2021年1月22日更新

新劇場版「エヴァンゲリオン破」とTVアニメ版の違いを解説!新設定から見えてくるものとは【ネタバレ注意】

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「エヴァンゲリオン」テレビアニメ版と新劇場版「破」の違いは?【ネタバレ注意】

『新世紀エヴァンゲリオン』
©カラー/Project Eva.

1月22日の21時から、金曜ロードショーで新劇場版2作目『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』が放送されます。 新劇場版1作目「序」は、1995年のテレビアニメ版『新世紀エヴァンゲリオン』の大筋をなぞったものでしたが、「破」ではそれを“破る”ように唐突な新設定がてんこ盛りに! この記事では、「エヴァ新劇場版:破」とテレビアニメ版の違いを8つ紹介します。 ※本記事では『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』をはじめ、「エヴァ」シリーズに関するネタバレや考察の内容が含まれています。原作アニメ、コミック版、旧劇場版、新劇場版を未鑑賞・未読の方はご注意ください。

1.「破」から登場!謎の新キャラ「真希波・マリ・イラストリアス」

テレビアニメ版では一切登場しておらず、「破」の冒頭でいきなり登場した真希波・マリ・イラストリアス。EVA仮設5号機に初めて乗り込み、第3使徒を打ち破るなど、新キャラの突然の活躍に驚いた人も多いのでは? 真希波という名は、海上自衛隊のあやなみ型護衛艦7番艦「まきなみ」から、イラストリアスはイギリスの空母から取られているそう。イギリス出身で英語を話す場面もあり、ネルフのユーロ支部に所属しています。 年齢不詳で意味深な発言をし、好戦的で飄々とした性格のマリ。エヴァ開発者しか知らないような裏コード「ザ・ビースト」を使用したり、碇ゲンドウを「ゲンドウ君」と呼んだりと、あまりにも謎の多い人物です。

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2. 惣流・アスカが「破」で式波・アスカに変更される

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(エヴァンゲリオン)碇シンジ、式波アスカ
© Eleven Arts/Photofest/Zetaimage

テレビアニメ版の惣流・アスカ・ラングレーが、「破」では式波・アスカ・ラングレーという名で登場。テレビアニメ版ではEVA弐号機のパイロットで、セカンドチルドレンとして英才教育を受けた帰国子女でした。 しかし「破」では、ユーロ空軍大尉のエースパイロットとして登場しています。テレビアニメ版での過酷な生い立ちやトラウマ、加持リョウジへの憧れなどの設定が削られ、性格もよりクールに。シンジへの好意の見せ方は、惣流・式波ともに同じようなツンデレ具合でしたが! 式波の名前は、レイとマリ同様に海上自衛隊のあやなみ型護衛艦4番艦「しきなみ」から。エヴァパイロットの設定を変えたことと、パイロットの名前に整合性を持たせるために変更されたようです。同時に、メインキャラの名前が変わるくらい旧作とは別物であることを示すためだとか。

3. 3号機のテストパイロットがトウジからアスカに変更

第9使徒(テレビアニメ版では第13使徒)に乗っ取られ、シンジが乗る初号機がダミープラグに切り替わり、無残に破壊されてしまう3号機。アニメ版ではシンジの同級生・鈴原トウジがフォースチルドレンのパイロットに選ばれますが、「破」ではテストパイロットとしてアスカが3号機に乗り込みます。 「破」でアスカがテストパイロットに志願したのは、実験の日にレイがゲンドウとシンジの和解のために食事会を開こうとしていたため。レイがシンジに真剣に想いを寄せていることに気づいたからでした。 第9使徒と3号機の戦いは、シンジを精神的に追い詰める事件として、物語上で重要な役割を果たしています。

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4. 綾波レイがより感情豊かに!新たなエピソード「ゲンドウとシンジの食事会」

アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』綾波レイ
©ADV Films/Photofest/Zeta Image

ゲンドウとシンジの冷えた親子関係は、テレビアニメ版も新劇場版も同様。しかし「破」にはテレビアニメ版にはなかった、レイが企画する「ゲンドウとシンジの食事会」のエピソードが盛り込まれています。 レイはテレビアニメ版よりも感情が豊かになっており、明らかにシンジに好意を寄せている描写がありました。「碇君と一緒にいるとポカポカする。私も碇君にポカポカして欲しい」といった発言も。 ゲンドウとシンジを同じテーブルに招待して食事を振る舞うため、料理など無縁だったレイが懸命に練習している様子を、レイの指の傷で表現。2人に和解してほしいという真剣な想いが伝わってきます。 結局、食事会は3号機の事件によって消滅してしまいますが、新劇場版のレイがより人間らしい感情を持っていることを印象付けるエピソードとなりました。

5. 「破」では新しい使徒が登場!テレビアニメ版との違いとは?

テレビアニメ版と新劇場版では、使徒の順番が変わっています。それはすでに「序」から始まっていましたが、「破」では新たな使徒も出現。1体目は冒頭でマリに倒される第3使徒、2体目はアスカが撃破する第7使徒です。 この2体は、マリとアスカの実力をまざまざと見せつけるために登場したよう。アスカが乗る3号機を取り込んだ第9使徒は、テレビアニメ版では第13使徒であり、かなり順番が繰り上がっています。 そして、テレビアニメ版では第14使徒だった「ゼルエル」が、「破」では第10使徒として登場。第14使徒のゼルエルは初号機の暴走によって捕食されてしまいますが、第10使徒のゼルエルは「最強の拒絶タイプ」として大幅にリメイクされています。 こういった使徒の順番や新たな使徒の登場も、テレビアニメ版と新劇場版との「別物感」を演出する上で重要な役割を果たしているようです。

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6. アニメ版ではループし続けていたS-DATが、新劇場版でついにその先へ!

テレビアニメ版と新劇場版、両方に登場するシンジの重要なアイテムである携帯音楽プレーヤー「S-DAT」。彼が外界を拒絶するようにずっと聴いているものですが、テレビアニメ版では25曲目と26曲目をループし続けていました。 しかし「破」では、シンジとマリがぶつかってS-DATが壊れ、27曲目が再生されているのです!さらにその次の「Q」では、壊れたS-DATをカヲルが修理し、なんと28曲目に突入。 テレビアニメ版で25から26曲目をリピートしていたのは、そのままテレビアニメ版25話と26話を意味していたのでしょうか?「破」ではマリ、「Q」ではカヲルと、シンジにS-DATを手渡した時を境に、新劇場版は新しい世界線に突入しているようにも思えます。 「Q」のラストでS-DATを拾ったのはレイ。完結編で今度はレイがシンジにS-DATを手渡し、さらなる新世界へ向かうのでしょうか?

7. 加治がゲンドウに渡すアイテムが「アダム」から「ネブカドネザルの鍵」に

「破」の劇中、加持リョウジが碇ゲンドウに秘密裏に渡した「ネブカドネザルの鍵」。テレビアニメ版では、加持が渡したのは第1使徒「アダム」でした。なぜアダムから、ネブカドネザルの鍵という新要素に変更されたのでしょうか。 新劇場版の世界では、魂が保管されているとされる「ガフの扉」という概念が登場します。加持はゲンドウに、この鍵が「神と魂を紡ぐ道標」だと語っていました。 ネブカドネザルの鍵とは、ガフの扉を開く鍵だと考えられます。ガフの扉を開くということはインパクトを起こすこと。つまり、インパクトを引き起こすための鍵だったのです。「扉」を開くには「鍵」ということでの変更だったのでしょうか。

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8. 初号機覚醒のトリガーが違う!量産型は登場せず、よりドラマチックに

『新世紀エヴァンゲリオン』画像
(c)カラー/Project Eva.

テレビアニメ版の完結編である旧劇場版では、量産型の攻撃によって覚醒した初号機。 一方、第10使徒「ゼルエル」が零号機をレイごと取り込んでしまい、レイをゼルエルから救い出そうとしたシンジがサードインパクトを引き起こしてしまうのが、「破」のクライマックスです。 テレビアニメ版・旧劇場版と新劇場版の大きな違いは、ここにあります。アスカにしても、レイにしても、人の想いをことの外大切にしている点。特にシンジは、レイへの想いだけで初号機を覚醒させてしまいました。 人の想いが人類を滅ぼすインパクトのトリガーになるとは、実に皮肉な展開です。

テレビアニメ版と新劇場版の分岐を担う重要な作品「破」

新劇場版2作目「破」は、テレビアニメ版との重要な分岐点となる作品であり、旧作とは別物であることがよくわかりました。この記事では紹介しきれなかった細かい違いはまだたくさんあり、それぞれが今後の展開への考察のポイントとなっていることは確か。 「破」のテレビ放送の次週1月29日には、新劇場版3作目「Q」も放送されます。新劇場版の完結編が公開する前にしっかり予習復習しておきましょう!