2018年10月1日更新

『フリクリ プログレ』ネタバレ感想・解説!「ラハルvsジンユvsヒドミ」恋の大乱戦

ファンの間でもいろいろ話題となっている『フリクリ』劇場版。「オルタナ」に続いて「プログレ」が公開スタートしました。ハル子の人格が分裂して新キャラ二人がアトムスクを巡ってもめたり、コミュ障ヒロインが不器用な想いに戸惑ってしまったり、第3弾は複雑怪奇に迷走&錯綜する4つの恋物語に要注目です。

『フリクリ プログレ』感想と見どころをご紹介!【ネタバレ解説付き】

「オルタナ」同様、6つのエピソードで構成された堂々の136分!『フリクリ プログレ』は、本広克行総監督やスーパーバイザー鶴巻和哉らを中心に、6人の監督がそれそれを演出、絵コンテなどを担当するなど、製作体制だけ見ても『フリクリ』の自由すぎる世界観がさらに濃度を増した印象です。 シリーズ未見ではついていくのも一苦労する「とりあえずついてこい!」的なストーリー展開や、ダイナミックで趣向を凝らしたアクションシーンは健在。一癖も二癖もありそうなキャラたちの濃さといい、それを演じる声優陣のそうそうたる顔ぶれなど、『フリクリ』ならではの見どころ満載となりました。 「オルタナ」はJKの友情物語が軸に据えられていましたが、「プログレ」ではOVAシリーズを彷彿とさせる不器用な恋の行方が気になる展開。中でも、分裂したハル子の二つの人格が繰り広げる宇宙レベルの三角関係がヒロインたちを巻き込んで、当たり前だったはずの日常を傍若無人に荒らします。 果たしてヒロインは、ハッピーな結末を迎えることができるのでしょうか。

あらすじ紹介:世界の破滅に未来を覗く、ヒドミの瞳に映るものとは?

主人公は、大豆と書いて「オーズ」と読む街に住む中学二年生・雲雀弄ヒドミ(ひばじり ひどみ)。無愛想で口数も最低限、友達と呼べる友達も皆無な孤独を愛する黒髪の美少女が、パンクスタイルの自称宇宙捜査官ジュリア・ジンユに轢き殺されそうになったことから、さまざまなトラブルに巻き込まれていきます。 型破りで洗脳的なご指導ご鞭撻を得意とする奇妙な教師、ハルハ・ラハルの登場とともに、誰にでも無関心なハズのヒドミが同級生の井出交を意識し始めた時、彼女の身体に秘められていたN.Oの力が発動。その力を狙ってラハルとジンユ、メディカルメカニカが激闘を繰り広げます。 さらに、メディカルメカニカの野望の象徴とも言える巨大アイロン型「プラント」破壊を画策する、入国監理局との大規模な交戦も勃発。混乱のさなか、ラハルたちのの「想い人」アトムスクがついに姿を現します。強大な力を巡る争いの決着は、果たして。ヒドミの想いは、井出に届くのでしょうか。

正体不明なハル子が2重人格に。【ラハルとジンユのキャラ紹介&キャスト評価】

ただでさえややこしい存在だったハル子が、ふたつの人格に分裂。アトムスクに対するスタンスで対立し、ヒドミの力を奪おうとする側と守ろうとする側に分かれて対立することになります。 「ハル子濃度」は圧倒的にラハルが濃厚ですが、ジンユもとても魅力的。これまでハル子役として圧倒的なマッチングを見せつけてきた新谷なんたらに変わって、ふたりの実力派声優が難しい役に挑みました。

ハルハ・ラハル【cv:林原めぐみはハル子を徹底的に学習】

語り口調や自己中なところなど、ハル子のDNAをたっぷり受け継いでいるラハル役は、林原めぐみ。 『フリクリ』の「テキトー」なリズムに臆することなく、「とことんフリクロウじゃ~ん」と割りきって収録に臨んだとか。ハル子の精神をとことん「お勉強」した結果、ちょっとドライなラハルを見事完成させたのでした。

ジュリア・ジンユ【cv:沢城みゆきは新たな魅力を開拓】

穏やかな語り口調と、しごくごもっともなロジック展開、捜査官としてのストイックな一面も持つジンユは、普通に頼りになるお姉さん的なキャラ。 声を担当した沢城みゆきは役作りで、そうとう悩んだようです。いわく、「自然災害」レベルのキャラだったそうで。ちなみにジンユ、メイドコスが異様に似合います。

「雑な三角関係×2」+「切ない片想い×2」。4つの恋が錯綜、暴走。

全編を通じて物語られている最大のテーマはずはり「錯綜、暴走する恋」というイメージ。それもひとつやふたつではなく、4つの恋模様が贅沢に盛り込まれています。 そられがきちんと落ち着くべきところに集束していくエピソード6は、ビミョーに『フリクリ』らしいようならしくないような、それでも確かにスッキリ爽やかなカタルシスを感じさせてくれるのでした。

ラハルとジンユのアトムスク争奪戦

「プログレ」を引っ掻き回すラハルの目的は、シンプルにアトムスクの力を手にすること。ジンユはと言えば、アトムスクの自由を守りたいと考えています。方向性は違っていても、共通しているのが「愛情」の存在でしょう。もとは同一人物だったからこそ、余計に互いを認められないのかもしれません。だから、ラハルはジンユを食べちゃったんですね。

ヒドミと井出はラブコメ的にも鉄板。なのにマルコの純愛が切ない。

無口で無愛想なヒドミですが、井出のことは気になっている様子。Dではないことを自慢しながらチャラ男を演じている井出、ヒドミのことを無意識に目で追ってしまうほど、淡い想いを寄せています。 ややこしいのは仲間の一人、マルコ野方(cv:中澤まさとも)がヒドミに惹かれてしまったこと。唯一の常識人でありそれなりにハーフなイケメンてすが、空回りは空回りのまま、なのが切ないところです。

お金で始まった歪んだ関係が、いつしか本物に

ラブコメの王道的展開で、『フリクリ』らしからぬわかりやすい純愛模様を演じるのが、ジェンダーレスなファッションが大好きな森吾郎(cv:村中知)と謎の美少女、アイコ(cv:黒沢ともよ)。最初はレンタル彼女という仕事上の付き合いでしかありませんでしたが、まっすぐな森の想いが奇跡を起こします。 アイコが、単なる天使と悪魔な二つの顔を持つ少女ではなかった、ということが後に判明。たとえカボチャの中から現れても、森の心は揺らぎませんでした。スカートを履いていても、男だね!

もしかするとママの「片想い」が、大豆市を救った?

女手ひとつでヒドミを育て、時々「メイド」のロゴがつく「カフェ ヒバリ」を切り盛りしてきた肝っ玉母さん。と言ってもルックスは女子高生でも通用しそうな、雲雀弄ヒナエ(cv:井上喜久子)もまた、切ない片想いを心に抱き続けてきた、恋する乙女です。帰ってこない夫のことを待ち続けてきたその姿は、ヒドミを正しい方向に導くきっかけになります。

一番「可愛い」ヒドミは、あのシーン?

『フリクリ プログレ』は演出だけでなく、キャラクター設定などそれぞれのエピソードに異なるチームが携わり、完成させました。もともと、物語の中でも突然作画のタッチが激変してまうなど、制作者の遊び心は『フリクリ』という作品的の大切な個性のひとつ。「プログレ」ではエピソード5「フルプラ」で、思い切り遊びまくっています。 とくにヒドミは、さまざまなシーンでいろいろな描きかたがされているので、それぞれ違った魅力を楽しませてくれます。ゾンビになったり、不気味な人形になったり、キャラそのものが「変形」してしまうこともありますが。 中でもひときわ美形なのが、「フルプラ」のオープニングでしょう。「貞本義行のタッチ」というファンの声もあり。強く記憶に残る名シーンなのでした。

the pillowsの楽曲が大活躍。とくに心に残った1曲は……。

本作でももちろん、the pillows の楽曲が全編を彩っています。主題歌の「Spiky seeds」を含め、13曲がをラインナップ。 とくに印象に残ったのは、エピソード1「サイスタ」でとてもスタイリッシュに使われていた「Thank you,my twiright」。スマホの着信音とのシンクロが、格好良すぎです!

『フリクリ オルタナ』と『フリクリ プログレ』をもう一度観たくなる、OVAの配信がスタート!

『フリクリ プログレ』を観終わった直後、無性に『フリクリ オルタナ』が観たくなりました。でも「オルタナ」の次はまた「プログレ」に走ってしまいそう。その次はもしかしてまた……? さらに朗報が!amazon primeで、OVA版の見放題配信がスタートしています。「プログレ」では、カンチが井上と合体して再登場を果たしましたが、その本当の活躍をチェックする絶好のチャンスです。 ラハルとジンユのアトムスク探しは、まだまだ続くのかもしれません。いつの日か、また新しい彼女たちの「テキトー」な活躍が観られるかも。もしかするとふたりが再び合体して、ハル子復活!だってあるやもしれみせん。 なにしろ『プログレ』ですから。 たいていのことは「あり」ですから。