「ナイトミュージアム」シリーズを徹底紹介 意外なキャスト・カメオ出演にも注目
「ナイトミュージアム」を徹底紹介 博物館を舞台にした人気コメディシリーズ
2006年から2014年の間に3作が公開された人気ファンタジーコメディシリーズ「ナイト ミュージアム」。夜の間に展示物が動き出す不思議な博物館を舞台に、ベン・スティラー演じる夜間警備員が冒険を繰り広げる本シリーズは、第1作目の公開から10年以上が経った今なお根強い人気を誇っています。 そんな「ナイトミュージアム」シリーズの魅力は一体どこにあるのでしょうか? ※本記事には、「ナイトミュージアム」シリーズに関するネタバレ情報を含んでいます。未鑑賞の方はご注意ください。
第1作目『ナイト ミュージアム』
あらすじ【ネタバレ注意】
失業中のラリーは、離婚した元妻のもとで暮らす息子ニッキーから仕事を探すように諭されます。彼が職業斡旋所で紹介されたのは、自然史博物館の夜間警備員。ラリーは3人の先輩老警備員たちから、入場者数が減ったため彼らがクビになり、新たにラリーひとりが雇われることになったと聞きます。 勤務初日、ラリーはすぐに博物館の異変に気が付きます。彼はティラノサウルスの骨格標本が博物館の中を走り回ったり、石像や動物の剥製、ジオラマのミニチュア人形などが自由に動き回っているのを目撃。 毎晩大騒ぎを繰り広げる展示物たちにひとりで対処することもできず、毎朝所長に叱られるラリーは、ついに仕事を辞めるように言われてしまいました。しかし、ニッキーのために仕事をつづけようと決意した彼は、その夜ニッキーを博物館に連れてきます。
しかし、なぜか展示物たちは動きません。そこで展示物たちが動いていたのは、所蔵品のひとつであるエジプト王アクメンラーの石板の力によるものだと判明します。また、以前勤務していた3人の老警備員はこの石板から若さと力を得ており、ラリーに罪をなすりつけて石板を盗もうとしていました。 ラリーはセオドア・ルーズベルトの蝋人形をはじめとする展示物たちと協力して、なんとか彼らの企みを阻止することに成功。朝日を浴びると灰になってしまう展示物たちを、無事に夜明け前にもとの場所に戻します。
主要キャストを紹介
主人公ラリーを演じるのは、『メリーに首ったけ』(1998)や「ズーランダー」シリーズ、『LIFE!』(2013)などへの出演で知られるベン・スティラー。俳優・コメディアンとして活躍する彼は、本シリーズでもそのテンションの高い演技を披露しています。暴れまくる展示物たちに振り回されるラリーをコミカルに演じています。 ラリーともっとも仲良くなる展示物、セオドア・ルーズベルトの蝋人形を演じたのは名優ロビン・ウィリアムズです。ウィリアムズ演じるルーズベルトは、穏やかで知的な人物。ラリーの良きアドバイザーとなりますが、恋には奥手な一面も。
映画公開で博物館の入場者が急増
全米では2006年の12月に公開された本作。その影響で、舞台となったニューヨークの自然史博物館はその年のクリスマスシーズンの入場者数が例年より20%アップしたそうです。
続編『ナイト ミュージアム2』
あらすじ【ネタバレ注意】
前作から2年後。ラリーは自分の会社を立ち上げ、博物館の警備員ではなくなっていました。そんななか、自然史博物館は改装のため休館となり、展示物たちはワシントンDCになるスミソニアン博物館の地下保管庫に預けられることになります。 しかし、残されるはずだった魔法の石板が猿の剥製デクスターのいたずらで一緒に運ばれて来てしまったため、スミソニアン博物館の展示物たちが動き始める大騒ぎに。その夜、ラリーのもとに自然史博物館から預けられた展示物から電話がかかってきました。
彼が言うには、スミソニアン博物館には自然史博物館のファラオ・アクンメラーの兄カームンラーがおり、石板の力で動き出した彼が世界征服を企んでいるとのこと。カームンラーはロシア帝国のイワン皇帝やナポレオン・ボナパルト、アル・カポネら歴史上の有名戦士たちの展示物を味方につけ、人間に戦いを挑もうとします。 現場に急行したラリーは、展示物のひとつである女性パイロット、アメリア・イアハートとともにカームンラーの陰謀を阻止し、石板を取り返すため、合わせて1億点以上にも及ぶ展示物たちに戦いを挑むことになリます。 ラリーは南北戦争で活躍したカスター将軍や首ふり人形のアインシュタイン、巨大なリンカーン大統領の石像などと協力して、カームンラーとその手下たちを地獄の門の向こうに吹き飛ばすことに成功。こうして世界は危機を免れたのでした。 赤いプロペラ機を手に入れたアメリアは、ラリーと自然史博物館のメンバーをニューヨークまで送ります。別れ際、アメリアはラリーにキスをしました。 2ヶ月後。改装が終わった自然史博物館には多額の寄付が。匿名の出資者の条件は、倉庫送りになる予定だった展示物を今まで通りに配置し、博物館を夜間も開放すること。夜、展示物が動き回る博物館は大人気となり、ラリーも夜間警備員に戻りました、
注目の新キャストはアメリア・イアハート役エイミー・アダムス
スミソニアン博物館でラリーが出会ったアメリア・イアハートは、実在の人物で1932年に大西洋単独横断飛行に成功した、世界初の女性パイロットです。 彼女が活躍したのは大恐慌時代。社会が混迷を極めていたなか、危険を顧みず前向きな彼女の姿勢が世界の人々を鼓舞しました。知的かつチャーミングな彼女は、当時から現代にいたるまで絶大な人気を誇っており、アメリカの国民的ヒロインのひとりです。 本作でアメリアを演じたのは、『魔法にかけられて』(2007)や『ビッグ・アイズ』(2014)、『メッセージ』(2016)などへの出演で知られるエイミー・アダムス。作中では、冒険好きな性格で危険な場所や状況にも自ら飛び込んでいくタイプとして描かれています。
スミソニアン博物館で撮影された初の映画
実在する博物館を舞台としている本シリーズ。2作目の舞台はワシントンD.C.にあるスミソニアン博物館ですが、実はこの博物館で実際に映画の撮影が行われたのは本作が初めて。 本作のキーキャラクターであるアメリアの活躍は、スミソニアン博物館の別館である国立航空宇宙博物館の圧巻の展示で、説得力を増していましたね。
3作目『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』
あらすじ【ネタバレ注意】
ニューヨークの自然史博物館では、展示物たちと夜間警備員のラリーがプラネタリウムお披露目パーティーの準備を進めていました。そんな中、魔法の石板にサビのような異常が現れ、展示物たちが我を忘れて大暴走してしまいます。 ラリーは前任の老警備員・セシルから、彼が少年時代に魔法の石板を発見したこと、そのときに現地人が言っていた「世界の終わり」が石板の魔法の終わりであることを聞き、その秘密を知っているというアクメンラーの父親を訪ねて、大英博物館へ行くことに。 しかし、息子のニッキーとアクメンラーだけを連れてきたつもりが、ほかの展示物たちもついてきてしまっていました。
大英博物館に到着したラリーたちは、トリケラトプスの骨格標本やランスロットの蝋人形などに出会い、大騒ぎになってしまいます。 アクメンラーの両親を見つけたラリーたちは、父親のマレンカレから石板は彼の家族を永遠に生かすためのものだと言います。 また、魔法を保つためには石板を月光にさらさなければならず、魔法が死ねば展示物も死ぬと聞かされます。ラリーは石板を天窓に持っていきますが、キャメロットを探すランスロットが石板を盗んで逃走。 なんとか彼に追いついたラリーでしたが、石板は魔法の力を失いはじめ、ニューヨークから来た展示物たちが死にはじめます。それを見たランスロットは石板を返し、ラリーが月光にかざすと展示物たちが生き返りました。 ニューヨークの展示物たちは夜の生活をあきらめ、石板をアクメンラーの家族に返すことに決めます。ニューヨークに戻った彼らは、最後の夜を楽しみました。 3年後、教師になったラリーは自然史博物館で開かれた大英博物館展を訪れます。そこに現れた大英博物館の警備員ティリーが石板を館長に返すと、展示物たちが蘇り復活パーティを開くのでした。
本作の注目キャラクター
本作では、1作目から登場しているエジプトの王子アクメンラーが中心となっています。アクメンラーを演じるのは、のちに『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)でフレディ・マーキュリー役で一躍世界的スターとなるラミ・マレックです。 エジプト系アメリカ人であるマレックが演じるアクメンラーは、本シリーズのなかでは数少ない実在しない人物。本作で登場する彼の父マレンカレも同じく実在しない人物ですが、『ガンジー』(1982)などでよく知られるベン・キングスレーが演じています。
「ナイトミュージアム3」には驚きのカメオ出演が
本作でアーサー王の円卓の騎士のひとりであるランスロットを演じたのは、のちにテレビシリーズ『ダウントン・アビー』や実写映画『美女と野獣』などで知られることになるダン・スティーヴンスです。 また、彼が本物のアーサー王と思い込んでしまうミュージカルの俳優には、本人役でヒュー・ジャックマンとアリス・イヴがカメオ出演しています。 また、本作はシリーズを通してセオドア・ルーズベルトを演じてきたロビン・ウィリアムズの遺作となりました。収録後に死去した彼に哀悼の意を表し、スタッフロールには追悼メッセージが記されています。
「ナイトミュージアム」シリーズをチェックすると、実在の博物館に訪れたくなる!
「ナイト ミュージアム」シリーズは1作目はニューヨークのアメリカ自然史博物館、2作目はワシントンDCのスミソニアン博物館、3作目はロンドンの大英博物館と、すべて実在する博物館が舞台になっています。どの博物館も豊富な展示品の数々で有名ですが、本作で描かれたように夜に彼らが動いているかも、と考えるとわくわくしますね! 観れば実際に舞台になった博物館に行ってみたくなる「ナイト ミュージアム」。それも本シリーズの魅力なのではないでしょうか。