2021年12月28日更新

漫画『王様ランキング』のあらすじをネタバレ解説!不器用で愛おしい登場人物たちも紹介

『王様ランキング』は2017年に連載を開始したweb漫画作品です。連載開始からまもなく「次にくるマンガ大賞2018」にノミネートし、2021年10月にはテレビアニメの放送も開始しました。 本作の魅力は、なんといってもあたたかい登場人物たちです。この記事では『王様ランキング』のあらすじをネタバレありで解説して、さらに登場人物も紹介していきます! ※この記事は2021年12月現在までのネタバレを含みますので、読み進める際は注意してください。またciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。

漫画『王様ランキング』の世界観って?

舞台は剣や魔法、魔物や呪いの存在する中世ヨーロッパのような世界。この世界には、各国王に順位を付けた「王様ランキング」が存在していました。 ランキングは「協会」が王様の強さや民の幸せ度合いといった項目を調査し、評価したもの。ランキング上位にいる王様ほど、素晴らしい君主ということになります。 ボッス王国の王子ボッジは体が小さく、短剣すらまともに振れないほどに非力でした。かつ彼は耳が聞こえず言葉も話せません。周囲から次期王の器ではないと陰口を叩かれ、彼は空しい日々を過ごしていました。 しかし心を伝え合うことができる唯一の存在カゲとの出会いをきっかけに、ボッジは前を向いて進みはじめます。王様ランキング1位を目指す、彼の強く優しい成長物語が始まるのでした。

【ネタバレ】第1部完結までのあらすじ

【1巻】カゲとの出会い

作中の世界では、各国の王様がランク付けされる「王様ランキング」という制度があります。ランキングには、騎士団の強さや王様自身の強さが大きく影響します。しかしボッス王国のボッジ王子は、非力で言葉も喋れなければ耳も聞こえない、特殊な王子です。 民衆はもちろん兵士でさえも、彼をバカにして蔑みます。出来のよい弟ダイダの実母であるヒリング王妃からの扱いは、特にひどいものでした。 そんななか彼は、盗みを生業とするカゲと出会います。はじめは高価な服などを簡単に手放すボッジを、カゲもバカにしていました。しかし笑顔を絶やさない彼が、自室で泣いているのを見て考えを改めます。 ボッジは読唇術を身につけており、自身への嘲笑を理解していました。それでも立派な王になるため、辛い日々を笑顔で耐えていたのです。 ボッジから高価なモノを巻き上げるのが簡単なのも、日陰者に手を差し伸べるためだと気付いたカゲ。こうして彼は、ボッジの味方として支えていくと決めたのでした。

【2,3巻】ボッジの旅のはじまり

父であるボッス王が亡くなって、王座をダイダに奪われたボッジ。ダイダの指南役であるベビンにカゲも捕まり、強くなるための旅立ちを決意します。護衛役を任されたのは、師匠であるドーマスと兵士のホクロです。 順調な道のりの中、突如ドーマスがボッジを炎渦巻く谷底へ突き落としました。死んでしまうかに思えたボッジでしたが、リュックからクロスボウが射出され助かります。彼を助けたのは、リュックに忍び込んでいたカゲでした。 こうして友との再会に号泣し、2人の旅が幕を開けたのです。 カゲの進言により、2人は「平凡な男を最強にする人物」のもとを訪ねます。王様ランキング2位のデスハーは推薦状を読み、大激怒。カゲが探していたのはデスハーではなく、弟のデスパーでした。 お金を支払いデスパーの弟子となったボッジは、「父のような豪傑は無理でも強くはなれる」と聞き修行に励みます。

【4,5巻】父ボッスの復活!ダイダが乗っ取られる?

一方のダイダは、魔法の鏡の助言によって父の力を手に入れるためある儀式をおこなっていました。しかし寸前で思い直した彼は、自分の力で王様ランキング1位になるよう改心します。 しかし魔法の鏡の正体であるミランジョとアピスは、ダイダを椅子に拘束し無理やり儀式を完了させてしまいました。実はこの儀式、力を継承させる儀式ではなく、死人を転生させる儀式でした。 ダイダは口を開き「また息子を犠牲にしたか……」と語ります。ダイダのなかに、前国王のボッスが転生を果たしたのです。 息子を犠牲にして生き返ったボッスに、王妃のヒリングは大激怒。裏ではボッジも愛していた彼女は、ホクロを死刑に処すこと、夫と争いダイダを取り返すことを決めます。 その頃、ボッジは修行を終了していました。フェンシングの剣のような細剣を武器にした彼は、デスパーとの修行によって世界で1番強い男になっています。そして強くなった彼は、さまざまな思惑が渦巻くボッス王国への帰還を決意するのでした。

【6,7,8巻】ボッス王国の危機!

ボッス王国は、史上最大の危機に見舞われていました。 冥府から逃げ出した強者の罪人6人が、ボッス王国に入り込んだのです。国王であるボッスは捕われ、ミランジョはそれを静観。6人の罪人は誰が王になるかを話し合っていました。1人の男が玉座に座ると、オウケンという男が残虐な方法で殺してしまいます。 魔物に囲まれ大ピンチのヒリングがもうダメかと思ったそのとき、彼女を助けたのは帰ってきたボッジとカゲでした。感動の再会に涙する2人ですが、事態は一刻を争います。 冥府への門を破壊するため動いていたドーマスとホクロは、冥府の王デスハーと出会います。彼と一騎打ちをするも、ドーマスはまったく歯が立ちません。しかしデスハーは本気を出していない様子で、自分たちの要求は「6人の罪人とミランジョの首だけ」だと告げました。 正気とは思えないオウケンは、国に訪れたデスパーによって倒されました。彼はデスハーとデスパーの弟で、もともとは心優しい青年だったと言います。しかし「不老不死」の力に目覚めた彼は、心を失ってしまったのです。 こうして6人の罪人を連れ、デスハーは冥府へと帰っていったのでした。

【9,10,11巻】ミランジョの過去が明らかに

すべての元凶であるミランジョは、優秀な魔法使いが住む国ホウマの住人でした。ホウマに訪れたのが、若かりし頃のボッスです。 ボッスは誤ってミランジョの父を魔法で殺してしまいます。しかしミランジョの母は非常に優しい人物で、ボッスの深傷を治してくれたのです。そして彼は罪を償い恩に報いるため、ミランジョの成長を見届ける決意を固めたのでした。 当時のホウマは、神の国との戦争真っ只中でした。ホウマと手を組みともに戦っていたのが、隣国のギャクザです。しかしギャクザが突如裏切り、ホウマは滅んでしまいます。ギャクザはホウマの住民を大量虐殺し、ミランジョの母も殺されてしまいました。 ミランジョ自身は命こそ助かったものの、顔の皮を剥がれ手足を切り落とした状態で晒される仕打ちを受けることに。そこで彼女を救出したのが、ボッスでした。 もとは心優しかった彼女も、壮絶な過去によって心を壊してしまっていたのです。そしてそんなミランジョと強さを追い求めたボッスには、確固たる絆が存在したのでした。 オウケンを封じたボッスは、王国四天王やボッジに「忠誠を誓えば命を助ける」と告げます。しかしボッジを王と認めた四天王は、ボッスに武器を向けました。

【12巻】ボッジとボッスの戦い

四天王より先にボッスに攻撃を仕掛けたのは、ボッジでした。オウケンとは相性が悪かったものの、ボッスに対してはしっかりとダメージを与えていきます。そして彼は、ついに父であるボッスに勝利したのです。 勝利はしたものの、ダイダを取り戻すにはミランジョの鏡を割るしかありません。ボッジは負い目を感じながらも、鏡を割ります。 ボッスも倒れ、天に登ろうとする2つの魂。しかしミランジョは魂を鏡に移す代わりに、死亡した際は魂を魔神に渡す約束を交わしていました。突如魔神が現れ、ミランジョの魂を食ってしまいます。 デスハーとデスパーは魔神の首を切り落とすことに成功し、交換条件に1つの願いを叶えてもらうことに。オウケンをもとに戻そうとする2人ですが、横から「ミランジョを生き返らせてくれ」とダイダが叫びます。 永遠の苦しみに絶望するミランジョ。そんな闇を割って現れたのは、ダイダとボッジの兄弟です。彼女は手を引かれ、生き返りを果たしたのでした。 危機も去り、平和を取り戻したボッス王国。ボッジは歓迎される王になったにも関わらず、王座をダイダに譲ってしまいます。彼は再び、カゲと共に旅に出ると決めたのでした!

個性豊かなキャラクターを紹介

ボッジ

ボッジはボッス王国の第1王子で、本作の主人公。父王とは異なり非力で重いハンデを背負っているため、周囲の視線は冷たいものでした。耳が聞こえないボッジは、周りの人がどんなに言いたい放題でも、ずっと微笑んでいます。 カゲと出会った際にはだまされて服をすべてあげてしまい、笑われながら裸で街中を歩くことに。一見とても王にふさわしいとは思えない人物ですが、次第に心身ともに成長していきます。

カゲ

カゲはボッジの親友である影のような見た目の生き物。「影の一族」と呼ばれる暗殺集団の生き残りで、現在は盗みを生業にしています。 ボッジと出会ってからは、彼の素直な性格につけこみ、衣服などを巻き上げていました。彼にとって、ボッジははじめ、単なる都合のいいカモでしかなかったのです。

ヒリング

ヒリングはボッス王国の王妃で、ボッジとダイダの母親です。見た目よろしくきつい性格で、ヒステリックな言動もしばしば。ダイダは実の子ですが、ボッジは前王妃の子であるため、義理の息子にあたります。 ボッス王が亡くなった後、遺言ではボッジが王となるはずでした。しかしヒリングは王の遺言を無視して、弟のダイダを王にします。母親にとっては、実子が1番可愛いということでしょうか……。

ダイダ

ダイダはボッス王国の第二王子で、ボッジの弟。文武両道で大人も顔負けなほど剣術に秀でています。 非力な兄よりも背が高く力も強いダイダは、王としての期待を受け、厳しく育てられてきました。そのせいか、長男ボッジを妬ましく思う、屈折した一面も。ついにはボッス王の遺言に背き、兄ボッジを差し置いて次の王へと即位します。

ボッス

ボッスはボッス王国初代国王であり、ボッジとダイダの父。 巨人族の戦士でしたが、魔物から村を1人で救ったことで王国を築きます。巨人族のなかでも特に力の強い豪傑で、王様ランキングは7位。病に倒れ、次の王としてボッジを指名した後、息を引き取りました。 しかしボッスの強さは、実は魔神との契約によって得たものです。彼は強さと引き換えに、自分の寿命と子どもの力を犠牲にします。ボッジが非力なのは、父ボッスの魔神との契約のせいだったのです。

ミランジョ

ミランジョは正体不明の謎の女。肉体を持たず、普段はダイダの持つ鏡のなかに精神を宿しています。国王ダイダの相談相手を務め、王国を陰から操っていました。 ついにはダイダの肉体を乗っ取り、ボッスの意識を復活させます。ほかにもヒリングを暗殺しようとしたり、冥府の国の罪人たちを解き放ったり、ボッス王国を滅ぼそうとしました。数々の計略を企てた、一連の事件の黒幕です。

ドーマス

ドーマスは王国四天王の1人で、「ソードマスター」と呼ばれる剣の達人。騎士団の剣術指南役のほか、ボッジの教育係も務めています。しかし非力なボッジでは剣を使いこなせないと考え、放任状態にしていました。 一方でダイダの剣の才能には惚れこみます。国王の座に就いたダイダから、ボッジ暗殺の命を受け、彼を崖から突き落としてしまいました。

ベビン

ベビンはドーマスと同じ王国四天王の1人で、「蛇使い」の異名を取っています。多くの蛇を使役しており、諜報任務が得意です。 目つきも悪く無愛想ですが、非常に情に厚い性格をしている彼。多くの人物がダイダに肩入れするなか、ダイダの教育係である彼はボッジのこともしっかりと評価していました。 ボッジの師匠であるデスパーに習っていた経験があり、王になれずボッジが旅立つ際は、カゲにデスパーへの推薦状を託しています。

アピス

アピスもドーマスやベビンと同じ王国四天王の1人で、「王の槍」と呼ばれています。長槍を使う人物で、主に王の護衛を務めていました。 もともとは臆病な性格だった彼ですが、ミランジョの言葉で自信がつき急成長した過去があります。過去の出来事からボッスとミランジョへの忠誠心が異常なほど強く、ミランジョから目的を聞いた際には早々に寝返りました。しかし心の底では、ボッジに好感を抱いています。

デスパー

デスパーは冥府の王であるデスハーの弟で、ボッジの師匠です。お金に目がない性格をしているものの、育成する力は本物。過去にはベビンを指導していた経験があり、ボッジも強い男に育てあげました。兄とは違い整った顔立ちをしており、女性からもモテます。 彼の目的は、人間ではなくなってしまった末弟オウケンの復活です。

『王様ランキング』の心に残る名言

「俺はこれからどんなことがあってもお前の味方になりたいんだ」byカゲ

カゲが言った「俺はこれからどんなことがあってもお前の味方になりたいんだ」というセリフ。ダイダとの試合に敗れ、人知れず泣くボッジを励ますシーンでのことです。 カゲに褒められ嬉しくなったボッジは宝箱を差し出しますが、カゲは受け取りを拒否。代わりにこのセリフを伝えて部屋を後にします。最大の味方ができた心強さに、ボッジは大粒の涙を流しました。

「お守りは本来ね『守ってもらうもの』ではなく『大事に守ってあげるもの』」byヒリング

ヒリングは王となったボッジに、「お守りは本来ね『守ってもらうもの』ではなく『大事に守ってあげるもの』」という言葉を伝えています。 ヒリングいわく、ボッジにとっての「お守り」はカゲです。彼女は息子に、カゲを守ることが結果として自身を守り、自分を強くすることになると教えました。厳しくも愛情深い母親である彼女らしさがよく表れた言葉です。

「迷わず今、やるべき事に集中しよう!うおーーーーーっ」byドーマス

ボッジが生きていることを知ったときのドーマスの言葉です。彼はボッジが生きていたことに安堵しますが、同時に彼の逞しさを知って、過去の過ちを悔やみます。 しかし頭を切り替え、同じ過ちを2度と犯さないように前を向くドーマス。これまでの分もボッジと国に貢献するために、いっそう腕を磨こうと気持ちを奮い立たせるのでした。

「あなたは王様になるのでしょ?自ら決断し、実行しなくてはなりません」byミランジョ

ミランジョの野心は、ボッジたちの手で阻止されます。最後に彼女は、鏡を割ればミランジョの魂は永遠に魔神のものとなり、ダイダはもとの身体に戻ることができるとボッジに教えました。 ミランジョを殺すことにボッジは一瞬戸惑いますが、そこに彼女が一言声をかけます。この「あなたは王様になるのでしょ?自ら決断し、実行しなくてはなりません」には、彼女の覚悟が込められていました。 ちなみにこの後ボッジは魔神に頼んで、ミランジョを生き返らせます。そして生き返ったミランジョに、ダイダがプロポーズするのです。

「できれば自分の全てを愛しなさい」byデスパー

ボッジを語る上で欠かせないのが、彼の師匠デスパーの一言です。彼はボッジの非力さを逆手に取り、隠れた才能を開花させていきました。そこで彼がボッジにかけたのが、「できれば自分の全てを愛しなさい」という言葉。 デスパーは、自身のハンデはむしろ長所となり得ると説きます。そしてその経験は必ず自分の力となるとして、ボッジにこの言葉を贈りました。デスパーの教えを受け、ボッジは飛躍的に成長していくことになります。

ボッジの今後は?『王様ランキング』新章に期待!

12巻で第1部が終幕し、『王様ランキング』は新章に突入しました。王座を弟に譲り旅に出たといっても、ボッジの目標は変わらず王様ランキング1位を獲得する立派な王様になることです。 タイトルが『王様ランキング』であることを考えても、彼が返り咲く可能性は極めて高いでしょう。ボッジの旅はどのような結末を迎えるのか、王様ランキング1位になれるのか。今後の展開に注目です!