2020年3月16日更新

“雨”が印象的なアニメ作品5選!【作品を美しく演出する自然の彩り】

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雨 アニメ サムネイル

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“雨”が印象的なアニメを5作品に厳選!感情表現を微細に描く表現方法

表現の世界において、自然現象を意図的に見せる演出は珍しくありません。自然は一箇所に留まることはなく、絶えず移ろいゆくもの。その繊細かつダイナミックな動きは、同じく変わりゆく人間の表現に応用できるのです。 周囲の事象は、なにも登場人物の心を間接的に表現するだけではありません。登場人物自身、あるいは彼らを取り巻く場面それ自体に、逆に意味付けを行うこともあるのです。場面場面で意図的に描くことで、セリフや動き以外の情報を伝えることでしょう。 今回は、そんな自然現象の情景描写の中で、「雨」を印象的に用いた作品の紹介です。 雨といっても、様々な雨があります。雨の強さの程度から雨粒の冷たさ、降り出しや降り止んだときのシーンまで。多種多様な雨の表現は、登場人物の感情のニュアンスを細やかにほのめかすのです。 それでは、以下、「雨」を効果的に用いた作品をみてみましょう。

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1.『恋は雨上がりのように』

『恋は雨上がりのように』は、眉月じゅん(まゆづきじゅん)の漫画が原作のアニメ作品で、通称「恋雨」。2018年1月に「ノイタミナ」でアニメ放送されたほか、同年に実写映画も公開されています。 主人公の橘あきらは、不器用でクール、つり目が印象的な女子高生。元々優秀な陸上の短距離走者でしたが、高校1年の時の大ケガで陸上をやめることに。あるとき、病院の帰りに雨宿りでファミレスに入った彼女は、ひょんなことで店長の近藤正己(まさみ)と出会います。以来、彼女は彼に対し、密かに想いを寄せるようになるのでした。 本作における「雨」は、作品のカギとなるシーンで効果的に描かれています。近藤を想うあきらの距離に変化がもたらされる場面で、必ずといってよいほど降っているのです。特に、土砂降りの中での彼女の2度目の告白は、作中きってのハイライトといえるでしょう。

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2.『それでも世界は美しい』

『それでも世界は美しい』は、椎名橙(しいなだい)の漫画を原作としたアニメ作品。原作は「花とゆめ」誌にて、現在も連載中です。アニメは2014年4月から1クール放送されました。 「雨の公国」は、世界を征服した大国「晴れの大国」に王女ニケを嫁がせます。大国の王を務めるリヴィウス一世は、まだ11歳の少年ながら、冷酷な王として恐れられていました。にもかかわらず、真っ向から反抗する彼女に、王はかえって興味を持つように。やがて、互いの素性を知った両者は次第に惹かれ合い、支え合う関係へとなっていきます。 ニケたち「雨の公国」の一族は、雨を降らせることができる存在です。「アメフラシ」と呼ばれる降雨の儀式は、公王が民のために歌を歌うことで雨を降らせるもの。歌いながら雨を降らせるシーンはなんとも神秘的で、作品を象徴するものです。

3.『カウボーイビバップ』

『カウボーイビバップ』は、サンライズ制作によるオリジナルアニメ作品。1998年4月に一部のみが地上波放送された後、同年10月にWOWOWで26話全話が放送されました。20年以上経った今なお、人気の高い作品です。 スパイクとジェットは、宇宙船ビバップ号に乗って宇宙を駆け回る賞金稼ぎ。星々を渡りながら、様々な人と出会い、いざこざに巻き込まれます。そうしていくうちに、いつしか仲間が増え、ビバップ号はいっそうにぎやかに。ハードボイルド路線をベースに、ときに笑いあり、ときに哀愁ありのSF作品です。 本作と「雨」との関係で最も印象的なのは、第1話冒頭のシーン。雨の中、スパイクがバラの花束に隠したマシンガンを乱射し、撃たれるという衝撃的な一幕です。雨に打たれる姿が、ハードボイルドな作品の方向性と彼の悲しい過去を、冒頭から強烈に見せつけています。

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4.『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』

『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』は、暁佳奈の原作小説をアニメ化した作品です。2018年1月にアニメが放送され、2019年9月には「外伝」が劇場公開されました。2020年4月には、完全新作の劇場版アニメが公開予定です。 ヴァイオレットは、戦いしか知らない少女兵でした。彼女は大戦で、慕っていた上官ギルベルトと、両腕を失います。戦後、彼女は後見人の1人クラウディア・ホッジンズの営むC.H郵便社で働くことに。彼女は「自動手記人形」(略称はドール)として、手紙の代筆をしながら、ギルベルトの最後の言葉の意味を探し始めます。 本作における「雨」のシーンといえば、第2話のやりとりでしょう。雨の中、ドールの仕事にこだわる理由を聞く同僚のエリカに、ヴァイオレットは「“愛してる”を知りたい」からと答えます。その後、彼女の想いがエリカに伝わるとともに、雨が止んで晴れ間が差し込む象徴的なシーンです。

5.『涼宮ハルヒの憂鬱』

『涼宮ハルヒの憂鬱』は、谷川流(たにがわながる)のライトノベルが原作の作品。2006年にアニメ第1期が、2009年には第1期を含めたアニメ第2期が放送されました。2010年には、『涼宮ハルヒの消失』が劇場公開されています。 平凡な高校生のキョンは、クラスメイトの変人美少女、涼宮ハルヒに目を付けられます。彼女は、「宇宙人や未来人や超能力者」たちと一緒に遊ぶための団体、SOS団を結成。やがて、本物の宇宙人・未来人・超能力者がSOS団に加入します。ハルヒの思い付きと世界の異変に振り回され続けるSOS団を、キョンの視点で描いた作品です。 本作においては、その名の通り「サムデイ イン ザ レイン」という回が印象的。話の最後、ハルヒが照れくさそうに、キョンと相合い傘しながら帰るシーンがあります。なんだかんだでいいコンビの2人の空気感が表れた、物語を締めくくるにふさわしい話です。

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アニメにおいて“雨”とはただの自然現象じゃない!作品を美しく彩る特別な演出

風景描写として「雨」を取り上げるものは多いでしょう。雨は人の感情について、ポジティブな面とネガティブな面の両方を表現できるからです。ここでは、『カウボーイビバップ』や『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』がこれに該当します。 気持ちを映す役割だけではありません。雨は作品の登場人物に、中には作品のテーマ自体にさえ、特別な意味を与えるのです。 「恋雨」では、2人が相対するシーンに雨を降らせています。つまりこの2人(特にあきら)にとって、雨は特別なものです。「ハルヒ」でも、雨のおかげで物理的に距離が近くなっています。『それでも世界は美しい』であれば、世界観設定上、雨が降るシーン自体が既に特別なものです。 人間は古くから雨に対して趣を感じ、様々な表現を試みてきました。その意図は、本記事で紹介したアニメ同様、雨自体ではなく雨から読み取れる特別な何かだったのかもしれません。

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