2018年10月12日更新

【レビュー付き】北欧ホラーの新たな傑作が誕生!映画『テルマ』とは?

(C)PaalAudestad/Motlys

2017年、世界各国の映画賞で話題となったノルウェー映画『テルマ』は、少女の覚醒と葛藤を描いた作品です。鬼才の遺伝子を受け継ぐ監督が生み出した、新感覚のホラー映画とは!?

新たな北欧ホラーの傑作『テルマ』をご紹介!

2017年に制作されたノルウェー映画『テルマ』は、新たな北欧ホラーの傑作として高い評価を受け、世界各国の映画祭で数々の賞を受賞しました。 ハリウッドとは一味違った魅力で多くのファンを獲得している北欧映画の中でも、異彩を放つホラー映画『テルマ』。 そんな話題作が、2018年10月ついに日本で公開されます。 本作が描く、美しくも恐ろしい少女の覚醒と葛藤に観客は魅了され、頭から離れない作品となるでしょう。 世界に衝撃を与えたスーパーナチュラル・ホラー『テルマ』のあらすじやキャスト、監督などの基本情報やレビューをご紹介します。

世界が固唾を飲んだ『テルマ』のあらすじ

テルマ
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ノルウェーの田舎町から進学のため親元を離れ、オスロで暮らし始めた少女テルマ。友達をつくるのに苦労する彼女に、過干渉気味の両親は毎日電話をしてきます。 あるときテルマは原因不明の発作に襲われ、それ以降、発作が起きるたびに彼女の周囲で不可解な出来事が起こるようになりました。 同時に、テルマは同級生のアンニャに惹かれ、初めて恋を知ります。しかし信心深い家庭で育った彼女は、自分のなかに芽生えた感情に罪悪感を抱くように。 発作の原因を調べるうち、テルマは自分には幼い頃の記憶がないことに気がつき、自分自身の「恐ろしい力」と、家族の秘密に迫っていくのでした。

期待の若手とベテラン名優が共演

テルマ役:エイリ・ハーボー

テルマ
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テルマを演じたエイリ・ハーボーは子役としてキャリアをスタートさせ、テレビドラマへの出演や歌手活動でも知られています。 2012年に『Kompani Orheim (原題)』で映画デビューを果たし、翌2013年の『Kyss meg for faen i helvete (原題)』では、初主演を務めました。 その後も順調にキャリアを積み、本作でノルウェーのアカデミー賞であるアマンダ賞にノミネート。2018年のベルリン国際映画祭ではシューティングスター賞を受賞し、ヨーロッパでもっとも注目される若手女優の仲間入りを果たしています。

アンニャ役:カヤ・ウィルキンス

テルマの初恋の相手であるアンニャを演じたカヤ・ウィルキンスは、オケイ・カヤの名義でミュージシャン、モデルとして活躍しています。 アメリカ・ニュージャージー州で生まれ、オスロで育ったウィルキンスは、15歳からモデルとしてのキャリアをスタート。その後、ニューヨークとロンドンに拠点を移しました。 ウィルキンスは本作が映画初出演とは思えない、堂々とした演技を見せています。

トロン役:ヘンリク・ラファエルソン

テルマの抑圧的な父、トロンを演じたヘンリク・ラファエルソンは、スカンジナビア半島で最も有名な俳優のひとりです。 ノルウェー生まれのラファエルソンは、スウェーデンのストックホルム・スクール・オブ・シアターを卒業後、舞台などでも活躍。2012年の『The Almost Man (原題)』では、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で主演男優賞を受賞しています。

ウンニ役:エレン・ドリト・ピーターセン

テルマの母ウンニを演じたエレン・ドリト・ピーターセンは、ノルウェーを代表する女優のひとりです。 2009年には、『Troubled Water (原題)』でアマンダ賞最優秀主演女優賞を受賞。そのほかにも『ブラインド 視線のエロス』(2014)や『アサイラム・バスターズ』(2015)でも主演を務めました。 舞台での演技経験も豊富で、現在もノルウェー・シアターに在籍しています。

監督はあの鬼才を親類に持つヨアキム・トリアー

本作の監督を務めたヨアキム・トリアーは、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000)などで知られるデンマークの鬼才、ラース・フォン・トリアーの親類です。 トリアーの長編デビュー作『リブライズ』(2006)は、アマンダ賞で作品賞、監督賞、脚本賞を受賞したほか、ロッテルダムやサンダンスなど各国の映画祭に正式出品され、トロント国際映画祭では新人賞を受賞しました。 つづく2作目の『オスロ、8月31日』(2011)も数々の映画祭で上映され、カンヌ国際映画祭ある視点部門や、セザール賞外国語映画賞にノミネートされています。 3作目の『母の残像』(2015)では、イザベル・ユペールやジェシー・アイゼンバーグなど、各国の実力派俳優が集結し、初の英語作品としてカンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品されました。 デビューから『テルマ』までの4作すべてが絶賛され、トリアーは今や北欧を代表する映画監督となっています。

アカデミー賞やゴールデングローブ賞の外国語映画部門ノルウェー代表作品に!

テルマ
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『テルマ』は、各国映画祭での高い評価を受けて、第90回アカデミー賞と第75回ゴールデン・グローブ賞で外国語映画賞ノルウェー代表に選出されました。 また、トロント国際映画祭とニューヨーク国際映画祭にも正式出品。 サンディエゴ映画批評家協会賞と、ヒューストン映画批評家協会賞では外国語映画賞を受賞するなど、大きな話題となりました。 シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭では、審査員特別賞と脚本賞をダブル受賞。マール・デル・プラタ国際映画祭では女優賞と撮影賞を、ノルウェー国際映画祭ではノルウェー映画批評家賞を受賞しています。

【レビュー】相反するものが交錯する『テルマ』の衝撃

テルマ
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(※ネタバレと捉えられる可能性のある記述がありますので、ご注意ください。) 『テルマ』はホラー映画とされていますが、監督のトリアーは、ひとつのジャンルにカテゴライズしてほしくないと語っています。 その言葉どおり、本作はさまざまな要素が絡まりあう、複雑で美しく味わい深い作品です。 本作のテーマのひとつである“大人になる”ということは、“自分を知る”ということでもあります。主人公テルマにとってその道は、思っていた以上に過酷で恐ろしいものでした。 また、テルマの世界は、多くの相反するもので形作られています。自然豊かな地元と洗練された都会のオスロ。無知と知。妄想と現実。信仰と欲望。愛と憎しみーー。これらは完全に別物ではなく、表裏一体であることが劇中のあるセリフで示唆されています。そしてその境界線は、だんだんと曖昧になっていくのです。 本作自体も、見る人によって真逆の印象を受けると思います。その結末に、あなたはなにを感じるでしょうか。

要注目の『テルマ』は2018年10月20日から全国順次公開!

テルマ
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『母の残像』につづき、日本では2作目の監督作公開となるヨアキム・トリアー。そして若手ながらも長いキャリアと確かな実力で、少女から大人へと成長する姿を見事に演じたエイリ・ハーボー。 ほかの俳優陣の演技はもちろん、衝撃的なストーリー展開、美しい映像など、さまざまな視点から楽しめる本作は、2018年10月20日からYEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか、全国で順次公開となります。 新たな鬼才が生み出した鮮烈なホラー映画『テルマ』。恐ろしくも美しい世界を、ぜひ劇場で堪能してください。 上映劇場一覧は、下記リンク先サイトでご確認できます。