2018年1月30日更新

このNetflixオリジナルがスゴい④『この世に私の居場所なんてない』【ciatr編集部が選ぶ】

「なんだか最近Netflixオリジナル作品がおもしろすぎる」ということで、本当におすすめしたい作品を編集部視点で思いっきり綴った連載記事を毎日お届けします!第四回目は『この世に私の居場所なんてない』。

ciatr編集部が責任選出!Netflixの底力を感じさせる作品がここに!

Netflixオリジナル集中連載、第四回目を進行させていただきます!前回はスティーブン・キングの小説を見事に映像化した『ジェラルドのゲーム』を取り上げました。今回紹介するのは、サンダンス映画祭で絶賛された『この世に私の居場所なんてない』。

前回の連載はこちら

第四回『この世に私の居場所なんてない』

タイトルは真面目ですが、結構ハチャメチャなブラック・コメディなんです!

『この世に私の居場所なんてない』。孤独な主人公の鬱人生を淡々と描いた社会派ヒューマンドラマのようなタイトルですが、そのような真面目でおかたい作品ではないのです。 ゆるいコメディタッチで始まる本作は、後半に怒涛の展開を迎え、緊迫感のあるバイオレンススリラーへと変貌を遂げます。

あらすじ

看護助手として働く孤独な独身女性ルースは、ある日空き巣によってノートパソコンや祖母の形見の銀食器を盗まれてしまいます。 彼女はすぐに警察に通報しましたが、担当した刑事はまともに取り合ってくれません。ついに我慢の限界を超えた彼女は自ら捜査を開始。そんな彼女のもとに現れたのは、エキセントリックな隣人トニーでした。その後二人は、加速度的に収集のつかない事態に巻き込まれていき……。

名作の数々を見出したサンダンス映画祭で大賞を受賞!

毎年1月にアメリカユタ州で開催されているサンダンス映画祭は、アメリカのインデペンデント映画祭のひとつです。サンダンスという名称は、ロバート・レッド フォード主演の映画『明日に向かって撃て!』のサンダンス・キッドが由来。世界中から良作が集まり、映画ファンや業界関係者の注目度が高いことで知られています。 これまでに、ジョン・キャメロン・ミッチェルの『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』、主演の少女が最年少でアカデミー主演女優賞にノミネートされた『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』、アカデミー賞5部門ノミネートの音楽スポ根映画『セッション』などの名作がこの映画祭で賞を受賞しています。 そして、2017年サンダンス映画祭で審査員大賞を受賞したのが、『この世に私の居場所なんてない』なのです。

イライジャ・ウッドがエキセントリックなオタクを怪演!

イライジャ・ウッド (ゼータ)
©Lionel Hahn/AbacaUsa/Newscom/Zeta Image

『指輪物語』を映画化した「ロード・オブ・ザ・リング」でフロド・バギンズを演じ、一躍有名になったイライジャ・ウッド。彼=素朴で優しいホビットをイメージする人がまだまだ多いかもしれません。 しかし、このファンタジー巨編に出演後、彼はクセの強すぎる役を数多く演じてきました。例えば、2005年『シン・シティ』の食人殺人鬼のケビン、2013年『マニアック』の女性の皮を剥いでマネキンに被せるサイコパス、フランクなど……。 "ホビットのイメージを払拭したい”という強い思いや反動からクセの強い役をあえて選んできたのかもしれません。 そんな彼が本作で演じたのは、格闘技オタクの変人トニー。挙動不審でご近所から不審者扱いを受けていますが、正義感は強い男です。本作で彼の怪演を目撃すれば、きっとフロドの印象など吹っ飛んでしまうことでしょう。

『ドント・ブリーズ』出演女優も出演!

2016年にスマッシュヒットを記録した『ドント・ブリーズ』のジェーン・レヴィが犯罪集団の女の一人デズ役として出演。彼女は奇しくも両作で強盗役を演じています。

不器用な二人がバディを組む!それだけで最高じゃないですか!

ルースは夜な夜な音楽を流し、お酒を飲みながら小説を読み耽る孤独な女性。普段あまり感情を表に出すことはなく、スーパーでレジに割り込みされても文句が言えないような気弱な性格です。 しかし、空き巣に大切なものを盗まれた上に、警察に無下に扱われたことで不満が爆発。自ら行動を起こすことに。 そして、風貌や仕草など全身から独特な雰囲気を醸し出すトニー。ヘビーメタルを愛聴する彼は、筋トレなど体の鍛錬は怠っていません。かなりの武術オタクのようで、作中手裏剣やヌンチャクで度々ルースをサポート。 おそらく、これまでその力を発揮する機会が得られずフラストレーションを溜めていたのでしょう。トニーはルースと出会い、水を得た魚のように生き生きとした表情をみせるようになります。 そんな不器用な二人がバディとなり、凶悪な犯罪集団に挑むことに。最後には少しビターな展開も……。

実は監督もスゴイんです!実体験の映画化だった!?

「ブルーリベンジ」 メイコン・ブレア (ゼータ)
©Hahn Lionel/Sipa USA USA/Newscom/Zeta Image

監督・脚本を務めたのはメイコン・ブレア。本作が長編映画監督初挑戦の彼は、『ブルー・リベンジ』や『グリーン・ルーム』などで知られるジェレミー・ソルニエ監督作の常連俳優でもあるのです。 本作はノンフィクションではありませんが、監督の実際の経験が活かされて生まれた映画。その経験とは、空き巣にノートパソコンが盗まれたにもかかわらず、警察がほとんど捜査を行ってくれなかったというもの。そのため主人公ルースは監督の投影とも言えるキャラクターなのです。 ブレアはルースのように自ら捜査は行わなかったようですが、その時果たせなかった悔しさや鬱憤を映画で発散していたのかも。ちなみに彼は、BARでルースに話しかける男役でカメオ出演しています。 いかがでしたか。果たしてルースとトニーの運命やいかに?イライジャ・ウッドの怪演とクライマックスの怒涛の展開は一見の価値あり。是非チェックしてみてください。

連載は続く。第五回は『深夜食堂』

次回は"飯テロ”ドラマとして人気を博した「深夜食堂」シリーズから展開された『深夜食堂 -Tokyo Stories-』を紹介します。