2018年3月5日更新

俳優が監督した映画、監督が出演した映画10選【『blank13』公開記念】

(C)2017「blank13」製作委員会

近年、俳優が実績を積み、映画監督としてデビューしたり、それとは逆に映画監督が俳優として映画に出演したりする作品が増えてきています。今回はそんな俳優が監督した映画、監督が出演した映画を10作品ご紹介します。

俳優が監督に。監督が俳優に。進化する映画業界に注目!

近年、俳優が現場で実績を積み、映画監督としてデビューしたり、それとは逆に、映画監督でありながら、俳優として映画に出演する監督が増えてきています。 同じ現場の作り手としてその境界線が交錯し始めている今、あらためて、俳優が監督したオススメ映画、監督が出演したオススメ映画を10作品ご紹介します。

俳優が監督したオススメ映画5選

斎藤工の映画『blank13』(2018年)

俳優として活躍する斎藤工の初の長編監督作映画『blank13』。高橋一生主演の実話を基に描く家族の物語です。 13年前に失踪した父(リリー・フランキー)の葬儀で、見知らぬ参列者たちから明かされた父のもうひとつの素顔とは?予測不能で空白の13年間の予想を超える真実が心に突き刺さります。 本作は国内外の映画祭で脚光を浴び、ウラジオストク国際映画祭最優秀男優賞をトリプル受賞するなど、様々な映画祭で6冠を達成。 国内では北野武以来、俳優出身で世界で勝負できる監督として期待されているとか。今後に注目していきたいです。

小栗旬の映画『シュアリー・サムデイ』(2010年)

俳優の小栗旬が自身と親交の深い俳優陣を集結し作った映画『シュアリー・サムデイ』。2010年当時27歳の小栗は俳優の監督デビューとしては最年少だったそうです。 高校で爆破事件を起こしてしまった高校生5人が、その後事件の影響で転落し、大人となり再起をかけて新たな事件に立ち向かう友情物語。20代の小栗だからこそ撮れた勢いのあるストーリーと舞台監督を父に持ち、小さい頃から現場に親しんできた小栗の全体の構成力が光る作品です。

田口トモロヲの映画『ピース オブ ケイク』(2015年)

俳優、ナレーター、ミュージシャン、劇画家と多彩な顔を持つ田口トモロヲが描く恋愛映画『ピース オブ ケイク』。 ジョージ朝倉の同名漫画の実写化で、25歳の流され系女子・梅宮志乃(多部未華子)と彼女がいるモテ男・京志郎(綾野剛)とのビタースウィートな大人の恋愛映画です。男性監督が女性のリアルな心情にここまで寄り添えるのか!と田口の引き出しの多さに驚かされる作品です。

メル・ギブソンの映画『ハクソー・リッジ』(2017年)

アメリカの名優メル・ギブソンが監督した映画『ハクソー・リッジ』。映画『マッドマックス』シリーズなどで有名なギブソンは、監督としても1995年の映画『ブレイブハート』でアカデミー監督賞を受賞しています。 『ハクソー・リッジ』では、第二次世界大戦末期のハクソー・リッジで、敬虔なキリスト教徒のデズモンド・ドス(アンドリュー・ガーフィールド)が敵味方問わず75人もの命を救った実話を、人間味溢れるドラマとして描き出しました。 本作では特殊効果を使い、カメラからわずか60センチの場所や実際に俳優がいる目の前で爆発を起こし、戦場シーンが殆どCGなしという臨場感たっぷりの映像を作り上げ、アカデミー賞を含む世界の主要映画祭102部門ノミネート、34部門受賞という快挙を成し遂げました。

ベン・アフレックの映画『アルゴ』(2012年)

アメリカの俳優ベン・アフレックが監督し、アカデミー作品賞を含む3部門を受賞した映画『アルゴ』。映画『バットマン』シリーズで人気のベンは、監督だけでなく、脚本家、プロデューサーとしても手腕を発揮。 1997年にマット・デイモンと共同脚本で製作した映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』でアカデミー脚本賞を受賞しています。 本作ではイラン革命最中の1979年に、次々とアメリカ人が人質に取られるアメリカ大使館から抜け出した6人をCIAが架空の映画製作をでっち上げ、国外脱出させようとする実話ベースの大胆な救出作戦を緊迫感たっぷりに描いています。

監督が出演したオススメ映画3選

岩井俊二主演の映画『式日‐SHIKI-JITSU‐』(2000年)

庵野秀明がメガホンをとった映画『式日‐SHIKI-JITSU‐』。庵野の自己を投影した主人公「カントク」役に岩井俊二を据え、虚構と現実の狭間を生きる一人の男と少女の物語です。 スタジオジブリの実写部門レーベル「スタジオカジノ」の第1回作品で商業的なことよりも芸術性重視で作られた作品で、第13回東京国際映画祭最優秀芸術貢献賞を受賞しています。 スタジオジブリ×庵野秀明×岩井俊二というネームだけで映画ファンとしては生唾ものですが、過去にトラウマを抱えたヒロインを取り巻く、脆く危うい世界観に気付いたらどっぷりハマっている作品です。

ウディ・アレン主演の映画『アニー・ホール』(1978年)

ウディ・アレンを監督と俳優、どちらと捉えるかは難しいところですが、アカデミー賞を史上最多ノミネート、映画『アニー・ホール』で最優秀作品賞含む5部門を受賞しているので、監督という印象が強いです。 本作では、大人の数年にわたるほろ苦い恋愛を描いており、アレンが演じたコメディアンのアルビーには、アレン自身の性格が深く投影されています。

ジョン・ファブロー主演の映画『シェフ 三ツ星フードトラックはじめました』(2015年)

映画『アイアンマン』シリーズの監督で知られるジョン・ファブローが監督・主演・脚本・製作の4役を務めた映画『シェフ 三ツ星フードトラックはじめました』。 一流レストランをクビになった中年男性カール(ジョン・ファブロー)が、フードトラックでキューバサンドを売りながら旅をするロードムービーです。美味しそうな料理たちと家族や人とのつながりにHAPPYな気持ちになれること確実! 『アイアンマン』で色々な制約がある中で映画を撮ることに疲れたファブローが、本当に撮りたいものを撮るということで作られた作品です。

アウトローな人物が監督or出演したオススメ映画2選

映画監督が多数出演した映画『シン・ゴジラ』(2016年)

『ゴジラ』シリーズとしては実に12年ぶりに新作として、2016年に劇場公開された映画『シン・ゴジラ』。樋口真嗣&庵野秀明が監督を務めた本作は人物がアウトローというよりは、作品そのものや出演者自体が規格外のアウトローな作品です。 日本映画界の有名俳優が多数出演したことで話題となりましたが、映画監督たちもこぞって出演。 その監督たちとは、犬童一心、緒方明、塚本晋也、原一男、松尾スズキです。 樋口、庵野両監督に頼まれて出たなど出演理由は様々ですが、どこに何役で出演しているのか、探してみると面白いかも知れません。

ヤン・イクチュンの映画『息もできない』(2010年)

ラストはアジアから1本ご紹介します。 韓国の俳優ヤン・イクチュンが監督・主演した映画『息もできない』。本作はイクチュンの長編デビュー作でもあり、国内外で高く評価されました。 日本では第10回フィルメックス映画祭最優秀作品賞・監督賞受賞、2010年キネマ旬報ベスト・テン、外国映画第1位、海外でもロッテルダム国際映画祭、バルセロナ・アジア映画祭など4つの映画祭でグランプリを獲得。 圧倒的な暴力描写の中に垣間見える不器用にしか生きられないサンフン(ヤン・イクチュン)とヨニ(キム・コッピ)の短いけれど温かなぬくもりに、溢れる涙が止まらなくなる青春映画です。

映画とはジャンルを超えた芸術だ!

今回、ご紹介した以外にもお笑い業界からは、北野武の映画『HANA-BI』、品川ヒロシの映画『サンブンノイチ』、写真家では、蜷川実花の映画『ヘルタースケルター』など、様々な才能を持った人たちが様々な映画を作っています。 映画とは、ジャンルや規格にとらわれずに表現をし、それを観客が受け入れ楽しむ「芸術」です。観客である私たちも柔軟性を持って、新たな才能を発掘していきたいですね。