アニメ映画『犬ヶ島』にまつわるトリビア12選

2018年5月18日更新

公開日が近づくにつれて期待が高まる、ストップモーション映画『犬ヶ島』。今回はそんな『犬ヶ島』についてトリビアをご紹介していきます!

『犬ヶ島』をもっと楽しめるトリビア【一部ネタバレ注意】

ストップモーション・アニメ作品で知られるウェス・アンダーソン監督の新作『犬ヶ島』。本作品は近未来の日本に「ドッグ病」が蔓延したせいで全ての犬がゴミ捨て島へと隔離されてしまうなか、少年アタリが愛犬を探しにゴミ捨て島へと飛び立つストーリーです。 全米では2018年3月に先駆けて公開となり、その評価の高さから日本での公開が待ちきれない!と期待が高まっている本作品。ここでは公開が2018年5月25日と迫っている『犬ヶ島』がもっと楽しめるトリビア12選をご紹介します。 いちばん最後の12個目にはストーリーにかかわるネタバレがありますので、読み進める際はどうかご注意を!

1.これって運命?偶然?戌年に公開の『犬ヶ島』

犬が島
(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

2014年から製作を開始し、なんと4年の年月を経てやっと公開となった、わんこたちが主役の『犬ヶ島』。偶然にも、古代中国から伝わる干支における「戌年」に公開となりました。 この干支という考え方は欧米では普及しておらず、そのため公開年が「戌年」にあたるということが明らかになった際「さすがウェス・アンダーソンだ!」とファンが大興奮したんだとか。

2.予告編に使われている音楽はこれ!

『犬ヶ島』予告編で流れる、軽快なリズムが印象的な曲。こちらはロシアのセルゲイ・プロコフィエフが1933年頃に発表した交響組曲「キージェ中尉」からの1曲、「トロイカ」を使用しています。

透き通るどこか切ない歌声が印象的な曲は、1966年に「The West Coast Pop Art Experimental Band」というロックバンドが発表した「I Won't Hurt You(原題)」。 「あなたを傷つけたりしないよ(I won't hurt you)」と繰り返されるリリックが頭に残る名曲です。はじめて聴くと『犬ヶ島』に出演しているRADWIMPSの野田洋次郎の声かと思ったのは、きっと筆者だけではないはず……。

3.あの世界的な日本人監督の影響を大きく受けている

『犬ヶ島』製作の原点となったひとつめは、ウェス・アンダーソン監督が幼いときに観ていたクリスマスアニメ。『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』が代表作のRankin/Bass Productionsによる作品が、ストップモーションの影響として挙げられていました。 そしてもうひとつの大きな影響は、日本映画界を代表する「世界のクロサワ」こと黒澤明だとアンダーソン監督は述べています。『犬ヶ島』は貧民街を描いた『どですかでん』を連想させるようなゴミ捨て島が舞台だったり、わんこが立ち並ぶ姿に『七人の侍』を連想させるようなシーンがあったりするため、ぜひ注目してみてください。

4.スカーレット・ヨハンソンとビル・マーレイの共演はこれで三度目

ティルダ・スウィントンをはじめとしたオスカー受賞者が4名、そして過去オスカーにノミネートされた俳優が7名も出演するとても豪華なキャストを従えた『犬ヶ島』。 この豪華な出演者のなかでも、本作で「ナツメグ」を担当するスカーレット・ヨハンソンと「ボス」を担当するビル・マーレイの共演はこれで三作目なんです。2004年公開の『ロスト・イン・トランスレーション』と2016年のディズニー映画『ジャングル・ブック』で共演が見れます。

5.メインのわんこ5匹の名前は色んな「リーダー」を意味する

犬ヶ島
(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

『犬ヶ島』で大活躍するメインの5匹のわんこたち。彼ら全員がいろいろな「リーダー」という意味の名前を持つという共通点があるんです。 ブライアン・クランストンの「チーフ」は組織の長官、エドワード・ノートンの「レックス」はイギリスで王を意味する称号を意味し、そしてボブ・バラバンの「キング」は国を治める王様。 ジェフ・ゴールドブラムが担当する「デューク」は直訳で公爵を意味しますし、ビル・マーレイの「ボス」はご存知の通り親分。『犬ヶ島』では全員がリーダーの、とても頼もしいわんこたちが大活躍します。

6.撮影のために製作されたパペットの数とこだわりがすごい!

『犬ヶ島』はストップモーション・アニメ作品のため、各シーンで使うパペットは表情や状況にあわせてきめ細かく作る必要があります。そのため撮影には様々な人物やわんこたちのパペットが作られ、その数は想像を超える数に。 気になるパペットの数ですが、製作されたパペットの合計数は……なんと「1097体」!この数のパペットを作るアーティストは70人以上が関わり、人物とわんこのパペットの割合はちょうど半分ずつくらいだったそうです。 主人公の少年・アタリのパペットの髪はすべて手で植えられており、パペット1体につき2日丸々かかりました。特に表情を表すのに大切な眉毛の部分は、ピンセットを用いて一本一本ていねいに埋め込んだそうです。

7.こだわり抜かれたデザインと最高級の素材を使用したわんこたち

『犬ヶ島』の予告編を見ると、なんといっても登場するわんこたちのサラサラヘアーが印象的ですよね。わんこの毛にはアルパカウールと、最高級の羊からしか採れないメリノウールを使用しているそうです。 また各わんこのデザインにもこだわりがあり、そのなかでも最も時間を費やしたのはスカーレット・ヨハンソンが声を担当した美犬「ナツメグ」。美しいオレンジ系のナツメグの毛色は、ウェス・アンダーソン監督がたまたま通りがかったグッチの店舗からインスパイアされたそう。 他の犬パペットには平均16週間ほどで完成したのに対し、ナツメグだけは納得のいくものが完成するまでになんと30週以上もかかったそうです。

8.バランスを突き詰めた犬種のチョイス

ティルダ姐さんことティルダ・スウィントンが担当する、聡明で小柄な「オラクル」。大きなセントバーナード犬の「ジュピター」の隣にちょこんと座っていて、とても可愛いキャラクターです。 毎日テレビをチェックし、迫りくる危機を察知するオラクルはおおきな目をもつパグ犬をモデルにデザインされました。もともとはクリーム色に近い毛だったのですが、ジュピターの暗い毛とバランスをとるためにシルバーホワイトに変更されたそうです。 一方、ジュピターは老いていながらも堂々とした威厳を持つキャラクターにするために、セントバーナード犬が選ばれました。そして部分的にグレーのヘアーを与え、片目をガラス調にすることでより目立つようにしています。

9.わんこの色盲を忠実に再現する監督のこだわり

犬が島
(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

『犬ヶ島』を鑑賞するときにぜひ注目していただきたいのは、犬本来の特徴である一部の「色盲」を忠実に再現しているところ。わんこ視点で描かれているシーンすべてに、赤と緑の2色が一切使われていません。 人間の視点でのシーンとしっかり区別をつけるという細かな部分に、ウェス・アンダーソン監督の『犬ヶ島』へのこだわりが強く表れています。

10.ウェス・アンダーソン監督作品では初の未来が舞台

いままで数々の作品を作り上げてきたウェス・アンダーソン監督。彼の作品は過去や現代を舞台にしたものがほとんどでしたが、今回の『犬ヶ島』が初の未来を舞台にした作品となりました。 たとえばブルース・ウィルスが主演をつとめた『ムーンライズ・キングダム』は1960年代でしたし、2014年に公開された『グランド・ブダペスト・ホテル』では1932年・1968年・1985年の3つが時間軸とされていました。古き良き時代に対するノスタルジーが作品美学の根底にあると思われていたウェスが、初めて描いた未来が、一体どのようなものなのか。その答えは、劇場でご確認ください!

11.『犬ヶ島』英語タイトルに隠された意味

犬ヶ島 望月ミネタロウ
(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

『犬ヶ島』の英語版タイトルは「Isle of Dogs」となっており、そのまま犬の島という意味のタイトル。、発音は「アイル・オブ・ドッグス」で、これを流れるように素早く言うと"アイラブドッグス(I LOVE DOGS)"と聞こえるという言葉遊びが含まれています。 さらに、これにはウェス・アンダーソン監督による犬への謝罪の意味も込められています。監督の過去の作品『ムーンライズ・キングダム』ではスヌーピーと名付けられたワイアー・フォックス・テリア犬が、矢で撃たれ死んでしまう衝撃のシーンがあります。

ウェス・アンダーソン 犬ヶ島
(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

さらに『犬ヶ島』と同じくストップモーション・アニメで製作された『ファンタスティック Mr.FOX』では、狐の主人公たちがビーグル犬に毒を与えてやっつけるシーンがありました。 他にも犬が不運な運命をたどってしまう作品があるため、巷では"ウェス・アンダーソンは犬嫌いに違いない!"との批判が集まりバッシングを受けたこともありました。そんな世間の声を覆すべく、今回の『犬ヶ島』にはわんこへの愛情がたっぷり注がれているんですね。