2018年12月12日更新

『アンブレイカブル』と『スプリット』の関係 20年越しの脅威の伏線回収がすごい

アンブレイカブル
©︎TOUCHSTONE

ナイト・シャマラン監督の『アンブレイカブル』と『スプリット』の世界は繋がっていた?!その意外な繋がりを探るとともに、両作の続編となる『ミスター・ガラス』についても触れていきます。ネタバレ含みます。

『アンブレイカブル』と『スプリット』の繋がりとは?

『アンブレイカブル』は2000年、『スプリット』は2016年に共にM・ナイト・シャマラン監督によって製作された映画です。『アンブレイカブル』では主人公デヴィッド・ダンをブルース・ウィリス、『スプリット』では主人公ケヴィン・ウェンデル・クラムをジェームズ・マカヴォイが演じました。 そして、2019年1月18日に日本公開が決定しているシャマラン監督の最新作『ミスター・ガラス』の予告編には、ダンとケヴィンが再登場!そしてもう一人、『アンブレイカブル』でダンと対峙した“ミスター・ガラス”ことイライジャ・プライス(演:サミュエル・L・ジャクソン)の姿も! 実は『アンブレイカブル』と『スプリット』は繋がった世界の物語であり、その両作の続編として『ミスター・ガラス』が製作されているのです。 『ミスター・ガラス』鑑賞前に、シャマラン監督が20年かけて仕込んだシリーズの伏線を、ここでしっかり回収していきましょう!

この記事はミスターガラスを楽しむために作成されたものであり、2つの作品の関連性などの重大なネタバレ情報を含みます。同意の上読み進めてください。

最初の作品『アンブレイカブル』のあらすじ

フィラデルフィアで乗客131人が死亡する列車の脱線事故が起こり、その中で奇跡的にただ一人生き残ったデヴィッド・ダン。傷一つ負わなかったことに周囲が注目する中、デヴィッドは一通の手紙を受け取ります。 差出人はコミックの画商イライジャ・プライス。骨折しやすい骨形成不全症を患うイライジャは、自分と真逆の「アンブレイカブル」な人間を探していたと語ります。それは、いわばアメコミのヒーローのような人物だと。 初めはイライジャの言うことを信じず、普通の男だと自分に言い聞かせていたデヴィッド。しかしこれまで怪我も病気もした覚えがないことに気付き、さらには自身の驚異的な腕力や危険を察知する能力も再認識していきます。

2017年公開の映画『スプリット』のあらすじは?

女子高生のケイシー、クレア、マルシアはある日突然見知らぬ男に誘拐され、監禁されてしまいます。その男はある時は潔癖症、ある時は子どものような話し方をする奇妙な人物。 そしてある日、女性を連れて帰ってきたかと思うと、その男が女装した姿で現れます。異様な恐怖にかられたケイシーたちはなんとか脱出を試みますが、すぐに発見されて別々に監禁されることに。 その男はケヴィン・ウェンデル・クラムといい、多重人格者の研究で有名なフレッチャー博士の患者。フレッチャー博士はケヴィンの言動に違和感を感じていたものの、まさか誘拐監禁という犯罪を犯していることまでは突き止められずにいました。

ダンは子どもの頃のケヴィンとすれ違っていたという説

『アンブレイカブル』で描かれるシーンについて。デヴィッドは大学のスタジアムの警備員として働いていますが、イライジャとの出会いから再認識し始めた「相手の意識を読み取る力」を、スタジアムの群衆の中で試す場面があります。 そこでシャマラン監督自身が演じるドラッグ・ディーラーと接触する前に、手を繋いだ一組の母子とぶつかります。そこから読み取ったのは「ぶたないで、ママ」という子どもの声。 実はその男の子が『スプリット』のケヴィンだったという説があります。母親から虐待を受けていたケヴィンが、自身を守るために次々と異なる人格を創り出していたことが『スプリット』では明らかになるのです。

列車の暗示。デヴィッドとケヴィン親子には関係がある?

アンブレイカブル
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『アンブレイカブル』冒頭でデヴィッドが脱線事故にあった列車は、フィラデルフィアとニューヨークを結ぶアムトラックのイースト・レイル117号。『スプリット』では「ケヴィンの父が列車で去った」とフレッチャー博士が語っています。 これが同じ列車であるかどうかは曖昧なところですが、ケヴィンは「ビースト」を迎え入れる前に地下鉄のホームで線路際に花束を手向けていました。この後、ケヴィンの中に24番目の人格「ビースト」が覚醒しています。 デヴィッドは列車の事故で自らの力に目覚め始め、ケヴィンは地下鉄構内でビーストを誕生させたという繋がりは見逃せない伏線ですね。

【衝撃のラスト】『スプリット』=『アンブレイカブル』のその後

アンブレイカブル
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『アンブレイカブル』との繋がりなどまったく知らずに『スプリット』を最後まで観ていると、衝撃のラストが待っています。それは、デヴィッド・ダンが登場していること! ケヴィンは逃亡し、ケイシーだけが生き残って保護されているラストシーン。その後にダイナーのテレビでこの事件のニュースが流れている中、女性客が「15年前の車イスの悪党に似てる」と呟きます。 「あの時も名前が付いたはず。何だっけ?」と言う女性に隣に座っている男が「ミスター・ガラス」と答えています。この隣に座っている男が、『アンブレイカブル』のデヴィッド・ダンという流れ!!!! そしてこのラストシーンが、『アンブレイカブル』『スプリット』両作の続編となる『ミスター・ガラス』への壮大なフリになっているのです。

両方の続編となる映画『ミスター・ガラス』とは

シャマラン監督は『アンブレイカブル』製作当時から『スプリット』と『ミスター・ガラス』の構想があったようです。どれもサスペンス・スリラーの形で物語が進みますが、実は3部作を構想したスーパーヒーローのクロスオーバー作品だったのです! 『ミスター・ガラス』のポスターには堂々とイライジャ、ケヴィン、デヴィッドが並んでいます。また予告編を観ると、イライジャ=ミスター・ガラスとケヴィン=ビーストが手を組み、デヴィッドと対峙する物語であることがわかります。 しかも『スプリット』では被害者の一人だったケイシーが、どうやらケヴィン側に付いている模様。同じ心に傷を負った者同士、わかり合って接近していくのでしょうか?

シャマラン監督によるスーパーヒーロー3部作!

ポスターといえば、実は『アンブレイカブル』と『スプリット』のポスターにも共通項があったことにお気づきでしょうか?そう、どちらのポスターにも全体にガラスのひびが入っているのです。 また、『スプリット(SPLIT)』とは「割る」「分裂させる」という意味。アンブレイカブル=壊せない者であるデヴィッドを、人格を分裂させたケヴィンが割って壊す、という対峙をほのめかしているのでは? 20年にも及ぶ壮大なフリと緻密な伏線をもって、ついにスーパーヒーローとスーパーヴィランが直接対決する3作目『ミスター・ガラス』が誕生します。シャマラン監督曰く、本作にも衝撃のエンディングがあるとのこと……。