劇場版『メイドインアビス』公開決定！これまでのあらすじとアニメ2期の放送時期は？見どころを解説

『メイドインアビス』は、つくしあきひとによる冒険ファンタジー作品です。Webコミック配信サイトにて配信されており、ネットを中心に話題に。2017年にはアニメが放送され、より多くのファンを獲得しました。 物語の舞台はアビスと呼ばれる未知なるものが多く眠る巨大な竪穴。底知れぬこのアビスに挑む探窟家見習いの少女・リコと、謎多きロボットの少年・レグを中心に進んでいきます。 2019年にはアニメ版の総集編となる劇場アニメが前後編で公開。さらに新作の劇場アニメやアニメ2期の放送が決定するなど、アニメ放送から3年が経ってもなお、話題が絶えない作品です。 今回はそんな『メイドインアビス』の最新情報をお届けするとともに、これまでのあらすじや重要キャラクターたちを紹介していきます。

『メイドインアビス』は、Webコミック配信サイト「WEBコミックガンマ」にて連載されています。2019年6月現在、コミックス8巻までが発売中です。 表紙をひと目見ると、子供向けの絵本のようにファンタジーな絵柄に目が奪われるでしょう。ページを開くと、細部まで細かく描き込まれた絵や緻密に練られた設定が目立ちます。 可愛らしい作品かと思いきや、読み進めていくと絵柄とは相反するハードな展開が登場し、驚かされる作品です。可愛らしいファンタジーではなく、厳しい試練に立ち向かっていく勇敢なリコやレグの姿に心動かされる冒険譚として人気を誇っています。

『メイドインアビス』は、アビスと呼ばれる竪穴に挑む少女・リコと、彼女に拾われたロボットのレグの2人が最深層を目指す物語。 竪穴の周縁にある街に住むリコは、伝説級英雄である白笛の探窟家を母に持つ少女です。母がアビスのなかからリコに宛てた手紙が、10年ぶりにリコの手元に届きます。そこに書かれていた内容の真相を知るべく、リコは危険と未知が待ち受けるアビスへと果敢に挑んでいくのでした。 この『メイドインアビス』を楽しむには世界観の知識が必須でしょう。次に、本作に登場する基本的な世界観について紹介します。

まずは作品タイトルにもなっている「アビス」について。アビスとは約1900年前に発見された、深さ不明の謎に満ちた竪穴です。アビスには、深層に潜れば潜るほど上昇時に大きな「アビスの呪い」を受けます。「上昇負荷」とも呼ばれる原因不明の現象で、ときには潜った者の命も奪ってしまうほどです。 深層1階から深層5階までは帰ってこられるとされています。しかし、深層6階以降は実質的に帰還不可とされており、ここへ向かうことは「絶界行(ラストダイブ)」と言われるほどです。

「探窟家(たんくつか)」とは、この作品に登場する造語。アビスに潜る冒険家たちのことを指す単語です。探窟家組合に所属する場合、ランクが分けられています。首から下げる笛に色がついており、それでランクを見分けることが可能です。 最初は笛の代わりに鈴をつけ、以降赤・蒼・月・黒・白とランクがアップしていきます。白笛は伝説級英雄としてごくごく限られた者しかなれないランクです。 主人公のリコのランクは、赤笛です。

アビスの中には、由来が不明である様々な人工物が眠っています。それらが「遺物」です。遺物には4級から1級までの等級があり、4級でも物によっては高値で取引されることもあります。 1級よりもさらに珍しいものは特級と呼ばれ、国家間で取り合うほどの影響力を持つのです。さらに都市伝説的な存在として、歴史的遺物「奈落の至宝(オーバード)」というものもあります。 まだまだ謎に満ちている部分が多い遺物。今後どういった謎が明かされていくのかも注目です。

『メイドインアビス』を語るうえで欠かせないメインキャラクターをここから紹介していきます。声優もあわせて紹介するので、アニメの予習復習をしておきましょう。

リコは『メイドインアビス』の主人公。12歳で金髪のツインテールにメガネという見た目の少女です。彼女は探窟家としては見習いの赤笛ですが、ときに無茶ともいうべき行動力で周りを驚かせることも。探窟においては彼女の膨大なアビスに関する知識が不可欠といえます。 彼女は大穴の街・オースと呼ばれるアビス周縁にある街の孤児院出身。その出自は周りには伏せられていますが、実は彼女の母親・ライザは白笛の伝説級探窟家。 当初は母に憧れて白笛を目指していました。その後、母が遺した伝言を受け取ったことをきっかけに、深界極点である奈落の底を目指しています。

リコを演じるのは富田美憂です。彼女は1999年11月15日生まれの女性声優。元気な役には定評があり、女の子の役だけでなく少年役を演じることもあります。富田はリコの無鉄砲で感情表現が豊かなキャラクターを見事に演じ、作品人気を支えているといえるでしょう。 彼女のアニメ初主演は『アイカツスターズ！』(2016年)の虹野ゆめ役。そのほか、『京都寺町三条のホームズ』(2018年)の主人公・真城葵役、『ぼくたちは勉強ができない』(2019年)のヒロイン・緒方理珠役などで知られています。

レグは、リコが探窟中に拾った少年のような見た目をしたロボットです。リコがレグを見つけたとき、レグは機能停止の状態でした。 その後リコによって与えられた電気ショックが原因で記憶喪失となっており、リコに出会う前の記憶がありません。しかし彼は、リコの母親・ライザと関係があったことが示唆されています。 レグは見た目は少年ですが、中身はロボット。腕が伸びたり、強烈な「火葬砲(インシネレーター)」という攻撃を手のひらから発射したりすることができます。探窟においては、この人間離れした戦闘力で無鉄砲なリコを守りながら、自分が何者なのかを知るためにリコとともに奈落の底を目指すのでした。

ロボットの割に本当の少年のように感情豊かなレグを演じているのは伊瀬茉莉也です。伊瀬は1988年9月25日生まれの女性声優。彼女の演じるキャラクターは性別や年齢を問わず、幅広い演技をすることで知られています。 そんな伊瀬の代表作は『Yes!プリキュア5』(2007年)の春日野うらら/キュアレモネード役、『FAIRY TAIL』(2009年)のレビィ・マグガーデン役、『機動戦士ガンダムAGE』(2012年)のウェンディ・ハーツ役など。『約束のネバーランド』(2019年)では、11歳の少年・レイ役を好演しています。

ナナチはリコとレグが第4層で出会った「成れ果て」です。成れ果てとは、アビスの上昇負荷によって異形と化した者のこと。ナナチはウサギの耳や毛に覆われていて、獣人のような見た目をしています。 ナナチは、アビスの上昇負荷の実験モルモットとして連れてこられ、その結果成れ果てとなってしまったのです。同じく人体実験のモルモットとされ、その結果人格を失い死ねない体となってしまった友人ミーティをなにより大事に思っています。 第4層のアジトでミーティを保護しながら、ミーティをあまり苦しませずに殺す方法を探しているところリコとレグに出会うのでした。

自分を「オイラ」と呼ぶナナチを演じるのは、井澤詩織(画像1番右側)です。彼女は1987年2月1日生まれのの声優で、デビューは2009年。以降、多数の作品に出演。深海魚や妖怪が好きという一面も持っています。 井澤の出演作では、『ウィッチクラフトワークス』(2014年)の倉石たんぽぽ役や『クズの本懐』(2017年)のモカこと鴎端のり子役、『うちのメイドがウザすぎる!』(2018年)の森川ゆい役などが有名。彼女は声優のなかでも特徴のある声をしており、正体が謎に満ちたナナチ役が見事にハマっています。

劇場版『メイドインアビス深き魂の黎明』のイントロダクションが公式サイトで公開されています。そこに登場する新たな名前はプルシュカ。アビスで生まれ育った少女の名前です。プルシュカはナナチたちの実験をおこなった黎明卿ボンドルドを「パパ」と呼ぶ少女でした。 2019年1月に公開されたアニメ総集編となる劇場版「旅立ちの夜明け」「放浪する黄昏」は原作4巻の前半までを描いています。プルシュカが登場するのは4巻の後半から。原作のつながりを考えると、総集編後半のその後の探窟を描くことになります。

『メイドインアビス』アニメ1期では原作コミックスの4巻の半分あたりまでが描かれました。2019年6月現在、最新刊は8巻です。1期と同じようなペースでアニメ化するとなると、ちょうど既刊分で1クール分が制作できそうですね。 2019年6月現在分かっている最新作は2020年公開予定の劇場版です。この劇場版ではアニメ1期の続きのストーリーが描かれることになりそう。それを考慮すると、劇場版の公開前後でアニメ2期も連動して放送される線が濃厚ではないかと思います。 2020年にアニメ＆劇場版の両方が公開になれば、『メイドインアビス』はこれまで以上に盛り上がりを見せることになるのではないでしょうか。

『メイドインアビス』で描かれる過酷な探窟。より深く潜るほどその過酷さが増し、原作での描写も痛々しかったり読むのが辛かったりするシーンが増えていきます。しかしこの過酷さがあるからこそ、この作品は面白いのです。 新作映画、そしてアニメ2期。ここからはいよいよ第5層に突入していきます。原作を忠実に緻密にアニメ化して高い評価を得ているアニメ版。原作の動向とともに、メディアミックス展開からも目が離せませんね。