このNetflixオリジナルがスゴい⑤『深夜食堂 -Tokyo Stories-』【ciatr編集部が選ぶ】
Netflixオリジナルは邦モノも見逃せない!
第五回目となる「Netflixオリジナル」ベスト。今回は連載初となる日本のドラマをご紹介。 「私、海外のドラマとかってあんまり観ないしな〜」というあなた!外資だからといってNetflixが強いのは海外ものだけではないのです。又吉直樹著の『火花』や漫画『僕だけがいない街』を原作とした人気の国内制作ドラマもたくさん。 そんな豊富なネトフリ日本ドラマから私が選出したのはグルメドラマ『深夜食堂』です。
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第五回『深夜食堂 -Tokyo Stories-』
人気シリーズがNetflixオリジナルになって戻ってきた!『深夜食堂』
食べものをテーマにしたグルメものが流行して久しいですね。最近でも『ワカコ酒』『孤独のグルメ』『忘却のサチコ』『ラーメン大好き小泉さん 』など、数え切れないほどのドラマが製作されてきました。 そんな中でも『深夜食堂』は2009年から、テレビ版が3シーズン、劇場版が2つと、グルメドラマの中も息の長いシリーズ作品として知られています。中国や韓国でもリメイク版も作られているほどの人気作。どうでしょう?間違いなく面白い気がしてきませんか? 今まで本連載で紹介してきた作品は、海外を舞台にしたSFものなどスケールの大きな作品も多かったですが、『深夜食堂』は違います! 1日の終わりに、ゆるやか〜に観れる(睡眠にも導入してくれる!?)ドラマなのです。しかも1話20分ほど。さっくり観れる!忙しくてドラマが続かないというあなたにもピッタリ! さて、そんな『深夜食堂』の魅力、どんどん掘り下げていきましょう!
『深夜食堂』のあらすじ
『深夜食堂』にはこれといったストーリーはありません。 新宿、花園界隈に佇む定食や「めしや」を舞台に繰り広げられる一話完結の群像劇です。めしやの営業時間は深夜の12:00から、人呼んで「深夜食堂」というわけ。壁に掛っているメニューは一種類、豚汁定食だけですが、お客さんのリクエストに合わせて材料さえあればなんでも作ってくれます。 お客は二丁目のゲイバーのママ、ヤクザ、ストリップ通いが趣味のおじさん、タクシー運転手、OLさんetc……。 そんな彼らの日常のちょっとしたつまづき、いざこざ、その解決までがワンセット。
とりあえず飯テロ
ほっこりゆるやか〜とは言え、『深夜食堂』はグルメドラマ。その飯テロ具合は全くもって「ゆるやか」ではありません。 深夜食堂に登場する料理は、アメリカンドッグ、白菜と豚バラの一人鍋、豚バラトマト巻きなど気張ってない“ふだん料理”ばかり。食欲が刺激されるのは、インスタ映えするおしゃれな料理よりもこういった素朴な料理ですよね!
「めしや」のメニューは豚汁定食のみ
先述した通り、めしやは言えばなんでも作ってくれるご飯やさん。でも本当のメニューは豚汁だけ。 そして、オープニングでマスターが作っているのも豚汁。作っているの様子が手元アップで映されるのですが、その美味しそうなことといったら!素朴で、気取ってない、だけど丁寧な調理シーンが食欲を刺激します!しかも手際は完璧。 疲れた体に染み渡りそう……。 ジュージュー焼ける豚肉、溶けていく味噌、ごろごろ野菜たち。今すぐ作りたくなる!!(が冷蔵庫の中はカラッポ)
実力派俳優しかいないから安心
俳優陣は実力派揃い。というか基本的に登場人物の平均年齢が高めです!概算ですが、40歳くらい。キャピキャピ系女優さんは、ほとんど出てきません。 マスターを演じる主演の小林薫はもちろん、「めしや」の常連客たちもベテラン俳優たち。なので裏切らない演技力で安心して観れます。日常の出来事を描いているからこそ、わざとらしさが出てしまうと雰囲気が一気に崩れてガッカリしてしまいますが、本作にはそんな心配は無用です。 めしやに頻繁にくる掴めない男性、片桐はオダギリジョーが演じていて、飄々とした片桐の雰囲気とオダギリ自身の持ち味が合わさってなんとも言えないかっこよさ!ぜひ注目して頂きたいです! 第2話では新井浩文、第六話では谷村美月など、ゲスト俳優も実力派揃いで毎回豪華。見逃せません!
東京、新宿がこんなにも「ほっこり」してる
「東京は人の多いだけ。」「東京の人は冷たい。」よく言われる言葉ですよね。そんな言説に影響され、ふだんは東京が大大大好きな筆者も疲れている時には「みんなが言うように、やっぱり東京は冷たい街なのか?」と不安になってしまいます。 しかしそんな東京の常識を覆してくれるのが本作なのです。 ドラマにしばしば挿入されるのは見慣れた新宿の風景。日本で一番「都会」と言っても過言ではないところに、人間味に溢れたドラマが展開されている。田舎も都会も関係なく、そこにあるのは人の営み。 ドラマが描くのは、察しが悪い男だったり、わがまま放題の60男だったり、下品なおじさんだったり、ちょっとウザ目なんですけど、どこかリアリティがあって、人間愛に溢れているんですよね。 そして彼らには革命的な変化は起こらない。折り合いをつけたり、周囲の人とうまくやっていく方法を見つけたり。勧善懲悪でもなんでもなくて、「日常なんてそんなもん」。そんなスタイルが心地いい作品です。 皆さんもぜひ深夜食堂で癒されてください!
連載は続く。第六回は『ホーム・アゲイン』
次回はロマンティック・コメディ『ホーム・アゲイン』を紹介します。ciatr編集部きってのガールズムービー好きの責任セレクト!お楽しみに。