映画『一度死んでみた』が期待できる5の理由 キャストも超豪華【広瀬すず主演】

2020年3月20日に全国公開予定の『一度死んでみた』。人気女優の広瀬すずがコメディ映画の初主演を務め、さらにはその斬新なストーリー設定で早くも話題となっています。また、吉沢亮も出演するということで、『なつぞら』コンビが再集結することに。 今回は本作が期待できる5つの理由を解説しながら、どんな映画なのかを紹介していきます。

本作の1つの特徴は、原作となった作品が存在せず、CMプランナーの澤本嘉光によるオリジナル作品だという点です。その奇抜な設定の脚本について、ヒロインの父親役を務めた堤真一は「とにかく面白かった！」と語っています。 主人公の七瀬(広瀬すず)は、製薬会社の社長で父親の計(堤真一)と2人で暮らす女子大生。彼女はとにかく父親が大嫌い！自分になにかと干渉してくる計に毎日のように毒を吐いています。 そんな七瀬がいつものように「一度死んでくれ！」と計に毒づいているときのことでした。計は偶然開発された「一度死んで2日後に生き返る薬」を見つけて飲み、本当に一度死んでしまいます。 動揺する七瀬の前に、計はおばけになって現れます。実は一度死んだのは計の計画だったのです。彼の会社を乗っ取ろうとしている者がいるという噂が流れており、それを聞きつけた計は一度死ぬことでその真相を暴き、それを阻止しようと考えたのでした。しかし、生き返る前に計は本当に火葬されそうに……！ そこで七瀬は計の秘書で「ゴースト」というあだ名の松岡卓(吉沢亮)とともに、計を無事に生き返らせるというミッションに挑むこととなるのでした。

本作で主演を務めるのは、広瀬すず。コメディ作品の主演を務めるのは初めてのことです。 広瀬が演じる大学4年生の七瀬は父親が大嫌い。父親の似顔絵が描かれたサンドバッグを「クソオヤジ！」と日々殴り、「臭い！」と言っては父親の顔面に消臭スプレーを吹きかけていました。そんな極度の父親嫌いで毒舌な七瀬をテンション高く演じます。

広瀬といえば、「ちはやふる」シリーズや映画『チア☆ダン』のような元気で可愛らしいヒロインを演じることが多く、『海街diary』や『anone』ではその演技力も高く評価されていました。 また、2019年4月には朝の連続テレビ小説『なつぞら』でヒロインに抜擢。その役柄は、戦争を生き抜き、困難にもくじけずに草創期の日本のアニメ界でアニメーターを目指す少女、というものです。

今までのどの作品でも広瀬の魅力が際立っており、『なつぞら』のヒロインも広瀬が今まで演じてきたヒロインにぴったりです。しかし、毒舌でハイテンションな役を演じるのは本作が初めてではないでしょうか。 広瀬自身もコメディ作品に憧れはあったものの、面白くできるか不安、とコメントしていましたが、その一方で「キャストの皆様もとにかく濃厚な方ばかりですし、もう、必死についていきたいと思います」と意気込みを語っています。 本作では、今まで誰も見たことのなかったような広瀬の姿が見られそうですね。

広瀬すず演じる七瀬にとにかく嫌われまくる父親・計を演じるのは、堤真一。 『ALWAYS 三丁目の夕日』では、日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞に輝き、他にも『容疑者Xの献身』など人気作にも多数出演する、誰もが知る実力派俳優です。

そんな堤ですが、コメディ作品での演技にも定評があります。園子温監督による荒唐無稽なストーリーが魅力の『地獄でなぜ悪い』では情に厚いやくざの親分を演じ、突如会社を辞めて漫画家を目指すダメ男役を務めた『俺はまだ本気出してないだけ』ではその怪演が話題となりました。 今回堤が演じる計は、家族をないがしろにして仕事ばかり。妻を亡くしてからというもの、娘の七瀬が心配なあまり干渉しすぎてしまうために嫌われてしまう、そんなかわいそうな父親です。 堤は「“一度死んでみる”という奇抜な設定、軽快なテンポの会話劇、笑えて泣ける父娘のドラマ。野畑計という男を演じるなら？と想像しながら読み入ってしまいました」とコメントを寄せています。 二枚目から少し癖のある三枚目まで幅広い役をこなす堤ですが、本作で演じるのは心配性で嫌われてばかりな父親というどこにでもいるような役柄。そんなキャラクターと、「一度死んでみる」という突飛なストーリーとのギャップがある本作をどのように演じるのかに注目です。

七瀬と計とともに会社内のスパイをあぶりだし、会社の乗っ取りを阻止するために動き出すのは、存在感が薄すぎるあまり「ゴースト」というあだ名を付けられている社員・松岡卓。そんな松岡を演じるのが、今をときめく人気俳優、吉沢亮です。 吉沢といえば、「まるで彫刻みたい」ともいわれるほどの美しい顔立ちで大人気の俳優。少女漫画が原作で、2018年に全国公開された『あのコの、トリコ。』では、俳優を目指す中で幼馴染への想いを募らせる主人公を演じ、「カッコよすぎる！」と話題になりました。

その一方で、どこか残念な役も多く演じる吉沢。2017年に出演した『斉木楠雄のΨ難』では自身を「漆黒の翼」と呼ぶ中二病キャラの海藤瞬を演じ、コメディの才能を開花させました。 また、同じく2017年から公開され、人気のギャグ漫画を原作とした「銀魂」シリーズで演じた沖田総悟役も好評を博しました。そのビジュアル、演技ともに沖田のイメージにぴったりだと原作ファンからも絶賛されたのです。 そんな吉沢が今回演じるのは、存在感がなさすぎるあまり「ゴースト」というあだ名をつけられてしまった会社員・松岡。 吉沢は「個人的には存在感バリバリのキラキラした男より、こういったみんなから無視されるような、ザコキャラのほうが性に合っているので、撮影が今から楽しみです」と語りました。

堤真一演じる計が「2日だけ死んじゃう薬」を飲み、仮死状態の時に現れた“天国の案内人”火野役には、個性派俳優のリリー・フランキー。 強烈な存在感を放ち続ける名脇役の一人で、第37回日本アカデミー賞では、『そして父になる』で最優秀助演男優賞に輝きました。俳優以外に、作家、イラストレーターなど多種多様な顔を持ち、映画「東京タワー」(2007)の原作者としても有名です。

計が社長を務める製薬会社「野畑製薬」の社員で、秘書として働く渡部を演じるのは、小澤征悦。 父は世界的な指揮者・小澤征爾、母は女優の入江美樹というサラブレッドで、本人も2016年に映画『JUKAI－樹海－』でハリウッドデビューを飾った実力派です。2019年放送の「いだてん」にて、4度目の大河ドラマ出演を果たしました。

野畑製薬のライバル会社「ワトソン製薬」の社長で、計を仮死ではなく、本当に亡き者にしようと目論む田辺を演じるのは嶋田久作です。 一度見たら忘れられない独特の風貌と声質を生かし、探偵、医師などの知的な役を多く演じているほか、ゲームやアニメ作品の声優も担当。特撮作品への出演も多く、2021年に公開予定の映画『シン・ウルトラマン』への出演が発表されました。

計の妻であり、七瀬の母親である野畑百合子を演じるのは、木村多江です。 ドラマ『リング〜最終章〜』、『らせん』の貞子役をきっかけに不運な運命をたどる女性を数多く演じ、「薄幸女優」の異名を取る木村。ドラマ「あな番」などで見せた、ごく普通のキャラが突如ひょう変する演技が注目を集め、唯一無二のポジションを確立しました。

野畑製薬の研究員で、「2日だけ死んじゃう薬」を生み出した「藤井さん」役で、女性から高い支持を得るイケメン俳優・松田翔太が出演！ ドラマ『花より男子』の西門総二郎役、「ライアーゲーム」で演じた天才詐欺師・秋山深一役でブレイクし、人気を不動のものにしました。ミステリアスなイメージがありますが、auのCM「三太郎」シリーズでは、コミカルな表情も見せています。

広瀬すず演じる七瀬が所属する、デスメタルバンド「魂ズ」を応援するオタク役に、異色の存在感を放つ超個性派俳優・加藤諒。 一瞬で空気を変える爆発力、貫禄を武器に、ドラマ『僕たちがやりました』や映画『ギャングース』などの話題作に出演しています。2019年公開の主演映画『劇場版パタリロ！』では、強すぎる個性を見事に昇華した怪演を披露し、絶賛の声が寄せられました。

七瀬のアルバイト先であるラーメン屋の店主を演じるのは、元お笑い芸人という異色の経歴を持つ、個性派俳優でんでんです。 2011年公開の『冷たい熱帯魚』の残忍な連続殺人鬼役で、鬼気迫る演技で一躍脚光を浴び、日本アカデミー賞などを受賞。朝ドラ『あまちゃん』などでは、真逆の人の良いおじさんの役を好演し、還暦を過ぎてさらに円熟味を増しています。

野畑製薬の社員の一人を演じるのは、父は柄本明で母は故・角替和枝、兄は柄本佑の芸能一家に生まれたサラブレッド、柄本時生。クセの強い役を得意とし、母親の角替と親子役を演じた朝ドラ『おひさま』、ドラマ『わたし、定時で帰ります』などに出演しました。 大河ドラマ「いだてん」では、森山未來演じる孝蔵の噺家仲間、万朝を好演しています。

野畑製薬の社員の一人を演じるのは、auのCM「三太郎」シリーズの一寸法師役で一躍有名となった、個性派俳優・前野朋哉。映画『桐島、部活やめるってよ』、朝ドラ『マッサン』などの話題作で味のある演技を披露し、無二の存在感を放っています。 ドラマ『重版出来！』(2016年)では子役デビューとなる自身の息子と共演し、話題を呼びました。

野畑製薬の社員の一人を、ニトリCM「Nウォーム」でお馴染みの俳優・清水伸が演じます。 劇団「ふくふくや」の副座長を務め、舞台を中心に活躍する一方で、井筒和幸など著名な監督の作品にも起用される演技派。ニトリのCMをきっかけに知名度が上がり、『ユリゴコロ』や「相棒」(2019)といった話題作への出演が相次いでいます。

野畑製薬の社員の一人を、アイドルグループ「乃木坂46」の元メンバーで、近年の活躍が目覚ましい若手女優・西野七瀬が演じます。 乃木坂卒業と前後して女優業を本格化させ、雑誌「non-no」の専属モデル、タレントとして様々なジャンルで活躍中。2019年放送のドラマ『あなたの番です』では、重要な役どころである黒島沙和を熱演し、大きな話題になりました。

野畑製薬の警備員を、舞台・ミュージカルを中心に活躍するハーフ俳優、城田優が演じます。 城田は2003年、ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』で本格的に俳優デビューし、『ROOKIES』や「花ざかりの君たちへ」などに出演。高い歌唱力を誇り、ソロ歌手活動のほか、ユニット「IMY(あいまい)」としても活躍中です。

野畑製薬の掃除のおばさん役に、年齢を感じさせない美しさと、確かな演技力で多くの人びとから支持を受けるベテラン女優・原日出子。1981年に、朝ドラ『本日も晴天なり』のヒロインに抜擢されブレイクし、近年は母親役を中心に活躍しています。 2019年放送の『なつぞら』に置き屋の女将役で出演し、再び朝の顔となりました。

七瀬と吉沢亮演じる松岡の前に立ちはだかる、ワトソン製薬の手下役に、新日本プロレスの真壁刀義が起用されました！ 2012年から芸能活動を本格化し、2017年には大河ドラマ『おんな城主 直虎』に出演するなど、俳優・声優業にも挑戦する真壁。意外にもスイーツ好きだそうで、情報番組『スッキリ‼』では「スイーツ真壁」として人気を博しました。

ワトソン製薬のもう一人の手下を演じるのは、新日本プロレスの本間朋晃です。 普段は真壁と共にリングで暴れていますが、天龍源一郎並のハスキー過ぎる声を生かし、バラエティ番組でも真壁の相方として活躍しています。2019年には『ルパンの娘』にて、初めて役名付きでのドラマ出演を果たしました。

宇宙飛行士役として、JAXA(宇宙航空研究開発機構)宇宙飛行士・野口聡一が出演します！ 2009年には、日本人として初めてソユーズ宇宙船に船長補佐として搭乗し、宇宙からほぼ毎日Twitterの投稿を行い話題になりました。2019年には、民間有人宇宙船第一号に搭乗する唯一の日本人となることが発表され、訓練に入っているそうです。

高級クラブのボーイを演じるのは、特撮ドラマ『仮面ライダー電王』の野上良太郎/仮面ライダー電王役で大ブレイクした、実力派若手俳優・佐藤健です。 『ROOKIES』の岡田優也、「るろうに剣心」シリーズの緋村剣心など、実写化作品での役作りのクオリティの高さに定評がある佐藤。“憑依型”俳優とも言われ、難しいアクションも代役なしでこなす身体能力と、確かな演技力を兼ね備えています。

高級クラブのキャバクラ嬢・あかね役を、日本人の父とフィリピン人の母を持つ、ハーフ美女女優・池田エライザが演じます。 モデル出身ですが、2017年以降は女優業での活躍が目立ち、人気ホラーシリーズ『貞子』(2019)への出演が話題を呼びました。2020年には、初監督作『夏、至るころ』の公開が控えており、20代前半の若さでの映画監督デビューとなります。

野畑製薬の社員の一人を演じるのは、若手男性俳優集団「D-BOYS」「D2」のメンバー、志尊淳。 志尊は2014年に、主演を務めた特撮ドラマ『烈車戦隊トッキュウジャー』で知名度を上げ、若手実力派として頭角を現しました。2019年には「劇場版 おっさんずラブ」、『HiGH&LOW THE WORST』などの話題作に出演し、さらに勢いに乗っています。

計の元同僚役を、タレント、声優、ラジオパーソナリティなど、ジャンルを超えた活躍を見せる個性派俳優・古田新太が演じます。ドラマ「逃げ恥」ではゲイの役を、『俺のスカート、どこいった？』では女装家の教師を演じ、強烈な存在感を放ちました。 トリッキーな演技に隠れがちですが、シリアスな役も演じきる名バイプレイヤーです。

音楽ディレクターで、「魂ズ」を密かに見守るジェームズ布袋を演じるのは、大友康平です。 1979年にロックバンド「HOUND DOG」でメジャーデビューし、ミュージシャンとして有名になった一方、俳優、タレント業でも活躍。2019年は、ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』や、『シャーロック』などの話題作に出演しています。

木村多江演じる百合子の葬式にて、独特なお経を披露する坊主役に、竹中直人。 脇役を演じることが多く、「のだめカンタービレ」シリーズのシュトレーゼマンをはじめ、エキセントリックな役柄に定評があります。1996年の大河ドラマ『秀吉』で豊臣秀吉を演じたのを機に、秀吉役のイメージが定着し、『軍師官兵衛』でも同名の役を演じました。

計が死んだと偽装するため葬儀を行う際、会場に使用される「クラウンホテル」の支配人役として、演技派俳優・妻夫木聡が登場します。 2001年公開の『ウォーターボーイズ』以降、大河ドラマ『天地人』、映画『悪人』など数多くの作品で重要な役を演じてきました。映画『怒り』では、初共演の綾野剛とゲイカップルを熱演し、第40回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞しています。

本作でメガホンを取るのは、浜崎慎治。CMディレクターである彼は、auの「三太郎」シリーズや家庭教師のトライの「教えて！トライさん」シリーズなど、話題となったCMを多数手がけてきた、ヒットメーカーともいうべき人物です。 そんな彼は、本作で映画初監督となります。「映画初監督というプレッシャーに押し潰されそうですがしっかり舵をとっていきたいと思います。そして今まで見たことない広瀬すずさんに出会いたいです」と語っていました。 CMディレクターとしては数々の賞を受賞し、多くの人気作を制作してきた浜崎の初監督作品となる今作はどうなるか、というところではありますが、同じCMディレクター出身の映画監督として永井聡が挙げられます。 永井は元々CMディレクターとして活躍していましたが、『世界から猫が消えたなら』、『帝一の國』など、人気を博した映画の監督も務めているのです。 そう考えると、本作も浜崎の手がけるCMのように独特な世界観を持った作品となりそうですし、これを機に他にも面白い映画をこれから制作することになるかもしれませんね。

脚本を執筆したのも、同じくCM制作に携わる澤本嘉光です。彼は日本を代表するCMプランナーであり、ソフトバンクの「ホワイト家族」シリーズなどを手がけてきました。過去には映画の脚本を執筆したこともあり、心温まるストーリーが話題となった『犬と私の10の約束』の脚本・原作などが挙げられます。 本作の脚本は澤本によるオリジナル。彼は、過去に広瀬と仕事をした際に「演技力とともに実は天性のコメディエンヌのセンスを持った方」だと思ったとして、「今の彼女でなければできない、笑えるけど泣けてそれでいてちょっとポップな映画」を目指すと語りました。

そんな本作の公開日は2020年3月20日。演技のすばらしさは保証済みなキャスト陣が、それぞれ個性的なキャラクター達をどう演じるのか、そして斬新で少しシュールなストーリーをどう彩るのかが楽しみですね。今後の続報にも注目です。