、そこの孫娘がなんとウジュでした。 背景の異なる男女の恋模様や葛藤はもちろん、本格的なワインのうんちくなども見どころです。

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13世紀の高麗が舞台の歴史エンターテインメント『武神』(2012年)

13世紀の高麗を舞台に、奴隷である奴婢から最高権力者・武臣の地位まで駆けあがった実在の人物キム・ジュンの半生を壮大なスケールで描いた時代劇エンターテインメントです。『朱蒙(チュモン)』や『イ・サン』など歴史大作を数々手掛けてきたMBCの作品です。 当時世界最強と言われていた蒙古軍に高麗はしぶとく抗戦を繰り広げますが、ついに服属を強いられてしまいます。 果敢に戦う主人公ジュンをキム・ジュヒョクが演じる一方、激動の時代に翻弄されるヒロインのチェ・ソンイを、後に実生活でも交際に発展するキム・ギュリが演じました。 また、脚本を担当したイ・ファンギョンは、ジュヒョクの実父キム・ムセン主演の名作『龍の涙』の脚本も手掛けた人物です。

韓国ドラマ屈指の名作をリメイク『ホジュン〜伝説の心医』(2013年)

チョン・グァンリョルが主演し、韓国時代劇屈指の名作となった1999年のドラマ『ホジュン~宮廷医官への道』を14年ぶりにリメイクした歴史大作です。 李氏朝鮮時代の16世紀から17世紀にかけて活躍した実在の医者ホジュンの波乱万丈の生涯を描きます。 不幸な育ちから荒れた生活を送っていたホジュンが、名医ウィテと出会ったことから医師を目指すようになります。様々な困難にぶつかりながらも「心医」となるべく修行を続け、ついに王族の御医となって医書「東医宝鑑」を編纂するに至ります。 オリジナルより人間味にあふれた新しいホジュン像を、キム・ジュヒョクが魅力的に演じました。当初は出演のオファーに消極的だったと言いますが、過去に父が演じた役柄だったことで受諾を決意したようです。

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キム・ジュヒョク出演のおすすめ映画

兄弟それぞれの恋愛を描いたラブコメ『クァンシクの弟クァンテ』(2005年)

性格もタイプも全く違う兄と弟がそれぞれ繰り広げる恋愛模様を描いた、リアルなロマンティック・コメディです。 好きな女性に一度も告白したことがないという奥手の兄クァンシクをキム・ジュヒョクが演じています。学生時代に片思いしていたユンギョンのことをいまだ思い続けながら、地味に写真館を経営しているという役柄です。 相手役のユンギョンをイ・ヨウォン、そして兄とは正反対に自由奔放で積極的な弟クァンテをポン・テギュ、その相手キョンジェを『カンナさん大成功です!』で一躍スターとなったキム・アジュンが演じています。日本でも人気の高い役者たちが個性的な人物を演じる隠れた人気作です。

日本のドラマの韓国版リメイク『愛なんていらない』(2006年)

渡部篤郎と広末涼子の共演で2002年に放送されたドラマ『愛なんていらねえよ、夏』の韓国版リメイクです。愛というものを信じない男と女が織り成す人間模様を繊細なタッチで描きました。 冷酷なホストのジュリアンは、貢いでくれた女性客が起こした事件に巻き込まれて逮捕されてしまいます。多額の借金を背負って出所したジュリアンは、莫大な遺産相続をした盲目の少女ミンが行方不明の兄を探していることを知り、兄になりすます計画を立てるのでした。 危険なホストのジュリアンをキム・ジュヒョク、そして心を閉ざしたミンを「国民の妹」と称されて愛されるムン・グニョンが演じました。心揺さぶられる結末は感涙ものです。

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韓国でベストセラーとなった重婚小説の映画化『妻が結婚した』(2009年)

愛する夫がありならも別の男性と結婚しようとする人妻の姿を描き、韓国でベストセラーとなった同名小説の映画化作品です。伝統的な結婚に囚われない新しい愛の姿を軽やかに描き、話題をよびました。 美しさと知性を合わせ持つも自由奔放な女性イナとようやく結婚にこぎつけたドックン。自由恋愛の条件付きだったとはいえ、ある日、本当にイナが別の男性とも結婚したいと言い出します。 イナに翻弄される夫のドックンを演じたのがキム・ジュヒョクです。一方のイナを『私の頭の中の消しゴム』や『四月の雪』で絶大なる人気を誇るソン・イェジンが演じ、大胆な濡れ場も披露しました。

貴族と妓生の禁断愛を描く『春香秘伝 The Servant』(2010年)

韓国版「ロミオとジュリエット」とも称される古典「春香伝」を官能的に解釈し映画化した問題作です。あまりの衝撃的な内容から物議をかもし、一部で上映差し止め運動が起こりましたが結果は大ヒットに至りました。 貴族の子息であるモンニョンは、下働きの男バンジャの手を借りて美しい妓生のチュニャンと逢引きを続けていました。チュニャンは打算的な理由もあって関係を続けていましたが、一方で野性味あふれるバンジャに惹かれていきます。 キム・ジュヒョクが主人公となる下男のバンジャ、チョ・ヨジョンがチュニャン、リュ・スンボムが貴族のモンニョンを演じました。欲望と愛憎渦巻く禁断の恋愛劇がセンセーションを巻き起こました。

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キム・ジュヒョクがプロ野球選手を演じる『人生のストライク・ボール!』(2011年)

韓国のプロ野球界を舞台に、キム・ジュヒョクが『私の名前はキム・サムスン』のキム・ソナと組んだ、一風変わったロマンティック・コメディです。 最高球速161kmを誇り、3年連続でMVPにも輝いたロッテ・ジャイアンツのスター選手が主人公のユン・ドフンです。ところが傲慢なふるまいやトラブルメーカーゆえに2軍落ちし、そればかりか妻ユフンから見放されて家を追い出されてしまいます。 人生どん底に落ちたドフンが、なんとか立ち上がって復活していく姿を笑いあり涙ありで描きました。ドフンに扮したキム・ジュヒョクがまた新たな一面を見せる快作です。

日本映画をリメイクした新感覚ラブストーリー『カップルズ 恋のから騒ぎ』(2011年)

5つの物語が同時進行する2004年の内田けんじ監督作『運命じゃない人』をリメイクした新感覚のラブストーリーです。それぞれが様々な事情を抱えながら全く接点のなかった5人がたまたま出会い、個性的なロマンスを繰り広げる姿をコミカルに描きます。 メール1本で姿を消した恋人をさがすユソク、ある理由があって複数の男たちとつきあうナリ、元恋人から偽物のダイアモンドをもらったエヨン、愛そのものを信じていないピョンチャンら、5人の男女の偶然の出会いと別れ、人生模様が絶妙なタッチで綴られます。 群像形式の中、カフェを経営しているユソクを演じたキム・ジュヒョクの魅力が光っています。その他、イ・シヨン、イ・ユンジ、オ・ジョンセらが共演しました。

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上野樹里も出演!異色ラブ・ファンタジー『ビューティー・インサイド』(2016年)

『ビューティー・インサイド』 
(C)2015 NEXT ENTERTAINMENT WORLD

18歳になって以来、睡眠から目覚めるたびに心以外の外見が完全に変ってしまう主人公の恋をファンタジックに描いたラブストーリーです。性別や年齢、国籍などが異なるウジンを21人の豪華俳優たちが交代で演じました。 外見が変わるために人と直接会うことができず、ネット専門の家具デザイナーとして働くウジンは、ある日一人の女性イスに恋してしまいます。同じ外見を保つために3日間眠らずにイスとデートするウジンでしたが……。 ヒロインのイスにはハン・ヒョジュが扮する一方、ある日のウジンをキム・ジュヒョク、他にもユ・ヨンソク、イ・ジヌク、日本から上野樹里らが同じくウジンを演じました。奇想天外な設定ながら、ピュアでひたむきな恋が感動を誘いました。

バラエティ番組『1泊2日』のメンバーとしても活躍したキム・ジュヒョク

2007年にKBSで放送スタートし、視聴率40%を超える国民的人気を誇るバラエティ番組へと成長したのが『1泊2日』です。毎回、出演者たちが1泊2日のスケジュールで韓国国内を旅する様子を追いかけるという内容で、キム・ジュヒョクは2013年から約2年の間、シーズン3のメンバーとして活躍していました。 亡くなった翌11月5日には、急きょキム・ジュヒョクを追悼するスペシャル編が放送され、一緒に旅したメンバーたちが在りし日を偲びました。 また番組の最後には、死の2週間前にキム・ジュヒョクが『1泊2日』の放送開始10周年を祝って撮影したというビデオレターが公開され、出演者や視聴者たちの涙を誘いました。

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キム・ジュヒョクの遺作となった映画『コンフィデンシャル/共助』

コンフィデンシャル/共助
(C) 2017 CJE&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED

急死の衝撃と悲しみがいまだ冷めやらぬ中、キム・ジュヒョクの遺作となった映画が日本でも 2018年2月9日に公開されます。 韓国国内に紛れ込んだ北朝鮮の犯罪組織を逮捕するため、北と南両国の刑事がタッグを組んで捜査にあたる姿を描いたアクション大作です。妻と仲間を殺された北朝鮮側のエリート刑事イム・チョルリョンをヒョンビン、韓国側の庶民派刑事カン・ジンテをユ・ヘジンが演じます。 そんな中、キム・ジュヒョクが演じるのはチョルリョンを裏切った元上司で冷酷な犯罪組織のリーダーであるチャ・ギソンです。珍しく悪役に扮したジュヒョクの演技を、しっかりこの目に焼きつけておきましょう。