2018年7月12日更新

ゲイ5人組がダサ男を大改造!?Netflix『クィア・アイ』が面白い!

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エミー賞受賞の伝説のリアリティ番組『クィア・アイ』が生まれ変わって帰ってきた!

「クィア(Queer)」という言葉はもともと「奇妙な」「いかがわしい」という意味でした。しかし、近年では俳優のエズラ・ミラーが自分はクィアであると発言するなど、従来の異性愛や同性愛などの枠にとらわれない性的指向や、セクシャル・マイノリティの総称として肯定的に使われるようになっています。 2003年から2007年にかけて米Bravoで放送されたリアリティ番組『クィア・アイ』は、開始と同時に大人気を博し、エミー賞も受賞しました。 そんな伝説の番組が、Netflixオリジナルシリーズとして新たなメンバーを迎え、生まれ変わって帰ってきました!オリジナル版を知っている人も知らない人も、見れば明るく前向きな気持ちになれるこの番組の魅力をご紹介します。

『クィア・アイ』ってどんな番組?

『クィア・アイ』は、「ファブ 5」と呼ばれる各分野で活躍するゲイ男性5人が、容姿や生活に悩みを抱える男性を大変身させるリアリティ番組です。 依頼者は自分にとって大切なイベントの前に、数日かけてファブ 5からアドバイスを受けます。当日身だしなみを整え、服をコーディネートし、場合によっては料理を作り自宅でお客をもてなすのは依頼者本人。ファブ 5はその様子を「秘密基地」で見守ります。 ファブ 5の面々の個性や視聴者にも役立つアドバイスも人気ですが、その場だけでなく、依頼者が本当に変わったのがわかるのが魅力です。

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新生「ファブ 5」のメンバーをご紹介!初代との違いも

ファッション担当:タン・フランス

タン・フランスはファブ・ファイブのファッション担当。依頼者に似合う服を選び、コーディネートの仕方や、今後服を買うときに気をつけるポイントなどを教えます。 フランスはパキスタン系イギリス人で、若い頃からファッション業界で働いていました。ドンカスター大学でファッションの勉強をした後、2011年に自分のブランド「Kingdom & State」を設立。イギリスだけでなくアメリカにも展開し、デザイナーとして活躍しています。

グルーミング担当:ジョナサン・ヴァン・ネス

ジョナサン・ヴァン・ネスは、グルーミング(女性でいうところのヘアメイクやスキンケア)担当として依頼者の髪型やひげなどを整え、日頃のお手入れを指導します。 ヴァン・ネスは、2009年になんのツテもないままカリフォルニアに移り、ヘアサロンでの仕事を得ます。ヘアスタイリストとして活躍しながら、2013年にコメディウェブサイト『Funny or Die (原題)』で、人気テレビシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』をゲイの視点から見直すコーナー「Gay of Thrones (原題)」にコメンテーターとして出演し、注目を集めました。

インテリア担当:ボビー・バーク

依頼者の家はとても散らかっていたり、家具がボロボロだったりすることが多くあります。そんな部屋を改装するのが、インテリア担当のボビー・バークの役目。ときには依頼者とともに、DIYでなにかを作ったりもします。 テキサス出身のバークは、ニューヨークに引っ越した後からインテリアデザインの仕事を始め、大手チェーン店や、店舗やカタログで家具を販売する会社などに勤めていました。 その後、自らのインテリア会社を設立。さらに「ボビー・バーク・ホーム」というオンラインショップをローンチし、インテリアデザイナー/コーディネーターとして活躍しています。

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グルメ&ワイン担当:アントニ・ポロウスキ

グルメ&ワイン担当のアントニ・ポロウスキは、依頼者が家で誰かをもてなす際に簡単に作れる料理を教えます。また、健康的な食生活を送るためのアドバイスをすることも。 ポロウスキは、初代ファブ 5のグルメ担当だったテッド・アレンのパーソナルシェフを務めていました。また、俳優としても活動しており、テレビシリーズ『ブラックリスト』へのエキストラ出演の経験もあります。

カルチャー担当:カラモ・ブラウン

カラモ・ブラウンは、カルチャー担当として依頼者の生活がアクティブになるようアドバイスをします。また、依頼者と話をし自信をつけさせるなど、セラピストのような役割も担っています。 ブラウンは、面識のない男女数人がひとつ屋根の下で暮らす大ヒットリアリティ番組『The Real World(原題)』のフィラデルフィア版(2004)に、番組初のゲイを公表しているアフリカ系男性として出演しました。その後、複数のテレビ局で番組ホストを務めています。

初代「ファブ・ファイブ」との違いとは?時代とともに変化アリ

2代目ファブ・ファイブと初代の大きな違いは、人種が多様になったことです。 初代は、ラテン系のメンバーが1人いましたが、その他は全員白人でした。2代目はご紹介したとおり、パキスタン系やアフリカ系、ラテン系のメンバーがおり、その多様性が依頼者との相互理解を奥深いものにしています。 また、結婚しているメンバーが多いのも、10年前では考えられなかったことです。

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新しい『クィア・アイ』の見どころ

変身させるのは外見だけじゃない!

「初めて会った時、ブサイクは治せないとか言ってたわよね。でもどんな外見に生まれても、それに対してできることはほとんどなくても、できることはあるの。それは自信を持つことよ。自信はセクシーなの。自分が誰かっていうことを知っているのはセクシーなのよ。あなたはすごくいい人だし、いろんなものを与えられる。でも、そういうふうに見せなかったら誰も相手にしてくれないわ」

ファブ 5が改造するのは、依頼者のファッションや髪型、部屋の内装だけではありません。変身の過程で、ファブ 5の面々は依頼者のどこが魅力的かを伝え、それを活かすようなアドバイスをします。 外見が整えられることで、依頼者たちは自信を取り戻していきます。さらに、料理を学ぶことで自分にできることが増え、機能的でおしゃれな部屋に住むと、お客を呼ぶことに抵抗がなくなるので社交的に。 ファブ 5のアドバイスによって、依頼者は自信を持って新たな一歩を踏み出すことができるようになります。

セクシャルマイノリティと異性愛者がお互いに受け入れ合う

「私たちは人生に境界線を引きがちです。そして、自分のやり方が唯一の正しいやり方だと思っていますが、それは間違っているんです」

今回のリブート版のエピソードは、保守派が多い南部の州で撮影されています。トランプ支持の白人警官や敬虔なキリスト教徒など、一般的にセクシャル・マイノリティに偏見をもっていそうな依頼者たちが、ファブ 5とともに数日を過ごすのです。 自信を失い、人生の新たな一歩が踏み出せなくなった依頼者たちに、ファブ 5の面々は過去のつらい経験やそこから得たポジティブな考えを話し、お互いに似たような経験をしてきたのだと知っていきます。 ファブ 5と、セクシャル・マイノリティとは遠い存在のように思われていた依頼者が交流することで、お互いへの理解が深まっていくのが、今回のシリーズの見どころです。

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大人気の『クィア・アイ』にもちょっとした問題が?【メディアの中のLGBTs】

「ゲイ=おしゃれ」という偏見を助長する?

一番大事なルール「髪型は絶対崩さない」

『クィア・アイ』では、ファブ 5の面々が、依頼人のファッション、身だしなみ、食生活、インテリア、メンタルサポートをしていきます。彼らはおしゃれでセンスが良く、人とのコミュニケーションも得意です。 しかし、それは彼らが各分野のエキスパートだからであって、すべてのゲイ男性がおしゃれでセンスがよく、話が面白いわけではありません。実際、今回のシリーズにはゲイの依頼者も登場します。 こうした思い込みは、日本にもありますね。

注目されるのはゲイ男性ばかり?

「LGBT (レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)」というセクシャルマイノリティの総称は、もともと「GLBT」だったのをご存知でしょうか?今の並び順に改められたのは、男性優位の社会の中で、セクシャルマイノリティでさえ男性が前に出ることに疑問の声が上がったためです。 しかし現在でも、やはり存在感が大きいのはゲイ男性です。映画やドラマでも、ゲイのキャラクターが登場するのはもはや普通のことですが、それに比べて、異性愛者の社会のなかにごく自然な存在としてレズビアンのキャラクターが登場する作品はそれほど多くはありません。 欧米では、著名人や俳優で男女問わずセクシャルマイノリティであることを公言する人も増えています。今後、ゲイ男性以外のセクシャルマイノリティにもスポットが当たっていくといいですね。

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シーズン2は?スピンオフエピソードがNetflex公式サイトで公開中!

「配信開始から4日。もう全部のエピソードを見たなら…2回目も見て」

世界中で人気となっている『クィア・アイ』ですが、2018年3月現在、シーズン2の製作は正式には発表されていません。しかし人気や注目度から言って、シーズン2が製作されることはほぼ確実と思われます。 また、2代目のメンバーが全員シーズン2に出演するのかというのも、ファンの関心事のひとつ。こちらもやはり、メンバーそれぞれに人気がありますので、よっぽどのことがない限り全員出演するでしょう。 現在Netflixの公式サイトでは、スピンオフとして、Netflixの社員を改造するエピソードが公開されています。こちらは視聴契約をしていなくても見ることができますので、ぜひチェックしてみてください!

おまけ【オリジナル・シリーズのファン必見!】

左からトム(初代インテリア担当)、カラモ、ジョナサン、カイアン(初代グルーミング担当)、アントニ、カーソン(初代ファッション担当)、タン、ジェイ(初代カルチャー担当)、ボビー。

初代ファブ 5と新生ファブ 5が集まった時の様子が、米NetflixのYouTube公式チャンネルにアップされています。日本語字幕はありませんが、初代メンバーの現在の様子を見ることができますので、オリジナル版のファンは必見です。 この会話のなかで、ボビーは勤務していたインテリアショップでオリジナル版の『クィア・アイ』が撮影されたときのことを話しています。残業して準備をした彼は、上司が勝手に入力した勤務時間を修正し、クビになったとか。

また、カーソンは飛行機のなかで若い客室乗務員から『クィア・アイ』を家族と一緒に見て、カミングアウトすることができました、というメッセージが書かれたナプキンをもらったことがあるそうです。オリジナル版は、社会に大きな影響を与えました。 オリジナル版組が放送され始めた当時は、セクシャル・マイノリティの子供たちにとってお手本にできるような人物がいませんでした。そんななか、テレビのなかで活躍するファブ 5の姿は自然で、それまでの“ゲイらしい”ものではなかったことが、若い世代に希望を与えました。同時に、セクシャル・マイノリティの社会的認知度を高めることにもなったのです。 新生ファブ 5は人種も宗教も多様になり、さらにセクシャル・マイノリティとそれ以外の人々が受け入れ合うための助けになるのではないでしょうか。