2019年12月9日更新

漫画『エルフェンリート』の魅力を全巻ネタバレ紹介!

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『エルフェンリート』の魅力をネタバレありで解説!スプラッター要素もある“オトナ”ラブコメ!?

『エルフェンリート』は、岡本倫の漫画を原作とした作品です。アニメは2004年7月のCS先行放送後、2005年4月に地上波修正版が全13話で放送。なお、同作者の作品は他に、『極黒のブリュンヒルデ』がアニメ化しています。 大学生と全裸の少女の、運命的なボーイ・ミーツ・ガール。きれいとはいえない下宿先で、2人は共に暮らし始めます。次第にどんどん女の子が住みつき、まさにハーレム状態。お色気シーンも盛りだくさんの、ちょっと大人なラブコメです。 この作品にはもう1つの側面があります。それは、“スプラッター”や“ムナクソ”要素がたっぷりあるということ。血がドバドバ噴き出し、首が飛び、切断面がくっきりと描かれています。地上波放送が修正版なのは、こうしたことによるものです。 エロとグロを押し出しつつ、人間の負の感情による「歪み」と向き合った作品。海外のファンが多いことでも有名です。

メインキャラクターを紹介!

ルーシー

ルーシーは、本作のメインヒロインにあたる人物。人類滅亡の可能性を持つミュータント、「ディクロニウス」の1人。 見た目は高校生くらいの女の子で、頭部に2本の角を生やしています。「ベクター」と呼ばれる、目に見えない腕上のものを出す能力を持ち、その殺傷能力は絶大。離島の研究所に閉じ込められていましたが、脱走。流れ着いた海岸で、コウタたちと出会います。 記憶を失っており、最初は「にゅう」としかしゃべれなかったため、「にゅう」と名づけられます。以来、コウタたちと「楓荘(かえでそう)」に住むことに。彼女には、「にゅう」の他にもう1つ、本来の凶暴で残虐な人格がありました。両者の入れ替わりに翻弄され、コウタとすれ違いながら、彼女は運命と向き合っていきます。 萌え要素と激情的な面を兼ね備えたヒロインです。

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ナナ

ナナもまた、ルーシーと同じくディクロニウスの1人です。脱走したルーシーを捕獲するため、研究所から送り込まれてきました。 髪はショートカットで、ネクタイをリボン代わりに結んだ、ルーシーより幼い少女。ルーシーと違い、生殖機能を持たないディクロニウス、「ジルペリット」の1人です。研究所の室長である蔵間を父親だと思い込んで心の支えとし、実験に耐えてきました。以降も蔵間に対しては特別な思い入れを持ち続けます。 ルーシー捕獲失敗後、処分される前に蔵間に逃がされ、楓荘に転がり込みました。研究所の外の世界を知らなかったため、非常識。基本的には人懐っこいですが、怒りで忘れると目つきが変わり、凶暴になります。ただ、他のディクロニウスとは違い、感情を暴走させることはありません。 普段のポンコツっぷりもあり、人気キャラの1人です。

マリコ

マリコも前の2人同様、研究所のディクロニウスの1人。ルーシーやナナよりもさらに幼い少女です。 5歳という幼い年齢ながら、最強のディクロニウスと呼ばれています。26本ものベクターを有しており、力も強く、卓越した戦闘力の持ち主。かつ、相手をいたぶることに喜びを見せるサディスト。年相応の無邪気な性格ゆえに残酷で、ディクロニウスの殺人衝動とマッチしています。 彼女はなんと、蔵間の実の娘でした。娘がディクロニウスだと知った蔵間は彼女を殺そうとしますが、母親に止められます。人間を見つけ次第殺そうとする危険性から、体内の5か所に爆弾が内臓。爆死しますが、その高い戦闘力から、死後研究所で4体ものクローンが生み出されました。 実の子でありながら、父親の愛情は別の少女に注がれているという不遇ぶり。

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『エルフェンリート』1巻あらすじネタバレ

離島の国立生体科学研究所では、人間の突然変異体「ディクロニウス」が研究されていました。あるとき、ディクロニウスの少女がスキを突いて多くの人を殺害します。彼女は頭に銃弾を受けながらも、海に飛び込んで脱走しました。 一方、大学生となったコウタは、通学のために北海道から上京。いとこのユカを頼り、「楓荘」に住まわせてもらうことに。 このとき、2人は砂浜で少女を発見。彼女は記憶を失っているようで、言葉も「にゅう」としか言えませんでした。ひとまず彼女を楓荘まで連れていきましたが、すぐさま脱走してしまいます。 研究所は、ルーシーと呼ばれる脱走者を追ってSAT(警視庁特殊急襲部隊)に出動要請。「人間兵器」の異名を持つ隊員、坂東は彼女を発見します。しかし、もみ合ううちににゅうは「ルーシー」の人格に目覚め、坂東と交戦。この戦いで彼は右腕を切断し、左腕を折られ、両目を潰されてしまいました。

『エルフェンリート』2巻あらすじネタバレ

SATの追跡からにゅうをかくまうコウタとユカ。しかし、2人の間にはすれ違いが生じていました。彼は夏祭りの思い出すら覚えていません。 コウタは記憶を失っていました。そして彼は8年前、夏祭りの日に目の前で父親と妹を殺されていたのです。 一方、生き延びた坂東。研究所の室長である蔵間は彼に、ウイルス拡散阻止のため、去勢手術を命じました。そして新たに、ディクロニウスの少女ナナを向かわせます。 あるとき、マユという少女が傘を届けに楓荘にやってきました。コウタは、浜辺の一件を見ていた彼女から事情を聞き出します。その間、頭を打ったにゅうがルーシー化し、飛び出していきました。 楓荘を見つけたナナは、ルーシーに帰るよう言いますが、結局闘うことに。ナナは四肢を切断され、駆け付けた蔵間が彼女を回収。彼は殺される覚悟で飛び出しましたが、ルーシーは殺しませんでした。

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『エルフェンリート』3巻あらすじネタバレ

家庭の事情で家出していたマユは、楓荘に住むことに。住民票も移して、楓荘の住人の1人となります。彼女は義父からの性的虐待を受けていて、母親からも疎まれていました。コウタとにゅうの混浴を見た彼女は過去を思い出し、以来コウタを避けるようになります。 コウタたちはにゅうを連れ、ディクロニウス研究の大家、角沢(つのざわ)教授の講義に出ました。にゅうの姿を見た角沢は、彼女がルーシーだと確信。そしてコウタたちに、自分の妹だと言って引き取りを申し出ます。脅しもありの強引な申し出に負けた彼らは、泣く泣くにゅうを渡しました。 ルーシーと新人類を創ろうとしている角沢は、彼女を眠らせます。しかし、にゅうの人格が眠ったことでルーシーの人格が覚醒。性交しようとしていた角沢をその場で殺し、その場を去ります。

『エルフェンリート』4巻あらすじネタバレ

角沢教授を殺し、逃げ出したルーシー。その凄惨な現場を見たコウタは、過去の記憶のフラッシュバックに遭い、頭を抱えます。 彼はユカににゅう失踪の件を伝えると、2人で探すことを決意。雨に濡れながらも必死に探し回る2人は、とある神社の境内で雨宿り。そこで一線を越えてしまった様子。 ところ変わって坂東は、去勢手術から逃れ、研究所を脱走。独自に動き始めた彼は由比ガ浜に住みつき、マユと出会います。 雨が上がって再び探し始めた2人は、ついににゅうを発見。しかし、彼女の雰囲気は今までのものと異なり、言葉も話せるようになっていました。催眠の影響で、にゅう=ルーシーは記憶を取り戻したのです。 全てを思い出した彼女は、「家」に戻ると言います。引き留めるコウタでしたが、彼女には側にいる資格がありませんでした。8年前の痛ましい事件は、彼女によるものだったのです。

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『エルフェンリート』5巻あらすじネタバレ

コウタの元を去ろうとしたルーシーでしたが、彼の優しさに触れ、再び楓荘に住むことに。 研究所では、所長で角沢教授の父でもある長官が蔵間にナナの処分を指示します。彼はこの命令に反し、ナナに義肢を付けて彼女を逃がしました。彼女が入れられた救命カプセルは由比ガ浜に漂着し、坂東がこれを発見。銃を向けられた後、戦闘状態に突入します。 闘いの後、2人にはにゅうという共通の敵がいることが明らかに。利益が一致した2人は、共に連携することを確認します。 その後、街をふらついていた彼女とマユが遭遇。2人は友達となりましたが、このとき、マユはナナににゅうのことを話してしまいます。これを聞いた彼女は、にゅうを自分に会わせてほしいと楓荘まで着いていくことに。 はじめはルーシーの気配が感じられませんでしたが、中に入ると気配を察知。そのままにゅうに飛びかかっていきました。

『エルフェンリート』6巻あらすじネタバレ

にゅうはナナに襲われました。コウタたちに止められるも、彼女はその後床にふせってしまいます。 熱で寝込みながら、子供の頃の夢を見ていたにゅう。小さい頃から「角」のせいでいじめられ、ベクターが覚醒して皆殺しにしたこと。そして、この忌むべき角を唯一“かっこいい”とほめてくれた男の子。過去の記憶を取り戻したにゅうは、コウタに愛を告白します。 研究所では、角沢がルーシーの奪還とナナの処分のためにディクロニウスを向かわせました。彼女は、「35番」と呼ばれる最強のディクロニウスで、蔵間の実の娘でもあるマリコでした。 ナナもまた、結局楓荘に住むことに。彼女は海岸で坂東と出会いますが、にゅうのことは話しませんでした。その矢先、マリコが現れ、ナナは瀕死の状態に追い込まれます。

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『エルフェンリート』7巻あらすじネタバレ

ナナをいたぶるマリコを見つけた蔵間と坂東。蔵間は、娘に生い立ちを話した後、彼女に銃を撃つも弾は逸れてしまいました。 彼はナナを坂東に任せ、マリコと対峙します。そして彼女を抱きしめ、爆弾で共に心中しようとしましたが、自衛隊のミサイル弾が2人に着弾。マリコは角が折れ、一時的に人格が変わります。 そこにやってきたにゅうがルーシーとなって蔵間を襲撃。マリコは父をかばうようにルーシーの行く手を防ぎます。しかし、闘いの最中に体内の爆弾のリミッターが作動してしまいました。絶体絶命となったマリコは自爆し、ルーシーの角を折りながら、粉々になってしまいます。 その間に、角沢は世界中にディクロニウスウィルスをばらまくミサイルを発射。全てを失い、最悪の事態を止められなかった蔵間は、ナナを残して自殺してしまいました。

『エルフェンリート』8巻あらすじネタバレ

ディクロニウスウィルスが拡散されてから半年。マリコとの闘いで角を折られて以来、にゅうはルーシーの人格が現れなくなりました。会話も普通にできるようになっています。 一方角沢は、ウィルスを使って人類支配を企んでいました。彼は娘のアンナに手術を施して脳の容積を増やし、未来予知をさせます。計画成功というアンナの予知に角沢は喜びますが、彼女の表情は微妙。 彼は再度ルーシーを回収するため、男を派遣。別のディクロニウスをレーダー代わりに、居所を突き止めようとします。レーダーはディクロニウスの存在を感知しましたが、その相手はナナでした。 男は対ディクロニウス戦に慣れた手練れ。専用のボウガンを使ってナナを無力化し、側にいたマユを手にかけようとします。彼女は電話で坂東を呼び、駆け付けるとともに男をねじふせました。しかし、彼が戻ろうとすると、偶然帰ってきたにゅうと鉢合わせます。

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『エルフェンリート』9巻あらすじネタバレ

ついに叶った憎き宿敵との再会。坂東はにゅうに銃撃するも、とっさにルーシーとなってかわします。途中ナナの妨害などもありつつ、両者の激しい攻防は一進一退。そこにマユが止めに入り、ルーシーはマユごと坂東を殺そうとします。 時が経ち、気が付いた坂東は、下半身を失っていました。マユが生きていたことを確認すると、彼はそのまま息絶えます。これを機に、ルーシーを殺すことを決意したナナとマユ。対してルーシーは逃げ出した後ににゅうに戻り、事態が把握できずに泣いていました。 コウタは角沢教授の跡を継いだ荒川の研究室に行き、にゅうの行方を聞くもわからずじまい。逆に尾行されて楓荘の場所がバレてしまいます。 その後、事態を把握したにゅうは自殺を試みるも失敗。ナナに殺してもらおうとしますが結局できず、みんなで楓荘に戻ります。するとそこに、特殊部隊が攻め込んできました。

『エルフェンリート』10巻あらすじネタバレ

楓荘に乗り込んだ特殊部隊はにゅうたちを次々と拘束。そのスキを突いたコウタは、リーダーの能宗(のうそう)に銃を突きつけます。しかし、別の者に背中を打たれて負傷。この出来事がきっかけで、彼は過去の記憶を全て思い出します。 にゅうはルーシー化して敵をせん滅。これまで以上の強さに、特殊部隊はなす術もありません。しかし、能宗が用意したジルペリットにもう片方の角を折られ、ついに力尽きてしまいます。 捕らえられ、研究所に戻ってきたルーシーはにゅうに戻っていました。彼女は角沢の野望と、彼がディクロニウスの一族であるということを聞かされます。そして、自分に課せられた役割は、彼との間の子を作ること。彼女は断固拒否します。 角沢は、無理強いはしないと言って、研究所地下の地底湖で待つことに。にゅうは拘束を解いて、地底湖へと向かいます。

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『エルフェンリート』11巻あらすじネタバレ

話の冒頭はうってかわって、ナナのシーン。廃人化して生きていた蔵間のところへやって来た彼女を、追いかけてきたジルペリットが襲撃。死を覚悟しましたが、意識を取り戻した蔵間の銃撃で退けます。 他方、研究所は地底から伸びた無数の触手によって大破。無数のジルペリットが暴走し、研究員たちを次々と殺します。 こうした状況の中、角沢はルーシーの母親の話をしたうえで、彼女の「弟」を紹介しました。にもかかわらず、彼女は角沢もろとも弟の首をはねます。彼がディクロニウスの一族であるという話は真っ赤なウソ。娘のアンナはこのことを知っていましたが、その後ルーシーに襲いかかり、そのまま死亡。 研究所には、ディクロニウスウィルスのワクチンを開発した荒川がいました。彼女はワクチンを抱えながら、すんでのところで救出。 ルーシーは、救助カプセルに入って脱出します。彼女が流れ着いた海岸には、コウタが待っていました。

『エルフェンリート』12巻あらすじネタバレ

角沢の計画が潰え、最後に残ったにゅうとコウタ。彼は妹が好きだった灯台に案内し、彼女に憎しみをぶつけます。そして、今後人を殺さないならば、また一緒に暮らしたいと提案してきました。 にゅうは、傷口が開いてしまったコウタを助けようとするも、そこに蔵間が立ちはだかります。彼女はにゅうでもルーシーでもない第3の人格を現し、彼の腕を切断。この光景を見たコウタは彼女を拒否するも、反射的にかばい、銃弾を食らいます。 暴走した彼女は、力の反動で溶けていく体をコウタに与え、彼を生かそうとしました。目を覚ました彼の目の前には、どろどろになった彼女の姿。第3の人格を抑えつつ、にゅうとルーシーはコウタに自分を殺すよう頼みます。最後に彼は彼女を撃ち、子供の頃の約束を果たしました。 その他、事件直後の話と、それから10年後の話がエピローグとして載っています。

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『エルフェンリート』の魅力に酔いしれよう!

突然変異によって複数の人格を持ち、殺人衝動に駆られながら生きる少女。そんな少女の暴走によって全てを失い、記憶まで失くしてしまった少年。残酷な因果によって、2人は「他人」として再び出会います。 以来、彼の周りに起こるのはあり得ないことばかり。やがては世界全体をも揺るがす事態にまで発展していきます。これも全て、コウタとにゅうの関係性がトリガーとなって引き起こされているのです。本作は「セカイ系」にもカテゴライズされる内容でしょう。 彼らは常に死と隣り合わせでありながら、同時にウハウハの下宿生活も繰り広げるわけです。この緊迫感の高低差こそが、この作品の最大のストロングポイントといえるでしょう。