2018年4月27日更新

日本映画を牽引する、1990年代生まれの監督10人

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全員死刑
(C)2017「全員死刑」製作委員会

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これからの映画業界の担い手!注目の90年代生まれの監督

映画界で注目を集める、90年代生まれで2018年現在20代の若手監督たち。若者ならではの熱い感性や大胆な描写で観るものを惹きつける作品が多く、これからの映画界を牽引していくであろう存在感に満ちています。 国内だけにとどまらず国際的な映画祭に出品され、受賞もしている名作が若手監督により数多く生み出されました。それらの作品では、これから活躍が期待される俳優たちが瑞々しい演技も見どころのひとつです。 ぜひ作品に触れておきたい、注目の90年代生まれの監督10人をご紹介します。

切ない青春の日々を切り取る、中村祐太郎監督

第29回東京国際映画祭に出品された『太陽を掴め』の中村祐太郎監督は、1990年生まれ。2015年の東京学生映画祭にて、卒業制作作品である『雲の屑』がグランプリに輝き、一躍注目を集めました。 『ぽんぽん』や『あんこまん』など、監督作品で数々の受賞歴があり、自身が俳優として出演もこなしました。 代表作『太陽を掴め』では、ミュージシャンとして活動しながらも日々葛藤を抱えているヤットとその友人のタクマやユミカの青春の日々がモチーフ。 夢を追い求めて必死になっているはずなのに、さまざまな葛藤や迷いが生じ道を見失ってしまう、熱く切ない青春ストーリーを若手監督ならではの視点で描ききっています。

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スピード感あふれる映像!小林勇貴監督

1990年生まれの小林勇貴監督は、2017年に間宮祥太郎を主演に迎え、劇場公開映画『全員死刑』の監督を務め注目を集めました。 映画『全員死刑』は、2004年に起こった大牟田4人殺害事件をベースに描かれています。家族全員で犯す強盗殺人事件という最悪のシナリオが展開していく今作ですが、小林監督の手にかかれば、暴力的で凄惨な描写の中にもどこかコミカルな色が感じられる作品に仕上がっています。

高橋一生主演作も!多数の作品を手掛ける二宮健監督

二宮健監督は、若手でありながらこれまで手掛けた作品はすでに数十にも及びます。2014年に監督を務めた『眠れる美女の限界』を自らリメイクした『リミット・オブ・スリーピング・ビューティー』が、2017年に公開されています。 2014年には、『大童貞の大冒険』が公開され、翌年の2015年には大阪芸術大学の卒業制作でもあった『SLUM-POLIS』が公開れました。 『リミット・オブ・スリーピング・ビューティー』では、人気実力派俳優の高橋一生を主演に迎え、売れない女優が直面する問題を幻想的で不思議な映像で描いています。 二宮監督が初めて手掛けた商業映画がこちら。これまでの二宮ワールドを大切にしながらも、多くの人の心に訴えかける作品です。

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女性ならではの感性が光る!酒井麻衣監督

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に監督作品が多数招待されている酒井麻衣監督は、1991年生まれ。 2012年に『棒つきキャンディー』で初めてメガホンを取り、2016年の『いいにおいのする映画』で数々の受賞を果たします。2017年には、『はらはらなのか。』で商業映画監督としてデビューしました。 SKE48、乃木坂46の松井玲奈が出演したことでも注目を集めた『はらはらなのか。』は、2017年公開。子役として活躍してきた経歴を持っているのに、伸び悩んでいるナノカは、女優として花開くために日々奮闘中。ある日、ナノカの母が生前出演していた舞台の再演が持ち上がり……。 夢や目標に向かって奮闘する若者の毎日を独特の視点で描く酒井監督作品。忘れかけていたあの頃の日々を取り戻したい人には、いちばんおすすめの映画です。

バンドのフロントマンであり俳優でもある渡辺大知監督

バンド「黒猫チェルシー」のボーカリストであり、自身が俳優としても活動している渡辺大知監督は、2014年の『モーターズ』の監督・脚本を担当しました。渡辺監督は、2009年に映画『色即ぜねれいしょん』で主役に抜擢され、その後も数々の話題作に出演してきました。 渡辺大知の初監督作品『モーターズ』は、冴えない中年男性・田中が主人公。車を整備する仕事をしていますが、ぱっとしない毎日を送っています。ある日、仲間のタケオがバンド活動を理由に仕事を辞めたいと言い出しました。田中は田中で、客のミキと親しくなり、恋心を抱いてしまうのでした。 自身を投影させたかのように、渡辺監督作品には音楽がさりげなく絡み、そんな中で登場人物たちの日常は緩やかに展開していきます。音楽ファン、映画ファン、どちらの胸も熱くさせるような作品となっています。

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不思議な世界を繊細な映像で表現!甫木元空監督

2018年現在26歳の若手監督・甫木元空は、長編映画『はるねこ』で注目を集めました。青山真治監督がプロデューサーを務めた今作では、甫木元監督ならではの幻想的な映像美の中に不思議で奇妙な世界観が展開されます。 大学の卒業制作で手掛けた『終わりのない歌』が東京学生映画祭で準グランプリを獲得した甫木元監督。2013年の『集まった人たち』や2014年の『恋の渦』では助監督を務めました。 『はるねこ』では、森を舞台に家族の奇妙な交流が描かれます。店長は、客が来ない日に森へと入っていき、ばぁも父も姉も家族がその跡へと続きます。森の中でギターをチューニングし続ける店長。それだけが森で自分を保つために必要な行為だったのでした。

弱冠20歳!期待の新鋭松本花奈監督

自身が女優も務める松本花奈は、2018年現在20歳という驚きの超若手監督です。幼いころから子役として活動してきた松本花奈は、高校時代に初監督作品を手がけ、2015年にゆうばり国際ファンタスティック映画祭に出品されるという快挙を成し遂げています。 2017年に劇場公開された、松本花奈の初監督作品『脱脱脱脱17(ダダダダセブンティーン)』。17年間高校生活を続けているノブオはもう34歳。同級生たちからも気味悪がられていますが、ノブオは応援団員であり、毎日張り切って屋上で応援歌を練習しています。 34歳の高校生が主人公という異色の青春ストーリーを、松本監督ならではの繊細な映像で時にコミカルに時に切なく描いてる作品です。 2017年には企画映画『東映 presents HKT48×48人の映画監督たち』で、田中美久主演の短編の監督も務めました。

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世界で絶賛!不器用な人たちをていねいに描く中川龍太郎監督

太賀主演の劇場公開映画『走れ、絶望に追いつかれない速さで』で監督を務めた中川龍太郎。彼が初めてメガホンを取ったのは2012年の『Calling』でした。自主制作作品ながらも映画祭で受賞をし、その後も監督作品が数々の映画祭に入賞するなど世界的な注目を集めます。 2017年には、モスクワ国際映画祭で、監督作品『四月の永い夢』が国際映画批評家連盟賞を受賞しました。 『走れ、絶望に追いつかない速さで』は、中川監督の自伝的要素がある作品とも言われています。 親友・薫の死を受け入れられないまま過ごす主人公の漣(太賀)。薫が遺した絵には、中学生時代の同級生・環奈の姿が描かれていました。漣は、環奈に薫の死を伝えるため彼女に会うことを決心するのです。

インディーズムービーの期待の星!仲村颯悟監督

2018年現在、22歳の仲村颯悟監督。注目を集めるきっかけとなった作品『人魚に会える日。』を手掛けた時は、大学在学中だったというのだから驚きです。仲村監督は、中学生の時に『やぎの冒険』の監督・脚本も務めています。 『人魚に会える日。』は、沖縄戦が終わった6月23日をテーマに描かれています。沖縄出身の仲村監督でしか表現することのできなかった世界を堪能することができる作品です。 沖縄にある基地の辺野座では、奇妙な言い伝えがありました。自然を壊す時には、若い女性の生贄が必要だというものです。辺野座にジュゴンの取材にやって来た良太と剛志は、住民たちからその儀式について聞かされ、その日から良太たちの周りでは奇妙な出来事が起こるようになったのです。

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新作続々公開!竹内里紗監督

大学時代の卒業制作である『みちていく』で高く評価された竹内里紗監督。2018年には『みつこと宇宙こぶ』が公開される彼女の原型が見れる今作は必見です。 繊細で切ない中に独特の世界観が展開される竹内ワールド。90年代生まれの若手監督ならではの鋭い感性が光ります。 二人の女子高生を中心に描かれる『みちていく』。年上の恋人がいるみちるは、陸上部のエースながら、満たされない毎日を送っています。恋人に身体を噛んでもらうことによって何とか心の隙間を埋めています。 一方、陸上部の部長の新田は真面目過ぎる性格で空回りし、みちると同じように虚無感を抱えていました。 竹内里紗監督の作品では、思春期の女性だけが持つ切なさと空虚感が繊細で美しい映像で見事に表現されています。

新しい感性に圧倒される、90年代生まれの監督作品

熱い青春ストーリーや切ない友情物語、バイオレンスな日々を描いた問題作など、若者ならではの瑞々しい表現が魅力の若手監督作品。登場人物がユニークだったり、ストーリーが思わぬ展開を見せたりといった新しい感性にきっと刺激を受けることでしょう。 続々と登場する、この下の世代の若手若手監督にも注目ですね!