『バケモノの子』チコの正体を徹底解説!母親の転生後の姿?
細田守監督のアニメ映画『バケモノの子』で主人公・九太の相棒として登場するのが、白くて小さい不思議な生き物・チコ。 その愛くるしさから作中でも大人気のキャラクターですが、公式でチコに関する説明はほとんどなく、チコの存在や正体については多くが謎に包まれています。 この記事では『バケモノの子』のチコのキャラクター情報や声優、活躍場面を紹介!さらに「チコの正体が母親説」に関して詳しく考察していきます。 ※この記事は『バケモノの子』(2015)のネタバレを含みます。
いつも九太と一緒にいる不思議な生き物、チコ

チコは白いネズミのような姿をした生き物で、ホームレス状態だった九太と渋谷の路地裏で出会いました。劇中では九太のことを常にそばで見守っており、チコの存在は九太にとって楓と同様に大きな心の支えになっています。 物語の後半では、闇に呑まれて一郎彦を殺めそうになった九太を必死に引き止めようとし、九太はチコの行動や楓の御守りを目にしたことで、なんとか自分を抑えることができました。 細田守監督は発表記者会見において「今作はアクション映画なので、どこかほっとできるようなパートナーが必要だと思った」とコメント、主人公の頼れる相棒としてチコを登場させたことを明かしています。
実は九太の母だった?その存在や正体についてネタバレ考察

チコは劇中で九太以外と関わる描写がほとんどなく、例外である楓を除いて、まるで九太にしか認識できないような存在として描かれています。また、チコは最初の出会いから8年後の世界でも元気に生きており、見た目や鳴き声が全く変化していないことから普通の小動物でないことは明らかです。 チコの正体で最も有力とされるのが九太の母という説です。劇中ではチコが跳ねたりした後に九太に母親の声が聞こえてくるシーンが複数回あり、チコは交通事故で亡くなった九太の母が生まれ変わった存在で、九太の心の中にいるため他の人からは見えないのではないかと考察されています。 ここからは「チコが母親である」という根拠になる「チコの登場と母親の声が重なる」「チコの笑顔は母親にそっくり」「原作小説にもヒントがあった」という3点を振り返りましょう。
チコの登場と母親の声が重なる

九太が渋天街にやってきて、熊徹の家で過ごす初めての晩。母親が「連の好きなハム入りオムレツ作ったよ。冷めないうちに食べよ」という声が聞こえます。涙を流す九太に、チコがそっと寄り添いました。 また、修行に行き詰まった際に、母親の声で「なりきる。なったつもりで」の声が聞こえた後、九太がチコに「今のお前?」と聞く描写も登場しています。
チコの笑顔は母親にそっくり!
ラストシーンでは、九太が勉強するそばで、チコが母親の写真の前でひまわりの種を食べています。「良かったね、蓮」という母親の声とともにチコがニコッと笑う姿は、写真の母親の笑顔とそっくりでした。
原作小説にもヒントがあった?
原作小説のラストでも、チコが母親であることを示すヒントがありました。 多々良の語りで「亡くなった九太のお母さんだって、きっと遠くで見守っていることだろう」という言葉の後、チコが「キュッ!」と鳴き声を上げます。 そして、多々良は続けて「いや、案外、すぐそばで見守っているのかもしれないな…」と締めているのです。
声優は諸星すみれ

チコ役を演じる諸星すみれは、3歳の時に『千と千尋の神隠し』(2001)の湯婆婆に憧れてひまわり劇団に入団しました。 声優業を中心にドラマや舞台などでも活動しており、『リロ&スティッチ』(2007)や『トイ・ストーリー3』(2010)、『シュガー・ラッシュ』(2012)など数々のディズニー作品の吹き替えも担当しています。 幼い声質と非常に高い演技力の持ち主で、2009年、9歳の時に『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』でニーナ役を演じた際には、あまりの演技力の高さに他の声優陣が「負けていられない」と奮起させられたというエピソードが残っています。 諸星は2009年の『サマーウォーズ』にも陣内真緒役で出演しており、細田守監督の作品に出演するのは、本作が2作目となります。
映画『バケモノの子』はチコに注目!

『バケモノの子』のマスコット的存在のチコ。 劇中でチコが登場する際には、母親の姿や声とセットで登場することが多く、また小説のラストでも示唆されているため「チコが母親の転生」と考えて間違いないでしょう。かわいい見た目のうらには意外な設定やメッセージが隠されていたようです。 チコの設定やキャラクターに込められた思いを知った上で、もう一度『バケモノの子』を鑑賞してみてはいかがでしょうか。



