字幕版より面白い!?吹き替えが最高な映画&テレビドラマを大特集!

2018年5月15日更新

「海外の映画やドラマは字幕で観るもの」――なんて考えはもう古い?近年は認知度も充実度も高まっている日本語吹き替え版。ここでは、そんな吹き替え版も注目して欲しい映画&テレビドラマをチョイス。

注目必至!の吹き替え版映画&テレビドラマ集

「海外の映画やドラマは字幕で観るもの」――こうした意見は昔からありますが、一方で声優ファンの増加といった背景もあり、近年では日本語吹き替え版への関心も高まっています。 クリント・イーストウッドなら山田康雄、ジャッキー・チェンなら石丸博也、トム・クルーズなら森川智之といったように、特定俳優の声を担当する声優(フィックス)が存在することでも重要なコンテンツとなっている日本語吹き替え版。今回は、その中から「ぜひ吹き替え版も見て欲しい」と厳選した映画とテレビドラマをピックアップしました。

『アニー・ホール』

スタンダップコメディアンのバツ2男性アルビーは、歌手志望の女性アニー・ホールと出会い恋に落ち、すぐに同棲を始めます。アルビーによって次第に洗練されていくアニーでしたが、それによって2人の関係に変化が生じ……。 アルビー役のウディ・アレンが監督・脚本を兼任した、アカデミー作品賞を含む計4部門受賞のラブコメディ。製作前にアレンとアニー役のダイアン・キートンは実生活でも交際しており、本作ではその体験を反映させたと言われています。 吹き替えでは、終始早口で喋るアルビーを羽佐間道夫が見事にこなしており、アニー役の小原乃梨子との絶妙なやり取りが聴けます。また、日本語字幕と吹き替えの訳が大きく異なっている点にも注目です。

「Mr.BOO!」シリーズ

ブルース・リー亡き後の1970年代の香港映画を支えた、コメディ俳優のマイケル、リッキー、サミュエルのホイ三兄弟。彼ら出演の映画は、日本では「Mr.BOO!」シリーズというくくりで公開されました。 シリーズのテレビ放映の際には、マイケル・ホイの声を担当した広川太一郎中心のもと、元にないアドリブ台詞を盛り込んだ吹き替えを行っています。広川はロジャー・ムーアやトニー・カーティスといった渋い二枚目俳優のフィックスを担当する一方で、テレビバラエティ「モンティ・パイソン」シリーズなどでの軽妙演技にも定評がある人物です。 数ある「Mr.BOO!」シリーズの中でも、広川のアドリブ吹き替えとビートたけし&きよしのツービートのヘタウマ吹き替えが合わさった第一作『Mr.BOO! ミスター・ブー』は、日本語の妙が味わえる出来となっています。

『ターミネーター』

高性能コンピューター「スカイネット」によって支配された未来世界から、殺人ロボット・ターミネーターが現代に送られてきます。彼の目的は、未来で反乱軍のリーダーとなるジョン・コナーの母となるサラの殺害。時を同じく未来から送られた反乱軍メンバーのカイル・リースも、サラの行方を追います。 ターミネーター役のアーノルド・シュワルツェネッガーの出世作となった本作。シュワルツェネッガーのフィックスとしては玄田哲章が知られますが、20世紀フォックスの「吹替の帝王」シリーズでリリースされた本作DVDには、玄田より前に吹き替えを務めた大友龍三郎バージョンも収録。冷酷で不気味さに拍車がかかったターミネーターが堪能できます。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

友人の科学者ドク・ブラウンが開発したタイムマシーンで、過去や未来にタイムスリップしてしまう高校生マーティの騒動を3部作で描いた大ヒットSF映画。知名度も高い本作には、数種類の吹き替え版があります。 1,DVD(VHS)ソフト版(山寺宏一がマーティ役のマイケル・J・フォックスを担当) 2,テレビ朝日「日曜洋画劇場」版(三ツ矢雄二がマーティ役を担当。テレビ初放映された際のバージョンでもあり、映画ファンの間で最もなじみ深いとされる) 3,フジテレビ「ゴールデン洋画劇場」版(織田裕二がマーティ役、三宅裕司がドク役を担当した別称「Wユウジ」版。その拙い吹き替えが伝説に……) 4,BSジャパン「シネマクラッシュ金曜名画座」版(テレビドラマ『ファミリー・タイズ』などでマイケルの吹き替えを務めた宮川一朗太がマーティ役を、VHS版でマーティ役を務めた山寺宏一がドク役を担当) このうち、DVDなどで視聴できるのは1と2ですが、声はもちろん、セリフ回しもバージョンによって違いがあるため、比較する意味でも3と4のソフト化に期待したいものです。

『ビートルジュース』

アダムとバーバラ夫婦は、自分たちが死者であるのに気付かない地縛霊になって屋敷に住み続けていました。しかしある日、その家を空家だと認識し、オカルト好きな少女リディアら人間一家が越してくることに。アダムたちは人間を追い出そうと、ゴーストのビートルジュースを呼び出しますが……。 ティム・バートン監督の出世作となる本作の日本語吹き替えは、ビートルジュース役を芸人の西川のりおが、バーバラ役をあべ静江が担当しています。女優であるあべ静江はまだしも、とにかく喋りまくる西川の吹き替えはヘタウマを通り越した勢いがあり、ある意味ビートルジュースというキャラクター作りに活かされているといえます。

『チャイルド・プレイ/チャッキーの種』

『ビートルジュース』に続き、もう一つお笑い芸人の吹き替え起用がハマった実写映画を。 殺人鬼の魂が宿った人形チャッキーが人を襲うホラー映画「チャイルド・プレイ」シリーズ。2017年には7作目『チャッキーの狂気病棟』も作られた長編シリーズですが、そのうちの5作目『チャッキーの種』の吹き替えでは、チャッキーの声を落語家の月亭方正(元・山崎邦正)が担当しています。 このキャスティングは、方正の持ちネタにチャッキーのモノマネがあったことで実現したもの。持ちネタにしているだけあってか、“普通に”チャッキーを演じています。他のシリーズでチャッキーを吹き替えている納谷六朗と比べても、なかなかの出来といえます。

『ナッティ・プロフェッサー/クランプ教授の場合』

何度もダイエットに失敗していた超肥満体のクランプ教授は、新たに赴任してきた美人教授カーラのハートを射止めようと、ついつい開発中の体脂肪を落とすやせ薬を使ってしまいます。ところが、薬の副作用からとんでもない事態を招くことに……。 クランプ教授役のエディ・マーフィが、VFXを駆使した特殊メイクで1人7役を演じるコメディ。続編『ナッティ・プロフェッサー2 クランプ家の面々』も製作されるヒットとなりました。 吹き替え版は、クランプ役の江原正士による7人の人格の演じ分けがとにかく冴えわたっています。また、エディのフィックスである山寺宏一が吹き替えたテレビ放映版(DVD未収録)もあり、こちらも彼の芸達者ぶりが堪能できます。

『トイ・ストーリー』

オモチャ大好きな男の子アンディの部屋では、彼がいなくなると、カウボーイ人形のウッディを中心としたオモチャたちだけの楽しい時間を過ごしていました。しかし、アンディの誕生日に最新オモチャのバズ・ライトイヤーがやってきたことで、騒動が始まります。 ディズニー/ピクサー製作による長編CGアニメ映画で、本作の大ヒットでピクサーブランドが確立します。アメリカ本国では、ウッディの声をトム・ハンクス、バズ役をティム・アレンというスターが担当。日本でもウッディ役に唐沢寿明、バズ役に所ジョージが起用され、ここから芸能人・タレントの吹き替えが定着しました。 ただ、唐沢たちの演技が評価された一方で、当初公開予定だったウッディ=山寺宏一、バズ=玄田哲章の吹き替え版がお蔵入りすることに……。後に山寺は、この時の屈辱が自身の声優・タレントとしてのステータスを高めるきっかけとなったと語っています。

『モンスターズ・インク』

モンスター・シティの動力源となる子どもの悲鳴を集めるモンスターズ会社。そのエリートモンスターのサリーとマイクはある日、誤ってシティ内に人間の女の子ブーを連れてきてしまいます。人間をシティ内に入れるのはタブーとされるため、2匹はブーを元の家に帰そうとしますが……。 ディズニー/ピクサーによる長編CGアニメ映画大ヒット作。積極的に芸能人・タレントを吹き替えに起用するディズニー作品の中でも、サリー役の石塚英彦(ホンジャマカ)とマイク役の田中裕二(爆笑問題)による本作の吹き替えは、当人たちのキャラクターともマッチしており好評を博しました。 とかく非難の的になりがちな芸能人・タレント吹き替えですが、実写よりアニメ作品の方がハマリ度が高い事を証明する一本なのは間違いないでしょう。

『シンプソンズ』

大黒柱のホーマーを筆頭としたシンプソン一家が起こす日々の騒動をコミカルに描いた、25年以上にも渡り放送されているテレビアニメシリーズ。日本でもFOXチャンネルで放送され、根強いファンがいます。 ドジだけど温かいホーマー役を大平透(ハクション大魔王、ダース・ベイダーなど)、常識人ながら色々問題を抱える妻マージ役を一城みゆ希(『名探偵コナン』のジョディ・スターリングなど)といった大御所声優による吹き替え版も、長く親しまれました。しかし2016年に大平が亡くなり、新規の吹き替え版製作が実質不可能となったのが残念なところ。 2007年には映画版『ザ・シンプソンズ Movie』も製作。ところが日本公開の際、吹き替えに所ジョージや和田アキ子といったタレントを起用したことで、ファンから猛反発を食らう事態に。ソフト化においては、無事に従来キャストによる吹き替えが収録されています。

『シャーロック・ホームズ』

ロンドンのベーカー街に住む探偵シャーロック・ホームズと相棒のワトソンが難事件に挑む、言わずと知れたコナン・ドイル原作の推理小説を、監督ガイ・リッチー&主演ロバート・ダウニー・Jrで映画化。2020年公開予定のシリーズ第3作の製作も発表されています。 ダウニー・Jrのフィックスとなった藤原啓治と、ジュード・ロウ演じるワトソンを森川智之が担当した吹き替え版は、軽妙な会話のやり取りでテンポよく見せています。また、ミステリアスな役を多くこなす大塚芳忠がホームズを吹き替えたテレビ放映版(DVD未収録)も、ホームズの冷静沈着ぶりを良く表した出来となっています。