漫画「僕の心のヤバイやつ(僕ヤバ)」最新話まで全話ネタバレあらすじ＆感想まとめ！山田はいつから市川を好きか考察

中2病を患うリアル中学2年生の市川京太郎(いちかわきょうたろう)は、日々妄想の中で同級生たちを殺害していました。そんな彼にとって1番殺したい相手が、クラスメイトの山田杏奈(やまだあんな)です。 彼女は雑誌のモデルも務めるほどの美少女で、市川とは対象的な陽キャ。彼女から見下されていると感じていた市川は彼女を目の敵にしていましたが、ある日彼女のイメージとはかけ離れた行動を目にしてしまいます。 市川のテリトリーである図書室にやってきた山田は、校則で禁止されているお菓子を食べはじめたのです。さらに大人っぽい見た目に反し、大雑把で不器用な一面も知るにつれ、彼は彼女のことがなぜか放っておけなくなるのでした。

山田への感情が「殺意」ではなく「恋」だと気が付いた市川は、自覚したことで余計山田を意識していました。一方市川のことを面白い男子と認識した山田は、以前よりも頻繁に市川に関わるようになっていきます。 山田の天真爛漫な振る舞いに翻弄され、不審者ぶりに拍車をかける市川。山田のために先生を理詰めで論破したり、先輩を殺しかけたり、みんなの前で成績を公開したり……。 そんな市川の奇行の裏に優しさが隠れていると気が付いた山田は、次第に市川に対して好意的な気持ちを抱き始めます。そして積極的にアプローチしますがネガティブ陰キャの市川には上手く伝わらず、じりじりとした両片想い展開が続くのでした。

いつの間にか市川に対して完全に恋愛感情を抱くようになっていた山田は、これまで以上に積極的に市川に迫るようになっていました。それと同時に嫉妬したり情緒不安定になったり、他の人には見せない顔も市川にだけは見せるようになります。 市川もその山田の変化には気が付いていました。とはいえ自分に好意があるとは夢にも思わず、2人の関係は平行線に。 そんなある日、とある事件をきっかけに市川は疑心暗鬼になって山田を避けてしまいます。一時はもう山田を諦めようとまで考えていた市川でしたが、モヤモヤの原因が山田ではなく自分だと気が付き無事一件落着。仲直りのハグを通して2人の距離はグッと近付いていきます。

偶然にもクリスマスイブに2人で出かけることになった市川と山田。漫画の貸し借りをするだけのはずだったのに、いつの間にか本物のカップルのようにデートを楽しみはじめます。そして帰り道、人混みの中はぐれないようにと繋いだ手を、市川も山田も離そうとはしませんでした。 そんなクリスマスイブからしばらく経ったある日、家族で秋田に行っていた市川は崖から転がり落ち腕を骨折してしまいます。そして骨折をきっかけに弟愛の重すぎる市川の姉が山田の存在を知ってしまい、やっと少しだけ前進した2人の関係をかき乱していくのでした。

波乱万丈だった冬休みが終わり、折れた腕のまま登校した市川。山田は慣れないながらも市川の介護を買って出ますが、上手くできず落ち込んでしまいます。 さらに市川の怪我は自分が秋田の雪景色を取ってきて欲しいとお願いしたせいだと思い込み、いっそう追い詰められてしまうのでした。 そんな折、山田は市川からもらったストラップがないことに気が付きます。市川も手伝い2人は寒空の下を長時間捜索。 そして無事ストラップは見つかり、冷えた体を温めるため市川は山田の家に行くことになります。そこで市川は初めて山田が思っていること、そして不安に感じていることを知るのでした。

2月に入り、学校はすっかりバレンタインムードに。山田は関根の言葉に後押しされ、気持ちの伝わる手作りチョコを用意しようと決意します。そして迎えたバレンタイン当日。山田はしっかり本命チョコを用意していました。 しかし何だかんだで渡しそびれ放課後に。自分のつくったチョコを眺め、やっぱり渡そうと決意した山田は、市川の元へ向かって走り出します。 一方山田からチョコレートを貰った市川は、その意味を計りかねていました。まるで本命チョコのようだけど、間違っていたらとんでもないことになってしまう……。そんなことを考えていた市川の顔を覗き込み、山田は「勘違いしてもいいよ」と告げるのでした。

バレンタインデーの一件で両想いだと確信した2人。といっても付き合う訳でもなく、2人の関係性は前と同じままでした。 そんな折、市川はホワイトデーにWデートをしないかと同級生の神崎から誘われます。ちょうど両想いらしいことがしたかった市川は、柄にもなく誘いを了承。山田にも声をかけダブルデートを敢行するのでした。 両想いになってから初めてのカップルらしいイベントに胸を膨らませる市川。しかし不運なすれ違いで開始早々山田を怒らせてしまい、険悪ムードに陥ってしまいます。 市川は山田とこれからも一緒にいたいという一心で、劣等感を乗り越え変わろうと決意しますが……。

Wデートやお泊りといったビッグイベントを経験しながらも、未だ正式にお付き合いすることなく中学3年生になった市川と山田。とはいえ2人が両想いなのは周知の事実として広まりつつありました。 そして迎えた中学校生活最初で最後の修学旅行。好きな人といく初めての旅行に心を躍らせる山田でしたが、日程がドラマのオーディションと被っていると知りショックを受けます。 結局山田はオーディションを諦めて修学旅行に参加。しかし表情はどこか暗く、それを見ていた市川は自分の山田に対する気持ちを伝えた後、オーディションを受けに行くべきだといって彼女の背中を押したのでした。

自転車2人乗りをする2巻の16話時点で、山田はもう好きを自覚して、完全に対好きな人ムーブを起こしています。 その前に好きだと自覚するきっかけがあったとすると、1巻14～15話でしょう。体育の授業で山田は市川と目を合わせてぼーっとしていて、その直後に顔面にボールを食らってしまいます。 プロ意識の高い山田が、撮影を翌日に控えてやってしまうミスではありません。それほど市川が気になっていたということです。 翌日、悔しくて泣いてしまった山田のために市川はそっとティッシュを用意しました。それを使う山田のニマニマした表情は、お菓子を食べてごまかしていますが、やっぱり市川が好きだと再確認しているように見えます。

これまで学校カースト上位に君臨する山田とは縁のなかった市川。しかし昼休みの図書室で、山田と遭遇します。彼女は給食を食べたばかりだというのに、おむすびやお菓子を頬張り、ゴリラ風の鼻歌まで歌い始めたのでした。 さらに彼女は授業の課題をやり始めますが、そこでも大雑把で計画性の無さを露呈させます。こっそりと様子を見ている市川は、そんな山田の一挙手一投足にハラハラさせられることに。 雑な山田を見るに見かねて、彼は中2病ゆえに持ち歩いているカッターを貸します。陽キャには引かれるかもと心配になる市川でしたが、山田は笑顔でお礼を言ってくれるのでした。この昼休みのやり取りをきっかけに、彼は山田が気になりはじめます。

山田を殺したいと思いながらも、親切な行動をしてしまう自分に違和感を感じる市川。そんな折体育の授業でボールが彼女の顔に直撃します。彼は山田を消したいと思っているのに、彼女の怪我が心配でとっさに保健室まで追いかけてしまうのでした。 ベッドの下に身を隠した彼は、親に電話を掛けながら泣いている山田の声を聞きます。彼女は翌日雑誌の撮影を控えており、その責任を感じているようでした。そしてなぜか彼女の泣き声を聞いた市川も、涙を溢れさせます。 その涙と当時に、彼は山田が好きだと自覚するのでした。陽キャとの恋には消極的ながらも、このエピソードから市川のラブコメが本格的に動き始めることになります。

「僕ヤバ」は2023年4月にアニメがスタート。市川役を堀江瞬(ほりえしゅん)、山田役を羊宮妃那(ようみやひな)が演じています。2人のゆっくりじわじわ進んでいく関係性を表すうえで欠かせない丁寧さが感じ取れる演出や作画に、評判は上々のようです。 序盤はまだ恋愛的な部分は動きませんが、動くばやしこ(小林ちひろ)がかわいかったり、もぐもぐする山田がかわいかったりと、ニヤニヤ要素が満載。じっくり2人の心の変化を観察したくなる作品に仕上がっています！

「僕ヤバ」は2019年12月に実写PVが製作されています。山田役を豊島心桜(とよしまこころ)、市川役を原田暖之介が演じています。 豊島は2003年生まれのモデル・女優で、『めざましテレビ』内「イマドキ」に「イマドキガール」の1人として出演中。原田は子役時代から活動している俳優で、2018年には子役として大河ドラマ『西郷どん』にも出演しました。 2023年4月現在、投稿されていたYou Tube動画は再生できなくなっていますが、作者のTwitterにて短尺ver.を観ることができます。

序盤はどうしても市川が痛々しいです。根っからの陽キャの人からしてみると、彼の言動を「気持ち悪い」と感じてしまうのかも。また、過去に市川と同じ病にかかった人ほど拒否反応を示してしまうというのもあるでしょう。 また、男子中学生の性に興味津々なところもリアルなので、ラブコメに下ネタは不要教の人からすると、やや下世話に感じてしまいそう。 ただ実際、何が1番気持ち悪いかというと、本作を読んでいるときの自分です。それほどニヤニヤさせてくれる作品なので、「気持ち悪い」という口コミもあながち間違っていないのかもしれませんね。

序盤は市川が山田を殺したいと妄想するなど危ない雰囲気が漂っていますが、すぐにニヤニヤできるラブコメが展開されていく本作。作中は基本的に市川目線で物語が進んでいくため、彼の妄想も読者は楽しむことができます。 しかし天然で行動の読めない山田は、市川の妄想の斜め上を行く攻め方で彼にアタックするのです。しかも作中では彼女の心境は語られないため、その言動の心意は読者も知ることができません。読者は市川と一緒になって、山田のギャップや可愛さに翻弄されることになります。 少しずつ距離が縮まっていく市川と山田ですが、その間には陰キャと陽キャの考え方の違いが立ちはだかることに。その違いから生まれる勘違いも、2人の恋のニヤニヤ度を上げてくれます。

市川京太郎は『僕の心のヤバいやつ』の主人公。150cm台と小柄で、片目を隠した髪型が印象的な人物です。彼はいわゆる陰キャで、クラスにも友人らしい友人はいません。クラスメイトの男子たちの幼稚な下ネタ会話に聞き耳を立てながら、横目で山田のグループを観察して休み時間を過ごしています。 殺人にまつわる猟奇的な本を愛読。放課後も人が滅多にこない図書室で過ごします。山田と交流する中で彼女に好意を抱くようになると、彼女の言動に振り回されていくことに。 彼は山田を助けるためにあえてヤバイ奴のポーズを取ることもありますが、根っからのお人好し。周りの気持ちを察して助けてあげようと動ける、心の優しい少年です。

山田杏奈はモデルとしても活躍しているスタイル抜群の美少女。彼女は学校でも有名人ですが、普段は仲の良い女子グループといつも行動しており、言い寄ってくる男子生徒とはそれとなく距離を置いています。 大人っぽい見た目と異なり、彼女はとにかくお菓子が大好き。校則違反のお菓子を毎日大量に学校に持ち込んでおり、よく人気のない図書室でお菓子を食べています。 性格も子供っぽいところが目立ち、喜怒哀楽が豊か。美人や可愛いという褒め言葉よりも、面白いと言われるのを喜ぶなど、少し変わったところがあります。 市川を意識しはじめてからの彼女は、かなり積極的な様子。最近は市川に照れる表情も増え、より一層魅力的なヒロインになっています。

終始山田の心情は描かれませんが、次第に市川へのボディタッチや思わせぶりな態度が増えていきます。はたから見ればかなり積極的な彼女ですが、市川は「彼女のようなハイスペックな陽キャ美人が自分を好きになる可能性なんてない」と信じ込んでいるのでした。 挙句の果てに彼は、決して手に入らない山田のことを嫌いになろうとする始末。それが原因で2人はすれ違ってしまいますが、仲直りの印として山田が市川をハグして丸く収まります。このとき季節は12月。イブに市川と一緒に過ごしたい山田は、さり気なく彼の予定を聞くのでした。 終業式の23日に山田は市川に以前貸した漫画の続きを持ってくると約束していましたが、わざと忘れます。それを口実に翌日の24日会おうと約束を取り付け、以前失敗した連絡先の交換に成功するのでした。

『僕の心のヤバイやつ』の印象的なエピソードを中心に作品の魅力を紹介しました。作中では山田が何を思っているのかが描かれませんが、彼女の喜怒哀楽の激しい表情は全力で市川への想いを語ってくれます。しかし肝心の市川は、陰キャかつ中2病な独特な解釈で勘違いをしてしまい……。 付かず離れずの距離感がもどかしくも愛おしい『僕の心のヤバいやつ』は、ニヤニヤできるラブコメを読みたい人におすすめの作品です。2023年4月現在「僕ヤバ」は最高に激アツな進展を見せる8巻まで発売されています。 アニメ化で注目を集めている「僕ヤバ」、読み始めるならいまです！