2023年2月21日更新

『スマホを落としただけなのに』ネタバレあらすじを結末まで解説!韓国版との違いは?狙われた理由と犯人の正体

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“スマホを落とした”ことから始まるサスペンス・スリラー『スマホを落としただけなのに』(2018年)。デジタルネイティブ世代の若者を中心に、観客を恐怖に陥れた作品です。2023年2月17日には、韓国でリメイクされた同名映画がNetflixで配信開始しました。 この記事では、本作のポイントをネタバレありで解説!韓国リメイク版のネタバレも記事後半で紹介しています。

※映画『スマホを落としただけなのに』のネタバレが含まれます。本編を未鑑賞の方はご注意ください!

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映画『スマホを落としただけなのに』作品情報

タイトル 『スマホを落としただけなのに』
公開日 2018年11月2日
上映時間 116分
メイン キャスト 北川景子 , 田中圭 , 千葉雄大 , 成田凌

『スマホを落としただけなのに』のあらすじ

稲葉麻美(北川景子)の恋人・富田誠(田中圭)は、あるときスマホをタクシーに忘れてきてしまいます。そうとは知らない麻美は、彼のスマホに電話をかけます。スマホを拾った男が電話に出て「横浜のカフェに預けておく」と言いました。無事にスマホを受け取った麻美でしたが、それ以降、不可解な出来事に悩まされるようになります。 一方、丹沢の山中では若い女性の遺体が発見され、刑事の毒島徹(原田泰造)と加賀谷学(千葉雄大)が捜査を開始。2人が周囲を捜索すると、さらに複数の遺体が出てきました。遺体はどれも長い黒髪の若い女性で、髪の毛の一部が切り取られ、下腹部にはナイフで何度も刺した痕が。 毒島たちは連続殺人事件と断定し、捜査を進めます。 >詳しいネタバレあらすじはこちらから

感想・評価

スマホを落としただけなのに
©2018映画「スマホを落としただけなのに」製作委員会
スマホを落としただけなのに』の総合評価
3.5 / 2人のレビュー
吹き出し アイコン

20代女性

後半の成田凌の演技がすごすぎて、思わず笑っちゃうくらい圧倒された。イケメンの役柄より、こういうヤバめの役の方が似合うかも?スマホを落としただけで、こんなにも危険にさらされるなんて!絶対落とさないようにしないと!

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30代女性

初めて観た時はSNSとか全部止めようかと思った。スマホってホントに大事。しかしスマホを落とした人よりも恋人の方がダメージ受けてるのが腑に落ちない。自分もだけど、自分の大事な人を巻き込んでしまうこともある怖さよ……。

成田凌の怪演がトラウマレベルで、この作品の肝ともいえる要素。続編で準主役になっているのもうなずけます。 スマホを落としたことで起こる数々のトラブルがわかりやすく描かれていて、極端な部分もあるにしても、スマホというツールの光と闇を見せつけられる作品です。

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『スマホを落としただけなのに』結末までのネタバレあらすじ

【起】スマホを落としただけなのに……個人情報が盗まれる!

大事なプレゼンに遅刻しそうになった富田誠は、慌ててタクシーの中にスマホを落としたまま飛び出してしまいました。そうと知らずに恋人の稲葉麻美は電話をかけ、富田のスマホを拾った人物と話をします。その人物がカフェに預けたスマホを取りに行った麻美は、何者かが彼女を撮影しているのに気が付きませんでした。 プラネタリウムで富田からプロポーズを受けた麻美でしたが、なぜか返事もせずに浮かない顔。「もう少し時間が欲しい」と言う麻美には、ある秘密がありました。そして、そんな2人の行動をパソコン上で監視する人物が。それは富田のスマホを拾った人物で、そのスマホからあらゆる個人情報を盗んでいたのでした。 その頃、丹沢の山中で若い女性の遺体が発見されます。捜査一課の刑事・毒島は、IT企業から転職した新人刑事・加賀谷とバディを組んで捜査に当たることに。現場では合計5人の遺体が発見されますが、全員が長い黒髪の若い女性で、髪を切り取られて下腹部をめった刺しにされていました。

【承】乗っ取られたスマホ!すれ違う富田と麻美

5人の被害者たちは、みんな家族と疎遠になっている孤独な地方出身者の女性ばかり。犯人は被害者のスマホを利用して、音声を加工するなどして家族と連絡を取って生存の偽装をしていました。それを突き止めた警察の動きを知った犯人は、被害者たちのスマホを破壊します。 スマホを落としてから、変なメールやおかしな出来事が起こっていた富田と麻美。そんな中、富田のスマホにランサムウェアが仕かけられてしまいます。麻美がネットセキュリティ会社の知り合いに相談すると、浦野という社員がやってきて、即座に問題を解決しました。 しかし富田と麻美は犯人の思惑にはまり、浮気場面のような写真を互いに送り付けられ、仲がこじれてしまいます。同時に犯人は麻美と過去に因縁ある商社マンの武井のSNSから、麻美の過去に関する重大な秘密に気付きます。

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【転】犯人は意外な人物!暴かれる麻美の過去の謎

実は、富田のスマホを拾ったのはランサムウェアを解除してくれた浦野善治でした。その裏の顔は、長い黒髪の女性ばかりを狙った連続殺人鬼だったのです。 浦野は小柳を装って麻美に執拗にメールを送り続けたり、彼女のSNSを乗っ取って勝手に投稿したり、麻美のスマホにもランサムウェアを送ったりしていました。再び麻美が浦野を頼った時、彼は本性を見せて彼女を誘拐し、自分の隠れ家で殺害しようとします。 富田と加賀谷はそれぞれに麻美が監禁されている場所を特定。そこは閉園して寂びれた遊園地でした。一足先に着いた富田は浦野と対決しますが、足を折られてしまいます。そんな富田に浦野は麻美の秘密をバラそうとしますが、麻美は「自分から話す」と覚悟を決めるのでした。 「稲葉麻美」の本名は、「山本美奈代」。2人は学生時代の親友でしたが、株の投資に失敗した麻美が美奈代の名義で闇金融から借金をしてしまいます。激怒した美奈代に、麻美は「私の人生をあげる」と美奈代の身分証明書を持って自殺。それ以降、美奈代は整形して麻美に成り代わって生きて来たのです。 麻美のパスワードと武井の写真フォルダに共通の名前「minayo」があり、武井が持つ美奈代の写真と富田が撮った麻美の写真は背中のホクロが一致したため、浦野は彼女たちが同一人物であることに気付いたのでした。

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【結末】「スマホは宝箱」……心温まる感動のラスト

遊園地にたどり着いた加賀谷は浦野と対峙し、浦野のトラウマである母親の言葉「あんたなんか生まなきゃよかった」を叫んで混乱に陥れます。2人がもみ合う中、間一髪で毒島が浦野を撃ち、確保しました。 浦野を逮捕した警察は取り調べをしますが、彼は事件について何も語りません。一方、浦野に襲われて入院していた富田は、自分が麻美を苦しめていたと考え、彼女と連絡を取ろうとしなくなっていました。 見舞いに訪れた加賀谷から麻美のスマホを渡された富田は、その「お気に入り」という写真フォルダに自分の写真が数多く保存されているのを見て、彼女が確かに彼を愛していたことを知ります。 その後、彼は最初にプロポーズしたプラネタリウムで麻美に再会。「新しい戸籍で新しい人生をやり直そう」と再度プロポーズし、2人は手をつないで去っていきました。

【解説】加賀谷がキーパーソン

警察は、Nシステム(走行中の車のナンバーを自動的に読み取るシステム)を使って犯人を追いましたが、途中でシステムが設置されていない脇道に入られてしまい、手詰まりになってしまいます。 しかし、新人刑事・加賀谷の推理で見事犯人逮捕に成功。彼はなぜ、犯人の居場所がわかったのでしょうか。 犯人の浦野は、閉園になった遊園地の地下に潜んでいました。つらい幼少期の記憶を持つ彼は、子供が楽しく過ごせるはずの遊園地に憧れを抱いていたのでしょう。 実は加賀谷も、子供のころ母親に虐待されていました。同じ境遇にあった者として、その居場所を推察したのです。 加賀谷の母親も長い黒髪で、彼もそれに対する強い執着心を持っています。また彼も、母親から「あんたなんか産まなければよかった」と言われていました。同じ境遇で育ったふたりが、殺人犯と刑事として対峙する点は非常に面白いですね。 加賀谷は続編では主役に。前作で明かされた彼の過去が、どうつながっていくのか注目です。

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【解説】麻美が狙われた理由 犯人の意図とは

連続殺人事件の被害者には、ある共通点がありました。それは、長い黒髪の女性で、家族と疎遠であるということです。 麻美もこの条件に当てはまります。また彼女と富田の仲が順調であることも、浦野の気に障ったのかもしれません。さらに彼は麻美の情報を探るうち、彼女の過去に大きな秘密があることに気づきます。それがさらに興味を引いたのでしょう。 浦野が子供のころに逆されていた母親は、長い黒髪でした。そのため母親と似たような髪型の女性に執着し、下腹部を刃物でメッタ刺しにして殺害。そして相手の髪の毛の一部を切り取って持ち帰っていたのです。 下腹部を刺したのは、彼が母親から「あんたなんか産まなければよかった」と言われていたからでしょう。

【解説】映画と原作小説の違い

映画と原作ではまず、加賀谷刑事の設定が違っています。映画では加賀谷も浦野と同じように母親から虐待された過去を持っていることになっており、ラストでの2人の共鳴が上手く描かれました。この設定は続編でも大いに活用されています。 また最後の対決の場が、原作では監禁部屋で終わるのに対し、映画では寂びれた遊園地が舞台に。「あんたなんか生まなきゃよかった」というセリフも原作にはなく、加賀谷と浦野の共通点を強調するものとなっていました。 映画のラストで、富田がプラネタリウムで麻美に再びプロポーズするシーンは感動を呼びますが、実はこれも映画オリジナル。原作では麻美が病院を出たところで、富田からLINEでプロポーズされます。 ちなみに最後の最後で北村匠海演じる若いカップルの男性が、スマホをプラネタリウムで落として去っていくのもオリジナルシーンです。

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登場人物・キャスト解説

稲葉麻美役/北川景子

恋人がスマホを落としたことから、不可解な事件に巻き込まれていく主人公・稲葉麻美。商社に務める派遣社員で、彼氏である富田との仲も順調に進んでいましたが……。 麻美を演じるのは、テレビドラマや映画も製作された「謎解きはディナーのあとで」や『君の膵臓をたべたい』(2017年)などで知られる北川景子。SNSやスマホの情報でプライバシーが侵害されていく恐怖を、リアルに演じています。

富田誠役/田中圭

麻美と結婚したいと考えている恋人の富田誠。ある日、プレゼンに向かうために乗ったタクシーにスマホを忘れてしまい、それから身に覚えのないクレジットカードの請求など、不可解な出来事に悩まされることになります。 富田を演じるのは「おっさんずラブ」シリーズや「図書館戦争」シリーズなどで知られる田中圭です。

加賀谷学役/千葉雄大

連続殺人事件を捜査する新人刑事の加賀谷学。IT業界から刑事に転職した変わった経歴の持ち主で、インターネットやコンピュータのセキュリティには詳しいようです。 加賀谷を演じる千葉雄大は、田中圭とドラマ『おっさんずラブ-in the sky-』(2019年)で共演。映画では『アオハライド』(2014年)や『帝一の國』、『亜人』(ともに2017年)などに出演している若手注目株です。

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浦野善治役/成田凌

浦野善治は、麻美の知り合いの部下でITセキュリティのスペシャリストです。SNSやスマホの情報を悪用されている麻美と富田のために、浦野は安全対策に協力してくれました。 そんな浦野を演じるのは、成田凌。成田は本作での演技が絶賛されたのをはじめ、そのほか数々の作品で若手実力派俳優としての地位を確立しました。

そのほかのキャスト

主要キャスト以外にも、本作に出演している俳優陣は豪華です。 麻美の大学の先輩・武井役に要潤、麻美の友人・杉本加奈子を演じるのは、高橋メアリージュン。また、富田の先輩でかつて麻美に想いを寄せていた小柳守をバカリズムが、加賀谷の先輩刑事・毒島を原田泰造が演じています。

韓国リメイク版『スマホを落としただけなのに』ネタバレあらすじ

食品会社で働くナミは、帰宅途中のバスでスマホを落としてしまい、スマホの修理屋のジュンヨンという男性が彼女のスマホを拾いました。 彼は修理屋に預けた体でナミを店へ誘導し、スパイウェアを入れたスマホを返却。その日以降、ナミの趣味や好み、仕事、金の流れまですべてを監視します。一方、山中の死体遺棄現場を訪れたウ・ジマン刑事は、犯人の遺留品から失踪中の息子ジュンヨンに疑いの目を向けていました。 ジュンヨンはナミの父スンウが営むカフェの常連を装い、彼女との距離を縮めていきます。 そんなある日、ナミはSNSの乗っ取りに遭って会社をクビになりました。相談を受けたジュニョンは、彼女が同居人のウンジュを疑うように仕向けることに。同じ頃、警察は他に7人もの女性の他殺体を発見し、本格的にジュンヨンを追い始めます。 ナミは“スマホが始まり”だと気付き、警察を連れてスマホの修理屋へ。捜査に来ていたジマンから真相を聞き、彼が提案する囮作戦に協力するのでした――。

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【ネタバレ注意】韓国版と日本版の違い

日本版との大きな違いは、連続殺人鬼の正体が序盤で判明する&犯人像の詳細。韓国版は背景が一切描かれない上、犯行動機も「スマホを落としたから」と曖昧でした。這い寄るような恐怖ではなく、常人では理解の及ばないものへの恐怖が際立っています。 終盤にはオリジナルのどんでん返しも用意され、韓国映画らしい作品に仕上がりました。

映画『スマホを落としただけなのに』をネタバレ解説でおさらい!

スマホは、あなたの全てを知っているといっても過言ではありません。本作を観て、とくにパスワードの重要性に気づいた人もいるのではないでしょうか。また、本作には犯人が誰なのかを暴いていくと同時に、主人公の生活や過去が犯人によって暴かれていくストーリーも見どころのひとつです。 本作の続編として、2020年には『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』が公開されました。千葉雄大と成田凌が続投し、白石麻衣がヒロインを務めています。前作で主人公を演じた北川景子と田中圭も特別出演したことも話題に! これを機に、1作目と2作目を合わせて鑑賞してみてはいかがでしょうか?ネット社会の怖さを改めて知っておくのも良い機会かもしれません。